Here is my paradise
初めてお会いしたときには、本当に驚いた。
だって、背は高いし、体格はがっしりしているし、ハンサムだし。
髪の毛が茶色なのは紐育では珍しい事じゃない。瞳の色も。
でも、プラムと共に案内された部屋で初めてお会いしたとき…
「吉野杏里と申します。よろしくお願いします」
そう言って会釈した後に見上げたサニーサイド様の顔は。
クールそうな物腰が嘘のように優しくて素敵だった。
「にゃうん!さ、サニーサイド様…どうしたんですかぁ」
わたしが売店の売り子になると決まったときに衣装や髪型についてプラムに相談していると。
いつの間にか背後に居たサニーサイド様に髪の一房をつままれた。
「どうせなら簪だけじゃなく、こっちにも何か工夫が欲しいな。プラム、何かないかい?」
「そうねぇ…どうせなら結んでみたらどうかしら。こんな感じに」
プラムは言いながらサニーサイド様のつまんだ髪を器用に編んでくれる。
「どう?こんな感じで。可愛らしいと思わない?」
「ど、どうですか?サニーサイド様…」
プラムに鏡を見せられながらサニーサイド様の様子を窺うと。
「いいね、上出来だ。よく似合っているよ。可愛い可愛い」
ぽんぽん、と頭を叩かれて頬が赤くなる。普通の男の人にこんな事をされたらムッとするけれど。
サニーサイド様にそう言って頂けたのが嬉しくて、わたしは結んだ髪をお気に入りの髪留めで止める事にした。
シアターの売り子として働くようになって、わたしの世界は一変した。
人見知りで、内気だったわたしが毎日のようにたくさんの人と話すなんて!
当たり前だけど、シアターのお客さんには男の人もいる。
…男の人は苦手。でも、サニーサイド様だけは何故か普通に話せる。
わたしとは年齢が倍くらい離れている方だけれど、そんなのを気にしないほど気さくに話しかけてくれるし。
洋裁が得意だと言ったら大層喜んでくださって、ミュージカルの衣装のデザインや縫製まで任せてくださった。
売り子以上の大役に目を丸くしていると、おどけた調子でわたしを笑わせて緊張を解してくれる。
「杏里が真面目で頑張り屋なのはわかっているからね。マイペースにやっていけばいいさ」
「はいっ、がんばります!」
サニーサイド様は、わたしの三つ編みが気に入っているらしい。
わたしと話すときはよくつままれて毛先で頬をくすぐられる。
「にゃう!?くすぐったいですよぉ…」
「ハッハッハッ、ごめんごめん。杏里の三つ編みを見てるとついくすぐりたくなるんだよねぇ…」
「……サニー。まったく、子供っぽい悪戯をしている暇があるなら仕事をしてちょうだい」
「はいはい、それじゃよろしく頼むよ、杏里」
鼻先をくすぐられて身を縮こませていると、支配人室のドアが開いてラチェットさんが入ってきた。
シアターの女優さんたちの中でも、ラチェットさんは特別な存在。
紐育華撃団の隊長でもあり、シアターのトップスターで…サニーサイド様ともとても仲が良いみたい。
輝く美貌に艶やかなブロンド、抜群のプロポーションのラチェットさんはサニーサイド様と並ぶと本当にお似合い。
ああいう人を見慣れているサニーサイド様には、わたしなんか子供なんだろうなぁ…。
支配人室を出て、自分の成長途中の胸を見下ろしながらそんな事を思う。
「杏里〜。悪いけどドリンクバーを手伝ってくれない?」
ラチェットさんだけじゃない、プラムだってサジータさんだってこう…出る所は出て引っ込むところは…。
「杏里。プラムが呼んでいる」
ぽんと肩を叩かれて背後に立つ昴さんと向こうで手を振るプラムに気付く。
「にゃうっ!す、すいません。昴さん…」
シアターの中で唯一の例外は昴さんだけれど、昴さんには東洋の神秘と呼ばれるくらい日本人らしい優雅な魅力がある。
わたしも日系三世のクォーターだから外見的には日本人ぽいけど。
昴さんのいかにも日本人という感じの黒髪に切れ長の瞳は、日本好きのサニーサイド様には魅力的だろうなぁ…。
