約束のリボン 中編「あの時も、確かこんな風に、キスしてくれたよね……トリス?」 頬をうっすらとピンクに染めたミニス。 名残惜しそうに唇を離すと、にっこり微笑んであたしを見た。 久しぶり…本当に久しぶりに味わった甘い余韻に浸っていたあたしはぎょっとしてミニスを見る。 「えぇ!?なんであたしの考えてる事、そう立て続けに当てる訳? ほ、本当にミニスってば、あたしの考えてる事全部わかるのっ!?そ、そんなの…」 「……ふぅ~…。 トリス。わざとやってるでしょ。もういいわよ、私ホントに怒った!」 それまで漂っていた甘いムードを壊されて怒ったのか、ミニスはあたしに言うと、ふんっと可愛く鼻を鳴らして拗ねて見せ、くるんと背を向ける。 「いや、あたしはそんなつもりなかったんだってば。さっきからホントに凄い的中率だから! 信じてよぉ、ミニスに嘘なんかついたりしないってばぁ…」 ほとほと困り果ててしどろもどろになりながら、あたしは弁解する。 気がつくと、ミニスの背中が小刻みに震えてる? や、やばい…また泣かせちゃった!? びっくりして、あわててミニスに駆け寄って、あたしは謝る。 「ごめん、ホントにごめん!あたし、さっきからミニスのこと泣かせてばっかりで…」 「…や~い。騙された?」 顔をこっちに向けたミニスは、してやったりという感じの悪戯っぽい笑顔を浮かべて、あたしのことを笑ってる。 「……ミニス」 「今度はトリスが怒る番?でもね、私、たぶんそれ以上本気で怒ってたんだからね。 …ごめんなさいは?」 そういうこと言う訳ね。それならとあたしは、上目遣いにこっちを見上げるミニスに、黙って顔を近づけると唇をあわせた。 「…ん…。…んっ?…んうっ!?…んんんっ!?」 びっくりしてる、びっくりしてる。 恐らく仲直りの軽いキス…のつもりでミニスはキスを受けたんだろう。 でもあたしはそうじゃない。優しく重ね合わせたミニスの唇を軽く1度舐めると、驚いて戸惑ってるミニスの唇を割って強引に舌を絡め取る。口内を弄び、ミニスの唾液を吸う。 驚いて離れようとするミニスを強引に抱きとめると、あたしは自分の舌を別次元の生き物みたいに動かして、ミニスの口の中のもの、全部を愛撫する。…あたしから離れるなんてこと、許してあげない。 …でもちょっと、やりすぎたかもしれない。だってミニスの体からは直ぐに力が抜けて、あたしのなすがままになっちゃったから。 それでもあたしは、自分を止めることができなかった。 ようやく気が済んで、ゆっくりと唇を離す…。 「えーとミニス、大丈夫…?」 「トリスぅ…私ぃ…私もするぅ…トリスのしてくれた、変わったキス…わたしもするぅ…」 口を半開きにして、どちらのかわからない唾液を口の端から流したまま、呆けた表情でミニスが言った。 金色の瞳が怪しく潤んで、あたしを映してる。 恐らくミニスからは、同じような自分の姿が見えるんだろう…瞳の色は違うけど。 「ごめんなさい言ってないけど…もうあたしのこと許してくれるの?」 「…そんなこと…。……トリス、わたしより、ずっと意地悪ぅ…」 トロンとした瞳を閉じて、ミニスがあたしに向かって背を伸ばす。 あたしはクスっと微笑んで、瞳を閉じてミニスのキスを受ける。 たどたどしい舌遣い…でも、とっても一生懸命で。 ミニス、いつでもそうだったよね?2年前のあのときも。 自分の至らないところ、子供だからって逃げないで。悔しがって…一人で泣いてて。 あたしはそういうミニスが好きになっていってた。それが女の子同士でも、関係無しに。 ふと、あの夜交わした言葉が思い返される。 「ミニスは、怖くないの?」 「トリスがいるから…私、怖くないよ。あなたのこと、信じてるから。」 「あたしは怖い…けど、ミニスのこと守るって思えば力が沸いてくるから。 だから、あたしはミニスを守る。」 「私も、トリスのこと守る!約束だよ?」 長いキスを終えて…あたしはぽぅっとしているミニスを抱き上げると、寝室の方に向かった。 つづく 前へ | 目次 | |
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