715 :名無しさん@ピンキー:2012/03/14(水) 03:36:55.26 ID:0EbrcAUs
『グリルパーティーはお好きかな?』

そう、私の妻は一瞬だった。いつからだろう...こうなってしまったのは。


きっかけは些細な事だった。ロアナプラに来るずっと前、トーチがまだ子供の頃だ。
両親は真面目を絵に描いた様な性格で、本といえば参考書しか与えて貰えなかった。
その日は親が忙しいとの理由で何枚かの紙幣を与えられ、新たな参考書を自分で買いに行く事になった。
思えば一人での買い物なんて初めてだったかもしれない。
近所にある寂れた本屋に入り参考書のコーナーを探した。が、狭い店内とは言え、なにせ初めての本屋。どこにあるのだろう。
一人しかいない店員はレジのあるカウンターで居眠りをしている。気弱なトーチは尋ねる事はせず一列づつ見て周る事にした。
奥へ向かったトーチに衝撃が走った。
(なっ!?何だこの本は!)
初めての買い物で、初めて来た本屋の奥には女の裸の本が沢山並んでいた。
体中が心臓になったかの様にドキドキと脈を打つのがわかる。喉の奥で唾を飲み込み、周囲の様子を確認した。
幼いながらも堂々と見ていい物ではないとわかっていた。
そっと手を伸ばし取った本は、色あせているが赤いロープが鮮やかな...SMの雑誌だ。

それを選んだ理由は特になかった。
強いて言えば、何故この表紙の人はロープが食い込む程全身を縛られて笑っているのだろう?それ位だった。

ページをめくれば表紙の女が犬の様な格好をして、苦痛を我慢する様な顔をしている。
上からは赤い蝋燭を垂らされ、細く白い背筋には血の様な水溜まりが出来ていた。
興奮しながらページをめくる。後半の広告欄には赤い蝋燭が載っており、『SM用!熱くない』との文句があった。
トーチはずっと下半身がムズムズするのを感じたが、真面目なトーチにはそれが何かわからなかった。
突然の電話の音にトーチは跳び上がる程驚き、慌てて雑誌を棚に戻した。
何事もなかったかの様に(店員にとっては挙動不審だったかもしれないが)店員に参考書の場所を聞き、適当な物を選んで会計を済ませ、走って家に帰った。悪事をした気がしてならなかったのだ。

自分の部屋に戻ったトーチはまだドキドキしていた。さっきの雑誌が忘れられなかった。
うずいて仕方ない下半身はパンパンに膨らんでいる。何か濡れている気もする。
ブリーフを恐る恐る下げると真上を向いたモノは粘液が滲み出ており、衣擦れの刺激で一気に白い液を放った。
初めての射精だった。

716 :名無しさん@ピンキー:2012/03/14(水) 03:39:16.16 ID:0EbrcAUs
トーチ、二十五歳

お堅い会社に入社したトーチは親の手を離れ一人暮らしをしていた。仕事にも慣れた頃、悪ガキの様でいて気さくな上司に娼館へと連れてかれた。
経験のない真面目なトーチに女を教えてやろう、と言った魂胆だった。

初めての体験は昔の興奮を蘇らせ、すっかり常連となったトーチの金は既に生活を圧迫する程少なくなっていた。
トーチは休日を短期のバイトにあてた。それ程、快楽に溺れていた。もしかしたら初めてを捧げた女に惚れていたのかもしれない。一時でも独り占めする為には休みなど惜しくなかった。

バーナーを取り扱う、熔接の仕事だった。

しかし、いつしか物足りなく、反対に美化されつつあるあの雑誌への想いがつのっていく。
馴染みの女にダメ元で頼んだ。
「きっ君を縛ってみたい。もちろん危険な事はしないから」
女は最初こそ渋ったものの『縛るだけ』と言う事と、普段の真面目さを知っている為
「う〜ん、いつも来て貰ってるし・・・はずんでくれる?」
と決して安くはない金額を提示し、トーチもこれを快諾した。

