エロ魔剣シリーズ3 ロレイラル 前編喚起の門での陵辱劇から1週間が経とうとしていた。 シャルトスは門で魔力をためることに味を占め、毎夜出かけては、アティを淫らな人形にして魔力を高めていた。 「…行くんですね…」 『ああ。今日は何に犯されたいか?』 「……」 今日も例外ではなく、アティは外に出かけるための支度を始めた。 (もうあがいてもしかたない…。私は従うしかないんですね) 指示されたり、操られたりせずとも、彼女は自ら剣を腰にさし、少しくたびれてきたローブをまとう。 諦めたようにブーツを履いて、ドアノブを回した。 恐る恐る部屋から一歩踏み出すと、低く笑う声とともにシャルトスが言った。 『誰にも見つかるな。見つかればどうなるか…もう言わずとも分かっているな』 「…はい」 一昨日。人知れず船を出て行こうとした所で、ヤードに会ってしまった。 そのときはヤッファの庵で飲んでくる、と苦しい言い訳をしたが…後に待っていたのは一層激しい陵辱だった。 剣は、スカーレルに見つかったときのように、邪魔されるのが怖いのだろう。 アティはきょろきょろとあたりを見まわしながら、足早に出口へと向かっていく。 船長室とバスルームからは暖かな光。なるだけ音を立てないように気を付けながら、出口に足をかけた。 ああ、よかった…、今日は誰にも会わずに済む。 安堵してふぅ、と息をついた瞬間、船長室のドアの音がした。 「あれ~?先生!これからどっか行くの?」 思わず、ソノラと共にした陵辱劇がフラッシュバックされる。 酔ったかのような、陽気な声。ボブ・カットにした金の髪。それに合う、透き通るような瞳。 最後の最後で見つかってしまった、と肩を落としてアティは振り返る。 満面の笑みでこちらを見るソノラに、アティはあいまいな返事で返した。 「ヤ…ヤッファのところに、お酒でも飲みに行こうかなって。多分スカーレルも行ってると思うんでっ」 まくし立てるように、早口で弁明する。これではまるで、嘘をついている事を自分から明かしているようではないか。 言われたソノラといえば、頭の上にクエスチョンマークをいくつも浮かべて、こちらを見ている。 「ん?スカーレル?スカーレルなら今お風呂にいるけど。なんなら呼ぼっか?」 「い、いい…」 ぶんぶんと首を振るアティ。しかしソノラは聞いちゃいないといった風に、バスルームのドアを叩く。 その口元は、にやり、と歪んでいた。 「はいはい、今出るってば!」 バスルームから明るいテノールが聞こえる。 言ったとおり数秒後には、濡れた髪を下ろしたスカーレルが出てきた。 「んもぅ、急かさないでよ。ソノラ、一体何の用事?!…って、センセじゃないの…」 女性のように高めのトーンで喋るスカーレルの声が、アティを見つけたとたん暗いものに変わった。 ソノラだけが、相変わらず明るい声で喋りつづける。 「先生、これからヤッファの所に行くんだって。スカーレルのコト探してたみたいだったから」 「え…」 違う、言いかけた口を閉じ、涙をこぼしそうな瞳でスカーレルを見つめる。 彼はその様子を、同じように哀しい目で見つめ返すしかできなかった。 「悪いけどセンセ、アタシちょっと今日はヤードと飲みたい気分なの。ソノラも付き合ってくれるでしょ?」 「えっ、なんでぇ?!スカーレルってば、先生と一緒に行こうよぉ」 「だーめ。この前、ヤードの人生相談に乗るって言ってたでしょ?」 ゴメンネー、と明るい調子で続け、スカーレルはソノラを引っ張って部屋の方に消えていった。 「ぶーぶー。…じゃ、楽しく飲んできてね、先生!」 かろうじて見える手がぶんぶんと振られる。 アティはそれを神妙な面持ちで見つめていた。 「ちょっと!なんで邪魔するの、スカーレル!せっかくあたしも行けるチャンスだったのに!」 