実物車両細部写真

717系200番台


717系電車は国鉄末期、ローカル線列車の電車化と輸送能力の適正化を 目指して昭和61年に登場した系列です。その姿は53年登場の417系を基本としており、 キハ47の電車版という見方もできると思います。 九州では、昭和61年11月、475系の足回りを利用した2両編成の車両が登場し、 200番台を名乗っています。構造は現在SUN-SHINEとして宮崎地区で活躍中の 713系900番台と酷似していますが、便所の位置が種車と合わせて逆になっているのが 特徴です(713系は3位側、717系200番台は4位側)。また、タイフォンが713系900番台に 引き続き、床下に移動しているのでライト横にタイフォンがありません。 さて、鹿児島総合車両所には、201編成を除く6編成に901を加えた7編成が活躍中です (2004年春まで。2004年度からは201が大分より鹿児島へ転入。901が熊本へ転出)。 編成は717系200番台を示すHと鹿児島のkを組み合わせ、ナンバーの末尾を組み合わせてHk-1のように 名乗っています。

最初のHk1〜Hk4は、国鉄時代に登場したもので、車体は713系とほぼ同様です。 しかし、Hk-5〜7は民営化後に登場した車両で、車体は戸袋窓が廃止され、窓の間柱も 幅が広くなっています。また、Hk-7を除き、方向幕の準備工事も行われており、 各車両1位側と4位側に装備し、車体色と同様のカバーがかけられていますが、 2003年3月改正までに4位側のカバーが外され、改正から使われ始めるとともに ワンマン運転が始まりました(日豊線系統の西鹿児島−国分にて。当然ワンマン工事が 行われていないHk-7、Hk-901は除外=夏までに改造工事を受けて方向幕が取り付けられました。)。 その他の外観上の変化は扉間の中央に車外スピーカが 取り付けられたことです(知らせ灯の下に見えるルーバがそれ。Hk-1、Hk-3は銀ですが、それ以外は クリーム色で塗られているようです?)。

それぞれの特徴を写真を交えて説明します。

Hk-1
2004年に717-900が熊本に転属し、それを埋める形で大分から転入してきた編成。 大分の後継が817で、その後も817がそのまま熊本に転出したり、と色々ありました。 九州独特のヘッドマーク差しがついた前面が特徴的です。タウンシャトルのヘッドマークが ついていたものですが、大分以南の日豊本線系統はマンガチックなイラストでした。 これは佐伯市出身の漫画家、富永一朗氏のデザインによるものでして、久大・豊肥・日豊の 全普通列車に取り付けられていた時期があるので、優等列車と縁がなさそうなHk-1にも ヘッドマーク差しがあるわけです。屋根の塗り分けは雨どいの端までグレーが進んでいる 形になっています。
Hk-2
先頭車、前面貫通扉に2本ある手すりのうち、下の短い手すりがありません。 屋根の塗り分けは雨どい端まで前進している”前”の表記となります。

Hk-3Hk-4
この2編成も前面貫通扉に2つついているはずの手すりの下1本がありません。 屋根の塗り分け位置は475系で解説していたところの”切れ込み”です。 Hk-3の4位側方向幕は、ずいぶんと前からカバーが外されており、スモークに近い 黒ガラスがはめられていました。当初あの中には413系第5編成で見られたような LEDが装備されているのでは?などと憶測が飛んでいたようですが、暗いところで 見ると、角度によっては室内室内の蛍光灯が透けて見え、どうやら空っぽだったようです。 黒っぽいガラスのまま方向幕が装備されていましたが、のちに交換され普通の 透明ガラスになっています。

Hk-5
なぜか1位側の帯が雨どいの端まで来ておらず、漏斗のそばでとまっており、 ちょっと短くなっています。また、 これ以降の車両は、屋根の塗り分け線が”前(雨どいの端”)に来ています。 その他はすべて国鉄時代に製作された車両と同様です。貫通ドアの下の手すりもありません。