わたしだって採寸の時に昴さんの髪を間近で見るとその艶やかさに羨ましいと思ったりするし。
そして一緒に仕事をするようになってわかったのは、みなさんが類まれな才能の持ち主だってこと。
サニーサイド様は勿論、ラチェットさん率いる星組のみなさんも、プラムも本当に凄い。
……その度にわたしはここに居てもいいのかな、と思う。
わたしなんか、ちょっと裁縫が出来てクイズが得意なくらいで何処にでもいる普通の人間。
そんな事をシアターで掃除係をしているジェミニさんに言ったら笑われた。
「杏里さんは虹組として華撃団の一員じゃないですか。ボクなんか、女優に…憧れの星組に入れる日は来るのかな……」
雑巾を握りしめ、真昼には見えないであろう星を仰ぎ見ながらジェミニさんは呟く。
ジェミニさんの言葉に、わたしは自分が恥ずかしくなった。他人のお菓子を欲しがる、子供みたいで。
それからわたしはここにいてもいいか、じゃなくてもっとみなさんの役に立てるように頑張る事にした。
みなさんの、サニーサイド様のお役にもっともっとたてるように。
だけど、わたしの平穏な日々は長くは続かなかった。
わたしの苦手な男の人が、また一人増えた。日本からやってきた新入隊員、大河新次郎さん。
なんか世間知らずそうというか、わたしより年上なんて信じられない人。
でも、わたしの後輩だから先輩として色々教えてあげようとしているのに、何かにつけつっかかってくる。
同じ男の人でもサニーサイド様とは大違い。やっぱり男の人はサニーサイド様みたいに優しくて素敵じゃないと!
……でも素直はところはちょっとだけ誉めてもいいかな。わたしを杏里先輩と呼んでくれたし。
だけど、大河さんが来てからのシアターは本当にてんてこまい。
大河さんは行動も言動もむちゃくちゃでがむしゃらで、大人のスマートさなんか欠片もない。
素敵な見本が傍にいるのだから、すこしはサニーサイド様を見習って欲しいくらい。
……で、でもね。たま〜に、本当にたま〜に見せる真面目な顔は、ちょっとだけ凛々しいかなぁ…なんて。
嘘つきに騙されそうになったわたしを助けてくれたときに…ちょっと格好良いとか思ったなんて、言えないんだから!
「…杏里は大河くんと仲が良いみたいだね。やっぱり同じ日本人の血を引く同士だからかな」
「さ、サニーサイド様!そ…そんな事ないですよぅ。別に…大河さんとなんか……」
「そうかい?この間も夜に二人で歩いていたらしいじゃないか。てっきりデートだと思ってたんだけど」
「ち、違います!そんなこと、絶対にありません!」
大河さんと一緒に…それはどう考えてもわたしが騙されそうになったときのことだ。
わたしはてっきりその時のことがサニーサイド様に知れたのかと思い力いっぱい首を振る。
サニーサイド様にあんなことを知られたら…恥ずかしいし、呆れられるに違いない。
けれど、サニーサイド様が次に言った言葉はわたしの想像を遥かに超えるものだった。
「じゃあボクが誘ってもいいのかな」
「え……」
思いもかけない台詞に思わず俯いていた顔をあげると、サニーサイド様がわたしの三つ編みをつまむ。
今、わたしが聞いた台詞は空耳だったのかもしれない。
もう一度、もう一度聞きたくてわたしは忙しなく瞬きをしながらサニーサイド様のサングラスの奥の瞳をじっと見つめる。
「今日の夜は予定はあるかい?」
そんなわたしの仕草が面白かったのか、サニーサイド様は愉快そうに口元をほころばせた。
「あ…ありません、けど……」
「じゃあ決まりだな。シアターが終わった後に迎えに行くからそのつもりで」
いつものようにサニーサイド様が三つ編みで頬をくすぐり、思わず身を縮めるわたしを見て満足そうに手を放す。
「にゃうん!あ、あの…」
「ん?場所が気になるかい。それは行くまでのお楽しみにしておこう。じゃあ、売店に戻っていいよ」
「……」
それからのわたしは仕事も全然手につかなかった。
サニーサイド様が…わたしをデートに?
