487 :レヴィ×ロック 日本編その後 1:2007/02/08(木) 17:17:05 ID:3hnNTzp7
空港の外に出るとすぐにジャケットを脱いだ。
砂が少し混じった風に、灼熱の太陽…
そうだ、ココが今俺の居場所だ。
冬真っ只中の日本とは違い、ここはいつでも暖かい…


タイで車をつかまえ
本当の居場所―ロアナプラへと二人は帰る
長いフライトを追えた後で、もうあたりは真っ暗になっていた。

「暑ッつー!これ邪魔なんだよ!!蒸れるし重いし!!」
助手席に座ったレヴィが
悪趣味なシャツの胸元をパタパタさせつつ
自分の左足にあるギプスを銃でガンガン殴りつけている
ピンク色のウィッグとは、もうとっくの前におさらばしている

「もう少しで冷房もきくだろう、ガマンしなよレヴィ」
ロックもそういいながらネクタイの結び目を緩める

「はぁーダリィダリィ!こんなんはミイラ男にでもかぶせちまえ!
あいつなら喜んで持ってくだろうよ!なあロック」

「ロック…?」

返事がない
ロックは何も答えずただフロントガラスだけを見つめていた。
前に広がるのは暗い暗い道路だけだ。
飛行機に乗っていた時もロックの態度はこうだった



488 :レヴィ×ロック 日本編その後 2:2007/02/08(木) 17:19:20 ID:3hnNTzp7
レヴィが話し掛けても上の空で…
だんだん話し掛けるのがだるくなったレヴィはそのまま不貞寝してしまった。

途中チラっとロックの横顔を盗み見てみると
瞳は閉じられているものの、安らかな呼吸ではなかった…
多分眠ってはいなかったのだろう


狭い車の中で沈黙が続く
ロックがドコを見ているのかが分からない
日本に居た時もこんな目をしていたが
今とは少し違う
全てを悟ったような…それで不安の中にいるような…
あたしには解らない

レヴィは耐えられず
煙草に火をつけ窓の外を見た


「ここだよな」
しばらくしてロックが車をとめる
レヴィの住む家の前だ
「ああ」レヴィがぶっきらぼうに答えると
ロックは外に出て荷台からレヴィの荷物を取り出し地面に置き
後ろの席の松葉杖を持って助手席のドアを開けた
そのまま運転席に戻ろうとする

「おいおいテメェ、荷物置いたらソコで終わりか!?
あたしゃ怪我人だぜ?ホラさっさと運べよ!」
松葉杖で背中を蹴られたロックは
ハッっと思い出したように荷物を持ちレヴィの不安定な肩を持つ



489 :レヴィ×ロック 日本編その後 3:2007/02/08(木) 17:22:00 ID:3hnNTzp7
「あ―…ゴメン、君があまりにも元気だったから
その…忘れてたよ怪我してたことを」

ウソつけ

あたしのことなんて気にもとめてなかったくせに
お前が忘れてたのは怪我のことじゃない
あたしの存在そのものをだ
日本にネジでも落としてきたか?

そう心の中で毒づきながらもレヴィは安アパートに向かって歩いた
4、5歩歩いたあと
振り返り言った
「車そんな真ん中に止めんなよボケ
端っこに止めて来い!!すぐにだわかったな?」

「え…?でもスグに戻ってく…」

「うっせえ!!
エンジンの空ふかしは金かかってんだぞ?
お前はいつから大金持ちになったんだ!?
いいなわかったな?」

499 :レヴィ×ロック 日本編その後 :2007/02/08(木) 22:18:17 ID:3hnNTzp7
「勝手だなあ」
ロックはレヴィに聞こえないようにつぶやくと
小走りにレヴィのもとに駆け寄り荷物を置いた
「ホラホラ金がお空に消えてくぜ」
松葉杖に腰を軽く小突かれ
ロックはしぶしぶ車に戻った

「ッったく…
つかえねぇ野郎だ
何考えてやがんだ、まったく」

まったくだ今日はどうかしてる

ここに帰るまでに本当に色々があって…

あたしも今日はオカシイのかもしれない
日本の寒さにあたしも頭をヤられたか?

