『回顧』『悪ぃ。トリスたちとの食事会、行けなくなっちまった』 聖王都。繁華街の安宿の一室で、ケイナは枕を殴りつけていた。 「フォルテの馬鹿っ。ばかばかばかばかっ」 枕をあの相棒の顔に見たてて力いっぱい殴ると、羽毛の枕はぼふぼふと音を立てた。 「なにが行けなくなっちまったよ!前から約束してたじゃない!…楽しみにしてたのにッ」 最後にもう一発、思いきり枕を殴る。 するとほつれかけていた枕の角から、羽毛がふわりと飛び出す。 それを見て、ケイナは堰を切ったように大粒の涙をこぼしはじめた。 「うそつきっ…」 パッフェルとミニスは薄い木の扉の前で、苦い顔をして立ち尽くしていた。 「困りましたねぇ…」 「えーっ?!私パッフェルさんのこと頼ってきたのにぃっ…」 扉の向こうから聞こえるのは、ケイナの嗚咽。 原因はわかっている。 2か月ぶりにみんなで集まって、一緒に夕飯を食べる。 参加するはずだったフォルテが突然、「行かない」と言い出したのだ。 それにケイナが激怒して…いつもより激しい喧嘩が始まった。 …その一部始終を見ていたミニス。 2人の余りにすごい剣幕に、ミニスは割ってはいることができずにいた。 それでパッフェルを呼んで来たのだ。 意を決して、パッフェルが扉を叩く。 「ケイナさーん。入りますよぉ」 「!」 能天気そうな声が響く。 ケイナはその声に背中をびくつかせ、とたんに涙がとまってしまった。 「ちょ、ちょっとまって?!今っ…今開けるから」 彼女は慌ててそう言って、頬に残っていた涙をぬぐった。 そして2人を出迎える。 「どうしたの、こんなところに」 赤い目でたずねてくるケイナに、パッフェルはにやっと笑った。 「あっケイナさ~ん。飲みましょ飲みましょっ。再会の前祝ってことで」 大人2人はワインを片手に、ミニスは一人ジュースを持って談笑を始めていた。 ケイナに先ほどまでの暗さはもうどこにもない。 「へぇ…ケルマがねぇ…」 「そうそうっ。カザミネが遠征にいっちゃうって、派閥でわんわん泣いてたのよ!」 話題はケルマとカザミネの恋の行方について。 仲間の恋の話だということで、話は普通以上に盛り上がる。 「カザミネったら、おぬしの元へ必ず帰ってくる!なーんていっちゃって。とうとうお母様も笑いをこらえられなかったのよ」 「あははっ!!カザミネも隅に置けないわね」 「ふふ…それは面白いですねぇ」 がははと爆笑するケイナ、それに微笑むパッフェル。 それを見たミニスが、ずずいと顔をパッフェルに近づけた。 「で。パッフェルさんのそーいう話、聞きたいなぁ」 真剣な目を気取っているが、ミニスの口元は緩んでいる。 笑いつづけていたケイナもミニスの言葉を聞いて止まり、同じようにパッフェルの近くに寄った。 「え…そっ、そんなぁ、私の話なんか聞いても面白くないですよぉ」 パッフェルは焦り、2人から遠ざかる。 片手にグラスを持ったまま木枠の窓まで来て、二人の顔を見ないように月を見上げる。 「面白くないわけないわ!それに、そういう話したことないのパッフェルさんだけだし」 「そうよそうよ!私もミニスちゃんもいっぱい話したんだか…パッフェル?」 まくし立てるように言う二人の前方で、月を見上げたままのパッフェルがため息をついた。 「…いいですよ。私の話…しても、いいです」 いつもの明るさを失った声とその言葉に、ミニスとケイナはぎょっとした。 「私ね…エクス様の密偵になる前のお仕事先で、好きになった人が居たんです」 グラスに半分ほど注がれたワインを揺らして、パッフェルはつぶやくように言った。 「ど、どんな人?」 胸の高鳴りをおさえるような、上擦ったケイナの声に、パッフェルは目を細める。 「う~ん…そうですねぇ…。つかみ所がなくてなんとも言えないんですけど…」 「外見とか、そういうのでいいからさ」 間髪入れずにミニスが続ける。 パッフェルは外見、と小さく反芻して、相手の男を思い出した。 もやの中に、しかし鮮明にその人の輪郭が浮かび上がる。 「…暗い色の髪が…長くて…髪と同じ色の細い目……」 ぽつぽつとしゃべり出すパッフェルに、二人が頷く。 「年は?」 「同じぐらい…だった気がします。はじめて会ったときはまだ少年って感じで…」 相手と共有した思い出が、溢れるように思い出される。 ミニスやケイナの高い声が急に遠くに感じられた。 ………………………………… ヘイゼルは薄暗い部屋の中で、次のターゲットの資料を眺めていた。 