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※Y本人の意向によりサイトから直接はつなげてません(くさすず)

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バラセート×クモノイ前提のナーロット×クモノイ

・パラレルワールド(免罪符)です以下略
・続き
・クモノイくん喘がせすぎた。そろそろ殴られる。






「相変わらずホコリっぽいなあ」

 そうボヤいたのはクモノイ。隣にはいつものように異形の同僚、バラセートが居る。

 二人は今、あの廃洋館へと来ている。ここはとある事件以来世渡り社で引き取り、現在は誰も立ち入れないように閉鎖していた。

 窓も無く薄暗い通路に二人の足音が規則正しく交差する。バラセートの炎がぼんやりと照らす以外の光源も特になく、足を進めるその先は闇へと続く。

 クモノイの言葉にバラセートは何も返さない。そういえばコイツには「ホコリっぽい」という感覚は無いのだった、とクモノイは横目に彼を見た。呼吸器官が無い彼にはそういった概念そのものが存在しないのだ。

 だからといって互いに何か言うわけでもない。それが彼らにとって当たり前だった。感覚が違う彼らの常だ。

「――で。本当に何も聞いてないんだよな?」
「君の方こそ」

 今回の仕事は不思議なことに、両者とも詳しい内容を教えられていなかった。そのためクモノイは仕事を受けることに躊躇いを覚えたが、社長に命じられた事は世渡り社員である以上引き受けなければならなかった。社長命令は絶対なのだ。

 ふと、あの夜のことが頭をよぎった。隣にいる彼の腕に抱かれ鳴いた夜。なぜ今更思い出されるのだろうと恥ずかしさが込み上げ、クモノイは頭を振って思考を振り払った。

 そうこうしているうちに目的の部屋に到着していた。クモノイは僅かな懐かしさを感じつつ、扉に手をかけた。扉を開くと同時に劈くような音が響く。

 かつて、触手女と戦闘を繰り広げたあの大ホール。扉を開け放したまま歩を進めると二人の靴音が反響する。中は暗闇に包まれており、ホール内の様子が殆ど判らないほどだった。

「……誰もいねえじゃねーか」

 バラセートが独りごちる。辺りを見回しても暗闇ばかりで、人の気配は無い。どこか、空気が淀んでいる気がした。

「――うわあっ!?」

 クモノイの声が宙に浮いた――と思うと同時、扉が大きな音を立てて閉まり、周囲の空気がざわりと揺れた。

「なっ――!?」

 クモノイの異変に気を取られている内に手足に何かがまとわりつき、それらは一瞬にしてバラセートを拘束し自由を奪った。後ろ手にされた腕が下に引っ張られ、両膝をついてしまう。

「な、何だ!? おい、クモノイ!」

 瞬間、視界がパッと明るくなった。バラセートの目の前には、ホール中に蠢く薄紅色の触手、触手に捕らわれ宙に浮いた同僚の姿、そしてひとりの女の姿があった。

「お前っ……!」
「お久しぶりですねえ♪」

 甘ったるい声。かのナーロットがそこに居た。バラセートは腕に力を込め、触手を振り解こうとした。

「このっ……」
「あ、大人しくしてくださいねえ♪ でないと……大切な同僚がどうなっても知りませんよぅ……?♪」

 クモノイは自身の腕に絡む触手が突如力を込めたので、腕が軋んだことに呻き声をあげ顔を歪めた。冷たい汗が背中を伝っていく。

 バラセートは、自分が今脅迫されている、ということを悟る。自分ならこんな触手は簡単に振り解けるがクモノイの力では無理であろう。今もクモノイは高く宙に浮いたまま、なんとか脱出しようと藻掻いているが、彼を捕まえる触手はビクともしないようだ。

 バラセートはなんとか冷静になるべく、腕に入った力をゆっくりと抜いた。ここで無理矢理にでも解こうものなら、あの女はクモノイを殺してしまうかもしれない。その可能性は低いだろうが、やろうと思えばそう出来てしまうこの状況下、バラセートが出来るのはナーロットに従うことだけだった。

