ライ×ユエルギアンの暴走を止め終えて数ヶ月・・・いろいろな事があった。 例えば、ルシアンは軍に入った。リシェルはテイラーの推薦の元、結局は派閥に落ち着いた。 ポムニットさんは身分隠してお手伝い、らしい。宿屋は完全に俺に委任される形に落ち着き、テイラーさんとも会う機会はなくなった。 兄貴は昇格したし、対称的にねーちゃんは報告義務を怠ったとして、長期休暇を本国で取らされている。 先生は結局町にとどまらず、御使いとコーラルははぐれたちの楽園を今度は人と協力して作っていく、といって、町を出た。 アカネも帰って行ったし、グランバルドも爺さんの元へ落ち着いた。 シンゲンはまた許容される土地を探すらしい。ここにはもう、戻ってこないと言った。それが弱い部分になる事が嫌、らしい。 アルバはあの二人を追いかけた。それは俺自身願った結末だったのだけれど。 あとは親父を見かけた、だとかの噂を聞いたり。 程度は少ないものの被害を受けてしまった民家の補修を、昼飯時が終わってから手伝ったりもした。 かくして、俺が最も望んだはずの平穏は、思った以上の対価が必要となる代物だと分かった。 俺にはもう何も無い、ハッキリ言って毎日が暇だった。 いまなら、リシェルの言ってた事が分かる気がする。 しかし・・・あの時は本当にいろいろな人に支えられていた。 「あの結界を張った人・・・誰だったっけ?」 思わず独り言が口をつく。 「トリス、だよ。ずっと前、ユエルを助けてくれたんだ」 「へぇ・・・ってユエルッ?」 気づくとライの後ろには戦いに協力してくれたオルフルの少女だった。 「何でここにいるんだ?」 たしか結界を張った-トリスというらしい-について行った筈なのだが・・・ 「どうせユエルがいなくても沢山仲間はいるからね。ユエルはしばらく自由にさせてもらったの」 「へぇ。ここへは、どこかに行くついでか?」 結構自然に囲まれた土地だ。トリスのつれてたメトラルも喜んでいた覚えがあった。 「ううん、違うよ。ライに会いに来たの」 「へぇ、俺に・・・って、何で?」 「確かめたい事があってね。で、やっぱりそうだ、ってね」 はっきり言ってさっぱりだ。掴むべき質問のポイントも分からない。 「どういうことだ?」 「あのね。始めてあった時にも感じてたの。でもあの時はこんなにハッキリしてなかったし、周りにすごいのが居たしね」」 「・・・何が?」 「竜の子とか、セルファン族が」 ずっこけた。 「そうじゃなくって、何を感じたんだ?」 「あっ、恋心、とかじゃないからねっっ!!?」 分かってるよ、ってか 「どうでもいいっての!!」 「うぅぅ、怒鳴んないでよぉ」 「わっ悪い・・・」 「で、それでね」ケロッとしやがった。 「懐かしい感じがしたんだよ」 「懐かしい?ああ、そういうことか」 なんとなく話はつかめた。あの時はまだ覚醒してなかったもんな。 「やっぱり、前より感じやすくなったのにも理由があるんだね?」 「ああ。ってか、前は自分が境界種だなんて知らなかったからな」 母親にも会ったし、良く分からないけど覚醒したし。 「ふぅん。気づいても自分を保っていられたんだ」 あんまり驚いてはいない。やはり気づいてたんだろう。俺の中のメイトルパの秘力に。 「一応な。でも、けっこうやばかったぜ?」 結局最後の決戦にも居たんだしという事で、すべてを-主にギアンの部分を-ユエルに話した。 「そっか。でもそれを聞くとよかった、って思うよ、ライとこうやってまた話が出来て」 「ああ、仲間のみんなのおかげだよ。それに、また会いたいっていうユエルが居てくれたおかげだ。ありがとな」 「ユエルは別に・・・」 赤くなってる。