蒼と黒と赤の三角 本文より




カカシと暮らし始めて半年、イルカはある事に気が付いた。

きっかけは夜中に目を覚ましたイルカが、カカシを見るとなんと目が合ったのだ。

 それも、赤い瞳と。

初めてその目と視線を合わせた時、イルカは純粋に驚いた。


 写輪眼を見たのが初めてだったからだ。

 
 だが慣れると、カカシの穏やかな寝息が耳に入り無意識に目を開けているのだとわかる。

 
 カカシさん、器用だなぁ。

 イルカはそんなことを思い、微笑んでから瞳を閉じるのだった。

 それからも、同じようなことが頻繁に起こり、イルカはすっかり

 写輪眼を見慣れてしまっていた。

 敵ならばありえないだろう。

 里の者でも、こんなにじっくり見た者はきっと少ない。

 カカシにとっての特別な自分。

イルカはそう考えると、なんとも照れくさいような、だが幸せな気持ちになれるのだ。

今では、カカシの全てが愛しい。

 例えカカシが上忍ではなくても、カカシが好きなのだ。

 本当は子供っぽくて、甘えん坊なこの男がいいのだ。






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