Hk-6
この編成は雨どい直下の帯の巻き方が独特です。運転室側の帯は、通常斜めにカットしてありますが、 この編成とHk-7のみ、縦にカットされており、しかも帯も漏斗のついている部分で 終わっており、寸足らずです(Hk-7に写真)。縦にカットされているといえば、以前キハ20などで 見られたようですが、現在は見ないものです。また、方向幕付近の帯も、方向幕を避けるように やや離れた位置で切れています(1位側の方向幕はカバーの上をそのまま帯がはしっています)。 Hk-5ではそのような切り方をしていないので、 見ていて不思議な感じがします。写真はクモハ716−206の写真ですが、クモハ717の場合、 上のHk-3、4の写真のように、方向幕がすこし妻面に寄っています。そのため、妻面のそばの 帯は申し訳程度にあるだけです。


Hk−7
製作当初、当分の間、サボを使いつづける、ということに決定したのでしょうか、 この車両だけ方向幕の準備工事が行われておらず、方向幕のHゴムなどは見当たりません。 そのため、一番前と運転席との間にもいまだにロングシートに茶色のモケットが装備され、製造時の姿を 保っています。帯の末端の処理に関してはHk-6で書いた通りです。

Hk-901
457系のユニットに、各車両の中央に両開きドアを備えているのが717系900番台です。 モハ456のトイレ側にクハ455-601の運転室ブロックを取り付けています。95年に登場しました。 検電アンテナがクモハ716は円錐型、717は角型と違うなど形態の違いが面白いです。 さらに2003年になってワンマン化改造を受け、2両とも4位側側面に方向幕や車外スピーカが 取り付けられました。なお、交流専用車両となっていますので、屋上の交直切替え装置が 撤去され、碍子を1本追加して空気遮断機から直接床下に電力を取り入れる構造になっています(写真)。 下の写真の緑の丸で囲んだ部分が方向幕と 車外スピーカを取り付けている様子を示しています。面白いところでは赤丸で囲んだ所属標記ですが、 位置がちょっと変わっていますね。クモハ717は2位側客扉直後ですのでオーソドックスなんですが。



屋根に関して

屋上は、クーラー直後にある碍子付の機器(計器用変圧器)が大きく、カバー付の車両と(475系のものを再利用?)と小型のものがあります。 小さい車両は古い車両で、新しい車両はよりコストダウンを狙って再利用を図ったものと思われます。 こちらは、201、202編成のみが小さいものをつけており、 Hk-3編成以降は、カバー付の大型の機器をつけております。

大型の機器をつけたHk-5の画像です。2枚併せれば立体的に見ることが 可能??かもしれません。紙焼き写真で、元はもちっとマトモなんですが....。

で、Hk-7の屋上画像。ベンチレータの撤去跡とか種別窓上がグレーっぽくなっていたり するんですが、模型化する際にはスルーしました(単に技術がない、ともいう)。

クーラーキセの向き

市販パーツであるAU75シリーズのクーラーキセには”向き”があります。717-200では サイドにある出っ張りと角っことの間隔の狭い方が運転室側に向きます。

この出っ張りですが、本体カバーをクレーンで吊り上げるフック掛けを覆うためのようです。 ただ、この位置がなぜ偏っているのか、というのは不明です。最初に採用された 103系では中心部から前位側に7センチずらしてAU-75を取り付けた、とのことですので これと何か関連があるのではないかとも思います。 (2001年、鹿児島車両所の一般公開時に撮影。)


717系改造履歴表

番号改造年月日施工工場種車番号
20161.11.16.小倉クモハ475・モハ474-4
20262.01.23.小倉  7
20362.12.17.鹿児島 8
20462.03.31.鹿児島 39
20562.12.25.  13
20663.02.12.  23
20763.06.27.  28
901H7.03.29.鹿児島クモハ457、モハ456-14
ベンチレータは、201のみが押込型で、それ以降の編成は箱型。


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