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※Y本人の意向によりサイトから直接はつなげてません(くさすず)

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・シイジイ、次の犠牲は君だよ(恍惚)
・心情描写とか無理だから普通にぶち犯した。いつもどおりだった。
・誤字脱字は多分ある



 左手に鈍い衝撃を受け、思わず己の武器である鋏の片割れを手放してしまった。
 後方に、鋏が床へ叩きつけられる音を聞いてシイジイは舌打ちをした。それを拾いに行く余裕はないと一瞬で判断し、迫る追撃を素早く躱し、狙いを定めてもう一方の片割れで容赦なく斬っていく。ピンク色の肉片がどちゃりと落ちたのを確認することもなく、鋏を閃かせ次の斬撃を放つ。
 こんなことになろうとは思いもしていなかった。散歩がてらに放浪していた森の中、突然現れた大きな西洋風の薄汚れた屋敷。気まぐれに侵入して宛もなく散策し、末に訪れた広いホールに待ち構えていた触手の大群に襲撃されるとは誰が予想出来るだろうか。シイジイが確認する限りでは意思疎通が出来そうな存在は見当たらず、この触手が住処にしていたのだろうと推測を立てた。
 シイジイは内心焦っていた。先程から何度も触手を切り伏せているにも関わらず、触手の猛攻は収まらない。それどころか相手の手数が多くなっている気さえした。
 一旦大群から距離をとり、攻撃を流しつつ目を向ける。先ほど床に斬り落とした一片はうぞうぞと蠢き、新たな核として数本の触手を伸ばした。気がつけば、最初床全体の四分の一も無かった触手は今や足場の半分以上を埋め尽くしていた。
 シイジイは自らの手で触手を増やしていたのだ。彼が斬り落とす度に核となる部分は増え、捕らえようと伸びる触手も比例して増加する。
 キリがないことを察するも、入ってきた扉は触手に覆われるように閉ざされ、斬っても斬っても触手が素早く伸び開けられることはない。せっかくの餌を絶対に逃すまいとしているようだった。

「気色悪いっ……!」

 小さく悪態を吐く。足元に蠢いてきた太い触手を床に縫い付けるように刺すと切り口から白い液体が噴出した。液は花のような香りを放ち、その香りはシイジイが抵抗を繰り返す度にこの空間に充満していく。シイジイは目が霞んできたことに気がつき、一刻も早くこの場所から脱出しなければならないとの焦燥だけが積み重なる。
 四方八方から無数の触手が襲いかかる。刹那シイジイは天性の勘と瞬発力で全てを細切れにし、数多の肉片が床へ叩きつけられた。触手の体液が降りかかることも厭わず迫る触手を片っ端から一刀両断していった。
 しかしそれは判断ミスであった。この触手は僅かな肉片も核となる。気がつけば床一面が触手の大群に覆われシイジイが動ける足場はほぼなくなり、あまつさえ取り囲まれてしまっていた。満ちる芳香に目が眩む。僅かによろめいた隙を触手は見逃さず、シイジイの足に纏わりついた。振り払おうと右腕を振り上げるも触手が素早く絡み取り、触手の体液で手が滑り鋏が手元から離れてしまった。

「ちょ、まっ!?」

 伸ばす腕もむなしく、鋏はあっという間に触手の波に流されていった。四肢に触手が絡みつき足を取られ、一気に床に引きずり降ろされる。背中を強く打ち一瞬息が詰まった。

「放しやがれ……!」

 腕に力を込めてもビクともしない。見回すと触手の大群が己を取り囲み、まるで触手の海に居るようだった。このままこの化け物の栄養にでもなるのかと思うとゾッとする。乱れる息を整えようと息を大きく吸い込むとあの香りを同時に取り込んでしまう。その度に視界と思考が霞むような感覚に陥り、身体から力が抜けていく。これは毒や麻酔の類かと思った時には既に身体全体の筋肉が弛緩していた。

「っ……」

 不味いとは思いながらも体がいうことを聞かない。シイジイが抵抗をやめ大人しくなったのを機に、触手は彼の身体をゆっくりとまさぐり始めた。コートのボタンを器用に外しインナーの中に潜り込む。服の中で這い回られる感覚にシイジイは嫌悪を感じた。
 どうせ殺すならひと思いにやってほしい。首の骨を折ってくれればいいのに、とシイジイは動かない身体を呪った。もちろん一番いいのは命が無事に助かる事だが、例えば、この状態から酸等でじわじわと溶かされ苦しみながら死ぬのは最も望まない展開である。ずるずると己の体を撫でられながらただ祈るばかりだった。

