119 :大神竜一朗:2009/11/29(日) 01:24:58 ID:tyo1F2Or
   BLACK LAGOON
     〜9回程度の関係〜   大神竜一朗


 トゥルルルルルル。
部屋に備え付けの電話が枕の少し上で鳴り響く。
心地よい眠りを妨げる音を鬱陶しくも思いながら
俺はベットにもぐったまま腕を伸ばして受話器を取った。
「はい、もしもし……。」
「ロックか?…こいつは部屋を間違えたかな。」
 どう考えても俺がこのレヴィの部屋で、寝ぼけた声で電話に出るのはおかしいだろう。
「いや…合ってるよダッチ。」
 もう言い訳をしても遅い。ダッチだ、俺とレヴィが何度か関係をしているのは
とっくに気づいていただろう。
「レヴィに伝えてくれ、日本行きの準備が整ったってな。」
「分かったよダッチ…レヴィに言っとくよ。」
「じゃあな。」
 そういってダッチが電話をきった。
最後の言葉の時、笑ってるダッチの顔が浮かんだ。

 「ハァ………。」
 ボーッとした頭でそれなりに今の事態を整理する。
朝の7時だ。早朝に来たって考えるより昨夜からずっといたと考えたほうが自然だろう。
 どうしよう、ダッチに気づかれたかもって事レヴィに言うべきか。
俺の隣でシーツから肩を出し、すやすや眠るレヴィ。
 眠ってるだけなら可愛いのに。

 昨日またレヴィを抱いた。数えてる、と言うより俺は回数を覚えている。
こいつとセックスするのは、シガーキスをした日から数えて9回目だ。
張さんの依頼があった日のフェラだけってのはノーカウントで9回。月に一度ってぐらいか。
 別に覚えようと思って覚えてるわけじゃない。きっと10回を越えた辺りから
数なんて気にならなくなるだろうな。
 レヴィにも分かりやすく説明するなら、人を殺した数、10より先覚えてるか?…だ。


120 :大神竜一朗:2009/11/29(日) 01:28:37 ID:tyo1F2Or



「うー……ん…」
 寝返りをうつレヴィ。まだ起きないようだ。
昨夜もレヴィとセックスをした。求めたのは俺の方からだ。
別に特に欲求不満だったわけではなく、むしゃくしゃしてたから。……レヴィに対してな。
 小さい事だがものの言い方だ。頼みごとっていうより命令調で話す。
日本にいたときからそうだが、俺は女の上司ってのが合わない。
大抵の男は女に命令されるとイラッとする。そういう趣味でもないかぎりな。
 フェミニストでもこいつの言い方にはイラッとするだろう。

本心で話すとビビッたよ。今日のレヴィはいつもにまして機嫌が悪かった。
 原因はハッキリとは知らないがベニー曰く、自分が出した請求書にあるとか。
冗談じゃない、俺は全く関係ない。そのおかげで今日は散々だったよ。

 それで仕事終わりに俺のおごりって事で、レヴィの部屋で飲む事になった。 
それは下心があってのこと。何度か肉体関係がある相手ってのはもっていきやすい。
こいつも例外ではなかった。恋人同士の甘い雰囲気というよりさり気なくお願いする形で。
「レヴィ、あの日以来誰かとした?」
「あの日?」
 張さんの依頼があった日聞かされた、男娼を買ったって話だ。
グラサンをかけたエレキの似合いそうな好男だったとか。
「ああ、あのインポ野朗な。顔はあんま覚えてないが…。
  いや買ってない。ロックは?」


 少々高くついたがバカルディに気分良くしたレヴィは、俺に裸で仰向けになるよう命令した。
この時ぐらいは、その命令口調も我慢しよう。黙ってる方がいい方に事が進む。
枕のおかげで辛うじて自分のペニスが見える。
「レヴィ…チンチン舐めてくれるの?」
 白々しく聞くと
「まぁ、黙ってろ…。」
 レヴィは勢い良くタンクトップを捲り上げて脱ぎ、床に投げ捨てると大きなバストが露になった。
こいつの胸を見るのは何度目だろうか。俺の前では乳首だって隠さない。
それでいてこの先レヴィにさせる事。俺はこの街の勝者なのかもしれない。

「アッ…!」
 レヴィが俺のペニスをいっきに口に含んだ。
「あっ、…レヴィ…。」
「ん、ん、…。」
 唇をすぼめたまま頭を上下に動かす。
「あっ…。」
 レヴィが一旦ペニスを抜き、俺に見せつけるかのように尿の出る鈴口を舌先で舐めた。
仰向けになった俺を、上目使いで見てくる。
「ああ、レヴィ、気もちぃ…。」
 そう言ってやると再び口いっぱいに含みフェラチオし始めた。
「レヴィ、ごめんね。…いつもチンチン舐めてもらって……。」
「フッ………ん、ん。」
 女にフェラチオさせるのが好きな男は自己顕示欲の強い男だと言うが、その通りだと思う。
昼間はこいつに散々な言い方をされた。機嫌がどうとか俺には関係ないだろう。
 ラグーン商会が会社だといっても、別にレヴィは上司ではない。
いや、今この瞬間は上司だと思った方が気分がいいのかもな。
生でチンチンを舐めさせてるこの瞬間だけは。
「レヴィ……アナル舐めるの……駄目?」
「ケツの穴なんか舐めれるか。」
 いまだにアナル舐めはしてくれていない。