それを見てこいつも女の子なんだな、と思う。 そして同時に、何か心の奥が暖かくなるのを、ライは感じていた。 「散歩しないか?この辺、前はゆっくりしてなかっただろ?」 折角きてくれたんだ。暇をさせないためにも身の上の話は夜になってからでもいいだろう。 「そうだね。案内してくれる?」 「当たり前だろ。そのために誘ったんだ」 「そうだね。ありがと、ライ」 そして泉に着いた。いろいろと秘密の泉。 「ここにもメイトルパの魔力が漂ってるね」 「そんなことまで分かるのか?」 「召喚されて長いと、僅かなふるさとの匂いにも反応できるようになるんだよ」 しかしコーラルも始めはそこまでは分かってなかった気がする。実はこいつ、優秀なのかも・・・ 「なぁ、ユエル?」 「ん、どうしたの?」 「ユエルはどれくらいこっちに居れるんだ?」 どうしても聞いておきたかった。この楽しい時間の、期限を。 「え~っと・・・実は決めてないんだ」 「え、どういうこと?」 トリス、と約束はしてないんだろうか? 「居たいだけ行って来ていいよ、って。メトラルのレシィって護衛獣もトリスのことは任せろ、ってさ」 「そうなのか・・・」 レシィ・・・確か大人しいなりに芯を持っているタイプに見えた。 あの人の護衛獣なら相当の能力を持っているのだろう。覚醒した後に会ったからこそ、そのことが分かった。 「なんで?なんか予定あるんなら言ってくれたら、その時までには帰るけど?」 「いや、別にそうじゃないんだ。」 そんなはずあるわけない。ずっと一緒に居てもいいくらい心地いいんだから。 「そっか・・・ねぇ、ライ?」 ユエルが下から覗き込んでくる。やっぱり可愛いな、と思った。 「どうした?」 「えっとね・・・えっと」 ユエルが真っ赤になる。そしてもじもじとし、口を開く。 「ずっと・・・一緒に居てもいい?」 (それもいいかもな。こいつと居ると、妙に落ち着けるし、楽しい) 「いいぜ。好きなだけゆっくりしてくといい」 「ありがと、ライ」 「ライ・・・」 「ん、どうした?」 ユエルは必死に言葉を探している。ライは率直に可愛いと感じていた。 「・・・ううん、なんでもない」 ユエルは首を振りながら言った。 「もどろうか。夜は冷えるからな」 「そうだね。・・・ライと一緒ならお風呂入るのも我慢するよ?」 そういってユエルは顔を真っ赤にした。 ユエルはそういうことに疎そうとも思っていたが、いま隣に居るのは確実に意識せざるを得ない「女の子」だ。 「・・・一緒に入ってくれるか?」 冗談のつもりだったのだろうか、ユエルは吃驚していた。しかし、 「そう、だね。そういうのも、ありだよね]]と言った。 俺は親父が出て行ってから、誰かと風呂に入ったことは無かった。 御使いは二人が女だし、セイロンはどうにもそういうことをしたがらなかった。 ルシアンたちはお坊ちゃまだったし、リシェルは女の子だし、兄貴やねーちゃん、先生も家がこの町にあった。 アルバとシンゲンは一緒に入ってたようだが、おれは店の後片付けの必要が会った。それに、何より忙しかったのだ。 だからうれしかった。多分、血のつながってない人間と、俺は一緒に風呂に入ったことが無いんだろう。だから、一入だ。 「ライ、ないてるの?」 ユエルが心配そうに覗き込んでいる。 「大丈夫だよ?ユエル、何されても大人しくしてるから」 「いや、そうじゃなくって、今のは親父のせいで苦労してきた男の汗で、って・・・」 聞き流せない言葉が聞こえた。 「 い ま な ん て い っ た ? 」 「だから、変なことしても、だいじょうぶだよ、って」 真っ赤になってた。