 シイジイの心配をよそに触手は好き勝手に彼の白い皮膚を撫で擦り、白い粘液を皮膚に染み込ませていく。十数分ほどそうされていたので、思いのほか穏やかな扱いにシイジイは次第に困惑していった。ほんの少しだけ力が入るようになったが脱出するには至らない。この触手、何が目的なのかが理解できないが、自分の身体が自由にならない以上余計な抵抗は無意味だと判断した。
――それに、触手が温かくて少し気持ちいい――
と思いかけたところで首を振って払う。いくらなんでも「気持ちいい」はマズイだろう、と目を細めて体を見下ろした。触手たちが服をもぞもぞと変形させている。這い回られる上半身がくすぐったくなって身を捩るも大した抵抗にはならないようだった。
 触手は物足りなくなったのか、ベルトを器用に外しズボンから下半身へと侵入を始めた。

「お、おい……?」

 下着の中にまで入られている感覚、そしてシイジイは自身が少し勃ってしまっている事に気がついた。まさかこの得体の知れない生物の愛撫に感じてしまっていたのか、と信じられる訳がなかった。すりすりと愛でるように下腹部を這われる。性器に螺旋状に巻き付かれ扱き上げられ、思わず甘さを含んだ息が漏れ出た。いつの間にかズボンと下着を下げられていて水っぽい淫猥な音がよく聞こえてしまう。こちらも忘れるなとばかりに、乳首を押し潰されるように捏ねられるとピリピリと小さく鋭い電流が流れた。

すっかり硬くなった自身から巻き付いていた触手が離れたかと思いきや、今度は太い触手が伸びてきた。それは先端の口のような部分を開くと、ぬるりと陰茎を呑み込んだ。

「ふ……っ……」

 中は温かくぬめりを帯び、程よい締め付けで吸い上げてくる。食いちぎられるのではないかと不安になるもその様子はなく、ずぷずぷと触手が上下する度に中の白い粘液が溢れてきて、包まれている心地よさにシイジイは目を閉じた。
 
「んっ……く……ぅ……」

 小さく漏れでる声と息が熱く感じる。股間が熱く充血していく感覚に抗えず足腰が震える。男を知り尽くし、精を吐き出させることに特化した触手の内部はひだとイボで埋め尽くされていて、それがカリ首に引っかかると背筋に鳥肌が立つ。胸の突起をぐにぐにと弄られその痺れが下半身に直結し、ペニスは更に膨張した。
 なぜか素直にその行為を受け入れてしまっている事に気がつきシイジイは正気を取り戻そうとした。しかし限界も近く、抵抗の意思を奮い立たせるには遅すぎた。

「はあ……はああっ……!」

 ぶる、と腰が震えて肢体が脈動する。一人でするときよりも長い射精時間に背筋が反ってしまう。わずかに浮いた腰が痙攣する。そうして中に吐き出した熱を触手に美味しそうにジュルジュルと吸い上げられ、最後まで丁寧に絞り出された。

「はあっ……はあ……」

 屈辱や羞恥が入り混じる。まさか触手の目的は搾精だったのだろうか、とシイジイはぼんやりする頭をなんとか働かせ落ち着きを取り戻そうとした。しかし触手は運動を再開し、更に搾り取ろうとする。

「あっ、やめろっ、あっ、ああっ……!」

 絶頂したばかりで敏感な陰茎を扱き上げられて堪らず声を上げた。ぐじゅぐじゅと粘液で満たされた触手内で執拗に弄ばれ、特に敏感になっている亀頭を擦られて電流が走り、あまりの刺激に腰をくねらせて悶える。更に玉を細い触手にふにふにと優しく丹念に揉まれ、精巣内に精液を強制的に生産させられる。亀頭を捏ねられ裏スジを擦られ、丁寧かつ淫靡な動きに高い唸りをくぐもらせた。じゅぷ、と音を立てて根本まで挿れられ、無理矢理精を吐き出させられた。

「っっっっ……!!」

 目の前が白く弾ける。精液が尿道を通って出ていくのが嫌にはっきりと感じられ、鋭い快楽に声が詰まった。
 ゆっくり、ねっとりと名残惜しそうに触手を引き抜かれ、背筋にぞくぞくと寒気が走る。糸を引く白濁が触手のものなのか己のものなのか判らなかった。こんな怪物に襲われて感じ、精を吸われた事実に理解が追いつかない。くたりとシイジイの身体が硬直を解くと、触手は彼の足を持ち上げ開かせた。尻穴に粘液を垂らしずりずりと擦りつけ、穴を押し広げた。

