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バラセート×(+?)クモノイ前提のナーロット×クモノイねっちょねちょ(だったはずが前組がほぼどっかいってる)

・パラレルワールド(免罪符)です。筆者の妄想爆発させただけ。原作の雰囲気をぶち壊しにかかってるので、二次創作と割り切れる方のみの閲覧をお願い致します。ほんとごめん。
・いろいろマニアック注意。痛いこともしちゃった。
・クモノイ君を泣かせ隊。というか喘がせすぎた。
・ナーロットさんに食われ隊。




甘い蜜(クモノイ編)


 迂闊だった、とクモノイは後悔した。
 彼は今簡素な病院用ベッドの上に寝かされ、両手は上に纏めて拘束されている。手を縛る薄紅色の生暖かいそれは思いのほか固く、彼の力ではどうしようも出来ない。

 ここは病院のとある病室。と言っても、現在クモノイが乗っているベッドだけが一つ置いてあり、光を遮るために閉じられた薄いカーテンがあるだけで、患者を治療するために利用されている訳では無さそうだ。
 薄暗い部屋に、クモノイの抗議の声が響く。

「放してくれ! 僕はこんな仕事引き受けた覚えはない!」
「あら、確かに承ったと貴方の所の社長から伺いましたよぅ♪」

 クモノイの目の前にいる、と言うより彼に跨っているのは、かつて廃洋館にて死闘を繰り広げた、触手女ことナーロットその人だった。現在はあの時のドレスではなく、ナース服を着ている。
 一見すれば綺麗な女性だが、その背中からは薄紅色の触手がおびただしい数生えている。それはぐねぐねと動き、艶かしく光を反射していた。

 そもそも、何故こんな事になっているのか。
 それは数時間前に、突如社長からのお達しがあったのだ。高級な仕事があるから、とにかく病院に行けば分かるから、とクモノイは状況をよく把握できないまま病院に来たのだった。
 受付で世渡り社であるということを言うと、そこにいたナース達がヒソヒソと耳打ちしあったのだ。その原因が今なら分かる気がする――「頑張って下さい」と謎の応援を受けたその理由も。
 クモノイは案内された通り、病院の端にある病室に向かい……数歩入った所で、ナーロットの奇襲を喰らったのだった。あっという間に彼女の触手によって拘束され、ベッドに載せられ、跨られた。
 そして現在に至る、というわけだ。怪しい仕事をやすやすと引き受けるんじゃなかった、と思うも、時すでに遅し。糸で反撃しようにも、腕がろくに動かない。

「何をする気だ? まさか僕を食べるのか?」
「ええ、そのまさかですよぅ♪」
「冗談じゃない! 死ぬのはゴメンだ!」

 大体、何故自分なんだ。たまにはあの同僚にこういう役回りをさせればいいじゃないか。どうして僕ばかり……と言いたい事は山ほどあったが、彼女の言葉に遮られた。

「ああ、食用的な意味ではなくて……」

 ナーロットの両手がクモノイの顔に伸び、彼の頭を撫でる。彼女の顔が、互いの息がかかるほどの距離に接近した。

「性的な意味で、ね……♪」

 そう言って、キスをしてきた。
 突然の出来事にクモノイの頭は混乱した。振りほどくにも腕は固定されているし、身体を捩ってみたが、大した抵抗にはならないようだった。

「んっ……むぅ……っ……はっ、やめっ」

 声を上げようと口を開けると、彼女の舌が侵入してきた。

「!」

 息が思うように出来なくて苦しい。頭はナーロットの手が掴んでいて動かせない。
 舌が絡む度に、水音が響く。ナーロットの手はいつの間にかクモノイの耳を塞ぐ形に添えられていて、水音がクモノイの脳内に反響した。

「ふ……ぅ……!」

 声が微かに漏れるのも止められず、完全になされるがままだった。
 口内の隅々まで舐め回され、舌を絡められ、クモノイは意識が遠くなりそうなのをなんとか堪える。
 どの位そうしていただろうか、長いこと濃厚なキスをされ、いつしかクモノイはそれに快感を見出していた。

