ハヤト×モナティハヤトは、いつものようにぐっすりと眠っていた。 それが中断されたのは、唇に柔らかい感触を知覚したからである。 (な……なんだ……?) 最初はちょっと混乱したものの、すぐにハヤトは、自分がなにをされているのか直感的に理解する。 いわゆるひとつのアレ。 お目覚めのキスというやつだ。 ハヤトの胸の奥に、嬉しさとくすぐったさの入り混じった、甘いぬくもりが広がる。 (今日のクラレット、ずいぶん大胆だなあ) 「清楚」という表現がよく似合う恋人の顔が、覚醒しつつある意識のなかに浮かびあがった。同時に、ちょっとしたイタズラゴコロがむくむくと頭をもたげる。 ──そうだ、もう少し寝たふりをしよう。そのあと、いきなりガバッと抱きしめる。それでもって最後までいく。あとで「子供たちの教育に悪い」と、リプレやレイドに睨まれるかもしれないけど、そのときはそのときだ。 などと思考を進めるうちに、ハヤトは下半身が熱く滾っていくのを自覚した。 (うっ……、ダメだ、もう我慢できない……) そしてハヤトは、とうとう相手を抱きしめた。 やけに可愛らしい悲鳴があがる。 「やんっ!? ごっ、ご主人様っ!?」 「えっ!? ク、クラレットじゃ──」 なかった。 ハヤトの眼前で目を丸くしているのは、レビット族の少女・モナティだったのだ。 手を離すやいなや、ハヤトは飛び起きてベッドの隅まで後ずさった。 なななななな、ナニをしているんだよモナティっ!?」 とたんにモナティは、ぼっと顔中を赤くする。 「え、えと、えと、……………………お目覚めのキスですの」 「…………」 半透明の容器に赤い水を注入するがごとく、ハヤトの顔が真っ赤になる。 「ご、ご主人様……、モナティじゃ、ダメですの……?」 「ちょ、ちょっと待ってよ。ご主人様じゃなくて、マスターだろ?って、論点が違うか」 「……ご主人様のほうがいいですの」 上目遣いをしながら、モナティがぽそぽそと言う。なんというか、抱きしめてあげたくなるほど可愛い仕草だ。思わずハヤトは、ごくりと唾を飲んだ。 「ダ、ダメだよ、モナティ。ちゃんと『マスター』って呼ばなきゃ」 理性がひび割れるのを抑えつつハヤトが目をそらしたとき、ふとモナティは気づいた。その両目は、吸い寄せられるようにある一点を凝視していた。 そう。朝っぱらから猛々しいオーラに包まれた、ハヤトの股間を。 下着の布地越しとはいえ、恥ずかしいまでに重厚かつ雄渾な存在感が、そこから放射されている。 モナティは、ぽーっとして呟いた。 「ご主人様のが、すごいですの。……興奮、してますの……?」 「ばっ、ばかっ!! これはっ────うああっ!?」 ハヤトが、リンカーとは思えぬ情けない悲鳴をあげる。モナティにペニスの桿(サオ)を握られたためだ。それだけで強烈な快感がわきあがり、蜜のような刺激がハヤトの脳髄を叩いてくる。 「うっ、ああっ……、モナ……ティ……っ」 「ご主人様、気持ちいいですの? 気持ち、いいですの……?」 「ちっ、違……う。ううっ、そんなに……しごいちゃっ……ダメっ……うああぁっ!?」 股間から背中へと駆けぬける甘美な快楽の洪水が、ハヤトを思いきりのけぞらせた。 桿を優しくしごきながら、モナティは両目を熱く潤ませる。 「可愛いですの……。えっちなご主人様が、とっても可愛いですの……」 純真な少女の、陶然とした呟き。それは、あまりにも効果的すぎる言葉責め。 言うなれば「犯される快感」が、ハヤトの裡で膨張する。 とうとうハヤトの理性は、被虐的な快楽の炎にあぶられて、飴のように熱く、甘く、とろけきってしまった。 「モ、モナティっ! だめだ、もうっ──!!」 瞬間、ハヤトのペニスがびくんびくんと波打った。ほとばしる精液が内側から下着の布地を叩き、ペニスが脈動するたびに染みを広げてゆく。 「ああ…………」 ハヤトの全身から力が抜ける。 おわり 目次 |
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