成長ベル×レックスの両想い逆鬼畜・1「あらレックス、これから帰り?」 陽がまだ高く上り、人気のない教室で眼鏡を掛けたまま黒板に書かれた白い文字を消す青年にアルディラは声を掛けた。 「あれ、アルディラにクノン。どうしたんだい?俺に何か用事?」 声を掛けられ振り返ったレックスは二人に問う。普段ならラトリクス内から滅多に出てこない二人が、教室なんていう更に用事のなさそうな場所に来た事に疑問を覚えたからだ。 「残念だけど違うの。今ね、ファリエルに会いに行ってたのよ。その帰り。 懐かしい写真が見つかったから二人で見ようと思って。そうしたらクノンが一緒に見たいって言うから二人で…ね」 「…そっか。懐かしい写真ってハイネルさんが写ってるやつかい?」 何時もと同じ、にこにこと笑顔で受け答えをするレックスにアルディラも小さく微笑みながら答える。 「まあ…そうなんだけど。何だか急に懐かしくなっちゃってね。ヤッファじゃ気が利かないし。それにたまには女同士で話すのも悪くはないと思って」 黒板消しで文字を消し終えたレックスはパンパンと手に付いたチョークの粉を払いながら微笑む。 「いつかさ、暇があったら俺にも見せてくれよ。俺さ、よく考えたらハイネルさんの事全然知らないからさ。アルディラやファリエルにもっと色々教えて貰いたい」 「ふふ…聞いたら後悔するかもよ?」 「え…?」 「何でもないわ。それよりも…」 意味深なアルディラの一言をレックスは問い返すが、アルディラはそれを流して一度言葉を切る。そして身を乗り出しずずいっと顔を近付けてくる。それにレックスは思わずたじろぎ、数歩退いてしまった。 「あの子はどうしたのよ。いっつも嫌になるくらい一緒にいるくせに」 アルディラの質問にレックスは一瞬きょとんとした顔をするがすぐに意味を理解して表情を戻す。 「あ、ああベルの事かい?ベルなら今日はお休みなんだ。終わる頃に迎えに来るって言ってたからそろそろここに来る頃だと思うけど。…ベルに何か用事かい?何なら俺が伝えるけど」 レックスはまた笑顔を顔に戻し、申し出る。それにアルディラはほんの少しだけ何かを考えるような素振りをした後、意を決したように口を開いた。 「そうね…用事っていうか、聞きたい事があったんだけどこの際貴方でもいいわ」 「?何だい?」 アルディラの言葉にレックスは問い返す。どんな事を聞かれるのかと疑問もあったが変な事は聞かれないだろうという確信もあった。そんなレックスにアルディラは唇の端を吊り上げて言う。 「貴方達、もうヤったの?」 「な…!」 アルディラの一言にレックスの頬が一気にかかっと紅く染まった。予想だにしない質問に不意を突かれたのかもしれない。 「何言ってるんだよ、君は…」 「いやね、さっきファリエルの所に行ったら貴方達二人が昔の私達に似てるって言われたから少し気になっちゃって。あの子、私とベルフラウが好きだって素直に言えない所がそっくりだとか言うのよ。まあ私達の場合ハイネルが気が利く人だったし、色々リードしてくれたから良かったんだけど…」 そう言ってアルディラはまた言葉を切り、レックスを上から下までじろじろと眺める。レックスはそれに何とも言えない居た堪れなさを感じ思わず目を逸らしてしまう。 「な、何だよ…」 「いやね、貴方相手じゃあの子も苦労するだろうなって思って…。で、どうなのよ。さっきの質問の答えは。付き合ってるんでしょ、貴方達」 「う……」 アルディラの言葉に何とかこの話題をすり替えようとレックスは頭を捻らせるが彼女の冷静な瞳が自分をじっと目を見つめていて巧い言い訳が見つからない。暫く躊躇した後ゆっくりと口を開いた。 「―…数回だけ」 「数回!?一緒に暮らしてるのに!?」 嘘は吐けない性分が祟ってか、小さな声で言われた言葉にアルディラは思わず大声を返してしまう。 「お、大きな声で言うなよ!」 