ぼんやりとした考えは
言葉にならず口の中で消え
外の世界に出ることもなく
煙草の煙となって吐き出される。

二本目に火をつけようとした時声が聞こえた
「レヴィ遅くなってゴメン。さあ行こうか」

レヴィは黙ってゆっくりと階段を昇り鍵を開けた。
日本に旅立った後、そのままになった部屋は
相変わらず汚く、その上少しほこりっぽかった。

「うわッ!相変わらず汚すぎだろこれ!!!」
空き瓶や下着が折り重なった床は
もはや足の踏み場もない…

「うッせェカス!!!住めりゃドコでも天国なんだよ、
ボサッとしてねェでさっさと運べ」

ロックは必死に足を預けられる場所を探し
極力下のモノを踏まないように歩く
時たま「グシャ」っとする音には聞かないフリをした。



500 :レヴィ×ロック 日本編その後 5:2007/02/08(木) 22:21:03 ID:3hnNTzp7
「ここで良いか?」
「オーケイ上出来だ。
置いたらソコにある瓶とグラスをとってくれ
わかってると思うが氷も入れろよ
それにグラスは2つだロック」
そう言いながら
レヴィは指差しながらベットに腰かける

「え?2つ?俺も飲むのか?それに氷っていつのんだよ…
そろそろ腐ってるんじゃないか!?」

「大丈夫だろ?
あたしの冷蔵庫はまだまだ現役だ。
ちょっとぐらい固まる時間が長くったッてノープロブレムさ。
どうせ家に帰っても飲むんだろ??
あたしは飛行機の中で、寝たから
まだ眠たくないんだよ 付き合えよ」
お前が浮かねぇ顔して喋らねぇからだよ…
とは、心の中の声で

レヴィは床と同じような状態の机を一瞥し
松葉杖でガラガラと荷物を落としていく

銃や薬莢や下着が落ち、
また床の踏み場のない状態を悪化させていく

同時に椅子にかけてあった洗濯物も床に落とす

ロックは本当は帰って一人になりたかったのだが
このままギプス姿の彼女を置いて行くのも不安だし
多分今夜は眠れないだろう
酒も飲むかもしれない。

観念したように、言われるがままに
グラスを用意し、酒を注ぐ
銘柄は初めて二人で飲んだバカルディだった。

そしてたった今綺麗になったばかりの椅子に腰掛ける

明日の天気のこと
自分たちが居ない間のダッチやベニーの様子
たわいのない話を続けレヴィは笑った

がしかし、ロックの反応は薄い
話をしていても、相槌をうっていても心はココにあらずだ
沈黙が怖い―そうハッキリ自覚しているわけではない
だが 怖くて、不安な分だけグラスが空いた

ロックも自覚していないだろうが
今日はピッチが早い気がした。


501 :レヴィ×ロック 日本編その後 6:2007/02/08(木) 22:22:57 ID:3hnNTzp7
ロックをちらりと見やる
ああ、またあの目だ
日本で見た
飛行機の中で見た
車の中で見た
今日はコレで何度目だ?うっとおしいツラしやがって

「おい!てめぇちょっとコッチにこいや」
レヴィはグラスを『ガンッ』と乱暴に置きロックに怒鳴った
「なんだよいきなり」
「いいから来い!」
立ち上がってベットに近づいてきたロックのネクタイを
思いっきりぴっぱった。

二人の距離が限りなく近づく
お互いの吐息が聞こる。
なんとなく「生きている」ことを再確認させられた。

「お前、本当に日本にネジでも落っことしてきたんじゃないか!?
それともアレか?魂があのフジヤマに登ったっきり降りてこねぇのか??
魂抜けたようなお前と飲んでても、こっちはなひとつも楽しくねぇんだよ!ロック」
レヴィはロックの額に自分の額を合わせ
瞳を見たまま逸らさずに言った。
「そんな事言ったって、俺を無理やりつき合わせたのはお前じゃないか?レヴィ」
ロックも負けじと言い返す。
なんだか顔が熱い。酒が一気にまわってきたのか?
クラクラする気がして― 
ロックはレヴィの瞳を見れずに逸らした。
この瞳は今の自分には重すぎる…

