Happy my life ~Thank you for everything~



 久しぶりに抱きしめるリシェルの身体。その感触をライはかみ締める。それはなんとも華奢な身体だった。
 まだ青い蕾のようなリシェルの肢体。けれどその手触りはとても柔らかで、そして優しい。
 このまま抱きしめ続けたい誘惑にライはかられる。
「いつまでそうしてるつもりよ……」
 すると、ちょっと拗ねるようにしてリシェルは言ってくる。更に続けて呟く。
「なんか……お尻に硬いものがあたってるし……」
「……っ!わ、わりぃ!」
 指摘されてライは慌てて抱擁を解く。見やるとライの肉竿は既にギンギンに屹立していた。
 その先端からはなにやら滑りけのある液汁が滲み出してきている。いつ暴発してもおかしくないほどに。
「こんなになるまで我慢しちゃってさ……本当にしょうがないんだから……」
 頬をぷくっと膨らませてリシェルは呟く。不満そうというよりどこか照れくさそうにして。
「……本当に……馬鹿なんだから……」
 もう一回だけ呟く。さわり。リシェルの手がライの陰茎に触れる。茎を手のひらで包むように握る。
「うっ!…………」
 リシェルは続けてライのペニスを優しく手で擦る。ビクッと脳に響く快感にライは思わず呻きをあげる。
 そのまま手扱きしながらリシェルは親指と人差し指で亀頭をくにゅくにゅと揉むように刺激する。
 刺激に耐えかね先走るカウパー液はリシェルの指先を濡らす。
「……やっぱ……して欲しい?……その……アレで……」
 手での奉仕を続けながらリシェルは尋ねてくる。伏せ目がちの真っ赤な顔で。
(アレって……やっぱアレだよな……)
 ふいに思い出されるアレのこと。初めてしたときもリシェルはアレをやってくれた。
 それはもう蕩けるように気持ちが良かった。あの快感をまた味わえるのならばこっちから是非にお願いしたい。
「ああ、頼む……」
 ライは頼み込む。リシェルは頭を小さく縦に振ると、ライに乞われるままアレをしはじめる。
 自分の口を使ったペニスへの奉仕。いわゆるフェラチオを。
「んっ……はむっ……っ……」
 刹那、柔らかい唇が亀頭の先を咥えて優しくふにふにと甘噛みで刺激する。ピクリとライの前立腺は反応する。
「んっ……ちゅっ……ぺろっ……んちゅ……」
 そのまま鈴口をリシェルの舌はなぞる。ぞくっとした刺激がライの背中を走り抜けていく。
(うあぁ……やっぱ、すげえ気持ちいい……)
 蕩けそうになるような快感にライはまどろむ。柔らかな唇が、ねっとりとした舌がライ自身を優しく溶かす。
 懸命に自分の肉棒を頬張ってくれるリシェル。その健気な姿を目にするだけで心が堪らなくなる。
「……ちゅっ……んちゅ……んっ…じゅっぷ…んぢゅ…ぺちゅ……」
 その上、リシェルの口技は以前より明らかに上達を見せていた。裏筋の敏感な部分を的確に捉えてなぞる。
 手で根元を優しく擦りながら、先端を舌先が執拗につつく。カリ首を舌が滑る途端にライから呻きがもれる。
「……はむっ……っふ……ろほ?きもひ……いひ?」」
 そして口いっぱいにペニスを頬張りながらリシェルは時折上目遣いでライを見つめ尋ねてくる。。
 最高だ。そうとしか言いようがない。ああ、ぶちまけてしまいたい。このままリシェルの口の中に。
「リシェ……ル……オレ……そろそろ……」
 身を襲う射精感に耐えながらライはリシェルに限界を伝える。けれどリシェルはライを咥えたまま離さなかった。
 僅かに視線を動かしてライにサインを送る。そのサインに気づくとライは自分の中に溜まっていたものを解き放つ。
「んぐっ……んっ!……っぐ…………」
 瞬間、脈動する男根は白濁をリシェルの口内で射出する。苦味のある粘性の液汁がリシェルの口の中で暴れ出す。
「っ……んぐっ……ん~~~~~っ………んぐっ……ゴクッ…んぐ……んぐ……」
 ゴクン。注がれたスペルマをリシェルが飲み下す音。苦味に顔をしかめながらもリシェルはライの精液を胃に落とす。
「んぅ……ぢゅる……んぢゅっ……ぢゅっぷ……ちゅるちゅる……」
 その上で尿道に残ったものまで丁寧に吸い出してくれるのだ。もう感無量だった。
「リシェルぅ……」
 ライは潤るむ瞳で奉仕を続けてくれるリシェルを見つめていた。なんだか泣いてしまいたくなった。
 こうしてリシェルと睦みあえることが心から本当に嬉しくて。