ううん、きっと本当は何か任務に関係する事とかシアターに関係する事とか…そうに決まっている。
サニーサイド様は驚くわたしを見たくてあんな風に言っただけ。
だって……日頃から綺麗な人をいくらでも見慣れているサニーサイド様がわたしをデートに誘うなんて、ありえない。
わたしなんて綺麗でもないしスタイルがいいわけでもないし性格も内気で…。
「いたっ」
考え事をしながら縫い物をしていたからか。
「あぁ…いけない。衣装が汚れちゃう」
指先にぷっくりと膨らんだ赤い玉に慌てて立ち上がる。
「えっと……絆創膏どこだっけ」
確か、売店のレジの下に置いてあったはずと思いながら衣裳部屋を出ると。
「杏里くん?」
大河さんに売店の手前で声をかけられた。
「そんなに急いで……あ」
尋ねながらもわたしの指先を見てわたしが急いでいた理由がわかったらしい。
ちょっと待ってて、と言い残して大河さんは売店の方に消えていった。
「はい、これでいいよ」
頼んでもいないのに、消毒して絆創膏まで巻いてくれた。
おせっかい、と思ったけど助かったのは事実だから癪に感じつつお礼を言おうとしたら。
「杏里くんでも針で刺したりするんだね。案外ドジなんだなぁ」
ムッとする。手当てだけならいい人っぽいのになんでいちいち一言多いのよ。
「……う、うるさいわねっ。どうせ、わたしはドジで……」
言葉にすると、他人に言われる以上にぐさっとくる。
ちょっと目の奥が熱くなったのを大河さんに気付かれたくて、その場から去ろうとしたら。
「ごめん」
腕をつかまれて振り向くと申し訳なさそうな顔をした大河さんに謝られた。
「そ……そう思うなら最初から言わないでよね!」
腕を振り払い、逃げるように衣裳部屋へと戻ると少し気持ちが落ち着いたのか。
絆創膏の巻かれた指を見ながらわたしっていつもこうだな…とため息をつく。
また、お礼言えなかった。
大河さんに悪意がないのなんてわかってるけど、ちょっと何か言われただけでつっかかってしまう。
わたしってヤな子だと思われてるんだろうな……。
「べ、別にそう思われたっていいじゃない!」
そんな事を考えてすぐにはっとして、誰に言うともなく呟く。
指先に触れると、まだ大河さんの手の感触が残っている気がして。
「ごめんなさい……」
わたしはそっと囁いた。
「じゃあ……乾杯」
「か、乾杯……」
シアターの終わった後、その場限りの冗談だったのを真に受けていたらどうしようと不安になりながら待っていたら。
サニーサイド様はちゃんとわたしを迎えにきてくれた。
どこに行くのだろうと思いながら、でもサニーサイド様がお楽しみと言っていたから聞くわけにもいかずに黙っていると。
いかにも高級そうなお店の前で車が止まったときには心臓が竦みあがるかと思った。
「サニーサイド様……わたし、この格好で」
「ああ、気にしないでいいよ」
和装でいいのかという意味合いを込めて見上げてもサニーサイド様はさらりとそう言うだけ。
だって、やっぱりこういう所ってそれなりの格好をしなきゃダメなんじゃないかな…そう思っても口に出す勇気がない。
出迎えてくれた案内の人はちらりとわたしを一瞥したけれど、すぐにサニーサイド様に向き直って中へ通された。
わたしなんかと一緒のところを見られてサニーサイド様に変な噂がたったらどうしよう…と思っていたけれど。
通されたのは静かな個室だった。
「…じゃあ、これとこれで。杏里、何か食べたいものはあるかい?」
「えと……サニーサイド様におまかせします…」
メニューを一応見たものの、よくわからないからそう言うのが精一杯。