「おい……冗談だろっ……!?」

 その行為の意味を察し、シイジイは藻掻いて拘束を解こうとしたが殆ど無意味なようだった。シイジイの抵抗を嘲笑うかのように、人の指三本ほどの太さの触手が容易く中に侵入していく。

「あ…………やめっ……ふ……っ!」

 触手を後ろの穴が咥え込んでいる、その事実を受け入れたくない。柔らかく大した質量ではないし痛みもないが、中から圧迫されるという慣れない感触が息苦しい。さほど奥までは挿れられていないようだ。
 ぐにゅり、とその触手が動いた。浅い箇所で短い律動をゆっくりと始める。ぎゅぷぎゅぷぎゅぷと短く突き上げられシイジイの身体が揺らされた。弄られる上半身は気持ちいいが、はっきりいって下半身のそれに快感はない。息苦しさと異物感による嫌悪のみが湧く。手持ち無沙汰そうにしているシイジイの半身を、触手はすりすりと軽く撫でるだけに留まった。シイジイはされるがままを見下ろすしかできない。

「っ…………」

 揺さぶられる中、躰の奥に疼きを感じた。重いような甘いような不思議な感覚は、触手に突き上げられる度に少しずつ蓄積されていく。そして、挿れられる嫌悪は薄れ、どこか安心感さえ生まれていた。それは多幸感へと変わっていき抵抗する気力を薄れさせる。

「う……あ……くっ……」

 浅い律動、最低限の動きが、自分の身体が着実に昂っていることを余計に知らしめる。漏れる甘い息が快感から来るものなのか衝撃から来るものなのかシイジイには判らなかった。表情も恍惚とし声には艶も生まれていった。
 疼きが重くなる、甘くなる。染み出るような甘さを抑えようとしてもその方法をシイジイは知らず、歯が浮くような気持ちよさに眉根を寄せた。触手の律動が段々早くなっている。後ろの穴を犯される。解される。嫌な筈なのに抗う気力が湧かない。ぎゅぷぎゅぷと犯されるのが気持ちいい。

「はあ……あ、んう……っ!」

 繰り返される抽送に高まる快楽。抵抗の意思を削がれていく。身体中を這う触手が温かい。握り擦って欲しいと強い刺激を求める中心は触れられず、それなのに先端から透明な液を静かに垂らしている。
 ふと菊孔の触手の運動がゆったりとしたものになり、ぎゅう、とマッサージするような動きに変わった。前立腺がある腸壁をゆっくり、ゆっくり時間をかけて押し上げられ、蕩ける快楽に悦びの声が押し出された。

「あ、ああ、ぁぁああ……!!」

 目の前の快楽にしか思考が回らなくなる。身体の中枢をゆっくりと突き抜けていく光に理性を根こそぎ持って行かれる気がした。身体中の筋肉が痙攣し汗が吹き出る。下半身が溶けてどうにかなってしまいそうだ。引かれ、押される一つ一つの動きがどうしようもない快楽を溢れさせていく。自然と目尻に涙が溢れ、顔を歪ませはしたなく涎を垂らし喘ぐ姿に、殺人鬼と呼ばれる彼の面影は無かった。
 触手に弱点を強く押し込まれた瞬間、突然大量の快楽が奥底から溢れだし、鼓動が高鳴り呼吸が早く深くなる。背中に柔らかな痺れが駆け巡る。脚ががくがくと大きく痙攣する。脳と心臓を柔らかい綿で包まれる感覚にシイジイは嬌声を上げた。

「や、めろっ……あ、ひ、あぁああああっ……、――――――――っっ!!!」

 塞き止められていた快楽が決壊していく。溢れて止まらない。何もかも分からなくなる。頭の中を光が埋め尽くす。埋め尽くされる――
 声にならない叫びをあげ、シイジイは永い絶頂を味わった。

 がくりと力が抜けた彼の体を触手は優しく受け止めた。
 いつの間に射精していたのか、ドクドクと流れる白濁を、触手は表面から吸収したり、美味しそうに啜ったりしている。何が起こったのか理解出来ず放心していると、触手は次の段階に移ろうとシイジイの身体を四つん這いにさせようとしたが、彼は腕に力が入らず腰を突き出し伏せる形となった。
 そして、後ろの穴の触手はずるりと奥まで侵入する。突き入れられた衝撃ですら快感となって躰に広がった。

