第1話 「はじめての共食い」

 

日が昇り、朝になると俺は目を覚ました。親と兄弟を見ると

「ぐぴーぐぴーうへへへへ。れいむ駄目なんだぜ・・・ぐびーぐびー」

「すやーすやー」

朝になっても眠っている。

 

彼らの様子をしばらく眺めていたが、非常にストレスが溜まる光景だった。そして、自分が腹が減っていることに気付く。

(両親と兄弟は眠っている。今ならば、誰にも気付かれずに食べられるか?)

自分と同時期に生まれたであろう赤れいむの前にあんよを動かして移動する。赤れいむも間抜けな顔で眠っていた。

(悲鳴をださせないように口から食べるべきか?それとも、飾りから食べて、個体認識をできないようにしてから食べるべきか?)

この2つの案には、それぞれメリットとデメリットが存在する。

口から食べる方法は、成功すれば、悲鳴をださせずにゆっくりと食べることができる。しかし、失敗すれば、赤れいむの悲鳴で親と兄弟が起きて制裁される恐れがある。

飾りから食べる方法は、成功しても失敗しても、悲鳴がでて周りのゆっくりが起きる可能性があるが、成功すれば個体認識のできないゆっくりを皆で制裁するという形で食べられるかもしれない。しかし、失敗すれば、親に制裁される恐れがある。

(選ぶなら前者だな・・・・限られたあまあまを可能な限り取得しないといけない環境だ。他のゆっくりと分け与えるような食べ方では、子ゆっくりになるのも難しい。

飾りは口を食べて、何も喋れなくなった後に食べれば、何にも問題がない。)

周りのゆっくりが起きる様子がないことを確認してから、赤れいむの前で大きく口を開けて、赤れいむの口の部分を齧る。

バグッ

赤れいむが目を覚ます。口の残骸少しだけ開こうとしている。

バグッ

相手が悲鳴をあげれる可能性があるため、さらに齧る。

赤れいむは痙攣しながら、痛みのあまり、視線が安定していない。

次に赤れいむについている飾りを食べ、砂糖細工の髪を食べ、禿饅頭してから、味を味わう暇もないくらいにガツガツと急いで赤れいむを食べた。

 

「ふぅー満腹だ。もっとゆっくり味わいたかったが、それは将来の楽しみとしよう。」

口についているであろう餡子をベロで嘗め回しながら綺麗に拭い去る。

満腹になったからか、眠くなってきた。

「食後の朝寝といこうかね・・・」

俺の初めての共食いはこうして終了した。

 

日が真上へと昇り、昼になろうとしている頃、親と兄弟達が起きだした。

「ゆーん!とってもゆっくりした朝だね!」

「とてもゆっくりしているんだぜ!まりさは狩りにでかけるんだぜ!」

「れいむは、子供達の朝食の準備をするよ!」

親まりさは外へ狩りに、親れいむは朝食の準備と称して、土でできた巣の隣の食料庫へと子供達の餌をとりに行く。

(ゆっくりが食べるものって、虫とかだよな・・・嫌だな・・・・)

親れいむが戻ってくると、口に含んだものを地面へと吐き出した。

「ゆっくりとした朝食さんだよ!おちびちゃん達はゆっくり食べてね!」

「「「「「ゆっきゅりわかぁちゃよ!」」」」」

兄弟達は、餌という名の虫、草さんをむしゃむしゃする。

「「「「むしゃむしゃ〜ちあわせちぇぇぇぇぇっぇぇ!!!!!」」」」

(どれどれ・・・・めっちゃまず!めっちゃまず!)