「はっ……あ――」

 ふと、口を離された。
 舌と舌の間に銀色の糸が引き、ぷつりと切れた。
 一本の、人の腕ほどの太さのある触手が伸びてきて、クモノイの口に入る。

「ちゃんと飲んでくださいねぇ♪」

 ナーロットがそう言った瞬間、クモノイの口にドロドロとした白い液体が大量に放出された。

「んむぅっ!」

 口内に甘い味が広がる。蜂蜜を何倍にも濃縮したように甘ったるい。
 クモノイは言われたとおりに、その液体を嚥下した。吐き出された大量のそれを飲み込むのは中々難しく、甘ったるさと引っかかる喉越しにむせ返った。

「げほっ……はあっ、はあっ」

 やっと口が自由になり、クモノイは文句の一つでも言おうとしたが、言葉が上手く出ない。
 頭に霞がかかったような感覚に陥る。何かを考えようとしても、何も考えられなかった。
 クモノイの目はとろんとし、潤んでいった。心なしか、身体の奥が熱い気がする。

「あ……」
「たくさん、気持ちよーくして差し上げますからねぇ…♪」

 ナーロットに耳元で囁かれて、甘い声が頭の中に響いた。その息遣いが、更にクモノイの頭を白くさせる。
 ナーロットはクモノイの服を巻くり、彼の肌をさらけ出した。彼女の背中の触手がざわりと蠢き、彼に伸びる。細い無数の触手がクモノイの肌にぬるぬると這い始めた。まるで、いくつもの手指に撫でられるような感覚だ。

「っ……」

 触手に触れられるだけで、明らかに身体が、芯が熱くなっていくのを感じた。脇腹や胸板を撫でられるだけなのに、くすぐったいような、切ない感覚がじんわりと広がってくる。
 触手が敏感な箇所ををかすめる度に、クモノイの身体が小さく跳ねる。

「ふあっ……あっ……」

 声を抑えようとしても、胸の二点に不規則にやってくる、甘い感覚には耐えられなかった。ビクビクと震えるクモノイを、ナーロットは楽しそうに見つめていた。

 そして、指先ほどの細さの触手が、乳首を押しつぶすようにして蠢き始める。ぐりぐりと押され、摘まれ、集中して責められる。

「やっ……ぅあ……!」

 さっきよりも強い快感が襲う。乳首が押し潰される度に、電流が身体を走った。抵抗したいのに出来ないもどかしさに身を捩らせる。いつもなら有り得ない異常な程の快感に翻弄され、クモノイは喘ぐ事しか出来ない。

「はっ……はあっ……も、もう……」
「もう……何ですかぁ?♪」

 聞きながら、ナーロットは別の触手を二本伸ばす。今までのとは違い、その先端はまるで花のような形をしていた。花びらの部分には無数の細く短いヒダが蠢いており、それをクモノイの敏感な二箇所に這わせる。それだけでも今のクモノイにとっては強烈な快感だが、これだけで終わるはずがなかった。
 その花のような触手は、クモノイの乳首に吸い付いた。同時に細かいヒダがまとわりつき、刺激を与える。

「ああっやああっっ!!!」

 痛いほどの鋭い快楽が身体を震わせる。背中が弓なりに反り、刺激に痙攣し、気持ちよさにぞくぞくする。声を出すまいと歯を食いしばるが、それでも声は漏れ出てしまった。

「くぅっ……ぁああうっ……!!」

 そうしている間に、クモノイは自身のベルトを外される音を微かに聞いた。そして、容易くズボンを下げられる。

「あら、こちらもちゃんと元気ですねぇ……♪」

 すっかり隆起したクモノイのそれを、ナーロットは下着の上から優しく撫でる。それだけでも気持ちいいのか、ナーロットの手が上下すると、クモノイの腰が悩ましげに揺れる。布越しに伝わる熱に、ナーロットの胸の鼓動が高まった。
 下着もずり下ろし、細くしなやかな指でクモノイ自身を弄ぶ。上下に扱くだけで、先端から透明な液がトロトロと溢れ出てきた。

「あっ……やめっ……はああっ……!」

 クモノイの胸には相変わらず触手が張り付いていて、三点からの強い快感と全身で蠢く緩やかな刺激に、思わずため息が出た。自身から溢れ出る蜜によって、動かされる手は滑りを増し、彼をますます昂らせた。クモノイの思考はグチャグチャで、まともな判断が出来る状態ではなかった。いつしか腰は無意識に動き、自ら快楽を得ようとしていた。