「あっ……まだ、やる気かよ……っ!」

 ゆっくりと律動が始まり直腸全体が触手に丹念に擦られる。先程よりもずっと深いストローク、粘液の作用なのか肉壁が疼き敏感になっていて、摩擦された箇所が全て快楽を送り込んでくる。ビリビリと広がる甘い痺れはシイジイを翻弄して判断力を鈍らせていく。不浄の穴を性感帯として作り変えられていき、シイジイは為す術もなく声をくぐもらせた。

「ああ、ぁ、あっ、くぅ……!」

 喘ぎ声に呼応するように、触手は弱いところを探し出しそこを重点的に責めてくる。にゅぷにゅぷと柔らかい水音に聴覚も犯される。直腸の隅々まで弄られ、普段なら触れられるなど絶対にありえない場所を触られる感覚に身体が震える。括約筋を拡げるように揉み解されると力が更に抜けていく感覚に襲われた。
 突如、中に入っていた触手が運動を止めずるりとシイジイから出ていった。さっきまで妙な質量に支配されていたそこはヒクヒクと切なそうに粘液を零し、更なる質量を求めていた。
 快楽が途切れたにも関わらず、躰の中に残る痺れによって意識が朦朧とする。次に後ろの孔にぴとりと何かが触れた事にも気が回らず、両腕を背後に引っ張られ上半身が浮いたところでようやくその感触に気がついた。振り返ろうとするも、直後の衝撃によりそれが叶わなかった。

「ーーーーーーーーーーッッ!!!」

 大きく、硬い質量に一気に貫かれ、あまりの衝撃に声すら出ない。挿入られた触手は弾力性はあるが芯は硬く、ギチギチと直腸を内から拡げる。触れられるだけで甘い快感を生み出すようになっているナカ全てを圧迫されシイジイは息を吐き出せなかった。そして前では細い触手に根本を締め付けられる。その状態で触手は後ろの抽送運動を始め、シイジイの身体を乱暴に揺さぶった。

「あ、あ、い、ああっ、は、あ、」

 中の触手に前立腺のある位置を後ろからガツガツと突かれ、その度に頭の中が白く爆ぜる。前では根本を締められて出したいものもろくに出せずシイジイはだらしなく口を開き涎を垂らしていた。内蔵を掻き混ぜられる感覚、それなのに快楽が絶え間なく押し寄せてきて、身も心もぐちゃぐちゃと溶かされ掻き回され訳がわからなくなる。奥深くまで突き刺されて思わず仰け反り震えてしまう。抵抗という選択肢を彼に考えつかせないように、触手は先ほど見つけ出した彼の弱点を隈なく責めていく。シイジイは寸前で絶頂に至らない身体にただ喘ぎ、首を揺らすしか出来なかった。

 長い時間達することが出来ないままひたすらそうして貪られ意識も飛びかけていた頃、扉が開かれる音が遠くに聞こえた。シイジイはその音の意味を理解するのに時間がかかり、誰かが来た、と思うと同時、その人物は目の前で歩みを止めた。華奢な足に思わず顔を上げると、耳の長い女が自分を見下ろしていた。

「だ、れだ……?」

 息も絶えだえにそう言うと、女はしゃがみシイジイの顎を掴んだ。

「あら、結構食べられた筈ですけど……まだ壊れてないんですねえ♪」
「は、あ……?」

 言葉を発する存在によってシイジイの意識が覚醒した。いまだ後ろで続けられる触手の愛撫に耐えながら女に問う。

「お前、まさか、これの、親玉かっ……!?」
「そうですけど……こんなに増やした覚えは無いんですがねえ♪ 貴方が増やしちゃったんでしょう?♪」
「ざけんなっ……さっさと放せ……あぐっ!」

 黙れと言わんばかりに深々と突き立てられる。奥の弱いところをズリズリと擦られて中枢の震えが止まらない。他人が目の前に居るのに情けない声を漏らし、慌てて声を抑えようと奥歯を噛みしめた。

「は、ああ、くうっ……!」
「なんだ、貴方もすっかり気に入ってるじゃないですかあ♪」
「だれ、が、こんなもんっ……あっ……!」
「ここもこんなに腫らしちゃって……♪」