「ふぁ……っは……んあぁっ!」
 石鹸で滑らせた指でライはリシェルを弄る。今度は自分がリシェルを気持ちよくしてあげる番だと言わんばかりに。
 愛らしいリシェルのささやかな膨らみ。その頂点を親指と人差し指の間でくりくりと弄る。
「ひあっ!ひゃぅんっ!」
 リシェルは敏感に反応する。なんとも艶っぽい喘ぎが口から漏れていた。嬌声を聞きながらライは浸る。
(可愛い声だすよな……こいつ……)
 その喘ぎ声を聞いているだけで一度は抜いたライのイチモツはむくむくと起き上がってくる。
 もう一方の手で2本ほど指を重ねてくちゃくちゃと掻き回しているリシェルの秘肉。こちらも最高の感触だ。
 ここにまた自身を埋められるのかと思うだけで心がどこか遠くに行ってしまいそうになる。
「リシェル……可愛いよオマエ……すっごく……」
 愛でながら耳元で囁く。その囁きにピクリとリシェルが反応するのをライは見逃さなかった。
 リシェルが何かを言い出す前に先手を打つ。可愛らしい肉のお豆をこりっと潰してみる。
「ひやぁぁああ!ひゃふぅぅぅ!!」
 また喘ぐリシェル。たまらない。ゾクゾクする。手に伝わるリシェルの感触が、耳に聞こえるリシェルの声が。
 ライの心を昂ぶらせる。もっと喘がせたい。もっとリシェルの可愛い姿が見たい。欲望はむらむらと沸き立つ。
「あぁぁあ……んひゃうぅぅ!!らめぇ……あたひ……もほぉ……あ……はぁ……」
 敏感な箇所に行われる執拗な責め。絶え間なく与えられる刺激に悶えるリシェル。口からは熱っぽい吐息が漏れる。
 ライもまた息を荒らげる。吐き出す息はリシェルの首筋に吹きかかる。弄る指はリシェルの愛蜜で濡れている。
「リシェル……ああ、リシェルっ!」
 ギュッと離さないようにライはリシェルをきつく抱きしめる。そのまま指先だけは小刻みに器用に動かす。
「やあぁああ!!ひゃぁぁあ!!ひゃうぅぅぅ!!」
 侵入した指はリシェルの膣内の急所を捉える。指先で圧迫。リシェルの脳が閃光に包まれる。
 もう片方の手で手のひらにおさまったリシェルの乳肉を優しく揉みこむ。耳に響くリシェルの喘ぎ声。
 もっと聞きたい。リシェルをもっとよがらせたい。
「ひやはぁぁあああああ!!あくぅぅううううう!!!」
 そしてオルガズムはおとずれた。おびただしい淫水を秘部からふきだしてリシェルはそのままぐったりと果てる。
「あ……イっちゃったぁ……あたし……イっちゃったぁぁ……」
「……すんげえ可愛かったぜ……リシェル……」 
 涙目で呟くリシェルにライはそう声をかける。素面のときはとても言えない台詞だなと自分でも思いながら。
「……馬鹿ぁ…………」
 鼻声気味にそう呟くとリシェルは振り向く。そしてライとキスを交わした。甘く濃厚に絡み合う大人のキスを。