オーダーの人がいなくなってしまうと、狭い個室に二人きりで更に緊張でがちがちになってしまう。
どうしよう…と思う間もなく食前酒、わたしは飲めないから別のものだけど…がやってきて言われるままに乾杯はしたものの。
指先が震えて飲むどころかグラスを握っているだけでドキドキして動けない。
「……どうしたんだい、そんなに震えて。こっちの方が落ち着けると思ったけど余計に緊張させちゃったかな」
サニーサイド様はそんなわたしを見てクスリと笑う。
「そんなことないです…ただ、驚いて」
なんだかこうして向かい合っていると…本当にデート、みたい。
「…わたしには、不釣合いです、から」
「杏里が落ち着かないなら場所を変えようか。キミの家でも良かったんだけど、あんまり人に聞かれたくない話だからさ」
「えっ……」
人に聞かれたくない話、という単語に胸がずきんと痛む。
わたし、わたし…何かサニーサイド様の気に触るようなことをしたのだろうか。失敗、しただろうか。
「ああ、そんなに不安な顔をしなくてもいいよ。とりあえず食べ終わってからにしようか」
そうは言われてもわたしは『人に聞かれたくない話』に頭が一杯でお料理の味もわからない。
サニーサイド様の他愛もない世間話にも人形のように相槌を打つことしか出来なかった。
「…じゃあまぁ、本題なんだけど」
「!!」
その言葉に身体がびくっと震える。どうしよう、どうしよう……。
「杏里は将来、何になりたいんだい」
判決を待つ罪人のような気分で居たわたしは、そう訊ねられて反射的に視線をあげる。
てっきり、華撃団に関する事…それこそ任務を解かれるとかまで想像していただけに予想外の質問だった。
「わたしの将来の夢……ですか?」
うんそう、とサニーサイド様は目線を合わせて微笑む。
なんで急にそんな事を聞くのだろう…サニーサイド様のお考えがわからない。
「やっぱり好きな針仕事を活かして自分の店を持ちたいとかなのかな」
「……!!」
どう答えようか悩む前にそう囁かれてギクリとした。
だって、この前……そう言われて変な人についていきそうに、なったばかりだもん。
まさか大河さん、サニーサイド様にあの事を……。
「どうなんだい?」
そう問われて、小さく頷く。どうしよう…サニーサイド様のお顔が、見上げられない。
「やっぱりそうなのか。でも淋しいなあ、ボクにはそういう事を相談してくれないなんてさぁ」
「サ、サニーサイド様!」
やっぱり知ってらっしゃる!大河さんの…馬鹿馬鹿。
途端に恥ずかしくなっておろおろするわたしを目を細めながら見つめるサニーサイド様は怒った様子もなくこう言った。
「なんなら、ボクが五番街の一等地に杏里の店を作ってあげようか?」
「いえ、そんなっ……わたしは」
サニーサイド様は冗談かもしれないけど、わたしはつい真に受けてしまい必死にぶるぶる首を振って否定する。
その仕草が面白かったらしい。サニーサイド様は、ぷっと吹き出すと
「まぁ、店の一軒で杏里を引き止められるなら安いものだけど。出来ればもうしばらくはシアターに居て欲しいかな」
肩を竦めながらそうおっしゃった。
「サニーサイド様……」
胸がきゅんとする。わたし、わたしに…引き止める価値があると、そう思ってくださってるんだ……。
わたしのこと、ちゃんと考えてくださってるんだ。
「キミが本当に店を持ちたいならいずれボクがその手伝いをしよう。だから今はボクを手伝ってくれないかな、杏里」
「もっ…勿論です!わたし、サニーサイド様のお役に立ちたいんです!!」
興奮のあまり、立ち上がって大声で叫んでいた事に言ってから気付き、慌てて口を押さえながら座り直す。