ずるずると彼の部屋の前まで連れてこられたところで、ソノラは手をふりほどいた。 その声は感情的で、邪魔されたことを怒っている。 「いいじゃない、センセはヤッファとサシで飲みたいのよ」 スカーレルといえば、わざと見当違いな答えを返している。 濡れた髪が照明を受けて照り返す。 「スカーレルだって分かってるんでしょ?!先生がホントは」 「ストップ。それ以上言ったら怒るわよ」 喚き散らすように言うソノラに、鋭い眼光が向けられた。 そんな強い目をみてつい一瞬、ソノラはひるんでしまう。 「あたし、あの日以来おかしくなっちゃったの!エッチしたくてたまんなくって…また魔獣にいっぱい犯されたいの!」 「……でも」 だがすぐに復活し、再びくいつく。そんな彼女を、スカーレルは複雑な気持ちで見ていた。 口が達者なスカーレルが、返す言葉を見つけられずに困っている。 「でも、じゃない!……じゃあさ。スカーレルが代わりに抱いてくれるワケ?あたしのこと、気持ちよくしてくれるの?!」 「……ッ」 「もとはといえば…スカーレルのせいじゃん…。あのときスカーレルがあたしに行かせなければ、こんなことにはならなかったのに…!」 吐き捨てるように言って、ソノラは部屋に消えていった。 目を伏せて、スカーレルも自室に入る。 (でもなぜ、アタシはソノラを行かせたんだろう。アタシやヤード、それにカイルの中の誰かが行けばよかったのに) 濡れた髪を今一度拭きながら、スカーレルは考えた。 (もし、アタシやヤード、カイルが行ってたらどうなってた?) 男だし、まず犯されることはないでしょ、そう言いつつ、スカーレルはうっかりそんな場面を想像して吐き気を催す。 (う…キモチワル) その次に、触手に翻弄されるアティの姿が想像された。 スカーレル自身、童貞のような青さは捨てたつもりだったが、少しだけ顔が紅潮する。 そしてそんな自分に後悔する。 (嫌…センセが他の男の手の中に居るなんて、想像するだけでも嫌) そこまで心の中で呟いて、スカーレルははたと気がついた。 (そっか…アタシ、センセのそんな姿が見たくなくて…。) アティが他の誰に犯されることも許さないと言う、醜いまでの独占欲。 髪を拭く手が止まると、思わず嘲るような笑いがこぼれた。 笑いつつも、悪い方向への想像は止まらない。スカーレルを待ち構えていたかのように、思考がつながっていく。 (もし行ったのがカイルかヤードだったら、センセはあの2人にも犯されてたかもしれないわ。 ちがう。カイルかヤードが魔獣を倒すの。そしたらセンセ、きっと言うのよ。「して」って。) そこまで考えて、スカーレルの胸がきゅっと締まった。 全部つながった。アタシが剣に操られるセンセを助けたあの日、センセはアタシとセックスしたかったわけじゃないんだ。 セックスしたかった時そこに居たのが、たまたまアタシだったってだけ。 いそいそと、まるでそれが義務であるかのように服を脱ぐアティに、シャルトスが囁いた。 『追って来ないな…』 暗闇の喚起の門。昼間見るよりもいっそう妖しくて、アティはここが苦手だった。 「きっともう、私のことなんてどうでもよくなったんですよ」 白々しく、アティは答える。 私を見たときの、あの哀しい瞳。「本当はあなたを助けたい」と語りかけてきたけれども、アティは怖くてたまらなかった。 今までは「助けてくれるかもしれない」と期待しながら陵辱を耐えることもできた。 なのに、もうそれにすがれない。 脱ぎ捨てた服から黒いサモナイト石を二つ、頭上に掲げて召喚の儀式を始めた。 『ロレイラル…。今夜はどんな風に楽しませてくれるかの』 喚起の門が共鳴して、中から召喚獣があらわれた。 つづく 前へ | 目次 | 次へ |
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