 


121 :大神竜一朗:2009/11/29(日) 01:31:32 ID:tyo1F2Or

 その後、スキンを着けレヴィの中に入れた。
体位選択の権限は未だに、ほとんどレヴィにある。
 
 気持ちいい、こんなに気持ちいいのに、何故?
恋人?愛人?ただの肉欲だけ。
情欲ではなく……同じ意味か。情はほしていないという意味。
男性器を女性器に入れ、ゴム越しに粘膜を擦るだけの行為。

 
 そんな昨夜のセックスを思い出しながら、俺はベットから出た。
隣にいる人間の事なんかおかまいなしに。
 
 明日の今頃は日本か。
ミス・バラライカ達も一緒ならとうぶんの間は、お預けだ。
 ………レヴィが起きたらフェラだけでもさせようか。
さて、……どう言ったものか。

 俺はトランクスを履き、パイプ椅子に座りテーブルの上の灰皿を手元に近づけた。
他、テーブルの上にはセブンの煙草、レヴィを脱がしたバカルディのボトル。

 俺はレヴィに気持ちは無い。
こいつの肢体に惹かれてはいたが、溺れてはいなかった。
お互い深い関係ではなかった。
 いつかの暴力教会のシスターの事を思い出した。シンディ・クロフォードのような色気。
俺はどちらかと言うとエダの方が好みだ。レヴィは?
レヴィは俺にとっては金のかからない、無料のセックスフレンド……。
でも扱いを間違えると命を落としかねない。
 
 などと考えていると、レヴィが目を覚ました。
身体を起こし半裸のレヴィが部屋の明かりを眩しそうにしてる。
「レヴィ……おはよう。」
「………今、何時だ。」
「7時だよ。あ、…ダッチから電話があって…。」
「…何て。」
「日本行きの準備が出来たってさ。」
「そうか…。」
 裸のまま胸やヘアーを隠す仕草も無くベットから出ると、床のショーツを拾い足を通す。
辺りを見回しタンクトップを見つけた。
服を着てしまう前に言わなきゃ。
「レヴィ…。」
「……?」
「あの、……さ。お願いが、あるんだけど………。」
「ハッキリ言え。」
「今、フェラチオ…してほしいんだ……けど。」
「…………!」
 無言で俺を睨む。
「お願い……。」
「なあロック、……あたしたちの関係って何だ、言ってみろ。」
「え、…仕事でのパートナー…?」
「ならプライベートでは…?」
 俺は答えに悩む。気の利いたジョークで答えるのか、それとも恥ずかしいような
文学的なセリフなのか。少なくてもドラマチックな言葉はレヴィも期待していないだろう。
「セックスフレンド…かな。」
「………。」
「?」


122 :大神竜一朗:2009/11/29(日) 01:33:03 ID:tyo1F2Or
「自分の手でしごいてな。」
 機嫌の悪さは治ってないのか。まぁ寝起きは大抵機嫌が悪いもの。
俺の期待には応えてくれず手にしたタンクトップをブラジャーもせずに着た。
「レヴィ、日本に入ったら今みたいに…。」
「姐御にはあたしもついて行く事、ちゃんと伝わってるんだろうな。」
「ああ、ダッチが言ってくれてるはずだ。」
「なら、問題無い。」
「そうじゃなくて………。」
 レヴィがマガジンに弾丸を詰めフルにすると愛銃にいれた。
「確かお前の国では、こいつは御法度だったな。」
「………。」
 会話がかみ合わない。俺は性処理の話をしているんだ。
性処理にはお前の身体が必要になってくる。イヤなら口だけでもいいんだ。
「なあロック、あたしとお前がやってないことが一つある……。
  何だか分かるか?」
「…?」
 何だ?何の事について話してる?
最初に浮かんだのはアナルの事。まだレヴィは俺のアナルを舐めていない。
もしかしてやっと舐める気になってくれたか。
「それって……ベットでする事?」
「どこでも出来る事だ………。」
「…?」


「分からないなら、いい………。気にするな。」

 
 正直分からない。
レヴィはヘアゴムで無造作に髪を後ろで縛り、
二挺のカトラスを装備しトゥーハンドになった。


「………………?」
 レヴィの言いたい事が俺は分からなかった。

 
 もう一度考えてみたが、

 分からない。


             END





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