「も、う……イっちゃ……ぁ……!」
「あら? もう限界ですかぁ? ……いいですよぅ♪ たくさん出して下さいねぇ♪」

 手の運動が速くなり送られる快感が強くなる。身体はビクビクと震え、射精感が迫り来る。呼吸が荒くなり、熱くなっていく。

「あっあっああっぁあ――」

頭の中が真っ白。快楽が弾けて、頭の中をそれだけでぬりつぶす。

「――くぅ……ああああっ……!!!」

 体中の筋肉が硬直する。クモノイから熱い白濁液が放たれ、彼自身を汚す。ナーロットの手の中でドクドクと脈打ち、熱を吐き出した。

「はっ、はあっ、はあっ……」
「あ……もったいない……♪」

 ナーロットは手についた白濁をペロペロと舐めとる。
 ずっと責められていた乳首から触手が離れ、快楽から解放された。
 終わった、やっと帰れる――と、余韻の中でクモノイはぼんやり考えていた。しかしそれとは裏腹に、クモノイの身体の熱は高まる一方だった。体の芯がカッと熱くなるのが嫌でもわかる。そこでようやく、自身の違和感に気がついた。

「はあっ、はあっ……な、んで……?」

 欲望が収まらない。浅ましい熱情が奥から沸き上がる。いつもであれば射精すれば性欲が収まるのだが、今はそうではなかった。ふつふつと沸き上がる欲に、クモノイは目を潤ませた。身体が熱い。吐き出す息も熱い。熱い。熱いのが収まらない。
 そんなクモノイを相変わらず楽しげに見つめるナーロット。か細い声を出す彼を見ていると、彼女も楽しみたいという欲求が沸き上がってきた。

 スカートを捲りあげ、射精して尚質量を維持しているクモノイの分身に、敏感な部分を押し付ける。シルク越しの温もりに彼女の期待感が高まった。

「はあっ……熱い……♪ ねえクモノイさん、ここ、入れたいですか……?♪」
「っ……」

 クモノイは切ない目でナーロットを見上げた。期待が入り混じる瞳に、ナーロットは加虐心を煽られる。もっと、いじめて、泣かせたい――

「駄目ですよぅ♪ まだ、だーめ……♪」

 代わりに伸ばしてきたのは、細長い触手――鉛筆よりも少し細いぐらいだろうか。触手の先端が鎌首をもたげ、つぷ、とクモノイの先に入る。クモノイはこれから起こるであろう事に恐怖を覚え、首を横に振った。

「――や、やだ、やめっ」
「痛いのは最初だけ、ですよぅ♪」

 そう言われるやいなや、ずるり、と触手が尿道に侵入する。今まで感じたことのない鋭い痛みに、クモノイは顔を歪めた。

「いっ――あああっ……!! いや、だぁっ、抜いてぇっ……!!! 痛……っ!」

 悲痛な叫びすら、ナーロットは楽しんでいた。
 ずるずると入っていく触手。灼けるような痛み、でもその中に、微かに快感が混じる。

「あっ……ぅぁぁ……」

 ピタリと侵入が止まった。かなり深いところまで挿入られたらしい。尿道の異物感が気持ち悪く感じる。痛みが辛い筈なのに、いつの間にかそれも快楽に変換されていた。
 ナーロットは挿入っている触手の先端を膨張させる。尿道の奥で増す違和感にクモノイは眉をひそめた。

「気持ちよくって耐えられないかもしれないですけど、頑張ってくださいねぇ♪」
「へっ……? ――――っっっ!!!!」

 突然、中で触手の律動が始まる。まだ痛みもあるが、それ以上に激しい快感が連続で襲う。膨らんだ触手の先端が、的確に前立腺を狙い刺激する。前立腺を通る度に起こる、まるで連続して射精する感覚に、クモノイの視界がチカチカと弾けた。

「あっあああっうあっああっあああああ!!!!」

 痛みと気持ちよさに絶叫し、髪を振り乱し快楽を拒絶しようとした。腕を、身体を動かそうとしたが、依然拘束されていて、震わせることしか出来ない。触手は容赦なく責め続ける。

「あああああっっもっやあああああっっ!!!!! やらっうああっやめっああああっっ!!!」

 呂律が回らないながらも必死に叫ぶ。腰が快感にガクガクと揺れ、目からは涙がポロポロこぼれた。灼ける快楽に、絶頂を繰り返す感覚に、クモノイは半狂乱になりながら喘いだ。