516 :レヴィ×ロック 日本編その後 :2007/02/10(土) 00:22:07 ID:CA4cSW7A
「ロック…あたしを見ろよ。
ここはもう日本じゃねぇ。
ロックお前が言ったろ『俺たちの場所』に帰るって。
なのにお前は自分を置いてきたまんまだ
『俺たち』はあたしだけじゃねぇ一人称複数形だ。
複数形はSがつくんだ。わかるか?

なのに…お前はッ…」

そういうとレヴィはさっきより強い力でグッと
ロックの胸元のシャツをを引きよせた。

「レっヴィ…??」
ロックには一瞬何が起きたか解らなかった。
解るのは息苦しさと自分の頬に熱ささだけで…
それに少しの柔らかさ。

”抱きしめられている”
と理解するよりも先に、おかしなことに母親を思い出した。
泣いて抱っこをせがみやっとの事で抱いてもらえた幼い自分。
親に対してあまり良い思い出など無いように思っていたが、
最近の良くない印象が、そう思いこませようとしていただけかもしれない。

ぼんやりとした考えを振り切り、
やっと我に返ったロックは、イキナリの成り行きにどうして良いかも解らず
抱き返すことも出来ない
行き場の無い手だけが空を掴み、そのままベットにだらりと落ちた。


517 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:22:40 ID:CA4cSW7A
「レ゛ヴィ…くるじぃッ」
ようやくでた声もレヴィの胸に吸い込まれ、くぐもった叫びにしかならない。
「うっせぇうすらトンカチ!!そんまま黙ってろ…」

熱い…頬が熱くて…
人を抱きしめたことはあっても、抱きしめられた経験は少ない。
あの双子の片割れを抱いた時とは違う熱さを、ロックは感じていた。

それに…
思っていたよりも、レヴィの胸は大きく柔らかい。
いつもウルトラ短気で自分がついていないとドコへ行くかもわからない女に
こんなにも包容力があることにロックは驚いた。

カトラスを笑いながら振り回す彼女
酒を男顔負けに豪快に飲む彼女
過去を思い出した時の暗い顔の彼女

その、ドレとも違う彼女の―
その胸の中に自分が居る…

予想外の展開にロックは自分の鼓動が大きくなるのを感じる。
ドグドグとした鼓動で頭がいっぱいになり、何も聞こえない。
もしかしたら彼女の鼓動も混じっているかもしれない。
だか、今のロックにはソレを感じ取るだけの余裕は、もはや無かった。

さすがに息が苦しくなったロックはレヴィの腹あたりに手を伸ばすと
イッキに自分を引き離しにかかった。

が、上から体重をかけて包み込まれていた腕は
そうやすやすとは解けず、
0だった距離が、10センチ程になっただけだった。
二人の目線が同じになる。
もう一度離れようともがくが
レヴィのギプスで固定された足が気になり乱暴に動けない。


518 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:23:22 ID:CA4cSW7A
「てめぇ…黙ってろって言っただろ。
黙ってろって事は、動くなってコトも暗黙の了解で含まれてるんだよ。
先輩の言うことが聞けねぇのかよ、ロック」
怒鳴った時よりなんとなく不安げなレヴィの顔。
バツの悪そうな顔で視線をロックの瞳から外した。

