張られた罠          



「あら、困ったわ…」


ロイの机に残された書類を手に取り、ホークアイ中尉がそう呟いた。


「どうかしたんすか?中尉。」
「大佐ったら、会議に使うはずの書類を忘れてしまったみたいで…少尉、届けてくれる?」

お安い御用!とハボックが席を立ち上がる。
そろそろサボりたいなぁ〜と思っていた所だ。届けてそのまま昼寝でもしようかな。

『時間がかかった』と怒られても大佐を探してその後手伝ってた、といえば誤魔化せる。


あの人にもそう口裏あわせをお願いしておかなきゃな。

な〜に、ちょっとあそこを撫でてやれば俺の意のままに扱える。



ハボックは書類を手にオフィスを後にし、ロイが向ったと思われる会議室に向った。

確か…第5会議室…だったよな…




「コンコン…失礼します〜大佐、あ、いやマスタング大佐いますか??」

やけに暗い部屋のドアを開け、中に入る。
おかしいぞ…?何だってこんなに静かなんだ…?

上層部が勢ぞろいする会議だって伝令があった筈だが…




「あれ??黒猫じゃなくて金色の犬が来たよ??大総統。」
「それはおかしいな…?私はマスタング大佐を呼び出した筈だが…?」


部屋の奥から二つの人影が揺らいでいた。
僅かな光を頼りに眼を細めその人物を確かめる。


「な…?大将と…大総統閣下!?」
「久しぶり!ハボック少尉。何でこの部屋にあんたが来たのさ。」

部屋の奥にある机にちょこんと座って入り口付近に立ち尽くすハボックを笑いながら見つめている。
その後ろには隻眼の独裁者がエドの髪を指で絡めながら立っていた。

「何でって…大佐が忘れた書類を届けに…」
「あぁ、会議の書類か。それはご苦労。だが大佐はここには来ていないようだな。」

どうやら気配を察して逃げたらしい。抜け目のない奴だ。


くくっと笑うその顔は、ハボックの背筋をひやりとさせた。

こいつは不味い所に飛び込んだか??早くここから離れなければ…
本能が最悪の危険を感じ、ハボクは後ろ手にドアノブを掴み逃げる体制と取り始めた。


「大佐がここにいないのなら、俺の用はありませんので…」

ガチャッとドアを開ける。あと一息だ…

ここから逃げなければ…




「私から逃げられると思っているのかね?少尉…」


一体何時自分の背後に来たのか…
隻眼の男がドアノブを握るハボックの手を掴み、後ろ手にねじ上げた。

「やっいたたた!!何すんですか!!」
「捕まえた?金色の野犬。」
「何いってんすか!大将!放して下さい!」


どんっ!と身体を壁に叩きつけられ、顔を思いっきり壁にぶつけた。
締め上げられた腕は更にその強さを増し、痛みにハボックの顔が歪む。

「フム…中々良い顔をする…どうするかね?エドワード。」
「勿論、わかってんだろ?」

バン!とハボックの目の前の壁に拳を叩きつけ、ハボックの顔にその金色の瞳を近づけた。


「主人の猫が逃げたなら、忠犬のあんたがその責任を取れよな。」
「な!何馬鹿な事言ってんすか!大将!何で俺が大佐の責任を取るんすか!」

喚きながら何とか自由になろうと体を動かし抵抗する。
その度にギリッと腕を締め上げ、痛みに思わず悲鳴を上げる。


「クスッ…いい声。猫より犬の方がいいかも…」

何で?と言う顔でエドを睨みつけるハボックにエドはゆっくり顔を近づけた。
顎を掴み固定させ…その唇を奪う…

「ふっん…」
ぴちゃぴちゃと舐め取る様な口付けをかわし、ハボックの中の欲望を誘い出す。
その反応の良さにエドとブラッドレイは眼を合わせ、黒く笑い合う…


「主人同様、いい声で鳴けよ…」



そのまま床に寝かされ、エドが馬乗りに押さえつける。
黒い上着を脱ぎ、パンと両手を合わせると、床に手を着きそこから手錠を錬成した。

それをハボックの両手にはめ、身動き出来ないよう拘束する。

「大将!!止めて下さい!俺はこんな趣味ないっすよ!」