「はあ……♪ クモノイさん、可愛い……♪」

 ナーロットにとって、クモノイが目の前で喘ぐのは夢であった。廃洋館で出会ったあの時から夢見たのが、今こうして実現している事は至福以外の何物でも無かった。

「あぁ……もう、やめれくれぇ……! あああっ……!」

 泣きながら懇願するクモノイに、ナーロットの口元が思わず緩む。彼の、この顔が見たかった。どれほど待ち望んでいた事か。

「じゃあ、お望み通りに♪」

 刹那、今まで尿道に挿入っていた触手が、一気に引き抜かれ、ちゅぽんと音を立てる。

「っっっ――――!!!!」

 遅れて、クモノイの精子が放出される。身体が硬直し、鋭い絶頂感に襲われる。頭が真っ白、何も考えられない。何も考えたくなかった。

「……は、ああ、ぁ……」

 フルフルと身体を震わせるクモノイ。その目は虚ろで、焦点が定まっていないようだ。彼の目尻からは涙が流れ、ナーロットはそれを軽く舐めあげた。そしてそのまま、再びクモノイにキスを落とす。唇同士が触れる度、舌を絡める度、彼に対する愛しさが込み上げてきた。

「んむ……ちゅ……ふぅ…………はっ……」
「んっ……クモノイさんっ……♪」

 ナーロットは履いている下着を横にずらし、いまだ大きさを保ち続ける――いや、それ以上に大きく、固くなるクモノイのそれに、自分の性器を宛てがう。既に自身から溢れ出ている蜜が、くちゅりと音を立てた。

「はっ……、挿れちゃいますねぇ……♪」

 ナーロットの蜜壷の中に、ゆっくりと挿入られる。熱く融けそうな感触に、クモノイは甘い声を上げた。またナーロットも、侵入する質量に溜め息を漏らす。奥まで挿入ると、ナーロットはその感触を味わうように腰をゆっくりと動かし始めた。

「あっ……♪ クモノイさんの、熱くて、すごい……♪」
「うぁっ……!」

 一方クモノイも腰を動かそうとしたが、いつの間にか胴体に巻き付いていた触手のせいで、腰が固定されて思うように動かせない。もどかしい思いで唇を噛み締めた。

「あはっ、クモノイさん可愛い……♪ ……気持ち良く、なりたいんですかぁ?♪」 

 その問いを否定しようなんて、今のクモノイには思える訳も無かった。

「なりたいっ、きもちよくっきもちよくしてぇっ」

 掠れた声で必死に懇願する。ナーロットは腰を止めニッコリと笑い、触手を一本、自身の後ろの方で伸ばした。つぷ、と触手の先をクモノイの菊門に宛てがう。クモノイはその感触に短く震えた。

「えっ、なに……」
「気持ち良く、して差し上げますねぇ♪」

 瞬間、クモノイは自らの中にナニかが入ってくるのを感じた。ぬるぬるして生暖かい、嫌悪を覚える感触に、クモノイは目を瞑って耐える。思いのほか痛みはなく、クモノイの孔は触手の侵入をすんなりと受け入れていた。触手はゆっくりと律動し、クモノイの内壁を擦る。

「んっ……」

 ナカに挿入った触手がある一点を擦る度、甘い痺れがじんわりと広がる。内側から来る未知の感覚に、クモノイは熱い息を吐いた。律動は次第に動きを早め、与える刺激を強くしていった。

「あっあっはあっぁあっあうっあああっ」

 突かれる度に声が漏れる。それが快感から来るものなのか衝撃から来るものなのか、クモノイには分からなかった。と言うよりそんな事はどうでも良かった。

「あっやあっらめっらめえっっんあっああぁっ!」

 ただただ刺激を与えられ、女のように喘ぐことしか出来ない。甘く切ない快楽に涙が出る。ナーロットは腰の運動を再開し、自身も快楽を貪ることにした。クモノイは前も後ろも犯され、訳が分からなくなっていった。男と女の快感が同時に襲う。

「ああああっっらめっうごいたらっうあっっへんになるっあんっやああっ!」
「あっ……♪ キモチイイ……♪」

 受け入れられる快感の許容量はとっくに超えている。なのに、なかなかイクことが出来ない。後ろからは快楽が津波のように襲ってきて、頭の中に火花が散る。気持ちいいのが身体の中で弾けて反射する。もう、身体も心も溶けてしまいそうだった。

「やああっきちゃうっ何かきてるのっっああっ」
「あはっキモチイイんですよねぇ♪ ほら、イっていいですよぅ……イって、私にたくさん、快楽を下さい……♪」
「っっっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 快感が弾ける。甘い痺れが、気持ちいいのが止まらない。甘いものがせり上がり、視界がチカチカと白くなる。身体がビクビクと震え、頭が快感に塗りつぶされる。