「だって貴方、ベルフラウはもう子供じゃないのよ!?しかもあれだけ毎日顔合わせてるのに…信じられないわ…。で、彼女、それで満足してるの?」 アルディラから次々と浴びせられる質問にレックスは気まずそうに俯く。何となく顔を見辛い。 「わ、分かんないよ、そんなの…。でも、あんまりしてないかも…しれない。何か最近夜襲いに…いや、部屋に来る回数が増えてきたからおちおち呑気に寝てもいられなくてね…」 はぁと重い溜息と共に吐き出されたその声は心なしか暗い。それにつられてアルディラも溜息を吐いた。 「別に喜んで受け入れてやればいいじゃないの。両想いなんでしょ、貴方達」 「そうなん…だけど、さ…」 「何か問題でもあるの?」 相変わらず俯いたまま暗い声で話すレックスにアルディラは少し苛立った声で言う。それに返ってくる返事はやはりどことなく暗い声だ。 「何かさ…彼女の父さんは俺の事を信用して大事な娘を預けてくれたんだろうに、こんな事になっちゃってさ…。何だか申し訳ない気分になってきちゃって。だからこういう事はせめて彼女の父さんに挨拶に行ってからの方がいいかなぁって思ってるんだけど…彼女の方はそうじゃないみたいで」 「贅沢な悩みねぇ。まあ彼女ってお嬢様みたいだから挨拶に行っても反対されるかもって不安はあるのかもね」 「問題はそこなんだよね…」 レックスはまた更に溜息を吐く。正直歯や腕の一本や二本覚悟しているが「もう二度と会うな」とか言われたらどうしようだとか考えてしまう。彼女の父親と顔を合わせたのはもう随分と前の事だが好感を持てる人物だと思っているだけにあまり悲しませたり怒らせたりはしたくない。そんな矛盾が常に胸にあっていまいち一歩を踏み出せずにいる。そんな自分を情けなく思いつつも現在の生活にそれなりに満足している事もあってズルズルとこの関係を続けてしまっている。彼女が積極的だったのは幸なのか不幸なのか。 そんな事を思ってまた溜息を吐くとアルディラがそっと首筋に腕を絡めてくる。 「アルディラ…?」 「ふふ…安心なさい。もしそれで貴方達が別れる事になったら私が慰めてあげるから」 「は…?」 突然のアルディラの行動にレックスは呆気に取られたような表情を向けるがアルディラは不敵な笑みを浮かべたままその華奢な指でそっとレックスの唇を撫でるだけだ。 「もう野暮な事言わないの。貴方だって男なんだから意味くらい分かるでしょ? 私だったらあの子と違って何の問題もないもの。大人の付き合い…ってのも悪くないんじゃない?」 アルディラに熱を帯びた目で見つめられてレックスはただ苦笑いを返すしかない。 「はは…冗談ならほどほどにしてくれよ」 「冗談なんかじゃないわ」 そう言ってアルディラは背中に腕を廻し、体を密着させてくる。柔らかい胸が平たい胸に押し当てられた。 「ちょ…アルディラ、離れてくれよ、本当に」 「ふふ…貴方も真面目ねぇ。浮気くらい男の甲斐性だって割り切っちゃえばいいのに。マスターなんて実の妹にも手を出して三人で楽しむような人だったのに…大違いね」 「え、あ、そうなんだ…」 何か幻滅しちゃったなぁハイネルさん。ちょっと憧れてたのに。とは口に出さないでおいた。しかしそんな男に惚れるアルディラも相当にアレなんじゃないか、とか思ったが口にしたら絶対に酷い目に合わされそうでやっぱり言えそうもなかった。こんな状況なのにそんな事を思っているレックスの頬にアルディラはそっと手を添える。 「あの子とのキスはどういう風にしてるのかしら?ふふ…私とのキスは一度したら病み付きになるわよ?」 「アルディラ…いい加減に……」 「何をなさっているんですの、お二人とも?」 「!」 レックスがアルディラに制止の言葉を掛けようとした瞬間、今までその場にはいなかった声がしてレックスは思わず大袈裟なまでに体をビクっと震わせる。