「知ってる。大佐の上に乗る方なんだろ?たまには乗られてみるのも悪くないよ?」

大佐はネコだから、誰にだって足を開く。
俺でも、大総統でも、少尉でも。他にも上層部との会議の時は大勢を相手にするそうだ。

「乗られ慣れてる大佐を相手にするのも、そろそろ飽きてきたからね。こういうのも新鮮でいいかも。」
そう笑いながら、右手の機械鎧を剣に変え、ハボックの軍服のボタンを切り裂いていく。

プチン、プチンと音を立てる度、ハボックの顔から血の気が引いていく。
冗談じゃない!俺はタチなんだぞ!
しかもこんな子供の豆に犯されるなんてゴメンだ!


「今豆って言ったな…」


な、聞こえてたんすか!?

ハボックは何も言ってないと首を大きく横に振った。
だが『豆』に反応したエドを止める術はない。

ズボンのベルトに剣を突き立て、一気に引き裂く。その行動に躊躇は全くない。
露になった下腹部に左手を添え、その形を確かめる。

「ひっうああ、た、いしょう!止め…」
「流石にでかいな。身体に比例しているのか。ならこっちの孔もさぞかし突っ込み甲斐があるだろうな。」

グッと両足を広げ、曝け出された秘所に指を立てる。
ずぷっと中指の第一関節までを入れると、ハボックの身体が弓なりに反れ、ビクビクと身体が痙攣し始めた。

くいっと指を中でかき回しただけなのにハボック自身の先からビュッと白い液体が飛び散った。


「なんと…指を挿れただけでイッてしまったのかね…?」
「随分堪え性がないな。大佐とは大違いだ。」

ハァハァと荒い息をつきながらエドを睨みつける。

当たり前だ!俺は初めての経験だぞ!
経験豊富な大佐と比べるな!


「もう充分でしょう!俺じゃ楽しめませんから!もう放して下さい!!」

涙目で訴えて身をよじる。その姿は本人はよく分かっていなかったが…


エドとブラッドレイの欲望を充分に満足させる姿だった…


「エドワード、上は私が貰うぞ。」
「いいよ。俺は下から攻めるから。」

何の話をしているのか一瞬で理解したハボックはとっさに逃げ出そうと身体を起こす。
とたんに手錠に引き戻され、床に頭を打ち付けた。

ぐるりと身体を回転させられ、前髪をつかまれ上を向かされる。
そこには隻眼の悪魔が薄笑いを浮かべ、ハボックの震える唇に指を絡ませていた。

ぐぶっと親指を口の中へと押し込んでいく。
ハボックは否応無しにその指を舌で舐め、独裁者への忠誠を示さねばならなかった。

その間にもエドがハボックの秘所を指と舌で執拗なまでに攻め立てる。


体の奥から突き上げる快楽に戸惑いながら、今ある現実から眼を閉じた。




「眼を閉じた所で現実を感じない訳には行くまい…」

そう言い放つとハボックの口にブラッドレイ自身を突き入れた。
と、同時にエドも己を後孔にあてがい、一気に奥へと前進した。


「!!!!」
声にならない悲鳴を上げ、前後から来る刺激と痛みに耐える。
両手はガクガクと震え、エドが腰を持っていなければ崩れ倒れていたかもしれない。

「締め付けはいいね。さすが使われてないだけある。そっちはどう?少尉の舌技、上手い?」

パンパンと腰を打ちつけながらまるで玩具を見定めるかの様に問いかけるエドに、ハボックは恐怖すら感じていた。

「そうだな。大佐に比べるとまだまだだが…」
中々いい素質を持っているよ。この忠犬は。

そう言ってハボックの髪を優しく撫でる。
その口元に己を激しく打ち込みながら。


何で俺がこんな目に…
本来だったら大佐が二人の生贄になる筈だったのに…


悔しさと情けなさに涙が零れ落ちる。
それが二人の嗜虐さを助長するアイテムである事をまだ分かっていない。


「ふっぐぅうう…」
ハボックの口の中でドクンと大きく脈打ったかと思うと、大量の精液が咥内を汚していった。
余りの突然の事で、思わずむせってしまい、全部を飲み切る事は出来なかった。