「お前がいきなりこんな事するからだろ…

レヴィ。お前酔ってるだろ」
ロックの瞳は逸らされたままだった。

「酔ってるのはお互いさまだろロック。
マズい酒はな悪酔いさせるんだよ!!!このボケッ」
レヴィはもう一度ロックの事を抱き締めた。

今度は肩を抱きロックの首を自分の肩に置く形で。

―また不意打ちだ
心ではこの行為に疑問を持っている。
がしかし体は正直だ。
この暖かさをどこか心地良いと感じていた。


519 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:24:44 ID:CA4cSW7A
「ロック…あたしを見ろよ」
―あんな惨めな想いはもう嫌だ
「お前がいるのはロアナプラなんだ」
―このあたしがこんだけ優しくしてやってるんだ
「腹に溜めてるもんがあるんなら出せばいい」
―明日はこの糞暑い土地に雪が降るかもしれねェ 
「だから…そんな目をするなよ。何かあるなら話せば良いだろ。」
―『詮索屋ハ嫌ワレル』
 でも…そんな間柄じゃねェだろ?あたしたちはよ

レヴィの腕のの力がだんだんと強くなる。
ロックはまだ手をベットに下げたままだった。
「レヴィ…―すまない…
お前にそんなに気を使わせてたなんて…
俺…
ずっと考えてたんだ…
あの子が死んで、俺は生きてる。
あの国は俺が何年も過ごした国で、俺はあそこで人が死ぬのを初めて見たんだ…」
レヴィは黙ったままだ。
ロックが喉の奥から搾り出すような声を一言も聞き逃さないように…

「あの子は生きたかったんだ。平穏を望んでいたんだ。
レヴィが俺の言葉が銀さんにとっての一番の弾丸だって言った。
俺の言葉で、銀さんが死に、雪緒ちゃんはその後を追った。
俺が殺したんだ。あの国で、あの人たちを…」



520 :名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 00:25:47 ID:CA4cSW7A
―あ…
レヴィは自分の薄地のTシャツに生暖かい感触を知った。
―泣いている
あのロックが。
自分に殺されそうになった時も、
人としての存在を社会から切り離された瞬間も
気丈に振舞っていたロックがだ。

少し酒を飲ませすぎたか?
とレヴィは後悔しながらも、前よりずっと彼へのいとおしさが積もった。
鼻をすする音もなく、嗚咽をもらす訳でもない。
ただTシャツを伝う温かさだけが、涙の存在を主張する唯一のものだった。

「それに俺はお前に手を汚させてばっかりで…」
「オーライ、ロック。そんなことはお前が気にすることじゃねェ。
あたしが銃を握るのは、息をすることと同じなんだ。
お前に気を使わせる前から、あたしの意思は決まってんだよ。
お前にとやかく言われる筋合いはねェんだ」
レヴィの顔が暗くなる。

「それに…解ってるんだ、頭では…
もう俺の居場所はここしかないって。
夕闇の中で全てを見届けるって…
だけど…
これで良いのか解らない…本当はどうして良いのか、どうすれば良いのか…」

ロックが何を言ってるか解らない。
途中から日本語になっている。
酔いや興奮のせいで、とっさに母国の言葉が出たのだろう。
ソレがレヴィにはひどく気に入らなかった。
―うるさいうるさい
 この宇宙人が話すような言葉をあたしの前で口にするな



521 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:26:41 ID:CA4cSW7A
そう思うが早く、レヴィは行動にでた。
いまいましい言葉を発する場所―ロックの口を塞いだのだ。
自分の口でだ。
グィっとまたシャツの胸元を引き寄せ、同時に自分もベットに倒れる。
受身の態勢で、自分の体にロックの体を重ねさせた。

「んんッつ―んッ」ロックの抗議の声が聞こえる。
しかし今のレヴィには聞こえない。
ただ口を塞ぐだけではなく、不愉快な言葉
そのものを絡め取るように
ゆっくりと、だが大きく動かす。

口内は唾液を多く含んで、それはやがてねっとりとしたものに変わる。
舌を舌で刺激し、たまに唇への愛撫も忘れない。
ロックが歯を噛み合わせ、舌の進入を防ごうとしても、もう遅い。
レヴィの舌はまるで別の生き物のようで、別の意思を持ったように動いた。

「んッはあ はぁッ」
初めのうちは抵抗していたロックの舌も、
気が付けば観念したようにレヴィを攻めたてるモノへと変わっていった。
奥へ奥へ―
息をするのも煩わしい。唾液があつい。