 耳元で甘ったるく囁かれながら、張り詰めた肢体に手を添われる。すりすりと竿を撫でられ、ふにふにと玉を揉まれ、くりくりと鈴口を弄られる。気だるい、そして甘い女の匂いにまた意識が遠くなりそうだった。

「感じてるでしょう? 気持ちいいでしょう? イキたいでしょう? イってくださいよう、ほら、ほらぁ♪」

 耳元で、畳み掛けるように、催眠をかけるように語りかけられる。前と後ろからの快感に脳味噌をドロドロに溶かされ全ての快感を受け入れてしまう。突如強く扱かれ、女の手に射精を促される。導かれる。イキかけで留まっていた身体は容易くそれを受け入れてしまう。

「あ、ああ、ああ……!」
「ほら、イっちゃう、イっちゃう、イっちゃえ……♪」
「あ、やめ、はぐ、あ、あああああっっ……!!!」

 びくん。びくん。びくん。
 久しぶりの絶頂、なのに根本の触手に射精を阻まれ、精を吐き出すことが出来ない。絶頂感だけが体中に跳ね返り腰がガクガクと震えた。後孔の触手が追い討ちをかけるように前立腺をぎゅうと抉り、体の奥から快楽がとめどなく溢れていく。

「や、あっ、〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!」

 腰が抜けてしまう程の強烈な快楽に目の前がスパークし真っ白になる。体中がビクビクと痙攣し、押し寄せる甘い津波を止められない。脳全体をくすぐられるような、それでいてどこまでも気持ちがいい、切ない快感を強制的に堪能させられる。長い。永い。どこまで続くのだろう。

「――――――――――――…………、」

 ふるりと僅かに体が震え、糸が切れるように力が抜けた。好き勝手陵辱された後ろの穴から触手がずるりと音を立てて出ていった。力が入らない身体を触手が持ち上げ、また床の上へ仰向けに倒される。女は、余韻に開きっぱなしの孔を見て、微笑み愛おしそうにため息をついた。

「ふふ……可愛い……男の人のこういう姿、やっぱりたまりませんねえ……♪」

 そう言いながらまた柔らかいゲル状の触手を彼のアナルに挿入する。触手は前立腺のあたりをぬるぬる、くるくると円を描くように、解すように動き、その優しいマッサージにシイジイは脊髄を羽で撫でられるような快感が伝うのを感じた。

「ぅあ、ぁぁあ……ッ!」

 くるくる。くるくる。さっきまでの粗暴な動きとは一変、指で優しく撫でるような繊細な動き。絶え間なく送られる優しく切ない痺れに体の芯から溶ける錯覚を覚え、頭を抱えて泣き出したくなる。目尻に涙を溜め、か細く嬌声を漏らす男に向かって女は無邪気に問いかける。

「ね、ね、気持ちいいでしょう?♪ 素直に声出して構わないんですよぅ?♪」
「だ、れ、がぁ……っ!」

 抵抗の意思を示そうにも熱を帯びた声では相手の思う壺である。歯を食いしばり快楽を抑えようとするも、微細に強弱をつけながらゆるゆるうにうにとマッサージされて足の先まで痺れた。緩やかに昇りつめる。抑えられない。意思が、躰に逆らえない。

「ああっ、ふ、ぅぅううううっ……!!」

 頭の中で光が何度も弾けた。髪の毛が抜けてしまいそうな痺れが頭全体をジワジワと覆い、昇る最中も柔らかい愛撫は止まらず、より深く、深く絶頂に溺れる。

「いっ、て、うあ、……、まだ、いく……、あ……、ああああっ……」

 ぞくぞくと心地よい寒気が背中に走る。爪先が小さく宙を掻き、悦びに涙を流し口をパクパクとさせ、その身体を小さく跳ねさせた。いい加減萎えてもいいだろうに、半身はいまだ膨張したままだった。

「じゃあそのまま、イキ続けてくださいねえ♪」
「へ、あ、ああっ、ああああッッッ……!」

 くるくる、くるくる、くるくる……と異常に敏感になった前立腺を優しく、優しく虐められる。

「あ、ああっ……いく、いって、ぇ、ぅうう……!」

 痙攣が止まらず、突き抜けたまま戻らない絶頂に首をふるふると横に振った。触手に胸の突起をぐにぐにと潰され、痺れは切なさとなって思考回路まで犯していく。体中の血流がドクドクと滾り、その熱さが変になりそうで、自分が自分でなくなってしまう気がした。
 そんな中、根元を絞めていた触手がその拘束を解いた。しがらみから解放され、塞き止められていたモノが溢れ出していく。