ハァハァ、と息をつき、ブラドレイを恨めしそうに見上げる。
口端から流れ出る白いすじをブラッドレイの指がそっと拭った。

「ククッ、いい眼だ。私の可愛い黒猫と同じ眼をしている。」
主人共々、私を楽しませる…いい部下を持ったものだ、マスタングよ…


顎を持ち上げ、まだ己の液が残っている唇をそっと塞ぐ。
最初は優しく、次第に激しくその咥内をかき回す。
ようやく離れた時、ハボックの後方ではエドが最後の時を迎えようとしていた。


「あぁ、もう最高!少尉の中、本当に気持ちいい!」
「少尉もそろそろイキたいだろう?さっきのじゃ物足りないはずだぜ?」

そう笑いながらハボックの揺れる陰茎に手を伸ばし、己の動きにあわせて擦りあげる。
ハボックはもう両手で自分を支えられなくなり、頭を床に押し付けるような格好になってしまった。

そう…エドに尻を突き出すような…


「何、少尉。俺を誘ってるの?」
「ちがっ…はっう…」

ぎゅっと急所を握られると出したくもない喘ぎ声を上げてしまう。
あぁ、大佐もこんな声をよく出してたな…

まさか自分があげさせられるとは思っても見なかった…


ズッ、ズッと勢いを増してハボックの後ろを攻め立てる。
同時にハボック自身も擦りあげ、絶頂の時を迎えさせる。

奥に突き上げられる度に淫猥な声を上げ、エドとブラッドレイを満足させていく。



いい声で鳴け


その命令をハボックは忠実にこなしていく。



「はっあああ!!もう…許し…て…」
「いいよ…俺ももう限界。開放してあげるさ。」


ググッと奥へと突き上げると一端そこで止まる。
中でドクンと震えると、エドの身体に見合わず大量の液を注ぎ込んだ。

だがハボックはまだイッてない。
そのもどかしさに思わず腰を動かしエドを誘うような仕草をしてしまった。
既にエドの精液で中はぐちゃぐちゃの状態。エドはにやりと笑ったがハボックには見えなかった。


「ふ〜ん、まだ足りない…?どうする?大総統。」

ふっと視線をブラッドレイに向けると、ブラッドレイはにっこり笑って机の上に置いておいたサーベルを抜きハボックに近づいた。

さっと振り下ろし、拘束していた手錠の鎖を切り裂く。
自由になった筈なのに、ハボックは逃げる事は出来なかった。

逃げる気力も、抵抗する気力もすでに失われ、あるのは迫り来る快楽だけ。


早くこの疼きから開放されたい…早くイって楽になりたい…


その思いで身体中が支配されていた。


ブラッドレイがそのままは僕の両肩を抱き、ぐっと身体を起こさせる。
エドがずるっと己を引き抜き、所有権をブラッドレイに引き渡した。

傍に引き寄せたハボックを優しく抱きしめると、その目尻の涙に唇を落とす。
その舌の感触に顔を歪ませ耐えるその表情を、ブラッドレイは事の他満足していた。


マスタング同様、いや、あやつよりもよい表情をする…


「気に入った。これからはお前も大佐同様可愛がってやろう。」
そう言いながらハボックの両足を抱え、自分の上に落とす。
ズブズブと巨大なブラッドレイ自身を咥え込み、下腹部の違和感に内臓が悲鳴を上げた。

「あっあああ…」
背中を反らし、その快楽を迎え入れる。
全てを埋め尽くしてから、ブラッドレイはハボックの腰を持ち上げ、ゆっくりと上下に落としていった。
ズッ、ズっと肉壁を擦る卑猥な音が、ハボックをどんどん狂わせていく。
いつしかブラッドレイの首に腕を回し、その唇に自ら吸い付き舌を絡め始めた。