―もっとだ、もっと熱くなれば良い
レヴィは柄になく瞳を閉じた。
―もっと夢中になれ。そしてあたしに溺れればいい
 そうしたらきっと、あの肩がやたら凝るだけのジャケットの事も
 言葉を話すだけで白くなる息の事も
 観覧車がでもしねェ糞インチキなカ−ニバルの事も


522 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:27:39 ID:CA4cSW7A
「全部忘れろ、ロック。
そういう時はな女を抱けばいいんだよ。
食って、飲んで、寝て、出して、ヤれば…きっと忘れられるんだ全部」
「レヴィお前…今日は…」
「うるせぇチクショウ。
お前のせいだぜ、ロック。
日本なんてな核も軍隊もありゃしねェ!!
誇れるモンなんてあのお山ぐらいしかねェ!
あたしにとってはどーでも良い国ベスト5のうちのひとつだったんだ!!
それがどうだ、お前が場所もわきまえずベラベラ日本語で喋るから
うざってぇ国ベスト3に入っちまったじゃねェか!!!!」

レヴィが一気にまくし立てる。

「だからな、お前はただこのあたしの言うことに従っていれば良いんだ。
こちとらシバくのも、シバかれんのも『めちゃウマ』なレヴェッカ姉さんだぜ。
お前は黙って腰でも振ってればいいんだよ、色男」
そういうが早くレヴィは近くにあったカトラスをロックに向けた。
「ッつ―そんなむちゃくちゃな話があるか!?レヴィ!!」
ロックは銃はこのさい見ないことにした。
「お前言ったじゃないか…
仲間に淫売扱いされるのは嫌だって…
本当に女を抱いて解決することだったらな、ここの帰りに買ってくるさ。
ここなら立派な商売だ!
だけど…」
「勘違いするなよ、ホワイトカラー」
レヴィの足がロックの両足の間に滑り込む。
「あたしがそこら辺の体売ってる連中と違うことは、
言う価値すらねェ、大っッ前提の話だ。
やつらがしてくれるのは体の奉仕だ。
あたしのは体による、心のための奉仕活動だ。」
「レヴィっ…」
普通の女より鍛えられた腕の力は以外に強く、
また怪我をしてることもあってロックはむやみには抵抗できない。


523 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:28:20 ID:CA4cSW7A
その躊躇している間にも、またレヴィの舌がロックの体を攻め立てる。
初めは耳に。
耳の中では普段は感じることの無い卑猥な音が奏でられている。
手はそのままロックのシャツのボタンを手際よく外し
シャツの下にもぐりこんだ。
ガタイの良い―だけど東洋人よりは薄い胸板や背中を撫で回す。
「んんんッ―レヴィ…」
ロックが体を捩じらす。
プチッ―と
本当に頭の中で音がした気がした。
最後の理性のヒモがちぎれた音だ。
思ったより、いやらしい耳への愛撫に耐え切れなくなったロックは
上に乗りかかったレヴィの肩を持ち力を入れてひっくり返した。
「ガチャリ」と銃が床に落ちる音がした。
今度はレヴィが押したおされる形になりロックの重みを体で支える。
もちろん足に負担をかけないようにするのも忘れない。

「レヴィ…」
今度は瞳をまっすぐ見る。
―ああ、久しぶりだこの目は
自分だけを見てくれている。例え今少しの間だけの事だとしても
レヴィは嬉しかった。
もちろん口にだしたりはしないが。

ロックは自分からレヴィの口付け唇に口付けをする。
「ちゅちゅちゅ」
とわざと音を立てて。
次は舌を奥へ奥へ入れる。
ねっとりとした感覚に溺れそうになる。
―気持ち良い…
 チッ…しかも予想以上に上手い…ホワイトカラーのくせにッ
 