真っ赤だけど、こいつは・・・どういえばいいんだ? 「えっと・・・ユエル?」 やっとの事で名前を呼べただけ・・・ 「ごめんっ!!やっぱり嫌だよね?」 「嫌じゃない。けど、流石に・・・なぁ」 「なに?」 「そういうのは家族ですべきことだろ?」 「そうかな?でも、だったらライ、ユエルと家族になる?」 「・・・え?」 「だから・・・ずっと一緒にいようよ」 多分、これは告白。 それはユエルにとっては取るに足らない事なんだろう。本当に一緒に居たいだけで言ってるのかもしれない。 でも・・・ライにはそんな風には考えられなかった。 「流石にそれは無理だよ。俺にはわからない」 言い訳を探してた・・・ 「なにが?」 「ユエルの事愛するって事。俺、全然分からないんだ」 yesといえばいいのに・・・ 「そんなの、これからわかってくれればいいよ」 「ユエルの事全然知らない。だからだめだ]] それは、苦しい言い訳だった。 「そんな寂しいこと言わないでよ。ユエル、ライの事好きだよ?けどね・・・・」 気持ちが伝わる。皆が離れていってからずっと求めていた、人の温い心。 ユエルは少し息を吸い込んだ。 「ユエルの事、ライが分かってないのと同じで、ユエルもライの事分かってないんだよ」 その通りだ。でもこいつはそんな中で告白をしたんだ。そう思ってた俺に、ユエルは言った。 「だから、一緒に暮らしていろんな事を知りたいんだよ」 そう、言った。 宿に戻って、俺は風呂に入った。もちろん一人で。 今俺は・・・ユエルを振ったんだ。 一緒に入ろう。そのとき駆け巡った思考は、明らかにユエルを親父たちの代わりに据えていた。 これ以下はないという位俺は落ちたのに・・・絶頂の中で俺は見失っていた。ユエルの事を。 成り行きとはいえ俺は好きな子に告白されたのだ。なのに一方的に突き放している。 そこで思考を止めた。風呂から上がらなきゃいけない。 ユエルが次に入るんだ。俺のせいで生じた、タイムラグ。だって、俺が一緒に入れる人間だなんてとても思えなかったから。 「ユエル~上がったぞ?」 声をかける。ユエルの部屋のドアに。 告白して、OKを貰ったのに、開けてはいけないドア。 それが今の、二人の関係。 「わかった、入るよ」 落ち込んだ声と共に、木製のそのドアが開く。 顔を見ないようにしたのに、 ・・・涙が、見えた。 (そうだ、寝巻きを用意しないと・・・) 一応否応なしに滞在する羽目になった人たちのために、代えの服は何着か用意されている。 それを風呂場まで持っていった。 ロッカー制になっており、扉も付いて、4×4箇所ある。 その中のユエルの使っている場所は分からないが、開けっ放しでこの服を入れておけば気づくと思った。 だからなんとなしに6番のロッカーを開けた。 そこには、ユエルの脱いだ服が有った。 (こんな下着つけてるんだ・・・) だめだと思っても、手は動き、パンツを掴む。 また手は動く。最早理性など無く、それを鼻に近づけてしまう。 臭いをかいだ。妙な感覚だ。でも、壊れた心を埋めるには、十分な刺激だった。 理性を取り戻し、ライは最寄の部屋へ行った。 先ほどの鼻を突く臭いが思い出される。 何時しかぶつけた、胸のふくらみを思い出す。 気が付くと、手が白濁した液で、汚れていた。 外へ出て、その臭いと異質の液を消そうと手を洗う。 (最低だ) なんて安い言葉で片付けられるか? 無理に決まってる。好きな相手を振って、その直後にこんな事を・・・ そこへ人影がやってきた。 見ると、それはかつて友に戦った仲間だった。 「アカネ・・・」 「なに辛気くっさい声出してんのよ」 「なんでもねぇよ。何の用なんだ?」 