「まったく、どうなってんのよアンタは。さっきしてあげたばかりなのに……」
 肉根は先程以上の立派さでそびえたっていた。そのあまりもの見事さにリシェルは唖然とする。
 ライは照れくさそうに頭をかきながらひとりごちる。
(オマエのせいだよ……)
 自分が本当に心から好きと思える女の子が相手だからこうなってしまうのだ。抱きたい。愛し合いたい。
 一緒に気持ちよくなりたい。お互いに強くそう思えるからこそ自然とみなぎってしまう。
 そんなものなのだろうとライは漠然と考えていた。
「……そんなに……あたしとしたいの?あたしのこと……欲しい?」
 頬を染めてもじもじとリシェルは尋ねる。ライはにやりと笑いながら答える。
「当たり前だろ。そんなの」
 とくん。刹那、リシェルの胸がときめく。リシェルはあわあわと視線をあちこちにやる。
 しばらくしてようやくその目線がライの顔に定まる。そして顔をほころばせる。
「えへへ♪」
 飛び切りの笑顔をライに見せてリシェルは顔を近づける。CHU。唇が今度は軽く触れ合う。
「大好きだよ。ライ」
 普段からしてみればありえない素直さでリシェルはライにそう言った。





 仰向けになるライの身体は緊張で少し強張っていた。これから初めて試す姿勢。
 ふいに見やるとそこには自分の上にぺたりと座り込むリシェルがいる。ごくりと唾を飲み込む。
「なんか……緊張するな……」
「……そうよね…………」
 お互い顔を見合わせてはもじもじとする。仰向けのままでもライの肉根は槍のようにそそり立っている。
 そこへあてがわれるべきはリシェルの割れ目。いわゆる騎乗位というやつなのだが中々に踏ん切りがつかずにいる。
「しかしオマエ……どこでそんなの覚えてくるんだよ?」
「い、いいでしょ!!別に……わざわざ聞くなっての!そんなこと……」
 どうせあのメイド辺りが吹き込んだのだろう。しかしなんだか情事の度にリシェルはよりエロくなっている気がする。
 ひょっとして家でそういう練習でもしているのだろうか?流石にそう尋ねるのは怖くてできないが。
「またなんか変なこと考えてるでしょ……」
 見透かされたのかジト目でリシェルが言ってくる。適当にお茶を濁すとリシェルはまた『馬鹿……』と小さく呟く。
 そしてまたしばらくお互いに見つめあいながらもたもたとしていたが、ようやく決心がついたのかリシェルが動く。
「んっ…………」
 リシェルは腰を浮かして自分の割れ目をライの切っ先に宛がう。既にリシェルの秘裂は十分な蜜にまみれていた。
 包まれることをいまかいまかと待ちわびてライの肉槍はいきり立つ。先端からは先走りの汁が滲み出している。
「……っは……うっ……」
 息を吐きながらリシェルはその腰を下ろしていく。そしてライの剛直は包み込まれる。リシェルの温かな肉の鞘に。
「ひあぁぁぁああ!!あぁぁううっ!!」
 すとん。リシェルの腰は一気に落ちた。同時に埋没する。ライの肉根はリシェルの奥深くへと。
「あぁ………あぁぁあ……刺さってる……深い……ああぅ……」
 そびえたつライの肉槍にリシェルは一気に串刺しにされていた。膣内の奥深いところまでライの肉根が来ている。
 少しでも上体を動かすと刺さった肉棒がリシェルの膣奥で擦れる。身体の内からくる震えにリシェルは悶える。
(……オレ……もう死んでもいいかも……)
 自分にまたがるリシェルを見つめてライは至福に浸る。鼻の奥がなんか熱くなってきたので指で押さえる。
 一気にライ自身を飲み込んでくれたリシェルの肉壺。その吸い付くような肉の感触。しっかりと咥えて離さない。
 ぴったりと密着しあう粘膜同士。それらが僅かに擦れるだけで快感が脳をつきぬけてくる。
「んぅぅ……くぅぅ……っは……あっ……んっ!……ふあぁぁぁっ!!」
 リシェルは再び腰を持ち上げてから落とす。ぞくり。ざわめくような刺激が身体の芯まで貫く。
 そして与えられる快楽に身もだえしながらリシェルは上下を繰り返す。
「ふあうっ!……あんっ!…ひあんっ!……っは…あっ……はうっ!……くあぅぅ……」
 リシェルの発する喘ぎはライの鼓膜に響く。同時に感じる。ぬるぬるとまとわりつく膣肉の感触を。
「うあ……あ、温かい……オマエの中……すげえ温かいよ。リシェル……」
 いきり立つ肉槍を柔らかく包んでくれる肉鞘の温もり。その温かさにライは浸る。
 肉の締め付け具合も最高だった。もう幾度かリシェルと交わした営みの中でリシェルの膣はライに適した形になっている。
「……っは……あっ……あふっ……はうっ!……ひゃんっ!」
 可愛く喘ぎながら懸命に腰を動かしてくれるリシェル。その口から漏れる吐息も甘く色づく。ライは堪らなくなった。
 初めて経験する騎乗位。リシェルの肉壺は上から下にうねるようにライの肉棒を締め付けてくれる。最高だった。
 何よりリシェルのほうから自分を気持ちよくさせるため腰を振ってくれる。そこに一体なんの不服があろうか。
 このままずっとこの姿勢のままでリシェルにしてもらうというのも悪くはない。けれどライは思った。
 やっぱりこちらの方からリシェルを気持ちよくしてあげたい。自分流のやりかたで。それはもう存分に。