まさかこの歳で童貞とは思ってもいなかったが、なんとなく悔しい気がした。


524 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:29:27 ID:CA4cSW7A
ロックの手がレヴィのシャツの下にもぐりこむ。
ブラジャーのホックを片手でパチンと外した。これもレヴィの予想外だ。
片手とは…―手馴れている…
「んんッ…―」レヴィは冷たい手の感触にくぐもった声をあげる。
初めは大きく、形を確かめるように。次は少し強く胸を揉みしだかれた。
でもその快感の中心は外したままで…
じらしてじらして、感官を集中させる。
そして強い力で硬くなった突起を一気につねった。
「んぃや…ああッ―ん…」
今までレヴィの口からこぼれることのなかった甘い声が部屋に響き、
余計にロックを興奮させた。
そのまま重点的に硬くなった突起を指でこする。

「レヴィ…口を開けてくれ」
そういうとロックはレヴィの口に自分の指をねじ込んだ。
レヴィもロックが何がしたいのか解っているのか、余計なことは口にしない。
「んッ―ん」ちゅぷぁちゅん
レヴィの口内でロックは指を上下に動かす。
唾液のおかげで動きはスムーズだ。
その唾液に濡れた指を、レヴィに見せ付けるようにぺろりと自分でも舐めると
そのままレヴィのシャツをたくし上げ突起に塗りたくる。
濡れた突起は、外の空気に触れいっそう感度を増した。

「コレだけじゃ辛いだろ?」
そう耳元で少しささやくと、重点的に突起を吸ったり舐めたりする。
舌の使い方が絶妙で、レヴィは自分でも予想外の声を漏らした。
「ロックっッ、ッあ―はぁ…
お前そんなんドコで覚えてきたんだよ…??
ンッあああ―あ…チキン野郎のくせにぃ…あッ―はァ」
「レヴィ、まだ余裕だな
そんなに余裕があるなら……」
ロックが突起を甘噛みする。
「ああッ…―!!!」
レヴィは電気が体に走るのを感じる。


525 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:30:02 ID:CA4cSW7A
「てめェ―あんまり調子にのンなよ」
レヴィが上気した顔ですごんでもロックの手は止まらない。
次はレヴィの長い脚をさする。大事なトコロには触れない。
内ふとともや、ふくらはぎをさするだけだ。
―こいつ調子に乗りやがって…!
レヴィは自分の秘所が熱くなっていくのを感じた。
触ってほしい…イれてくれよ…
でもコイツときたら…

「レヴィ…触って欲しいのか?」
ロックがレヴィの気持ちを見透かしたように、耳元でささやいた。
内ももをさする手が早くなる。
「はァ―ッ」レヴィは熱い息を漏らすだけで答えない。
今はソレが精一杯の抵抗だった。
ひとつ感情のネジをゆるめてしまっては…
この男にどんな醜態をさらすか解らないからだ。
こんな状況になってもまだレヴィには優位に立ちたい。
という気持ちの方が理性に勝っていた。
「レヴィ…?どうして欲しいか言えよ。それか自分でヤっても良いんだぜ」
そういいながら、ロックは手の甲をレヴィの秘所にあてがった。
ぽん ぽん と弱い力で叩く。

―がレヴィの反応は無い。横を向いたまま、声も殺し目を瞑っている。
この様子を変だと思ったロックがレヴィの顔に触れようと
レヴィの体に体重をかけた時

―今だっ!
「痛ッツ…!!」
レヴィは大げさに顔をしかめ、叫んだ。
「あッすまないレヴィ…足大丈夫かッ―わあッ」
レヴィの回し蹴りが飛んできた。しかもギプスをはめた方の脚だ。
そのままギプスの脚と素足に背中を挟まれる形になったロックは
またもやベッドの上に押し倒される形になった。



526 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:31:01 ID:CA4cSW7A
「おいおいどうした色男?良い眺めじゃないか」
レヴィはニヤっと笑いながらロックを見下した。
「あたしをなぁイかす前から、
じらそうなんて100万年早ェえんだよ」

そういうとレヴィはもう、ズボンの上からでも解るぐらい
大きくなった、ロックの股間に手を伸ばした。
がその手はロックの手によって阻まれた。
今までロックに感じたどの力よりも強い力で手を止められる。