「いやぁ~、お師匠のお使いでさぁ」 「ここなら今日はもう泊まれねぇぞ]] 「何で?お客なんて来てる筈無いでしょ?」 確かにそうだ。前の俺なら笑い飛ばしてた。だけど今の俺は機嫌が悪い。 「喧嘩売ってんのか?」 「あんた、性格変わった?」 「別に・・・」 「・・・寂しかったの?もう、誰も居ないんでしょ?」 流石はくの一、セイロンが感嘆したのも頷ける。 「ちげぇよ・・・別に寂しくなんか・・・」 「嘘言いなさんなって♪何ならさ、おねぇさんの胸に飛び込んでみせる?」 ハッキリ言って鬱陶しかった。だから、早く話を終わらせたかった。 「やらせてくれんのか?」 明らかに空気が変わった。冷たい目線を刺さるように感じる。 「あんた、どうしちゃったわけ?そんな男じゃなかったじゃん」 「どうだろうな・・・本当の自分なんて、俺は泥棒なんかに見せちゃいないぜ」 鈍い音が響く。頬がじんじんと痛み、そこに冷たい風が吹き、さらにむなしい気分にさせた。 「本当の事言われて、何キレてんだよ・・・」 「あんたは昔の事をうだうだ言う奴じゃなかったよね。泥棒だってしたけどさ、でもちゃんと仲間として扱ってくれたじゃない」 俺は黙り込んだ。なぜだろう、アカネの言ってる事が正しく聞こえた。美化された自分に、酔いしれたかったからか? 「こっちにね、ユエルが向かってるはずなんだよ」 「・・・・・」 遅れてるって。今日着いたから。 「でね、結構遠いから、後二日はかかると思うんだ。アタシもユエルの後にすぐ出たんだけどね、面倒だったから全力でこっちに来たんだ」 「・・・・・」 一緒に戦ってきた仲だ。アカネの速さは知っている。それより早く、ユエルは来た。 いったいどんなに頑張ったんだろう。変化を求めても何もしなかった、自分とは違う。 「用件はこれを渡す事。伝言はゆっくりしときなさいって・・・あ、ユエルにね」 「そうか・・・」 アカネからノートが渡される。 「疲れてると思うからさ、ユエルの心休まる場所になるか、今のまんま出来そうにないんなら、追い返したほうがましかもね」 「ああ・・・」 「じゃあさ、また来るから」 「えっ?」 素直に驚いた。アレだけ言われたのに、アカネはまたくると言う。 「元気になんなさい。じゃないと何度だって来る」 目が熱い。 「笑ってアタシと話さなきゃ、師匠を欺いてでも、来るから」 無理かも知んないけど、と彼女は笑う。 ああ、目が熱い。 「心配だって、するから。絶対。」 何でこんなふうに生きられるんだろう。 「じゃ、またね」 「ああ、そのときは、笑って会えるように、頑張るぜ」 「やっとあんたらしくなったね」 そう微笑むと、隠密よろしくアカネは消えた。 同時に涙腺は決壊し、涙は延々と流れ続けた。 手に残された日記。なぜか読まなければいけない気がした。 適当な召喚石で明かりをともし、最近の部分を見てみた。 以外にも、普通の文章日記で、絵日記などではなかった。 ・・・・・晴れ・・・・・ 久しぶりに家に戻った。 あの町であったライは・・・なんか不思議な感じだった。 多分はじめてあった日のことを日記に書いたのだろう。 あの時からもう、響界種である事に反応を示していたのかもしれない。 少し飛ばして、最近の文章を読む。 ・・・晴れ・・・ ・・・・・・・・・・そういえば、ライは何やってるのかな? 二度しか会ってないけど、やっぱりこういうことは気になる。 恋かな?そうかな?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・雨・・・・・ トリスが休んでもいいんじゃない?って言ってくれた。 