「……そう、大人しく、ですよぅ♪」

 ニッコリと上機嫌そうに笑い、ナーロットはクモノイを低い位置まで下ろし頬を撫でた。

「放せっ! 何の用だっ!」
「あらぁ? 社長さんから聞いてないんですか……まあそれもそうでしょうねぇ、こんな依頼では……♪」

 クモノイの顔から血の気が引いた。自分はこの状況をよく知っている――というより、この状況に遭うのは二度目だ、と思い出す。悪い予感が当たってしまった。

「いやだっよせっ、やめろ、触るなっ」
「あら、ビジネスとしては悪くない話だと思うんですけどねぇ♪」
「……依頼内容は」

 ドスの効いた声でバラセートが問う。ナーロットはたじろぐ事も無く、右手でクモノイの頬を撫でたまま、笑顔を向けて答えた。

「クモノイさんが私の食事になること、ですよぅ♪ 完全出来高制、クモノイさんが"頑張る"だけ報酬をお支払いします……♪」

 クモノイは青ざめた顔でカタカタと震えている。小動物のようだ、とナーロットは自身の胸が高鳴ったのを感じた。

「ね、もういいですよねえ?♪ 私お腹ペコペコで……」
「や、やだ、……せめて、せめてバラセートを外に出してから……」

 クモノイはどうせやられてしまうなら、と半ば諦め、ならば恥辱を少しでも軽くしたいと考えた。バラセートに自分の痴態を、ましてや凌辱される姿など見られたくない。一度抱かれたとは言え犯される姿を見られるのはなんとしても阻止したかった。

「ダメですよぅ、バラセートさんにもお仕事して貰わなきゃならないんですから」
「おいおい、まさか俺まで"食べる"気かよ?」

 それは無理な話だな、とバラセートは嘲笑した。聞けばこの女の餌は「欲」そのものらしく、生憎自分にはそのような物は持っていなかった。

「ええそれは存じ上げています♪ ですから、カウント役をお願いしたくて……♪」
「は?」

 何を言ってるんだこの触手女は――と男二人は呆気にとられた。

「完全出来高制って言ったでしょう? ですから、互いに不正があっては困りますし、クモノイさんがイッた回数、ちゃーんと数えてもらおうと思ってぇ♪」
「ふ、ふざけるな!! そんな馬鹿げた事」

 クモノイの声を遮るように、ナーロットはその手でクモノイの両頬を包んだ。

「クモノイさん、そんな声出したら……我慢できなくなっちゃいますよぅ♪」

 直後、クモノイの唇がナーロットの唇に塞がれた。ナーロットの舌は容易くクモノイの口内に侵入し、彼の舌に絡んでいく。

「っ、んっ、むぅっ」

 クモノイは抗議の意を込めて声を出そうとするが全てくぐもってしまう。絡む舌は熱く、思考まで溶かされていく感覚がする。

「ふ、うぅ、っ……、は……ん……」

 この波に呑まれてはいけないのに、舌が痺れて頭の中に熱が広がっていき、何も考えられなくなる。クモノイは次第にナーロットの舌を受け入れていた。

 一方、バラセートは二人のソレを見せつけられ、何も出来ずに居た。その行為を見せつけられても興奮するわけではなく、なのに傍観役を直々に任されてしまったのだ。戸惑いが胸に残りつつも、バラセートは甘い息を絡ませる二人をただ眺めていた。

 ふと、ナーロットと目が合った気がした。初めは気のせいだと思ったが、次第にそれは確信へと変わっていく。彼女はどういうわけかクモノイと絡みながらこちらをチラチラと見ているようだ。バラセートにはナーロットの思惑が解らないが、まるで、口の無い自分には出来ない事を見せつけているような……。