「レヴィ…本当にすまない
やっぱり辞めよう、こんなこと…」
「はぁ!?ここまできて何言ってるんだよこのチキン頭
いいかげんに寝ぼけたことばっかりヌかすなら、頭吹っ飛ばして
目ん玉だけにしてやろうか??」
レヴィも腕に力を入れ返す。
「良いんだレヴィ…ありがとう。
だけど…ここでお前を抱くわけには…いかない。
コレをココに入れちまったら最後、俺は絶対に後悔する…
その…
お前は一時の感傷だけで抱いて良い女じゃない…」
ロックの力は強いままだ。
「だからヤってすっきりしようッて言ってるんだろ!?」

「違うんだ。違うんだレヴィ…
お前を抱くのは凄く気持ちが良い。さっきだって…
でもこんなことにかこつけて抱くのは…何か違うんだよ…
俺はもっと…
レヴィ、お前のことだけ考えて
お前の感じる顔だけ見て
お前のあえぐ声だけに神経を集中させていたいんだ。
お前を大切に想っているから…」


527 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:31:50 ID:CA4cSW7A
ロックの真剣な目がレヴィを見やる。
「だから…いつ答えが自分の中ででるか解らない。
でも、ソレが出た時はレヴィ、お前を
ロアナプラで一番高いホテルに招待してやる。
そこで美味い酒でも飲んで楽しもう。なぁレヴィ…」

沈黙が二人の間に生まれる。

「っあ―しらけた!しらけたぜロック。」
かち合った視線を先に逸らしたのはレヴィの方だった。
レヴィはロックの手を振り払うと、ロックに背を向けた。
「お前なこんなトコロでホテルなんて取ってみろ?
ソコにはばっちり盗聴器と監視カメラが仕掛けられていて
裏ビデオに流されるのがオチだぜ。
流れ流れて、お前の兄貴の元にも届くかもな。」
レヴィはベットの下に落ちた靴を拾い、ベッドを降りる。

「レヴィ…おい待てよ…どこに…・?」
「うっせえ便所だよ便所…
寝てろカス。お前の顔なんてもぉ見たくねェんだよ」

そういいつつも本当に怒ってはいないんだとロックは声で解判断する。
そのまま、松葉杖の不安定な歩き方の彼女を見送る。

レヴィはトイレには入らず、横の壁にもたれかかった。
チッ
「あたしだってなぁ…―16や17の生娘じゃねェんだよ…
どうすんだよコレ…」
レヴィは自分の下着の湿りを確認すると、力もなく笑った。


528 :レヴィ×ロック 日本編その後:2007/02/10(土) 00:32:26 ID:CA4cSW7A
しばらくして気を取り直してベッドに向かうと
規則正しい寝息が聞こえた。
「本当に勝手なヤツだ。人のベッド占領しやがって。
寝ろって言ったら、本当に寝るヤツがいるか?カスッ」
レヴィは松葉杖で少しロックを突っついたが、一向に目覚める気配が無い。
あきらめたレヴィはベッドに腰掛けると
ロックを背に煙草に火をつけた。

―こいつの考えていることなんて、あたしには解らない。
 いつか答えがでると言うのも、怪しい話だ。
 最初は手っ取り早く、ヤってしまえばすむ話だとも思った。
 でも、違った。
 一応ではあるがあたしのことを考えてのコノ判断らしい。
 
 うん…でもコレだけは解る。
 さっき見た目はアノ暗い目ではなかったことは確かだ。

「今日はこれで勘弁してやるよ」
そう小さくつぶやき煙草をもみ消したレヴィはロックの布団の中に滑り込んだ。


翌日…
「おうロック久しぶりだな」
ダッチの低い声が事務所に響く。
「ああこっちは相変わらず?今コーヒー入れてくるよ」
そう立とうとしたロックを制し、ロックが立ち上がる。
「いいなあずいぶんと、日本は楽しかったようだな。色男はコレだから…」
とロックの肩をダッチが叩き立ち去った。


「え…なんなんだダッチは…」
とロックが髪の毛を掻く。
その下には大きな赤いアトがありましたとさ。



 お わ り



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