わたしの…馬鹿。こんな所でこんな大声を出すなんて、恥ずかしい……。
けれどサニーサイド様はそんなわたしをたしなめるでも呆れるでもなく慈しむような目で見ていらして。
「……ありがとう杏里。これからもよろしく頼むよ」
「わたしのほうこそ…よろしく、お願いします」
テーブルの上に差し出された手に触れると、ぎゅっと握られた。
大きくて温かい、男の人の手。
普段だったら絶対手を引っ込めるところだけど、サニーサイド様の手は包み込まれているみたいで凄く安心した。
「じゃあそろそろ出ようか。あんまり遅くなると悪いしね」
「あっ…はい」
サニーサイド様が立ち上がるのにあわせてわたしも立ち上がり出口に向かうと。
「!!」
さりげなく肩を抱かれてわたしは心臓が口から飛び出そうになった。
サニーサイド様の仕草はものすごく自然でいかにも手慣れた感じだけれど、わたしの方は当然そんなことは初めてで。
つい自分の肩に置かれたサニーサイド様の手を凝視してしまう。すごい…こんな事、自然に出来ちゃうんだ。
やっぱり大人の方なんだなぁ…と照れと尊敬を込めた眼差しで見上げると、サニーサイド様は悪戯っぽく片目を瞑ってみせる。
そんな動作一つにもドキっとして、わたしは何だかふわふわした気分のままお店を後にした。
「遅くまで連れまわして悪かったね。じゃあ、また明日」
「はい……今日はありがとうございました。おやすみなさい、サニーサイド様」
家に着いてしまったのがちょっと淋しいと思いながらも車から降りて深々とお辞儀をする。
足元はまだふわふわして、夢の中にいるみたい。
「あ、ちょっと待った」
車内から手招きをされ、なんだろうと近づくとサニーサイド様はわたしの三つ編みをひょいと掴み、それに軽く口付けた。
「!!」
「おやすみ。良い夢を」
呆然と突っ立ったままのわたしを残し、サニーサイド様を乗せた車は去っていく。
「……」
映画のワンシーンみたいな場面に、一瞬自分が夢の中にいるんじゃないかと思ったけれど。
車の音に気付いて中から出てきた家族の呼ぶ声で、わたしは現実に引き戻された。
その夜、どんな夢を見たのかは覚えていない。
だって今日の出来事以上に良い夢なんて、ありえないもの。
サニーサイド様と二人きりでお食事をして、色々話して、別れ際には……えへへ。
明日、プラムに今日あったことを言おうかなぁ。わたしも、大人の女性として扱ってもらえたんだよって。
でもなんだか自分だけの秘密にしておきたい気もする。
そんなことを考えるだけでも楽しくて、わたしは幸せな気分のまま目を閉じた。
もっともっとサニーサイド様のお役に立てるように明日からも頑張らなきゃ、そう思いながら……。
「おはよう杏里くん。ご機嫌だね、何かいいことがあったのかい」
「えへへ…あのね!……」
翌日、鼻歌交じりに売店の準備をするわたしに話しかけてきた大河さんに昨日のことを話しかけて…。
「べ、別に大河さんには関係ないでしょ!」
サニーサイド様にわたしが騙されかけたのを言ったのが大河さんだった事を思い出し、ぷいとそっぽを向く。
ま、まぁ…そのおかげでサニーサイド様と一緒にお食事も出来たんだけどそれとこれとは別。
「あらあら二人とも。ま〜た言い争い?本当に仲がいいんだから。うふふ」
「ち、違うわよプラム!そんなんじゃないんだから」
タイミングよく近づいてきたプラムの後ろに隠れると安心する。
そうしてまたわたしの一日が始まっていく。
大切な人の居る場所、大好きな人の居る場所。
ここがわたしの、パラダイス。
END