「ん……はぁっ……あ……」

 口が離され、舌の先から糸が引いた。クモノイは惚けた表情で息を乱している。口内が甘く痺れている。それを満足げに見たナーロットは、ざわりと触手を蠢かした。

 触手たちはざわざわとクモノイに群がり、服の中に侵入し身体を這い回り始めた。

「はっ……や、やら……」

 舌が痺れて呂律が回らない。生温かい触手が皮膚を滑り、粘液を擦り付けていくたびに、身体の熱が上がっていく気がする。あたたかくて、きもちがいい。

 ナーロットはクモノイのズボンに手をかけ、下着ごと乱暴にずり下ろした。露になった下半身に触手が這い、ジリジリと痺れが増していく。しかし、触手たちは中心には一切触れないようだった。両足に触手が絡み持ち上げられ、穴を見せつける体制で固定された。

 一本の触手がつぷりと孔に触れた。入りそうで入らない程度に、入り口で動かされる。入念に粘液を擦りつけているようだ。

「や、そこはっ……」
「言ったでしょう、お腹ペコペコだって……じゃ、頂きますねえ♪」
「あ、あああっ……!」

 ずぷ、と中に触手が侵入する。ぬめりを帯びたそれはいとも容易く腸内を進み、クモノイを中から圧迫する。ずりずりと粘液を内壁に擦りつけられるとそこから甘い痺れが広がっていった。

「ふあ、あっああっ」

 触手は最奥に到達するとそのままゆっくり律動を始めた。中の質量が上下する度に一番いいところが擦りあげられ、あの感覚が、甘い快楽がさざ波のようにゆっくり押し寄せ、顔が紅潮していく。

「ふ、くぅ……っ!」
「……おかしいですねぇ?♪」

 ぴたり、と触手の運動が止まった。

「私が前に頂いた時より、柔らかくなってるような……私の他に、誰かと……?♪」
「……!」

 クモノイが目を逸らしたのを見て、ナーロットはバラセートを一瞥した。バラセートは身体こそ動かしていないものの、微かに動揺の色が見えた。

「へえ、愛しの彼に慰めて貰ったんですかぁ♪」
「ち、ちがうっ! そういうのじゃ、ぁあっ!?」

 言葉を遮るように触手を奥まで突き入れられ、クモノイの喉から甲高い声が漏れた。中の触手はそのままずぷずぷと音を立てながらクモノイを犯し、容赦無く昂らせていく。

「は、ん、ああっ、んんっ、んうっ……!」

 声を我慢しているつもりでも、僅かに吐息とともに漏れ出てしまう。バラセートにこんな姿を見せ、喘ぎ声まで聞かせたくはないのに、外も中も敏感になった身体は快感に正直に反応してしまう。

「ほら、声、聞かせてあげましょうよぉ♪」
「あっ、やっ、あ、んっ、や、やだっ、うあっ」

 突き上げられるたびに背筋にぞくぞくと微弱な電流が流れる。切なくて、気持ちが良くて、抗えない。

「ほら、ここが気持ちいいんですよねぇ?♪」

 ぎゅう、と中の一部分を押され、快楽がどっと押し寄せた。

「――――――――――っっ!!!!」

 ビクビクと腰が勝手に跳ねてしまう。ナーロットはほら、ほらと追い立てるように続けざまにイイところを責めてきて、クモノイは目を見開いて口をパクパクさせた。前立腺を押されると嫌でも快感が送り込まれてくる。

「っ、っっっ、〜〜〜〜っっ!! 〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!」

 クモノイはなんとか声は抑えていたが、気を抜いたら快感に叫んでしまいそうだった。全身から汗が吹き出し、体中が快楽で満たされていく。

「ほら、ほら、イキますよねぇ♪ イってください♪」
「や、やあああっ、っっっっっ!!!!」

 強く、前立腺を押し込まれた。ガクガクと下半身が震え、頭が真っ白になる。バラセートが見てる前で、無理矢理絶頂させられる――

「――――――――――――――――っっっっっっ!!!!!!!!」

 頭の中が快感で塗りつぶされる。訳がわからないほど気持ちがいい。甘い感覚が身体中に拡がっては染み込んでいく。パチパチと視界が弾け、白く塗りつぶされた。

「――――――は、あ、はぁっ」
「1回目……♪」
  
 絶頂の余韻がまだ続いている。それなのに中の触手は運動を再開して、またクモノイを揺さぶり始めた。

「あっ、ああっ、ん、んうっ」
「……バラセートさん、ちゃんと数えてますかぁ?♪」
「……まだ一回だろ」
「あら、ちゃんと見てたんですねぇ♪ その調子でお願いしますねぇ♪」