レシィも働きすぎだって・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ライ・・・・会いに行こうかな・・・・・・・・ ちょうどいいよね? 日記を閉じた。 こんなにも、想われていた。 そして正直になれない自分と違い、こんなにもまっすぐなユエルを見て・・・ 知らなかった。知らないで、彼女を傷つけていた。一人でこんな辺境まで来たのに・・・・・ 謝らなきゃ。 「ユエル、起きてるか?」 因みに起きていると言う確証は有る。ついさっき足音がしたからだ。 しかし、返事は無い。 (しょうがないか。あんな風に接したんだもんな) 「やっぱ、怒ってるのか?]] 今更ながら、申し訳なくなってきた。 「嫌いになったんなら、聴かなくてもいい]] それだけは、嫌だけど・・・ 「起きてないんならいいんだ・・・俺さ、お前と話してて俺が完全に頼りきる形になってるのが情けなかったんだ」 情けなかった、というか最早惨めの域に突入していた。 「お前がこっち来るまでさ・・・俺はなんつーか気力が出なかったんだ。それでユエルが来て、ちょっと元気になった」 そして、心地が良かった。恐らく本当に好きなんだろう。それは、揺るがない俺の気持ち。 「それに俺・・・お前が居なくなるのが恐かった」 かつて心を通わせた仲間は、もうこの町に居ない。 「でも、さっき悩んで、それでもいいと思ったんだ。いや、よくないけど・・・」 喪うのが恐い・・・だから失ってしまったユエルの笑顔。どちらが重いかは火を見るよりも明らかだ。 「よくないから・・・俺はお前を離さないから・・・」 ちょっと時間がかかって、ユエルを泣かしてしまった。後者は、決して許される事は無い。でも・・・ 「ごめんな、本当は好きだったんだ。悪かった。っていうか・・・いや、ごめんなさい」 言葉を重ねるのは卑怯だと思った。だから、単に謝った。 「約束するよ。今、言った事]] 聞いててくれただろうか?そしてあわよくば許してくれるだろうか? 悩んでいると、目の前のドアが開いたのに気が付かなかった。 そして暗闇の中からユエルは俺を捕まえた。引き込まれた。 ・・・ベットに押し倒される形になった。 「ゆっ、ユエル?」 いきなりの事だったので、ライはとても音を正しく出せなかった。 「ユエル、別に怒ってないよ?」 「え?」 てっきり怒って、嫌われてたかと思った。 「ライふられたからユエル、悲しくなっちゃっただけ・・・」 「ユエル・・・」 名前を呼ぶしか出来ない。こいつは俺を想ってくれている。それが痛いほど分かったから・・・ 「嫌ってだってないよ?」 そういって、キスをしてくれた。 最早、親の愛を知らないライには、涙を流せるほどの状況だった。 「ユエル?俺、伝えてなかったよな?」 なぜ言わなかったんだろうか? もしかしたら自分で分かってたからかもしれない、さっきまでの自分が如何にへたれていたかが・・・ 「えっと・・・何を?」 「・・・・・好きだ、って気持ちを直接、さ」 暗闇にも目が慣れてきた。だから、ユエルの顔が真っ赤になっているのが、分かった。 「一緒に暮らして・・・いろんな事を知りたい・・・」 さっきユエルが言った言葉。あの時こんな言葉をかけてもらったのに・・・ 「ライ?」 「本当に好きだ。だから・・・一緒に暮らそう」 今度はパアッと明るくなった。そして・・・ 「うんっ」 何でだろうな・・・こんな事をしてるのは・・・ ユエルは完全に仲が繋がった記念よろしくキスをしてきた。 そのとき、ライは完全にメイトルパの血が目覚めた。 「ユエル、脱がしても・・・いいかな?」 ユエルは案の定驚いた。