ギクシャクとした動きで声のした方に顔を向ければ予想通りの人物が鬼の様な形相で腕を組み、仁王立ちをしてこちらを睨みつけていた。 「随分とお楽しみのようですわね?」 「ベ、ベル…」 何だか声もドスがきいている。正直物凄く怖い。背中には何だかオニビより熱そうな怒りのオーラが漂っている気がするし。 「あら、何だかいけない所を見られちゃったみたいね。ふふ…続きは今度しましょうね、レックス」 「アルディラ…!」 「じゃあね、二人とも」 こんな状況だというのにアルディラは相変わらずマイペースだ。余裕の表情でクノンを連れて二人に背中を向ける。あからさまに怒りを露にしているベルフラウ。冷静で余裕なアルディラ。その二人の女性にレックスはただただ翻弄されるしかなかった。 「…一体どういうつもりです?弁解するなら今の内ですわよ。言い訳ぐらい聞く余裕はありますから」 「あ、うん…いや、何て言うかその、誤解なんだ、ほんと」 何をどう言ったらいいか分からなくてレックスは少しずつ言葉を紡ぐ。 「俺とアルディラはその…ベルが思っているような関係じゃないんだ。今のは偶然っていうか、何ていうか…」 「言い訳なさるならもっと相手を騙せるようなものを選んだ方がよろしいですわよ? 偶然で抱き合う男女なんてどこにいるって言うんです?」 「だからここに…」 「…ッ、もうハッキリと本当の事言いなさいよ!どうせ貴方はお姉さまの事が好きになったんでしょ!?」 「!?」 いきなりベルフラウの声が荒れ、予想外の言葉がその口から零れた。 「いいのよ…下手な言い訳しなくても…。貴方、お姉さまの事が好きだから…だから私とするのも嫌なんでしょ?」 「違う…違うよ…。誤解だよ、それは……」 「嘘よ!」 レックスの言葉を遮るようにベルフラウが叫ぶ。 「だってお姉さまは美人だし頭も良いし私と違って胸だって大きいし…女の私から見ても素敵な人なんだから惚れたって当然なのよ…。だから貴方を責める気はないわ。大体私、貴方に一度も好きって言われたことありませんものね…。一人で浮かれてた私が馬鹿だったのよ…」 「違うよ、ベル……」 泣きそうに表情を歪めるベルフラウにレックスは否定の言葉を発する。こういう時に何を言ったらいいかよく分からない自分の不甲斐無さを激しく悔いた。 「俺が好きなのは君だけだよ…。アルディラとは本当に何もないんだ。ただ君と俺の関係を聞かれて…で、成り行きでああなっちゃったっていうか…ごめん、何か上手く言えなくて。でも本当に何もないんだ、彼女とは」 「本当に?」 ベルフラウが真剣な表情で顔を覗き込んでくる。それにレックスは情けなく微笑む。 「俺がベルに嘘吐いたこと、あった?」 「…ありませんけど……なら私だけが好きっていう証拠見せて貰えません? そうね…愛してるって言ってくれたら信じてあげる」 「あ、愛!?」 ベルフラウの予想外の提案にレックスは思わず声を荒げた。 何ていうか真昼間に素面で口にするには余りに恥ずかしい台詞だ。それになんていうかノリとか勢いとかもないし、そういう事を言う雰囲気でもない。これが決戦前夜とかなら簡単に言ってしまえただろうが、生憎今は日常といういつもと変わりない一日の最中だったりする。言うのにはかなり躊躇いがある。 「ご、ごめん…流石にそれはちょっと……」 「言えないの?それは私との事は遊びだったって事?」 「いや、違うんだけど今ここで言うには余りに恥ずかしすぎるかなって…」 「―…じゃあいいです」 ベルフラウの言葉が途中で止まる。何事かと問おうとした瞬間に。 「のわぁ!?」 いきなり押し倒された。無防備だった所をいきなり物凄い力で押し倒されてレックスは思わず情けない悲鳴を上げる。 「ったた…って、ベル、何してるんだ、君は!」 草の上に軽く打って痛みを訴える頭を整理してレックスが身を起こそうとした時にはもうベルフラウがその体の上に乗っていた。しかもその手は服に掛けられている。 