(やっぱ……されてるばっかじゃな……)
 にやりと意地悪く笑ってライは上体を起こす。
「っ!?」
 咄嗟のことにリシェルの動きがぴたりと止まる。上半身を起こしたライはその頭をリシェルの胸に埋める。
 そしてリシェルの乳首を甘噛みする。
「ひやぁぁあああ!!」
 突然の奇襲にリシェルは悲鳴をあげる。するといつのまにかリシェルはライに抱きかかえられる姿勢になる。
 リシェルの身体をギュッと強く抱きしめてライは短く呟く。
「今度はオレからな……」
 その台詞が攻守逆転の合図だった。今度はライがリシェルに腰を打ち付ける。力強いピストンで膣肉を抉る。
「あぁぁぁああっ!!はぁぁぁああ!ひあぁぁあああ!!」
 ひときわ大きな嬌声でリシェルはよがる。その喘ぎを満足そうに聞きながらライはより強く腰を進める。
「リシェル……リシェル……リシェルっ!!」
 激しくリシェルに突き入れながらライも溺れていた。リシェルの膣内を自分の肉棒で蹂躙する快楽に。
 自分の動きにあわせてリシェルは喘いでくれる。すごく可愛い。リシェルがよがってくれる。最高だ。
「やぁぁ……おかひくなるぅぅ……あたし……壊れるぅぅ……」
 ライからの激しい責めにリシェルの意識は朦朧としていた。与えられるオルガズムの連続がリシェルの脳を溶かす。
 ずんずんとライが自分の胎内で暴れる。なんて雄雄しくも荒々しいのだろう。そして何より自分はそれで悦んでいる。
 身体が、心がどうしようもなくライを求めてしまっているのだ。魂さえ溶けてしまいそうなピストンの連続
 その中でリシェルは欲する。欲しい。たまらなく欲しい。子宮がざわめいている。リシェルは迷わず口にする。
 火照る身体が発するなによりの願いを。
「お願いっ!だしてぇぇぇええ!!あたしの中にたっぷり注いでぇぇぇえ!!」
 その言葉にライの忍耐も途切れる。たまりに溜まった情動の塊。ライは解き放つ。リシェルの胎内で容赦なく。
「くぅぅうぅ!リシェルぅぅぅ!!」
「んああっ!ライぃぃっ!!」
 ビクン。衝動は貫かれているリシェルの身体をかすかに揺らす。勢いよく射出されるスペルマ。
 それはリシェルの膣内を逆流して子宮へと流れ込む。リシェルはたまらず喘ぐ。
「あああぁぁっ!!熱いっ!熱いぃぃっ!!来てるうぅぅ!あたしの中にいっぱい来てるぅぅうう!!」
 射精は数秒間続いた。ドクドクと熱を伴って子宮内を暴れる。その熱にリシェルは悶える。
「熱いよぉぉ!いっぱいだよぉ……いっぱい……あたしの中が……ライでいっぱい……」
 縋りつくようにリシェルはライに抱きつく。ライもリシェルを抱きしめる。激しい営みの中の至福の瞬間。
 肌に感じるお互いの体温。愛する人を満たせた。そして愛しい人を受けとめたことへの安堵。
 様々なものが抱き合う二人を優しく包む。
「んっ……んむっ……んちゅ……」
 そして唇同士も自然と重なる。深く繋がったままで二人はしばらく互いの口を吸いあっていた。
 身体を通して交わしたお互いの気持ちをしっかりと確かめ合いながら。






