廊下に子供の足音がこだまする。
幼い絳攸は涙が落ちるのをこらえながら養父の元に走る。
絳攸の養父、黎深は甘えと弱さを嫌う。
だが今の絳攸には余裕がなかった。
朝、目が覚めると下腹部が濡れていた。
絳攸は粗相をしてしまったのかと青くなり、飛び起きたが寝床に形跡はなかった。
少し安心して下着を脱ぐと、そこには…。
絳攸は怖くなり、黎深の元に走った。
だが黎深の寝所の前、絳攸は立ち止まる。
自分は病気なのかもしれない…。
黎深様に知られたら捨てられてしまう!
それに病気がうつってしまったら大変だ。
絳攸は震える体を自分で抱きしめ、引き返そうと歩き出す。
「絳攸」
「は、はい!黎深様…」
突然、黎深に名を呼ばれ絳攸は思わず返事を返していた。
「用があるのなら、さっさと入りなさい。」
黎深はいつも通り突き放した言い方で絳攸に語りかける。
「…なんでも…ないです…。」
絳攸は焦り、言いながら走り出そうとした。
だが腕をとられて失敗に終わる。
「何を慌てている?それとも早く走る練習をしているのか?
ドタバタと早朝から迷惑だ。」
「ごめんなさい、黎深様。」
絳攸は再び涙がこぼれ始めた。
黎深は言い過ぎたかと内心焦ったが
とりあえず絳攸をただし、寝台に座らせた。
絳攸を観察しながら黎深は考える。
養い子は何故こんな早朝から走ってきたのか?
絳攸は大概の事には堪えようとする子供だ。
ならば…
黎深は絳攸の少し乱れた寝間着を開く。
絳攸は突然の事に唖然とした。
「絳攸、下着はどうした?。」
黎深はわずかな白濁にまみれた絳攸の下腹部を見て怒りを覚えた。
誰かが養い子に手をだしたのか、と。
「れ、黎深様!
オレ…その…病気に…」
絳攸は再び涙を流しながら言う。
「は!?何を言っている、絳攸?」
黎深は泣きやまない絳攸に苛立ちながらも言葉を待つ。
「起き、たら…下着、に白い、…のがついて…病気だと…」
途切れがちに言う絳攸の言葉に、誰かに手を出されたわけではないと
黎深は安慮した。
「絳攸、お前は大人になったから精通しただけだ。」
絳攸の隣に腰を下ろし、黎深はさらりと言う。
「病気、じゃ…ない?」
絳攸の水晶のような瞳が黎深に向けられる。
「そうだと言っているだろう。
自分で出しておけば朝に下着を汚さずにすむ。」
絳攸は病気ではない事実に心底安心していた。
だが精通は知識として分かるが、自分で出すという事が分からなかった。
「黎深様、どうすれば自分で出せるんですか?」
絳攸は真剣に尋ねる。
黎深は絳攸の質問に対し内心では狼狽えながらも答える。
「手でそれをこすればいい。」
子供ならではの素直さで絳攸は早速
言われたように、こすってみた。
「うっ!痛いです。」
潤んだ瞳が黎深に向けられる。
「…乱暴にこすったら痛いのは当たり前だろうが。
まったく…」
ため息交じりに黎深は絳攸を自分の膝の上に座らせる。
そして背後から絳攸の右手をとり、下腹部を軽く握らせて
自分の手を重ねた。
「黎深様!」
絳攸は膝の上に座らせて貰えた事に感動していた。
だが、すぐに初めて感じる感覚にわけがわからなくなる。
「!…っあ、…ふっ…んっ…」
幼い口からは甘く、高い声が漏れる。
黎深は絳攸の手を使い、優しく上下に動かしてやった。
先端からあふれてきた蜜を、黎深自身の親指で塗り広げながら。
ビクビクと幼い体が跳ねる。
既に固く張り詰めた小さいそこは、いつ爆発してもおかしくない。
「黎深様!!
ひっ、な…なんか出ちゃ…あうぅっ!!」
絳攸は容赦ない黎深の攻めによって、初めて達した。
その快感の凄さに、絳攸は気を失ってしまい
養い親の胸元に倒れ込んでいた。
「いつもこれだけ可愛いければいいのだが…」
甘え下手な絳攸は、普段なら黎深の胸に抱かれる事など、ない。
拾われた絳攸にしてみれば自分から黎深に触れる事が出来ないのだ。
黎深自身も率先して触れるタイプでもない。
だから今、黎深は絳攸の意識が無いの幸いに
心のままに口元を緩ませていた。
きれいな布で下腹部と自らの手を拭い、乱れた寝間着を着せてやる。
そして自分の寝台に寝かせると、自分も隣に横たわる。
黎深は乱れた絳攸の髪を直してやりながら
先刻の事を思い返していた。
こんな敏感な体でこの子は女など抱けるのだろうか?
まぁ、まだ子供だから仕方がない、か…。
黎深は勝手に自問自答する。
その時、寒さを感じたのか絳攸はぶるっと震えてから
黎深の胸元に顔を埋めるように寝返りを打った。
黎深はそんな絳攸に愛しさを募らせていた。
子供とは体温が高いのだな。
柔らかく、温かい。
普段は冷たい双眸が、とろけるように甘く細められる。
そして、いつの間にか二人分の寝息が部屋に静かに広がる。
END
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なんかリアルな親子話が書きたくて
こんな話を書いてしまいました(汗)
世の男の子達はどうやって一人Hを覚えるのか…。
謎ですな。