昨日の夜に、赤ゆっくりを食べたせいか、物凄く不味く感じる。

(仕方ないな・・・。こいつらが寝るまで我慢するか。)

 

「おちびちゃん!食後はお昼寝の時間だよ!」

「「「「「ゆっきゅりわかぁちゃよ!」」」」」

お昼寝の時間がやってきた。しかし、腹が減っているせいか、どうにも眠れそうに無い。

(こいつらが眠っている内に赤れいむを食べよう・・・まじで腹が減って食べること以外のことが考えられなくなってる。)

親と兄弟達が眠ったことを確認し、親まりさが戻ってくる前に、昨日と同じ手順で赤れいむを食べていた。しかし、途中で赤まりさが起きて、俺が何かを食べていることに気付き、声をかけてくる。

「ゆ?まりちゃ。なにゅをちゃべてちぇるの?」

食べていることに集中していて、赤まりさが起きているのに気付かなかった。既に飾りと髪を食べているのでばれることはないと思いたい。

(ゆっくりできるお菓子だと返答するか?それだと、こいつも食べて舌が肥えるだろうしな・・・こいつから親に情報がばれるかもしれん。)

考え声をしながら、赤まりさのほうを振り向かず、ガツガツと食べる。俺の様子を見て、赤まりさは食べたくなったのか。こちらに近づいて、赤れいむの残骸を食べようとする。

「まりちゃもちゃべるよ!むちゃむちゃ〜ち!ちぁわしぇぇぇぇぇl!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

(声が大きすぎるぞ!馬鹿!)

親と兄弟達を確認する。今の声で目を覚まされたら、厄介だ。

幸い、起きていないようだが、赤まりさに俺のあまあまを横取りされたのが腹ただしい 。しかし、悲鳴をあげる事が可能な起きているゆっくりを殺す訳にも、自分が怪我をするリスクを負う訳にもいかず、赤まりさとともにガツガツと赤れいむの残骸を食べることにした。

(ち!0.7あまあまか。しっかり食べれていたら、もっといったのにな。)

「おいちかっちゃねー」

「ああ。そうだな。まりさ。昼寝をしたらどうだ?まだ眠いだろう?」

「ゆぅ・・・おやちゅみ・・・・」

赤まりさがすぐに眠る。その様子を見ながら、俺は考え事をしていた。

(これでこいつの舌は肥えてしまった。次からは、親れいむが出す餌も受け付けることがないだろう・・・そうなると、俺と一緒にあまあまを食べていた事をばらすかもしれない。

こいつはここで殺すべきだ!)

俺は作戦を考えた。今回は食べるのではなく、殺すのが目的だ。なら、完全に食べる必要もない。なら、方法は簡単だった。

まりさの飾りを眠っている間に口の中で食べて消化し、ゆっくりできないゆっくりがいるよ!と叫べば、他のゆっくりが殺すだろうと・・・・。親が自分の子供だと気付くかもしれないのが最大の問題点ではあるが、親ゆっくりが自分の子供を飾りなしで判別できるかどうかの実験だと思えばいい。

赤まりさに俺はそろそろと近づき、赤れいむのリボンよりも食べづらい帽子を取り上げて、むしゃむしゃと食べる。

(帽子もリボンと同じく砂糖細工か。甘味がほとんど感じないから美味しくはないな・・・・)

完全に食べ終えても、赤まりさが起きる気配がない。俺は赤まりさが離れ、兄弟達の所にいき叫んだ。

「ゆっくりできないゆっくりがいるよ!」

兄弟のすぐ傍で騒いだことで、兄弟達が起きる。

「ゆ・・・・?どうしちゃの?」

「ねむちゃいよ・・・」

「ゆっくりできないゆっくりがいるんだよ!皆!ゆっくりしないで警戒してね!」

俺の見ている方向を兄弟達が見る。

「ほんちょうだ!ゆっきゅりできないゆっきゅりがいちゅよ!」

「ゆっきゅできゅない、ゆっきゅりはゆっきゅりちんでね!」

兄弟達が帽子のない赤まりさに殺到する。兄弟達が次々と赤まりさに体当たりしたことで、赤まりさは目を覚ました。

「いちゃいよ!!!!!なにゅをしちゅるんじゃよ!」

「「「かざりのないゆっきゅりはゆっきゅりちんでね!」」」

「まりちゃはまりちゃだよ!わきゃらないの!?」

兄弟達の恐ろしい剣幕と言葉の前に赤まりさは自分が兄弟であることを説明しようとするが

「「「「まりちゃはすちぇきなお帽子さんがあるよ!お帽子のないまりちゃはまりちゃじゃないよ!」」」」

「ゆぅ・・・なんじぇわからないんだじぇ・・・」

「「「「ちゃから、ゆっきゅりちんでね!」」」

兄弟達が帽子のない赤まりさに殺到し、徹底的に虐待する。サッカーボールの代わりにし、時には噛み付き・・・って

(こいつらの舌が肥えたら意味が無いだろ!こいつらが饅頭の中身を食べる前に俺が食べないといけない!)