 悪趣味が、と喉から出かかったのをバラセートは無理矢理飲み込んだ。まさか、同僚が犯されているのを見せつけられるなんて夢にも思わなかったし、今でさえ夢かと思っているほどだった。

「んっ、あ、やうっ、あんっ、んんっ」

 クモノイの穴に触手がじゅぽじゅぽと音を立てて出入りしている。相変わらずクモノイの手足は拘束されたままで、無数の触手が這い回る胴体を震わせ、目から涙をポロポロ零す。触手が這ううちに服がまくり上がっていたらしい。桃色に染まった身体がビクンと跳ねた。

「あ、あ、あああっっ……!」

 その光景から、何故か目が離せない。

「――――――――――〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!」

 クモノイの全身が硬直し、二度、三度と弓なりに仰け反った。クモノイの性器の先からどろりと熱い白濁が流れ出て、ナーロットはペロペロと舐めとる。

「もう、こっち触ってないのに出ちゃったんですねぇ♪」
「う、ふ、くぅ……っ!」

 いつまでこの行為を受け入れなくてはならないのだろうとクモノイは屈辱的な気分になった。しかし身体は快楽を欲しがっていて、ダメだと思う一方、溶けてしまいそうな感覚に包まれることを望んでいる。

「もっと、もっと、気持ちよくなりましょうねぇ♪」
「や、やだ、うあっ、やだぁっ……あああっ……!」

 何度も何度も奥を突かれ、前立腺をグリグリと押され、強制的に快楽が流し込まれる。

「ひ、うぅ……っ!! あ、……、っ、っ……!!」

ごぷりと中に熱い大量の粘液を放出され、鼓動が高鳴りまた身体の熱が上がった。そのうち、もっとして欲しい、と考えて始めている自分に、クモノイは自己嫌悪した。しかしその思考も快楽に塗り潰されてしまう。

「〜〜〜〜〜〜っっ、っっっ!」
「……んー」

 首を振って耐えるクモノイを見て、ナーロットは不満げに眉をひそめた。人が快楽に耐える姿は好きではあるが、彼女の胃は彼の絶頂によって満たされるので、我慢されると食事にならないのだ。

「もっと手っ取り早くイってもらいますねぇ♪」
「ふぇ……? あ、あっ、ああああっっっ!!!???」

 前立腺に固くて柔らかい触手が食い込む感触がして、クモノイの視界がチカチカと輝いた。身体に思考が追いつかず、訳もわからないまま昇りつめた。

「あ、あああああああああああああっっっっっ!!!!!」
「いっかーい」

 全身の筋肉が硬直する。熱が体内で何度も弾ける。肉壁越しにまた、ぎゅうと触手が食い込んだ。

「やあ、ああっ、ああああああああっっ!!!!!」
「にかーい」
「ひあああっ、やらなにっっあっやあああああっっっ!!!!!」
「さんかーい」
「んあっらめえっいっあああっっああああっっ、――――――――っっっっっ!!!!!!」
「よんかーい」

 身体の中で快楽の塊が弾ける度にナーロットの淡々とした声が聞こえた。何度果てても欲望が収まることはなく、それどころか益々強くなるばかり。触手は前立腺を揉み込むように動いているらしく、感じたことのない狂おしい感覚にクモノイは喘ぎ叫んだ。

「やらっやらああっ、〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!」
「ごかーい、ほら、声出して下さいよぅ♪」
「くぅう、うああっ、らめっっああああうあああ…………っっっっ!!!!」
「ろっかーい」