翌晩、さっそくアダルトショップへ寄り、緊縛用の赤いロープと赤い蝋燭を購入し、蝋燭は鞄の奥に隠してから店へと急いだ。

参考にしていた雑誌を思い出し、見様見真似で何とか全身を縛る。腕は後ろ小手で固く結び上げた。
所々緩んではいるが、まぁいい。そんな事より・・・
「とても美しいよ!それに、なんていやらしいんだ・・・」
トーチは驚きながらも自ら作り上げたその芸術作品に目を奪われた。

しなやかで柔らかそうな肌に絡んだ、固く締め付けるロープの対称的な組み合わせは、官能的に見せた。

女を仰向けに寝かせた。ロープでひし形に縁取られた乳房を揉みしだき、乳首に歯を立ててみる。
「っはぁ・・・」
動きたくても動けない、何とももどかしい状況がそうさせるのか、抱かれ慣れている筈の女は甘い声と吐息を漏らした。
トーチはしばらくの間自由のきかない女の反応を楽しんだが、急にこの完成された美しさを壊してしまいたい衝動に駆られた。

脇腹に腕を差し込みグルッと女の体を俯せにさせ、ベッド下の鞄から蝋燭を取り出した。ジッポで火を点け数秒待つ。
低温で熔け始めた液体を背筋に沿ってボタボタッと垂らすと、女は背中を反らし叫び声を上げた。
「あああああ゛〜!!!」
専用の物とはいえ、予想だにしなかった熱はさすがに熱かったようだ。


717 :名無しさん@ピンキー:2012/03/14(水) 03:41:01.19 ID:0EbrcAUs
追い打ちをかける様に尻めがけて液を落とす。
「きっ綺麗だっ!ハァハァ・・・これが見たかったんだよ!!」
「熱い!熱いよ!やめてぇぇ!!」
必死に体を動かし逃げようとするも、女の腕は後ろ手のまま、トーチに押さえ付けられている。

そのクネクネと踊る様に身悶えする姿が異様になまめかしく、見下ろしていたトーチはゾクゾクと感じていた。

今までにない位いきり立ったモノを入口へあてがい根元まで一気に挿入する。
「ぃあっ!?んあぁっ!ぅんん」
女は突然の侵入に驚き、そして喜びではない声を上げた。


無我夢中だった。背中のロープを掴み、上半身が浮く程引っ張り上げたままトーチは必死になって腰を打ちつけた。

激しい動きに合わせ、ク〇トリスの位置に作られたロープの結び目はシーツに擦られ刺激を与える。
苦しみはやがて無理やり生みだされた刺激により快感へと変わった。意思に反して女の体が一瞬硬直し、絶頂へと導かれてしまう。

女から遅れる事数分後、トーチは大量の精を放出し女の背に倒れ込んだ。


危害を加わえたとして相当額の請求と出入り禁止、数十発の拳を貰い、逃げる様に店を出た。
「クソッ!!あんなに注ぎ込んだんだぞ!!!」

次の日の深夜、バイト先の工場に忍び込み熔接用のバーナーを持ち出したトーチは女の住む家に向かった。

ドアノブを回すと鍵は開いていた。仕事が終わって疲れて寝てしまったのだろうか。
女は熟睡している様だ。下着姿の彼女の背中にはまだくっきりとロープの跡が残っている。
「クソが!!裏切りやがって!お前は俺にケツ振ってりゃいいんだよぉっ!!」
バーナーの出力を最大にし、女に向けた。

「あぁ、やっぱり君は身悶えて踊る姿が美しいね・・・。肌の焼ける匂いがする。最高のスパイスだ・・・。」



あれであの街には居られなくなったんだったな・・・
やがて私はロアナプラで妻と出会ったんだ。

「グリルパーティーはお好きですか?」








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