俺は助走をつけて、赤まりさの上にジャンプし、ゆっくりせずに何度も何度も踏み潰す。

「もっちょ・・・ゆっきゅりしちゃかちゃ・・・」

赤まりさの悲鳴が聞こえなくなった事で、赤まりさの死体を確認するべく、地面を見る。そこには赤まりさの中身である餡子が散らばっていた。

急いで、餡子を食べようとしたが、親れいむが起きた。

「ゆー!うるさいよ!ゆっくりしない子はゆっくりできないよ!ゆ?美味しそうなあまあまさんだね!それはれいむのものだよ!おちびちゃんは食べないでね!」

親れいむがジャンプをしながら、こちらに近づいてくる。俺は急いで踏み潰されないように、移動した。

「これめっちゃうめ!めっちゃうめ!」

親れいむが汚らしい言葉とともに自分の子供を食べる。その顔には狂気的なものを感じた。

(うわぁ・・・・ひょっとして、こいつでいぶなのか?そうなると早目に親殺しを検討したほうが良さ気だな・・・)

成体ゆっくりである親れいむは、あっというまに赤まりさを平らげる。

「ゆふぅー、とてもゆっくりしたあまあまさんだったよーすやーすやー」

満腹になったせいか、親れいむはお昼寝の続きに入った。

兄弟達もゆっきりできないゆっくりを制裁できたことに満足したのか眠り始めている。

俺はその様子を見ながら、小説で見たゆっくりと実際に見るゆっくりの行動に恐ろしい程の嫌悪を感じていた。勿論、自分の行動は棚に上げてだ。

(これがゆっくりか・・・・もし、この親れいむが自分の子供達の中身があまあまだということを知っていたら、平然と共食いをやるんじゃないのか?

昔読んだ小説では、ゆっくりは自分達の中身を知らない。あえて、知らないようにしているという設定があったが、共食いをしないための防衛措置なのかもな。)

共食いがばれるかもしれない緊張した時間だったため、自分もすぐに眠りにつく。

 

 

夕方になる前に、親まりさがお帽子に大量のご飯を持って帰ってくる。兄弟達は既に置きだして、巣の中で追いかけっこをしたりと遊んでいる。

「ゆーまりさは群れ一番の狩りの名人だよー」

「本当のことをいわれると照れるぜ!」

親れいむが親まりさを褒めている。

(この両親は群れに属しているのか、他の家庭の子供を食べれば、あまあまの心配の必要が無いな。)

俺は両親から、群れの情報を聞き出すべく、話しかける。

「お父さん。群れってのはなんだい?」

「群れっていうのは、たくさんのゆっくりがいることだぜ!」

それからは、俺から質問しなくても、親まりさのいい加減な武勇伝とともに、長はぱちゅりーであること、親まりさは4以上の数はたくさんとしか認識できないことを大体理解した。

ついでに親れいむにも聞いてみる。

「ねぇ、母さんは幾つまで数を把握できるんだ?」

親れいむは、誇らしげに

「1、2、たくさんだよ!」

つまり、3以上の数はたくさんとしか認識できないんだな。

俺はその情報を元に、毎日2匹づつ赤れいむ赤まりさをバランスよく食べて、あまあまを貯めることを計画したのだった。

 

 今回の収穫 1.7あまあまゲットだぜ!

残り  親2匹子ゆっくり8匹 赤ゆっくり25匹(一匹は自分。)  

 

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           * "-..,,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ァ' '"
         .。.+。・゜+`!ソ二‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二ハ二,!i;  狩りは大変なんだぜ。ゲスなまりさを制裁したり、
              `! ミミフゝソ二ハ二`ゝソ二"イ )'      食料を溜め込んでいるゲスを制裁しないと手に入らないんだぜ。
-―'――ー'''‐'ー'''―‐'―,' ノ   ノ       ) "' i .レ'――'`'
 ,, ''''  `、 `´'、、,    ノノ (  ,(      (  、 `、
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