しかし、 「いいよ。ユエルが誘ったんだもん」 と、言った。 そして、体勢を逆転させた。要するに、ライがユエルを押し倒した。 寝巻きは俺が用意した物だ。女用、なんか知らないけど、簡単にぬがせれる物だった。 「あっ」 ボタンを全部取ったとき、ユエルはそんな声を出した。 「いいか?」 「うん・・・でも・・・」 そういうと、一旦ユエルは起き上がった。 「ちょっと待ってね。初めてだから・・・自分で脱ぐから・・・ライも、ね?」 (俺も・・・そうだな、脱ぐか・・・) 取り敢えずズボンは脱いだ。因みにこっちも寝巻きなので比較的、と言うか一瞬で下がった。 そしてベットに座ると、生まれた姿になるまですべてを脱いだ後のユエルが、顔を朱にして立っていた。 「ライもちゃんと脱いでよぉ」 こんな声も、今までは知らなかったユエルなんだろうな。 「上はいいだろ?パンツは・・・脱がしてくれよ♪」 やっべ、ついからかおうとしたら音符が付いた。 「うん、わかった」 思いのほか簡単にユエルはしゃがんで俺のパンツを脱がした。 「わぁ」 そんな声を上げられた。 (えっと・・・この体勢なら・・・) フェラ、とか言うのがしやすい状態だ。 シンゲンに「これがまた気持ちいいんですよ?」とか言われたのを思い出した。そのときは「俺には関係ない」って言ってたけど。 「えっと・・・ユエル・・・」 言いにくい・・・小さい方の排泄物が出るものを舐めてくれなんて・・・と、思ったんだけど・・・ 「わかってるよ」 「・・・・・は?」 「舐めて欲しいんでしょ?すっごく大きいのがびくびくしてる」 「そりゃあ俺はメイトルパの血を引いているからな・・・って違う」 「違った?」 「いや、やって欲しいけど・・・」 「けど?」 「何でそんな事知ってるんだ?」 てっきりそっちの知識には流石に疎いだろうとか思ってたのに・・・ 「前ケーキ屋さんに教えてもらったんだよ♪」 ハッキリ言って、わけがわからない。 「その話はまた後でね。・・・んっ」 「うわっ」 いきなり口に含まれた。もちろん、俺のアレを。 「ん・・・んふぅん・・・」 知識はあってもやるのはもちろん、初めてのようだ。それはそのぎこちなさでわかった。 時々放して呼吸をして、という周期でやってくれた。 つまり、ほとんど休みなしで快楽を与え続けられていたのだ。 (以上、言い訳終わり) 実の所、我慢したのに四十五秒でイってしまった。 「ん・・・んぅ」 「悪い、ユエル」 あまりに気持ち良かったから耐える事に必死になりすぎて決壊を伝え忘れていた。 だが、全くユエルの口からは白濁の液が流れてはいなかった。 「・・・ユエル?」 「・・・うん?どうしたの、ライ?」 ユエルは喉が必要以上に動いてから動いてから、言った。 「喋る前にごっくん、って聞こえたんだけど?」 「うん、苦かったよ?」 「んなもん飲み込まなくていいのに」 「ううん。そんなのもったいないよ」 「もったいない?」 メイトルパでは精液健康法でもあるのだろうか、とか不毛な考えをしてみたがどうやら違うようだ。 「折角ライがわたしにしか出してくれないものが口の中にあったんだよ?」 これはもう飲み込むしかないね、と言う感じに一人納得し頷いてる。 「はぁ。嫌だったら今度からは飲み込むなよ?」 思わずため息が漏れてしまう。 「わぁ、ライのえっちぃ」 「はぁ?」 自分では普通のことを言ったつもりだったライは、思わずきょとんとした。 「今度は、ってことはまたやるつもりなんだよね?」 そういうことか、確かに赤面ものだ。だが今の俺は一味違うぜ。ここで弱みは見せない。 「いいだろ?思った以上に気持ちいいんだ。