「もう少しゆっくり歩かないと人にぶつかるよ?」


190センチ近い長身を屈めてそう言うのは日野 智規(ひの とものり)

高校2年生。


「うるさい。さっさと歩かないと昼休みが減る!」


そう言って中庭を突っ切り、昼休みの定位置のベンチに座ったのは

桐生 亜樹(きりゅう あき)同じく高校2年生。

そこは特別教室がある建物の影になり、人があまり来ない所だった。

校内では有名人の2人にとって安らぎの場となっていた。


「亜樹は何を怒ってるの?」


智規は目尻の下がった細い目で問いかける。


「だってさ、坂下たちが智規の事パシリにしようとしてたじゃん…。」


亜樹は綺麗な顔を不満げに歪めた。

亜樹は身長160センチと小柄で、色素の薄い容姿と気の強い性格から

王子様と呼ばれていた。

そして恋人である智規は、嫉妬とやっかみで従者と呼ばれていた。


「僕はちゃんと断ったよ?
亜樹だけの従者だからね。」


優しい笑みを浮かべた智規は亜樹の分の昼食を渡す。

購買部で昼食を買うのは智規の方が有利なのだ。


「智規は物腰が柔らかいから。
もっと荒くなってもいいよ。」


自分に向けられた優しい笑顔に亜樹はうっすら頬を染める。

智規の柔らかい雰囲気に、気性の荒い亜樹はいつも癒されているのだが

何も知らない者には智規の雰囲気は軟弱に見えるらしい。

亜樹は智規を馬鹿にされるのが嫌なのだ。


「嫌な気分のまま食事すると消化に悪いよ。」


智規は亜樹にそっとキスをした。


「馬鹿…。」


そう言いながらも亜樹は嬉しそうに笑った。




2人が食事を終える頃、話し声が聞こえてきた。

どうやら人がきたようだった。


「亜樹、移動しようか?」

「あとから来た奴が移動すればいいの!」


亜樹はのんびりペットボトルのお茶を飲む。

やがて現れたのは3人組の上級生だった。


「あれ?王子様じゃん。」

「へぇ、近くでみると本当に可愛いな。」


上級生は亜樹を目の前にして盛り上がる。


「従者くんさ、どっかいっててよ。」

「そうそう。俺たち王子様と遊びたいから。」


智規は上級生達の意図がわかっていた。

亜樹は整った容姿の為、よく同性からもいいよられるのだ。


「亜樹、行こう。」


智規が亜樹を背に庇うようにすると、一人が智規を突き飛ばした。

すかさず、もう一人が亜樹を抱き込んだ。


「智規!!…っ、離せよ!!」


亜樹が振り払おうとしても、ガッチリ抱き込まれてしまい無駄に終わった。

智規は自分にさらに蹴りを入れようとした上級生を逆に蹴り飛ばした。

蹴られた上級生は声も無く地面に倒れたまま気を失っていた。


「亜樹を離してください。」


いつにない智規の、その長身から滲む殺気に怯んで上級生はあっさり亜樹を離した。

亜樹は智規の雄雄しい姿に見惚れていたが、手を引かれてその場を後にした。


「本当は強いんだな、喧嘩。」

「暴力は自慢にならないよ。
でも、もう少しなめられない様にしないと、亜樹が危ない目にあうね。」


そう言って智規は亜樹を抱きしめた。

智規は人がいない階段裏の物置部屋に亜樹を連れ込んだ。


「智規…」

「亜樹、僕を嫌いにならないでくれる?」


智規は亜樹をあぐらをかいて座った上に亜樹を座らせ

後ろから抱きしめていた。

亜樹は高鳴る鼓動をこらえながら頷いた。


「僕は昔から背が高くって近所のヤンキーに絡まれてたんだ。
だから喧嘩慣れしちゃって、挙句には喧嘩が趣味みたいになってたんだ。」

「だから強かったんだな。
普段の物静かな智規もいいけど、野性的な智規もドキドキした…。」


亜樹は真っ赤になって智規の手を握り締めた。


「亜樹…。好きだ!」

「俺も智規が好き…んっ、あっ…」


智規は亜樹の体の向きをかえ、赤い唇に口づけた。

だんだん深くなる口づけに、亜樹はだんだん酔いしれていった。

気がつくと亜樹のシャツはボタンが全て外され、ズボンと下着も

片足に引っかかっている状態だった。

ピンク色の小さい乳首を、智規の指と唇が攻め立てる。


「あっ、っう…ん…ああぁ!」


智規は乳首を軽く噛みながら、亜樹のモノをしごいた。

敏感な亜樹はたまらずに声を上げてイッてしまう。

智規は再び亜樹に口づけると、亜樹の放ったものをアナルに塗りつけながら

少しづつ指を埋めていった。


「はぁ、んっ、智規の指、長いから、あっ…奥までくる…」

「苦しくない?」

「ああっ…いい…。もっと…」


今、智規の指は三本入っていた。

指を抜き差ししながらバラバラに動かすと、亜樹の体がビクビクとはねる。

智規はそんな亜樹に煽られ、指を引き抜いて自分のモノを埋めていった。


「ふっ、ああぁぁっ!」


智規は亜樹の中に全てを埋め込むと、亜樹の身体をまさぐり快感をひきだす。

大きすぎる智規のそれは、最初は痛みしかもたらさないのだ。

徐々に智規の大きさに慣れた亜樹は、自分から腰を揺らしていた。


「んぅっ、あ、あ…ひゃっ!!」


智規は亜樹の身体を持ち上げ、抜けそうなギリギリで再び力をぬいてた。

亜樹は自分の体重でズブズブと智規を受け入れていく。


「はあっ…、深い…。あっ、んっ…。」


何度か繰る返した後、智規は激しく腰を打ちつけた。


「ああっ!ふっ、あ、…あっ、イクっ!もう、はぁっ、ぁ、んあぁああ!!」

「んぅ…亜樹…!」


亜樹が達する締め付けで、智規も達した。

二人分の精液が、亜樹の胸からお腹にかけてを汚している。

達した余韻でぐったりしている亜樹を、智規はポケットティッシュで拭った。

簡単に身支度を済ませた二人は、午後の授業全てをサボることにした。

王子様のたっての希望で、2ラウンド目をする為に。


END

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思いつきで書いた短編エロです。