「口で答えられないんだったら体で答えて貰います。私の事ちゃんと好きだって事を。だから少し大人しくしてて頂戴」 そう言って否応なしに服を脱がせ始めた。 「ちょ…無茶だよ、幾らなんでも…!今は昼間でしかもここは外なんだ。誰か人でも来たら……」 「別に私は構いませんわよ?むしろ見せつけてやるわよ。 それに、貴方私の事好きなんでしょ?だったら大人しくしてて」 問答無用といった様子でベルフラウはレックスの意志を無視して服を脱がせようとする。好きである証拠を見せて欲しいと言われ、正直抵抗するいい言い訳が見つからないレックスは弱々しくも何とか言葉を紡ぐ。 「き、君の事はす、好きだけど…やっぱりこんなのは……」 「ああもう五月蠅いわね。大体こんな風に簡単に押し倒される貴方が悪いんです。誰が狙ってるのか分からないってのにいっつも無防備でもう全身隙だらけ弱点だらけでどの穴にナニ突っ込んだらいいか分からない位なんですから!」 「は、はあ…」 ベルフラウの剣幕に押され、レックスは返す言葉を失ってしまった。何だかさり気なく恐い事を言われた気がしたが深くは考えずにいた。考えない方が幸せだと本能が判断したのかもしれない。そんなレックスの上着と下の服をベルフラウは一緒に引き脱がすが、折り曲げた肘の所で止まる。 「ベ、ベル、痛い…」 「突っ張って袖から腕抜かないからでしょ」 「だって腕抜いたら服脱げちゃうよ…」 「脱がしてるんだから当たり前です。ああ、でもこっちの方がいいかもしれませんわね」 そう言ってベルフラウはレックスの服の袖口を髪留めで止める。そのせいで服を脱ぐ事も出来ずに、結果として両腕の自由を奪われる形になってしまった。肘の所で服が止められたせいで、腕が無理な体勢で固められる。 「…ッ、ベルフラウ、いい加減止めなさい。家に帰ってからだったら幾らでも付き合ってあげるから。ね?」 「嫌よ。貴方も嫌なんだったら本気で抵抗してみたら?抜剣するなり方法は色々あるでしょう? それで私が怪我しても自業自得だと思って納得するから安心していいですわよ」 怪我、の一言にレックスは身を捩っての抵抗や抜剣する事でのこの事態の脱出が不可能である事を悟る。逃げ道を提案しているようで実は退路を絶っている。長年彼と一緒にいる事でその性格を把握しきった彼女だからこそできる芸当であった。 「や、止めないと怒るよ…」 「怒れば?貴方どうせ私相手じゃ本気で怒れないくせに」 「う…」 思いっきり図星だった。惚れた弱みもあるかもしれない。 「じゃあ嫌いになる…君のこと」 「嫌いになれば?本当は私の事好きで好きで仕方ないんでしょう? さっきあんなに必死になって弁解してたくらいですものね」 「うう…っ」 レックスは遂に返す言葉を失った。元より、口での勝負で彼女に勝てた試しはないのだが。 「もう、五月蠅いその口は塞いだ方がいいですわね」 「五月蠅いって…んむッ!?」 レックスの言葉が終わる前にその唇は強引に塞がれた。角度を変えてされる度に掛けたままの眼鏡にぶつかり、カチャカチャと小さな音が鳴った。 「んん…んあ…ぁ、ふ……」 口内を這いずり回る他人の舌はまるで生き物のようで官能を呼び覚ます。歯列をなぞられ、舌を強引に絡ませられると否応なしに快感が込み上げる。 「ん…ぷはッ…ベ、ベル……んッ!」 ようやく開放されたかと思ったら唇の端から零れた唾液を舌で掬い取られてレックスの体がびくっと震える。 「先生って本当に素直じゃないわよね。口では嫌だとかダメだとか言っても本気で私の事拒まないんですもの。嫌だとか何とか言って本当は私にこういうことされるの嬉しいんでしょ?エッチな事沢山されたいって思ってるんでしょ?」 「ち、違…俺はそんなんじゃ……」 「嘘吐き」 ふっとベルフラウがレックスの左耳に息を吹き掛けた。そうするとレックスの体が面白いまでにびくりと震える。 