「ひ、あっ……あああっ……」

 なんで今、と思う間もなく陰茎が脈動し、腰に鋭い快楽が突き抜けたあと白濁をダラダラと力なく吐き出した。そしてそこは壊れた蛇口のように溜まった欲望をどくどくと垂れ流し続け、彼の白い肌を汚していく。細く長く続く射精感に息が震えた。

「ほら、たったこれだけじゃなくて、もっと出せますよねぇ?♪」

 ごり、と前立腺を強く抉られる。

「ッッッッッ!!!!」

 頭の中に火花が散り、ごぷりと精が溢れた。

「あはっ♪ こんなに隠してちゃダメじゃないですかぁ♪」
ごり、ごり、ごり、ごり。
「あ、あ、あ、あ、」
「ほら、もっと……♪」
「や、やめ、あ、ああ……!!!!」

 ごりごりと乱暴に抉られるたび射精し、その都度意識が飛びそうになっては圧倒的な快楽に支配され引きずり戻される。しなる腹の上に白濁がとぷとぷと溜まっていく。意味を成さない声を上げることしか出来ず、強制搾精に抗う事も叶わない。半狂乱になりながらその絶頂を受け入れ続けるしかできなかった。

 そんなことを十数分続けられ、ぐったりとした彼の上体を触手が起こす。精を全て出し尽くし、快楽に浸り続けてまともな思考もままならない、普通の人間ならばほぼとっくに壊れているはず、しかし……と女は彼を見て片眉を上げた。

 快楽を与えている時でこそ痴態を見せてくれるが、愛撫を止めれば目の輝きに意識を宿しこちらを睨みつけてくる。呼吸は乱れていても、前髪の隙間から覗く琥珀の目は敵を前にした獣のように鈍く輝いていた。
 
「まだそんな反抗的な目が出来るんですねえ……♪」

 その方が面白いけど、と女は心の中で付け加え、未だ萎えない彼の性器をいたわるように優しく扱く。十二分に高まった性感ではそれすら強い刺激となり、シイジイは軽く声を詰まらせて悶える。長時間後ろに拘束された彼の腕が弱く軋んだ。

「もう、出ねえ、よっ……!」
「ホントですかぁ? そんなこと言って止めさせようだなんて思ってるんじゃないですかぁ?♪」
「本当、だっ、ての……っ!」

 与えられる快楽に耐えながら声を荒げる姿に、女はふぅん、と目を細めた。鉛筆ほどに細い触手をするりと伸ばし、愛撫に熱く滾る彼の先端につぷりと差し入れた。そのまま尿道口をくりくりと弄るとシイジイが息を小さく漏らす。

「少し確かめさせて貰いますねぇ♪」

ずるり。一気に、あまりにもすんなりと、それはシイジイの尿道に侵入する。

「ッッ!!!」

 突然の事にシイジイは喉を引き攣らせた。それは竿の中間ほどまで一気に入った後、奥へゆっくりと侵入を続ける。言いようのない異物感。痛みは不思議と感じない。ただ、自身に侵入するそのビジュアルから目を背けたくなるも、目を閉じれば尿道を押し広げられていく感触を鮮明に受け取ってしまう。食いしばる歯の隙間から漏れる息と声に艶が孕むのを自覚してしまう。

「ふ、くぅ、ぅう、」
「ほら、もうすぐ、気持ちイイところ……♪」
「く、ふ、あ、あっ」
「ここで、こう、ね……♪」

 尿道から前立腺をくりくりと弄られる。触手が円を描くように動き尿道を内から押し広げ、ゆるゆると抜き差しされ、前立腺をいたぶられる。ゆっくりとなぶるその動きが、背中が粟立つような灼ける快楽を生む。射精しているような感覚が継続し口元が緩んでしまい、拭われずに垂れる涎が顎を伝った。

「やめ、はう、ああっ、あっ、あっ、」
「いい顔してますよぅ♪ そのお顔、とっても可愛い……♪」
「ふあ、やめ、ろ、あ、ぅ、あんっ、ぅうう……!」
「……と、まだやることがあるんでしたねえ♪」
「ん、あっ……ひっ!」