「はふっ・・・・・・あぁ………」
 湯船につかりながらリシェルは息を吐く。なんというかはげみ過ぎた。身体の節々が痛い。
 ジロリと傍らのライに視線を向ける。ライはたじろいで呻く。
「………ケダモノ………」
 ぼそりと呟かれる言葉。ライは何も言い返せない。たしかにケダモノだった。色々とその……やり過ぎた。
「まったく、ちょっとは手加減ってもんを考えなさいよ!ほんとあんたって極端なんだからっ!」
「すまねえ……」
 怒鳴るリシェルにライはぺこりと頭を下げる。それというのもあれからライは貪るようにリシェルとセックスした。
 射精したペニスを引き抜きもせずにそのままリシェルを突き続けた。どれだけ連発したのかよくおぼえていない。
 気がつくとリシェルの身体はライの精液にまみれてすごいことになっていた。洗い落とすのにも時間がかかった。
 ろくに足腰も立たない身体にされてリシェルは恨めしげそうにライを睨む。
「どうしてくれんのよ!これじゃあ家まで歩いて帰れないじゃない!責任とんなさいよ!」
 ぎゃあぎゃあ噛み付くリシェルにやれやれとライは溜息を吐く。やってる最中はオマエの方こそ夢中だっただろうに。
 ライがやりすぎたのも用はリシェルの方がそれを許してくれるからである。だから羽目を外してしまった。
 けれどやってる最中のリシェルが冷静な判断なんて下せるわけもなく、やはりこれも自分の責任なのだろう。
(まあ……オレの方から気をつけてやるべきだったからな……しょうがねえ……)
 諦めにも似た気持ちでリシェルの罵声をライは聞き流す。それにリシェルも本気で腹をたてているわけではない。
 どうせいつもの照れ隠しだ。もう少し素直になってくれてもいいのに。行為の最中のときのように。
 素直なときのリシェルはそれはもう超絶に可愛かった。ライがそんなふうに浸っていると。
「ちょっと!聞いてる!?」
 愚痴の相手をすっぽかされたリシェルがむくれる。そしてまた耳元でギャアギャアわめき散らす。
(まっ、そんなこいつだからこそ好きなんだけどな……)
 素直な時のリシェルも可愛いには可愛いのだがやっぱりリシェルはこうでなくてはどこか物足りない。
 普段が素直じゃないからこそ、たまに素直になったときの姿が最高に引き立つのだろう。典型的なツンデレである。
「まあ、そう怒るなって。ちゃんとオレが家まで送ってってやるからさ」
「……と、当然じゃない。それが家来のつとめってものでしょ」
 少し間を空けてからリシェルは返す。頬が赤い。こいつめ。どうやらこれを言って欲しかったんだなと見える。
「はいはい。わかった。わかった。だから機嫌直せよ」
「全然わかってない!何よその態度!」
 予想通りの反応にライの口元は緩む。耳元で囁く。
「好きだぞ。リシェル」
「っ!?」
 その囁きにリシェルはビクッと震える。わなわなとしながらゆっくりと振り向いてライを睨む。
「……何よ……そんなの……言っとくけどね!あたしは……あたしの方は……」
 にやにやと微笑みながらライは待つ。そしてリシェルはその続きを言い切る。
「大好きなんだからっ!!」
 弾けるような眩しい笑顔でリシェルは素直な自分の気持ちをライにはっきりと伝えた。









 今、最高の幸せを分かち合える最愛の人とめぐり合えた運命に感謝して。

 『Happy my life~Thank you for everything~』


~fin~

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