 泣きじゃくってもナーロットは責めを止めようとしない。精子がだらだらと絶えず流れ出ていき、次から次へと襲い来る絶頂の波を頭では拒もうとしても、身体が全て受け入れてしまう。

「や、ゆるひて、もうっ……、っっっっっ…………!!!!!」
「ななかーい、もっともっとぉ♪」
「いっあっ、こんなっ、ああああっっやあああああああっっっ……!!!!」
「はちかーい……ほら、同僚もちゃんと見てくれてますよぅ♪」

 その言葉にクモノイはハッとして、濡れた目でバラセートを見た。バラセート自身は微動だにしていないが、揺らめく炎を見た瞬間、クモノイは急に羞恥に押しつぶされそうになった。

「へ、あ、やっやらっばらせーとっ、やっ……!」
「あははっ急に穴が締まりましたよぉ♪ ちゃーんと見てもらいましょうねぇ♪」

 触手はまた律動を再開し、水音を立ててクモノイを揺さぶった。

「あっみるなっああっばらせーとっ、うああっ、あんっあっやあっみないでくれぇっ……!!」

 バラセートにこんなはしたない姿を見せたくはないのに、コリコリと前立腺を押し上げられると、意思とはほぼ無関係に身体が反応してしまう。

「クモノイ……」
「あああっやらあっばらせーとぉっみるなああっっっああああっっっ!」
「っ……」
「いあっっやらああっっみるなあっ……――――――――あっあっああああああああああああああっっっっ!!!!!」

 精子が勢い良く飛び出て、身体と這う触手を白く汚す。中にまた大量の熱を吐き出され、白濁が結合部から溢れた。視界がバチバチと音を立てて瞬いた気がした。長い硬直のあと、クモノイが脱力した。惚けた顔で遠くの宙を見つめている。

「きゅうかーい……あははっ、クモノイさん可愛い……♪」
「はう……ぅ……」
「んー、もう一回イっておきましょうねぇ♪」
「あ……うあああっ……! あ、あ、ぁぁぁあああああっっっっっ…………!!!!!」
「ふふ、十回……♪」

 無理やり絶頂に導かれ何度も跳ねる身体。気を失いそうになっても触手が責めを止める気配もなく、ムリだと思っていても何度もイってしまう。クモノイは、自分の身体はどうなってしまうのだろうと心の片隅でぼんやりと思った。気持ちよさと恥ずかしさと悔しさに涙がボロボロと勝手に溢れ出ていた。

「ぅう、ぅ……ふあ……」
「もっと素直になって……そのほうが楽になれますよぅ?♪」
「ああ……ばらせーとぉ……ぅぅ……」
「……はあ」

 ナーロットは呆れたように溜め息をついた。この男はここまでされて尚、根本の意識は同僚の方に向いているらしい。その事が癪に障る。どうせならもっと虐めてやろうと、ナーロットの口元が釣り上がった。

 突如、クモノイを拘束している触手が移動し始め、バラセートの近くまで来た。拘束の力が緩まり、クモノイがバラセートの目の前の床にずり落ちる。バラセートは突然の出来事に動揺を隠せなかった。

「近くで見た方が、バラセートさんも数えやすいですよねぇ♪」
「は……? 何言って」

 ナーロットはバラセートの言葉を無視し、クモノイの上半身を床に押し付け、腰を突き出させた。バラセートにクモノイの顔を見せるような位置だ。

「クモノイ……!」
「あ……バラセート……やらぁ……あっ!!」

 また、身体を貫かれる。これ以上犯されたら身体が壊れてしまいそうだった。思考に霞がかかって、何も考えられない。

「もう、もうやらあっ……! ううっぅう……っっ!!」

 乱暴に奥まで突かれてクモノイはむせび泣いた。愛情なんてないただの捕食行為、それなのに感じてしまうのが悔しかった。

「あっ、あっ、あああっ」
「クモノイさん、イク時はちゃんとイクって言わないと……バラセートさんが数えにくいですよぅ……?♪」
「うあっ、ああっ、あんっ、あっ」

 細い触手が肢体に絡み、巧みに扱き上げる。弱いところを全て見透かしているかのような愛撫に翻弄され、暴力的とも言える快楽に為す術もない。高まる射精感に腰が揺らめいてしまい、嬌声を抑えることが出来なかった。そうしているうちにも次の限界はすぐそこまで来ていて、身体が小刻みに震えてしまう。