「へぇ、その気になったよ。上司もそうだけど、部下も結構淫乱なんだな。」

そういいながらブラッドレイに弄ばれているハボックの背後に近づき、後ろから自身に手を添える。
ビクッと身体を震わせ、エドから与えられる刺激にキュゥッとブラッドレイ自身を締め上げた。

「はっああ、も、イか…せて…」
ブラッドレイの腕を掴みながら涙目で、頭を振って訴える。
エドもブラッドレイもにやりと笑いながらハボックの腰を二人で掴んだ。


「イかせてあげてもいいけど、俺も気持ちよくなりたいからさ。」


グイッとハボックの後孔を押し広げ、エド自身も押し込んでいく。


「うぁあああ!!!」
「くっ、流石にきついな。ほら、息はいて。力抜けって。」
「ム…リ…はっぁあ!!止め…」


止めていいの?早く楽になりたいんだろ?

そう耳元で囁き、ブラッドレイの動きにあわせてエドも抽挿を繰り返す。



ハァハァと言う息遣いが部屋中をこだまし、淫猥な音があたりを包み込む。



一際高い喘ぎ声をあげると、ハボックは激しく痙攣してそのまま絶頂を迎えた。

ぐったりしているハボックを横目に、ブラッドレイもエドもその動きを止めなかった。

「やっ…ハァああ…もう…ダメ…」
「まだまだ。私は満足などしておらんよ。」
「俺も!まだ一回しかイッてない。大佐はもっとさせてくれるよ?」


なんてこった!大佐と一緒にするな!


訴えても受け入れてくれる事はなく…



ハボックは二人が満足するまでその欲望を注ぎ込まれ続けた…








「ハボック…大丈夫か…」


声をかけられ、眼を開けると、そこに知った顔が覗き込んでいた。


「た…いさ…?」
「気になって戻ってみたら…すまない、私の身代わりになってしまったようだな。」

ゆっくり辺りを見回すと、もうあの二人は何処にもいなく、代わりに開いた窓と、ソファに寝かされた全裸の自分と
その傍に跪いてるロイがいた。
あぁ、そうか…俺、途中で気を失ったんだっけ…


心配そうに見つめるロイに、ハボックは溜め息をついて身体を起こした。

「あんた…いつもあの二人を相手にしてるんですか…」
「なるべく気をつけてはいるんだがな。時々張られた罠にかかる時もある。」

そういや時々何もないのに早退する時があったっけ。
俺はまたサボりかデートだって思ってたけど…


「…この借り、高いっすよ…大佐…」
「覚悟してるさ。今度埋め合わせする。」
そう言いながらそっとハボックの額にキスを落とす。
そして「もう少し寝てろ」とハボックの隣に腰を下ろした。



こうして静かな時間を過ごしている間も次なる罠が張り巡らされている。



隻眼の魔王と無邪気な悪魔に魅入られた二人。




果たして次は逃げる事が出来るだろうか。




それはまだ誰にも分からない…
   

End…?
 

            





猫娘さん主催の「ハボ総受け祭」に投稿した作品です。

あ、いえ、私ハボ受けではありません。(汗vv)
これもあくまでハボロイ前提のブラエドハボです!(苦笑)

「書くよ〜」と約束したので書いてみました!ハボ受けSS。
う〜ん、ロイと違って淫乱じゃないから転がしにくいでしたわ。
でもエドと閣下が素敵にリードして下さいましたから。

魅入られたハボック。さぁ、逃げる事は出来るのか?
ロイとの穏やかな時間を過ごす事は出来るのか!

猫娘さんのコメントに「是非ブラエドハボロイを」とありました。

4Pですか!?猫さん!?
そうなったらロイ総受けでしょうね〜
そしてロイが気を失ったところでハボにターゲットが移ると…

ぷっ!面白いぜ!(でも書けないよ〜)

素敵な作品がいっぱいのハボ総受け祭。是非覗いて見て下さいませ!


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