 さらに奥へ入り込まれる感触にシイジイは身体を震わせた。息苦しさを上回る快楽に満たされる。ゆっくりと挿入されるその時間と快楽が永遠のモノのように思えた。

「こっちが射精管……そこをこうして通り過ぎると……精子を溜める精嚢ってところがあるんですよう……ほら、ここの奥……♪」
「あっ、はッ、ぐ、あ」
「とうちゃーく……ほんとに空っぽみたいですねぇ?♪」
「だか、ら、言って……あ、アッ!?」

 尿道を満たす触手がドクンと脈打ち、ナカに何か熱いものが流れ込んでくる。逆流する熱がはちきれそうな程に腹の奥を満たしていく。下腹部にマグマが溜まっているような錯覚を起こし、頭がクラクラした。

「は、くるし、あ、ぐゥッ……!」
「その苦しいのが、すぐ気持ちよくなってきますから……♪」

 吐精したい欲求が復活するも、栓をされ塞き止められた状態ではどうすることも出来ず、再開される尿道責めに頭が掻き混ぜられる。触手の僅かな凹凸と先端が前立腺を引っ掻くたびに頭の中に小さな火花が散る。湧き上がる感覚に抗う術はどこにも無かった。

「はあっ、んんっ、はん、んあ、……」
「このまま、前立腺、たくさんいじめてあげますねぇ♪」
「あ、がっ、あっ、はああっ……、あっ、ああっっ……!!」

 脳が溶けそうなほど甘い声に思考を惑わせられ、下半身から来る止めどない疼きに意思を絡め取られる。鳥肌が止まらない。目の焦点が定まらず、視界が涙で滲む。

 ズルルルル!

「――――いッ!?」

 尿道に入っていた触手が勢い良く抜かれ、遅れて射精感がせり上がってくる。精子ではなく、触手に注がれた蜜が昇ってくる――

「な、あ、アアアア……っッッ!!」

 ビュルルルル……と噴出する白い粘液。火花が腰から脳天へと突き抜けた。びゅくびゅくと噴水のように放出し続け、熱い白濁液を大量に自らの身体に浴びた。

「あ、とまれ、とまれよっ……ああ、ぁあああッ……!!」

 長い射精は先ほど注入された液をあっという間に全て吐き出し、腹の奥が再び空になる。射精を終えシイジイがぜえぜえと息を乱していると、触手がまた尿道にずるずると侵入し、中に粘液を吐き出した。

「っく……ぐ……ッ!」

 シイジイのくぐもった悲鳴に女はうっとりと目を細め、彼が喘ぐ姿を何も言わずに見下ろしていた。そのまままた、くぷくぷと律動を再開させ、白濁液を溢れさせていく。

「は、う……っ、んん……!」

尿道を拡げてやるたびに足を大きく痙攣させ、背を反らせて快楽を逃がそうとする姿がたまらなく愛おしい。
 が、彼の乱れた前髪から覗く眼光にハッとさせられる。色情が抑えられた、かすれた声が紡がれた。

「……す、」
「なんですか……?♪」
「おまえは、ころす……絶対に殺すッ……!」
「……へえ?♪」
「お前は、ミンチにして、グチャグチャにし、て、あぐ、一番長、く、は、ぁ、苦しむ、方法、で、殺すッ……!」 
「それは怖いですねえ♪」

 彼女のその言葉には恐れの色など全く無く、後ろの孔への抽送が再び始まる。後ろの穴の触手が脈動ののち粘液を吐き出し、腹にたまる熱さに身体がまた疼く。

「く、あっ、は、」

 後ろからガクガクと乱暴に揺らされ、ぶつけられる快楽に脳内が真っ白に染められる。

「これやると、大抵の人はすぐ壊れるんですけど……貴方はどれぐらい持ちますかねえ……♪」

 その言葉の直後。ずくん、と甘く重い電流が駆け巡った。前と後ろの触手で前立腺を擦り合わせるように抉られる。挟み込まれぐりゅぐりゅと容赦なく責め立てられ、容易に絶頂してしまい視界に火花が散った。すっかり開発されてしまったそこは刺激を送られる度に躰を溶かしていく。

