内憂外患「よう、お目覚めか?」 「え・・・あれ?」 男の声でガバッと身を起こすアヤ。ざっと見回した所、何所かの空家のようだ。 (確か、セシルさんの所で話をしててすっかり遅くなって・・・) 繁華街からスラムへの最短の道を通ろうと普段は使っていない、人気の無い道を歩いていたはずだ。そして後ろから誰かが後頭部を・・・ 「ああ、道理で頭がズキズキする訳ですね」 「けっ・・・相も変わらずのボケっぷりじゃねえか、ハグレ野郎」 「貴方も相も変わらずの血色の悪い顔ですね、バノッサ」 「ぐっ・・・!?」 軽い挑発の言葉を受け、いとも簡単に額をピクピクさせるバノッサ。普段であればここから更に突っかかってくるはずなのだがどうにか堪えた彼は不敵に微笑んでみせた。まあ・・・若干引き攣ってはいたのだが。 「く・・・くくっ、そうそう同じ手に掛かるかよ。今日の俺様は一味違うぜ?」 「まあ確かに、今日はちょっと違うみたいですね。今までならまだ正攻法だったのに今度は夜道で背後からどつきますか。これじゃあもう古悪党呼ばわりされても否定はできないんじゃないですか?」 「だ、黙れっ・・・お前、今の状況が分かってんのか?」 「手足を荒縄で縛られてて身動きが取れませんね」 「・・・分かってるじゃねえか」 「武器も取られてるみたいですし、抵抗するだけ無駄でしょうね」 やけに冷静に語りだすアヤにバノッサは計画が出だしから頓挫した事を悟った。本来の予定であれば、ここで彼女が泣きそうになるとまではいかないまでも不安気な顔を浮かべるのをせせら笑ってやるはずだったのだ。 「ちっ・・・ともかくだ! この状況でいつまでお前が平気な面をしてられるのか・・・見せてもらおうじゃねえかっ」 威勢良く叫び、バノッサは己のイチモツを露出させアヤの前に突き出した。 両膝を地面に付け身を起こしている格好のアヤの真ん前にそのグロテスクな物はあてがわれている。 「くくっ・・・何、適当に楽しんだら路上にでも放り出してやるからよ。取り合えず は・・・ふおぉっ!?」 「ん・・・くぷっ・・・」 思わず間抜けな声を上げるバノッサ。自分が無理矢理彼女の頭を押えるまでも無く、彼女は自らバノッサの肉棒を口へと埋没させていた。 ぬらぬらとした口内の動きは洗練されており、歯が当たる事も無い。暫くアヤは前後に頭を揺らしていたが程なくして肉棒を解放し、竿へと舌を滑らせた。 その一方で人差し指を鈴口へ乗せグリグリと動かす。 「ぬ・・・ぐっ・・・」 (こいつ・・・何時縄を解きやがった?) 不意打ちにバノッサが声を漏らす。そんなバノッサにちらりと視線を送った後、今度は亀頭にキスの雨を降らし始めるアヤ。わざと音を立て、唇をつける度に軽く吸引されるのがもどかしくも心地よい。 (何だ・・・何なんだ!?) 一方的に攻められる事に動揺しながらも身体は素直だった。再び肉棒を飲み込み、舌で弄んでいたアヤの頭をやおら掴むとバノッサは自ら、腰を前後させ始めた。 「むぐう・・・っ!? んんん・・・」 アヤが苦しそうな声を上げるがそんな事はお構いなしに腰を振り続ける。 (へ・・・っ、そうだ、元々これが目的だったじゃねえかよっ・・・) 「むううっ・・・うむうううううっ・・・!」 「はあっ・・・いいザマだな、はぐれ野郎っ!」 と、快楽を貪るバノッサの嚢にアヤの手が伸びたかと思うとくにゃり、と揉みしだいた。それがバノッサの射精を一気に促す。 「くおっ・・・!?」 「んっ・・・! ん・・・ふうっ・・・ふ・・・ぷあっ・・・」 咽返る程の量だった筈の精液を、アヤは全て嚥下していた。それでもまだ物足りないとでもいうかのように射精して直の敏感になった肉棒へと舌を這わせ、残っていた精液まで綺麗に舐め取ってゆく。 「うっ・・・」 その巧みな舌技に、再び不覚にも声を上げてしまうバノッサ。 「で・・・バノッサ?」 「何だよ・・・」 「これで終わりって訳じゃ、ないですよね?」 クスクスと笑い出すアヤ。戦っている時相対するのとはまた別の顔を向けるアヤに奇妙な戦慄を感じ始めるバノッサ。だがここで退けばそれは即ち敗北であり、いつもと同じ結果に終ってしまうのだ。 「チッ・・・舐めるんじゃ、ねえぞっ!?」 「ひゃ・・・はあっ・・・うあああっ」 お世辞にも広いとはいえないあばら家の中にアヤの嬌声が木霊す。 バノッサはアヤに壁に手を付かせ、背後から犯していた。 既にアヤの方は服を脱がされており薄暗い室内にそのしなやかな肢体を曝け出している。 「ふっ・・・ふうっ・・・」 息の荒いバノッサの手が乱暴にアヤの乳房へと伸びる。掌にすっぽりと収まったそれはキルカの錬衣のような上質な触り心地を彼に提供し、自然とその感触を楽しむ為バノッサの手から力が抜けていた。 「んんっ・・・! バノッサ・・・もっと深く・・・っ」 「黙ってろ・・・言われなくても存分に犯してやるよ・・・っ」 「ああ・・・うっ!?」 ドクン、とアヤの膣に精液が流れ込む。だがバノッサの肉棒はその硬さを衰えさせる事無く、更に注挿を続ける。 