「――――あっ!!!?」

 突如根元をきつく締められる。寸前まで高まっていたのに吐精することを禁じられ、クモノイは混乱した。そのまま弄ばれて、その快感が苦しくて身悶える。

「や、あっ……、ん、あ、うぅっ……!」

 どうして、とでも言いたげに見上げてくるクモノイに、ナーロットは耳元で囁いた。

「まだイかないのだったら射精する必要もありませんよねぇ?♪ ちゃんと言わなきゃ、ね……?♪」
「う、う……!」

 ぐちゃぐちゃと絡まれて、限界はとうに超えているのに達することができない。それを我慢する理性はほとんど残っていなかった。

「……かせて……」
「なんですかぁ?♪」
「イかせて……おねがい、らからぁ……っ!」

 人の理性をボロボロと崩していくたびに、ナーロットは自分の欲が満たされるのを感じていた。

「クモノイさん、イキたいんですかぁ?♪」
「イキ、たいからぁっ……ださせてっ……もう、もう……!!」
「いいですよぅ……たくさん出してくださいねぇ……♪」

 根元の触手が緩まると同時、与えられる快感が強くなる。前も後ろも弄ばれ、頭の中がぐちゃぐちゃになる。響く水音に聴覚も犯され、もう訳がわからなかった。ただ快楽に身を委ねることしか出来なかった。

「あっあっ、いく、いっちゃう、でる、あっ、いっ――――――!!!」

 あっという間に果て、白濁が大量に吐き出された。少し硬直したあと、クモノイは額を床につけ、力なく呼吸する。両腕は既に開放されているのに、抵抗する気力はどこにもなかった。

 また後ろの律動が始まる。ただ呑まれるような感覚にクモノイは為す術もなかった。

「はあ、あっ、ああっ……!!」

 するりと触手が一本伸びてきて、クモノイの性器を呑み込んだ。中は無数のヒダが蠢いていて生温かく、さらなる快感を与えてくる。精液を吸い取られるかと思うほど強く吸いつかれた。

「あっっうあっああっあんっはっはあっ」
「ね、クモノイさん、気持ちいいですか? 気持ちいいですよねぇ?♪」
「あ……ん……」

 溶けきった思考のなか、クモノイは無意識に言葉を紡いでいた。

「あ……きもち、いい……きもちいっ……あ……」

 バラセートの炎が揺らいだのをナーロットは見逃さなかった。

「んあっ、はあっ、きもちいい……ああっ……」
「あははっそうですよねっ気持ちいいんですよねぇっ♪」
「あぅっああっ……き、もち、いいっ……あぁ……!」
「気持ちよくて、またイっちゃうんですよねぇ♪ ほら、イって……沢山気持ちよくなって……♪」
「あっ……ああっきもちいっっ……あああっっいっちゃうっいっっっ――――!!!!」

 クモノイの性器がドクドクと脈打った。精液を全て吸い尽くされそうな感覚にがくがくと身体を揺らすクモノイを、バラセートはただ見ているしか出来ない。

「あっ……ばらせーと……きもちい……んぅう……」
「クモノイっ……」
「あ、ああっ、また、またいっちゃう、ああああっっ……ふああああっっ……!!!」

 目の前でクモノイがうわ言のように喘ぎ続ける光景にバラセートはクラクラした。少し手を伸ばせば触れられそうな距離なのに触れることができない。陵辱を黙って見ていなければならないのか――

「ばら、せーと……ばらせーと……」

 そう思った瞬間、不意にクモノイの方から手を伸ばしてきた。弱々しく伸ばされた腕は、親にすがる赤子のようだった。足に触れた手はゆっくり腰を滑り、背中へと回される。クモノイはバラセートの胸に顔をうずめて喘いだ。