「先生って本当は凄くエッチなの私知ってるんだから。もう先生の体のどこをどういう風にすれば感じちゃうのか先生以上に詳しいのよ、私。例えば…ここ、とか」 「ぅ、く…ッ!」 ベルフラウがその白い指先をレックスの薄い胸へと這わす。そこにある桜色の乳首をくりくりと撫で回したり軽く抓ったりするとそれが段々と硬くなる。レックスの咽喉が反り、押し殺したような声が漏れた。 「乳首とか左耳。先生って女の子みたいに胸に性感帯があるのよね。ここ、こういう風にされるとゾクゾクしちゃって気持ち良くって仕方ないんでしょう?本当にエッチな体ね」 「ち、違う…」 「違わない、でしょ?もっとエッチな事されなきゃ分からない?ああ、もっとして欲しいって事?先生ったら本当に淫乱ね」 そう言って今度は舌を胸へと這わせた。体はびくびくと震えているのに今度は声だけは頑なに出そうとしない。 「もっといい声聞かせて。先生が可愛い声で喘いでくれなきゃつまらないわ」 「誰、が…」 男の意地が邪魔しているのか、体は反応していても心まで折るつもりはないらしい。そんな態度が逆にベルフラウの苛虐心に火を点ける。 「ふふ、じゃあエッチな声が出るような事してあげる」 そう言ってベルフラウはズボン越しに反応をし始めている下半身にも手で愛撫を始めた。 「ッ、ぁ、ぅ…!」 「先生ったら私に乳首弄られただけで凄く気持ち良くなっちゃったのね。もう反応しちゃってる。こっちも弄られて、凄く気持ち良いんでしょう?もう凄くエッチな気分になっちゃって仕方ないんでしょう?ふふ…女の子に好き勝手やられて犯されそうになってるのに感じちゃうなんて先生ったら本当に凄くエッチで感じやすい体してるだけじゃなく、ちょっと変態も入っちゃってるんじゃないの?」 「ち、違うよ…俺は変態なんかじゃ…」 「外なのにこんな所大きくしてるのはどこの誰かしら?」 「う…違う……」 「違わない、でしょ?早く認めちゃいなさい。先生は本当は教師なんてやる資格ない位に凄くエッチで私にこういう事言われて悦ぶ変態なんだって。大丈夫よ、私はどんな貴方でも好きだから。嫌いになんてなったりしないわ」 「違う…違う…ッ!」 ベルフラウの言葉をレックスはただ否定する事しかできなかった。 教師として、彼女の言葉を否定しようにも体は確かな反応を示しているのだ。快楽に勝てない己が情けなくて仕方なかった。また、ここが本来自分が教師となって教鞭を揮う教室であるという事もまた彼の心を傷付け、その意固地ともいえる態度を更に頑なにさせる要素になっていた。 「な、んでこんな事…するんだよ…。君は俺の事好きって言った癖に…」 「ええ勿論貴方の事は好きよ?でも素直じゃない貴方はあんまり好きじゃないわね。強引に私の言う事、きかせたくなっちゃうもの」 そう言ってベルフラウはズボン越しでの手での愛撫に加え、口での愛撫も始めた。 「ぅ、く、ぁ…ッ!」 「何だか布越しにするってのも変な感じね。ねえ、先生?自分でするのとどっちが気持ちいい?」 「な、何言って…」 「先生、一人の時は自分でいやらしい場所指で弄って、手で擦り上げて…自分の体、気持ち良くしてあげてるんでしょ?こういう風に」 「ん、ぅぁ…ッ!」 ベルフラウの指の動きが早まる。それに小さく喘ぎが漏れた。 「こういう事に興味ありませんって顔しながら本当は自分の体にエッチな事するの大好きなんでしょ? 自分の体にエッチな事して、エッチな顔して、エッチな声出して、エッチなお汁を一杯出す先生って想像したら何だか興奮しちゃうわね。そんな人がみんなの優しい先生をやってるなんて、何だか笑っちゃう」 「うう…」 マスターベーションが自然現象とも言える行為だという事は理解している。しかし彼女が言うとそれすらもいやらしい行為に思えてきて自分がどうしようもなく淫乱で汚れている存在に思えてくる。