「あッ、か、あっあああっ、あアアッッ!!!!」

 ぐりゅ。頭の中で火花が暴れ、全身の痙攣が止まらなくなる。絶頂が続く。止まらない。イキっぱなしになってしまう。銀色の髪を振り乱し拒絶しても、暴力的な責めは続く。
 
「あ、やめっ、ら、ああっ、ひ、〜〜〜〜っッ!!!!」

 ぐり、ぐりゅ。ビクン、と大きく撥ねる。明らかに絶頂を確認しても触手は止まる気配もなく、ただ快楽を与えるための運動を続けられる。また、大きな波を迎える。

「あ、ぁあっ、ンあっ、いッて、ひあ、あアッ!?」

 ぐりぐり、ビクン。ぐりゅ、ビクン。ビクン。

「ひ、ゃ、イッ、ああっ、あんっ、ぃぃいいいッッ……!!!!」

 ぐりゅり、ビクン。もはやこれが絶頂なのかも分からない。シイジイは首をふるふると振るが、大量の快楽が止めどなく流れ込んでくる。止まらない。壊れてしまう。心と体がバラバラになってしまう。

「ん、ぐぅ、ひゃ、い、く、あんっあっ、アぁあアッっ」
「あはっ、凄い凄い、沢山イってますねえ♪」
「あん、あっ、あーっ……やめぁっ、あひっ、イッ……いく、いくあぁっ……!!」

 またビクンと背中が撥ねる。ぐりゅ。ぐりゅぐりゅ。前立腺を絶妙な強さで挟み込まれ擦り合わせられ、腰が溶ける。尿道と触手の隙間から、注入された白濁液が漏れ出ていく。頭の先から爪先まで快楽で満たされる。よがることしか出来ず、バチバチと光が弾ける頭では何も考えられない。

「あ、へぁあっ、あんっひ、ぎっぃっっ、ああっ」
「んんー……意外と自我を保ってますねえ……」
「やめ、は、かっ、アあっ、」
「どれぐらい耐えられるか……楽しみですね……♪」 
「は、あっ、ヘ、ああっ……いく、いく、イクッ、あっ、アアアアアアッッ!!!!」

 快楽に呑まれる。底なし沼に沈むように、際限なく、存分に浸る。継続する絶頂に溺れる。背をピンと張り、絶頂感に酔いしれる。

「あ、あ……!」

 恍惚の表情を浮かべ、はくはくと口を開閉させ余韻に浸る。身体の中心が甘く痺れている。尿道に挿入されたまま、肉棒を柔らかい触手に呑み込まれる。乳首も粒のようなヒダがびっしりと生えた触手に包まれ、スリスリと優しく擦られる。内から外から愛撫を受け止め、全身を性感帯として作り替えられていき、逃げ場のない快楽地獄にどうすることも出来ない。

「はひ、アっ、やめ、ぅ、アあッッ」
「体力の続く限り、犯して差し上げますから……♪」
「あ、あっ、アっ……いく、イクッ……!」


……


 頭の奥がジリジリと痺れている、それでも、シイジイはなんとか自我を保っていた。何時間も快楽をぶつけられ、甘美な感覚に何度も意識を手放しそうになったが、細い糸一本で繋がれているような危うさで留まっていた。

「う……、」

 散々陵辱され、ぐったりとした彼の身体がひくりと震えた。この男の体力、精神力には女も驚くばかりだった。これほどの責めに耐えられる者など今までに類を見ず、いつまで経っても壊れない彼に飽きてきてしまっていた。白濁液まみれになった彼から挿入されていた触手を引き抜くと、解れた穴からは粘液がとろりと漏れていった。拘束していた腕を解き、床に横たえらせても、シイジイがこちらに襲いかかってくるような気配はない。腰を抜けさせるほどに責めたので当然のことといえばそうだったが。

「あ……?」
「もう飽きましたよう……やめたやめた、もうお腹もいっぱいですしぃ」

 シイジイは自分が解放された、という事実を飲み込めずにいた。全身が甘い痺れに包まれている中で、思考を次へと紡ぐことは困難であった。
 力なく横たわるシイジイをよそに、女は口に手を当ててこの男の処理について考え始めた。

「こんな逸材ですし、ここで身も食べちゃうのも勿体無いですよねえ……また食べたいですしい……うん、今回は見逃してあげますよう♪」

 上から降るこの女の言葉の意味を理解出来ない。今は何も言わずに、火照った体を大理石の床で冷やしていたかった。まどろみの中、ぺたぺたと足音が遠ざかるのを黙って聞いていた。

「またお会いしましょうね……♪」

 二度と会うか、と声には出さず悪態を吐いた。ホールの大きな扉が閉じた音の後、シイジイは意識を失った。

 その後、ナース服を着たその女を街で見かけるようになるまでには、さほど時間はかからなかった。



おわった。(ごめんなさい)














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