「あっあああああああああっっ!!!!!」

 長い長い絶頂感。射精とは違う絶頂。切ないもので満たされ、溶けて――それが何回も繰り返される。気付かぬうちに前の方でも果てていて、ナーロットの膣内に熱を吐き出していた。彼女のなかで脈打つ感触に、ナーロットは笑みを浮かべる。

「んっ……熱いっ……♪」
「あ……はあっ……ぅあああ……」

 小さく震えるクモノイの身体をひとつ撫でる。それだけでクモノイはビクビクと反応し、ナーロットは玩具みたいだ、と小さく笑う。オモチャは、壊れるまで遊びたい――。

「ああっっ!?」

 クモノイが絶頂の余韻に浸っている所に、突然後ろの孔の律動が再開される。ガクガク揺さぶられ、クモノイは衝撃と快感に喘ぐ。

「やあああっっ待って、まだイッたばっかなのっっあああああっ」

 無理矢理昂らせられ、首を振って拒絶する。快感に涙が止まらない。無我夢中でよがるその姿に、ナーロットは更に揺さぶりを強める。

「こわれっこわれちゃうからぁっっああああっ」

 前立腺を抉られ、直腸を突かれ、クモノイの意識が遠くなっていく。

「あっ……やあっ……ばらせえとっ……」

 無意識に、同僚の名前を呼んでいた。口から溢れたその名前は、嬌声に混じって零れ出る。

「ばら、せーと、あっ、ばらせー、とぉっ……あっ」
「バラセート、とは……お知り合いですか?♪」
「あんっああっ……うああっっばらせーとぉ…!」
「……妬けちゃいますねぇ♪」

 触手の動きが、抉りが、速く力強くなる。イヤらしい水音が部屋に響く。クモノイはただ、送られる快楽にむせび泣く事しか出来ない。クモノイの穴が締まり、自ら触手を締め付ける。

「ああああっもっ、もう、だめっ、ばらせーとぉっあああっっ」

 再び達するのは、容易だった。

「――ぅあああぁぁああああああっっっっ!!!!」

 熱いものが体中で弾ける。自分の中で、熱い液体が放出されるのを感じた。先程よりも何倍も何十倍も、強く甘く切なく、気持ちいい。濃縮された快楽が、何度も何度も、クモノイの中で弾けた。意識が遠く、小さくなっていく――

「あっ……♪ 熱い……♪」

 ナーロットの中に、再び吐露される熱情。彼女はその熱さに震え、余韻に浸った。体を浮かせ、ずる、と肉棒を引き抜く。白濁が糸を引いて、切れた。

「……はあ、久しぶりにこんな美味しい食事にありつけられましたよぅ♪ ご馳走様でした……あれ? クモノイさん?」



 バラセートは病院に呼び出された。突然社長からの連絡があったためだが、案内された部屋の前でその理由を知ることとなる。
 到着した時から、室内から聞き覚えのある声が聞こえていて(何度か名前を呼ばれた気がする)、数分ほど廊下で待機。暫しの静寂のあと、中から女性が出てきた。背中の触手から、こいつも異形なのか、とバラセートは察した。手招きされ、病室の中に入る。

「えーと、これは何だ?」

 思わず疑問がそのまま出た。目の前には、静かに寝息を立てている同僚の姿があった。ただ、服は脱がされ、白濁まみれ、液まみれのままの姿で。

「貴方の同僚ですよぅ♪」
「ああそれは知ってる、知ってるが、どういう事なんだ?」
「少し、やりすぎちゃってぇ♪」

 解答になってない、と呆れた。

「この方の家まで送ってあげてください、バラセートさん♪」

 なんで名前を――と聞く前に、ナーロットは片付けを始めた。クモノイの身体を丁寧に拭き、服を着せる。

「いいですねぇ、愛されていて……♪」
「はあ?」
「はい、じゃあお願いいたします♪ ありがとうございましたぁ♪」

 面倒に思いながらも、バラセートはクモノイを抱きかかえた。相変わらず華奢だなあ、とぼんやり考えた。
 とりあえず、クモノイの部屋に向かおう。色々と問い詰めるのは、彼が目を覚ましてからのお楽しみだ。バラセートは心の中でニヤリと笑った。











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