ベルフラウの言葉はレックスの精神を犯していた。 口でレックスを犯す言葉を吐きながらも手の動きは終始止まっていない。言葉の合間合間に布越しに口で愛撫する事も忘れない。ごわごわした感触は変だったが愛撫する度に漏れる強引に殺したような声や返ってくる反応が見たくてつい必死になってしまう。 度重なる手と口での刺激にレックスの下半身はズボンがぱんぱんに張っていた。 「ふふ…そろそろ限界かしら。ねえ先生、どうして欲しいの?このままイってズボンもパンツもグチョグチョに汚しちゃう?それとも脱がせて欲しい?ああそれともここで止める?貴方が望むなら私はこのまま帰っても構わないんだけど。髪留めは、後で返してね?」 つまりは腕を拘束したまま放置か服を着たままイクか、脱がせて欲しいとせがむかのどれかという事になる。答えはすぐにでも出る。このまま放置されたら確実に気が狂うし、家までかなりあるこの距離を下半身を汚したまま帰るには抵抗がありすぎる。 だからと言ってその一言を言うには躊躇いがある。みんなの教室で、眼鏡を掛けたまま、いやらしい事を自らして欲しいと願い出るようなものなのだ。教師として、一人の人間として最低な事をしようとしている。その事実にレックスの心が軋みを上げる。 「何も言わないって事はこのまま止めてもいいって事ね?じゃあ私は帰ろうかしら…」 「ま、待って…!」 ベルフラウの言葉にレックスが遂に口を開く。 「ぬ、脱がせて…」 「もっと大きな声で言って。それと…」 ベルフラウは言葉を切るとレックスの耳元でぼそぼそと囁く。左耳に言葉が吹き込まれる度にその体が小さく震える。 「…って言わなきゃ駄目よ。そうじゃなきゃ帰っちゃうから」 「む、無理だよ…そんな事……」 「じゃあそのままでいれば?私は別に構わないけど。ふふ…でもそんなエッチな姿の先生見たらみんな吃驚しちゃうわね、きっと。乳首もあそこも勃たせて腕を拘束されて上半身は裸。きっと誤解されちゃうわね。マルルゥやスバルが見たらどう思うかしら?」 「う……」 教え子の名前が出されたことでレックスの表情があからさまに変わる。ベルフラウはそれを楽しげに見つめながら次の言葉を待った。暫くすると意を決したようにレックスがゆっくりと口を開く。 「…ぉ、俺は…みんなの先生をやる資格がない位にエッチで…君にいやらしい事されて悦ぶへ、変態なんだ…。だ、だから…ぬ、脱がせて…下さい……」 声が酷く震えていた。羞恥と屈辱と恥辱。その全てが混ざり合ってレックスの身に降りかかる。自分の情けなさと不甲斐無さ、そして余りの屈辱に涙が浮きそうになった。 そんなレックスをベルフラウは満足気に見つめる。 「先生ったら本当にエッチね。自分から裸にして下さいってお願いするなんて。しかもここはみんなの教室なのにね。先生失格ね、本当に」 先生失格。その一言はレックスの心を深く抉る。 いい先生であるかどうかは分からないけれど、教師という職にそれなりに誇りを持っていた彼の心に容赦なくその言葉は刃を突きたてた。 「ふふ、じゃあお望み通り脱がせてあげるわね。こんな外で裸になっちゃうなんて先生ってば本当にいやらしいわ」 そう言ってベルフラウはゆっくりと焦らすようにレックスの下着とズボンを引き下ろす。外気に晒された下半身はもう先走りの液を漏らしており、限界が近いことを示していた。 「布越しに触られただけでここをこんなに濡らしちゃうなんて…やっぱり先生はエッチね。安心して。これから気持ちいい事、沢山してあげるから」 そう言ってベルフラウは微笑んだ。その笑みは酷く小悪魔的で可愛くもあったが薄ら寒くもあったというのは後に彼が語る言葉である。無論その薄ら寒さが俗に言う「嫌な予感」に近かったのは言うまでもないのだが。 つづく 目次 | 次へ |
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