「ん、んぅ、はあっ、ああっ……!」
「クモノイ、クモノイ」
「あっ、ばらせーとぉ……っ」

 甘えた声で自分の名前を呼ぶ同僚を抱き締める事も叶わない。突かれている衝撃を受け止めることが精一杯だった。

「ばらせーと……ぼく……あっ……ぼくはっ……うあっ」
「クモノイ……」
「あ……あああっまたっまた、いっちゃぁ……っっっ……!!」

 回された腕に力が入り、クモノイの柔らかな髪が数度揺れた。既に意識を保つのもやっとのはずなのに、それでも触手はズルズルとクモノイを犯していく。

「あああっ……やああっばらせーとっっ……!!」
「……クモノイ……」
「あ、ああ、ばらせーとぉ……!!」

 バラセートは、ただクモノイの名前を呼んで、その光景を受け容れることしか出来なかった。



 それからどの位の時間が経ったのだろう。一日中されるがままだったかもしれないし、もしかすると一時間も経っていなかったのかもしれない。何度も何度も絶頂して、止むことのない責めに長いこと鳴き続けていたのは確かだった。

 クモノイはいつの間にか気を失っていたことに気がついた。いまだに思考が霞み、フワフワとした感覚が残っていて、何か動作をするのも億劫だった。

 閉じている瞼の向こう、ナーロットとバラセートの会話している声が微睡みの中に聞こえた。声色から業務的な会話をしているらしいが、今のクモノイにはどうでもいいことだ。身体に感じる温もりから、どうやらバラセートの腕に抱かれているらしい。耳元で彼の声が聞こえるのが心地よく、しばらくこのままで居たいと、体力が残っていないのを言い訳に体を預けることにした。

「では、その金額、しっかりお支払いしますので……♪」
「……ああ」
「うふふ♪ それでは、私はお先に失礼しますねぇ♪」

 それから、軽やかな足音、扉が開閉する音が続き、その後は静寂が包んだ。

 後頭部をポンポンと、彼の大きな手に撫でられている。心地いい、安心する。

「……起きてるだろ」

 ボソッとバラセートが呟いたのが可笑しくて、クモノイは小さく吹き出した。目を開けてまず映ったのはバラセートのスーツの色。視線を上にずらすと炎が穏やかに揺らめいていた。

 いつのまにか服は元通り着せられていた。しかし粘液の感触が僅かに残っていて、あまり心地の良いものではない。

 立てるか、と聞かれ起き上がろうとしても、下半身に全く力が入らない。

「あれだけされてたからな、無理もない」

 その言葉にクモノイの顔がかっと赤くなった。結局この同僚に一部始終を全て見られてしまったらしい。羞恥を隠すように、バラセートの胸に顔を押し付けた。

「すごかったな」
「……言うな」

 キッと切れ長の目に睨まれ、バラセートはからかうように肩をすくめる。クモノイはさっさと離れようとして腕に力を込めたが、それをバラセートの手に掴まれた。

「立てないくせに無茶するな」

 バラセートにひょいと持ち上げられ、そのまますたすたと歩き出したのでクモノイは驚いた。

「ばっやめっ、下ろせ」
「大人しくしろ」

 落とすぞ、と言われてクモノイは抵抗をやめた。だんだん情けなくなり、またバラセートの胸に顔をうずめる。彼のぬくもりが温かい。

「疲れたろ、寝ててもいいぞ」

 無言で頷く、それしか出来なかった。クモノイはなるべく上を見あげないように、バラセートに顔を見せないように気をつけて彼に身を委ねた。

 バラセートの歩はクモノイの自宅へと向かう。前と同じ構図だな、とバラセートは同僚に悟られないように、心の中で笑った。足取りは軽くも重くもない。家へ送った後どうするかはその時に考えることにした。送り届けたその時に、同僚が少しでも甘えてくることを期待しながら。



おわった。(ごめんなさい)














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