「んあ・・・元気ですね・・・」 狼狽したようなアヤの声。それを好機と見たか、バノッサはそれまで彼女の膣を蹂躙していた肉棒をゆっくりと抜き出した。つぷっという粘着音を出したそれは既にアヤの愛液とバノッサ自身の精液にまみれ、独特の光沢をかもし出していた。 「あら・・・?」 「へっ・・・物足りなそうな顔をしやがって。てめえにゃあこっちで十分なんだよ」 「なっ・・・!? そっちは違・・・」 ピタリ、とバノッサの肉棒が宛がわれたのはアヤの下の穴・・・アナルの方だった。流石にそちらにまで手を出されるとは思っていなかったのか、アヤが如実にうろたえている。 「クク・・・そうだ、そうだよ・・・俺様はな、お前のそんな顔が見たかったんだよ・・・!」 「や・・・ああああああっ!」 腰へと力を込め、一気に己の分身をその狭き門へと侵入させていくバノッサ。 かなりの抵抗を予測していたのだが以外にもすんなりと肉棒は埋没してゆく。 「・・・?」 その事に若干違和感を感じたものの、秘口を犯していたのと同様の勢いで動き始める。 「いや・・・あああっ・・・」 「流石にきついな・・・ククッ」 混合液が潤滑油になっているとはいえ、元々このような行為の為には使用されぬ穴である。今まで以上の締め付けがバノッサを襲う。 「ほらよ・・・それじゃあぼちぼち、ラストスパートといくか・・・!?」 「ひあっ・・・やっ・・・激し・・・っ!」 バノッサの腰の動きがその強さを増す。アヤもそれに合わせるかのように自ら腰を揺り動かしていた。塞ぐ物が無くなった秘口からは先程たっぷりと膣に出された精液がボタボタと零れ落ちる。 「や・・・あああああっ・・・!」 「そら・・・受け取れよっ、はぐれ野郎!」 バノッサが腰を突き出した瞬間、三度目の白濁液が放出された。その量は三度目と思えない程多くアヤの直腸を満たしてゆく。 「く・・・あっ」 アヤの足から力が抜け、その場に崩れ落ちる。ほぼ時を同じくしてバノッサもまた力を使い果たしたかというようにその場にへたり込んだ。 「く・・・くはははっ」 だがその口からは笑いが込み上げる。快楽以上に彼は己の劣等感が払拭されるのを感じていた。 (やったぞ・・・これで、俺様は・・・) 「あーあー・・・こんなに出しちゃって」 「・・・・・・」 やれやれ、といった調子のアヤの声。不吉な予感に駆られ慌てて前を見るとアヤが立ち上がり、身体を掃除している所だった。 「な・・・?」 (馬鹿な。なんでもうこいつは動いてんだ・・・?) 「それにしても・・・バノッサ?」 呆れた目をした、まだ全裸のままのアヤが彼を見据える。 「な、なんだよはぐれ野郎」 「ヘタクソ」 「・・・っ!?」 言い知れぬ痛みが彼の胸を抉る。シャインセイバーの直撃が内部から炸裂するとこんな感じであろうか。 「量はともかく、早いし・・・大きさも今ひとつだし。そんなのでよくオプテュスのリーダーが務まってますね?」 「ぐうっ・・・?!」 ナニの大きさは関係ない、というツッコミすら今のバノッサからは湧き出て来ない。ただただ衝撃が彼の身体を貫くばかり。 「アヤ! 無事か!?・・・っと・・・遅かったか」 「あらガゼル。心配して来てくれたんですか?」 「お前がオプテュスの連中に担がれて消えたっていうからな。心配して来て見れば・・・案の定の結果かよ」 疲れた顔をしてみせるガゼル。同情の目は・・・バノッサに向けられていた。 「お前も馬鹿な事したな、バノッサ。夜のこいつは昼間以上に強敵だってのに」 「私の心配をしてくれたんじゃないんですか?・・・まあいいです。でも今夜口直しに相手お願いできますか? バノッサの皮かむっててちょっとショックで」 「・・・!」 最後の一撃が決まり、バノッサの身体が完全に固まった。 「またか・・・? 今週何回目だよ・・・たまには少し休ませてくれ」 「まあまあ。さ、お腹も空いたし早く帰りましょう・・・今日の献立は何です?」 「ラーメンだよ。あれ、俺も結構好きなんだよな」 「あら、ガゼルもラーメンの素晴らしさを理解してくれたんですね」 硬直したバノッサに、もはや二人の会話は聞こえていなかった。 「はあっ・・・はあっ・・・」 オプテュスのメンバーからの報告を受けたカノンはひたすらスラムを走っていた。 まだ暴力沙汰ならなんとかなる。にも関わらずまさか・・・彼女を強姦するなんて。 止めなくては、という使命感を胸に抱きカノンは彼等がいるという空家に辿り着いていた。深呼吸を一つした後、一気に突入する。 「バノッサさん! ・・・バノッサさん?」 カノンの目が鬼人化した時のように見開かれる。 濃い性臭の中、下半身丸出しのバノッサが室内の中心に倒れていた。耳を傾けているとどうやらすすり泣きしているらしい。 「・・・何があったんです・・・?」 「聞くな・・・聞くんじゃねえ・・・」 ―バノッサの心の傷が癒えるまでには、およそ一話分の時間が掛かったという・・・ おわり 目次 |
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