またやってくれよ?」 「いいけど・・・今日はもう・・・」 いいのかよ!?って・・・ 「今日は?」 「ユエルのあそこがもう・・・」 なるほど、納得。前戯をしているうちにユエルも反応してきた、って事か。 まぁそれは俺も似たようなもんだ。こっちから言ってやろう。散々先行してもらった礼にはなるかな? 「ユエル・・・このまましてもいいか?」 「うん・・・って言うかして、ライ。お願い」 お願いなら俺がする側だ、とも思ったがそれはいい。 ユエルをベットに寝かせて、暗いためわかり難くはあるが、時間を賭けてユエルの秘部の上にライのモノがきた。 「お願い・・・このまま入れて」 「ああ、わかってる」 とはいえ一度触れたときにどうしてもライは腰を引いてしまう。 「ライ、痛くても我慢するから。それにきっと幸せで痛さ感じないから、大丈夫だよ]] それは嘘だ。でもユエルは求めている。俺がやりたいだけならやめるべきかもしれないが、ここで止めては男が廃る。 「一応、ごめんな」 そういう前置きで、少し強引にではあるが不器用なりに優しく、ユエルの中に入っていった。 「あっ・・・くうぅん!」 苦痛の声を上げるユエル。 痛いか、と言いかけたがやめた。痛くないはず無いから。痛くても、こいつは大丈夫、って言うから。 だから、「もうちょっとだからな」こっちにした。 ライのそれがユエルのもっとも奥まで突く。 「痛っ、うぅん・・・くぅっ・・・っ」 「ユエル・・・」 痛みの大きさ・・・ライには想像も付かない。 「だいじょぅぶっ・・・だよ・・・」 大丈夫なもんか。それでも、こういうやつなんだな。 「こうしてて・・・いいか?」 「うん・・・それは・・・やくそくっ・・・だよっ」 「え?」 「ユエルのことっ、離さないでねっ」 さっきの・・・約束・・・ 「ああ・・・ずっとこうしていたいな・・・」 「うん・・・でも・・・動いてもっいいよっ?」 「えっと・・・じゃあ・・・痛かったら本当に言ってくれよ?」 ユエルを傷つけたくない一心だった。 しかし、「こういうことはライが求めなきゃだめだよっ」らしい。 「ぁぅっぅんっ、はぁん」 ライはユエルの言ったとおり自分の快楽を求めるようにした。 とはいえ、気づかいを減らしても居ない。何か変化が有ったら、辞めるつもりだった。 「ふぅんっ、ふぁぁ・・・もっと・・・はぁぁん」 「ユエル・・・」 「ライぃ・・・ふぁん・・・もっと・・・いいよぉ」 最早痛みは通り越したらしく、いまやユエルには快楽のみしか感じ取れない。 (や、やべ) ライは今を存分に感じていたい衝動に駆られていた。しかし、それは危険すぎる。 「ユエル・・・俺っ、そろそろ・・・」 最後の理性を総動員させてユエルから離れようとする、が、 「だめっだよぉ・・・最後までっ離れないでえぇ」 首に腕を回され、やはりそれなりにあるオルフルたるその力に、安全策は取れなかった。 「うっ・・・あぁ」 本日二度目、厳密には三度目だと言うのに、大量の精液がドクドクと流れ込む。 二人は無言で抱きしめ合った。 「離れないで・・・離さないでね・・・」 眠そうな声で約束だけじゃなく、ユエルは自分の希望も告げた。 そういう関係が、ライにはうれしかった。 「当たり前だろ・・・それに、さ・・・」 「なに・・・?」 「・・・寝よう。起きたら、一緒に風呂に入ろう」 「・・・・・・えっちぃ・・・」 「いいじゃねぇか。隅々まで・・・洗ってやるから・・・」 それっきり、ライの意識は飛んだ。 おわり 目次 |
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