「…ダサイ男」 ぶかぶかに巻いたマフラーの奥で、ぼそりと呟く。 顔は薄暗い中なのでなかなか分からないが…彼女は苛立ちを隠せない。 「遅いわ…」 もう一度呟く。眺めていた資料をくしゃくしゃと丸めて、部屋の隅に投げた。 コンコン、と扉を叩く音がした。 「入りなさい」 やっと来たか、といった感じで溜息をつき、扉の向こうの人物を招き入れる。 キィィ、と悲鳴のような音を立てるドア。 外から、少し緊張した面もちの少年が入ってきた。 年の頃は10代。 赤みがかった紺の髪は少し伸びて、頬をなでている。 「遅かったわね、『珊瑚の毒蛇』」 「……」 「まぁ、いいわ。その辺に座りなさい」 珊瑚の毒蛇、そう呼ばれた少年は喋らない。にらむような視線のまま、華奢な椅子に座った。 「もう50人、殺したんですってね」 「……」 ヘイゼルもそう言いながら、椅子に腰掛ける。 少年は俯いて、口を開こうとはしなかった。 「貴方に次の仕事が来てるわ…資料を渡したくて」 ヘイゼルは話を聞いているかどうかさえ分からない少年を無視し、しゃべり続ける。 それから、服にたたんでしまってあった資料を丁寧に開いて、少年に渡す。 「次のターゲットは、帝都の娼婦。昔無色の派閥だったらしいわ」 娼婦、と聞いても少年は眉一つ動かすことはなかった。まるで人形のよう。 ヘイゼルはふふ、と笑って立ち上がり、少年の背後にまわる。 「相手は夜の女王。自分がねらわれてるって事も知ってる。 つまりは…どんな手を使っても、貴方のことを止めるわよ」 そして腕を回し、後ろから少年に抱きつく。ヘイゼルの豊満なおっぱいが少年に押しつけられた。 そこで少年はやっと、体をびくつかせて反応を見せた。 「ふふ…ウブね。そんなんじゃ、逆に貴方が殺されるわ」 「…ッ」 胸を押しつけたまま、ヘイゼルは少年の首、肩、胸をいやらしく触っていく。 性経験がないに等しい少年は、巧みな彼女の動きに、ただ歯をくいしばって耐えるだけだった。 「震えちゃって…そうね…教えてあげる。いらっしゃい」 くつくつと笑うヘイゼル。いったん体を離して、少年をベッドの方に引き寄せた。 少年が仰向けに寝かされる。その上にヘイゼルが馬乗りになった。 ヘイゼルは止めていた手の動きを再開する。 シャツを乱すように体を触っていって…とうとう指が下半身に伸びた。 「あっ…」 触られるだけでもたまらない、と少年がか細く声をあげる。 その声に気をよくしたヘイゼルは、服の上から彼のモノをくにくにと揉み出す。 「ちゃんと声、出せるんじゃないの」 言いながらも手は止めない。手の中で彼はむくむくと大きくなり、苦しそうに服を持ち上げている。 「…ぃ…いた…」 声変わりを終えて、少し低くなった声が鳴く。 もういいかしら、誰に聞くでもなくヘイゼルは言って、少年の服をはぎ取った。 下半身だけ裸にされると、少年のぴんと張ったペニスが目立つ。 ヘイゼルはそこに優しく、手を這わせた。 「可愛いわね…声、我慢しなくていいのよ」 竿を両手で握って、上下に擦る。きゅっと締まった手の中でこすれるペニスは、 早くも先端から透明な汁を垂れさせている。 「あっ…だめ…だ」 荒くなってきた息と共に、艶のかかった喘ぎ声漏れる。 ヘイゼルは睾丸を口に含み、やわらかい唇で噛んでは、舌で転がした。 しばらくそれを続けた後、口を睾丸から上に移動させ、肉棒に舌を這わせる。 なま暖かい感覚。 下の方から舌がつつつとはい上がって、ヘイゼルは少年のペニスにかぶりついた。 「んんっ…」 顔を大きく上下に揺らして、肉棒全体に唾液をまぶす。 特に亀頭には、ちゅっと強く吸い付いたり、鈴口に舌をねじ込ませるようにした。 「…っ」 声を上げずに、少年は限界を告げる。 「もう駄目なのね…いいわ、口にしなさい」 言うと、少年は待ちかまえていたかのようにヘイゼルの口の中に白濁を吐き出す。 二三度震える中で出した白濁と共に、少年は意識を失った。 それから毎日、ヘイゼルは少年に性技を教え込んだ。 キス、愛撫のしかた…彼女の中に入れさせてもらえるまで、まるまる一週間かかった。 彼女をイかせるようになるまで、また一週間。 少年はだんだん喋るようになり、彼の教育はいつのまにか、ヘイゼルの楽しみとなっていた。 つづく 目次 | |
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