本当は、空を飛ぶのは嫌いだ

飛んでいるとき、自分は一人きりだから



『・・・寒くはないか、人間?』

私の額の上に座っている者に、そう声をかければ、それはクスクスと笑う

「俺の心配なんて、らしくないな、トップゲイラー」

『それは、お前が落ちたときも心配無用ということだな』

「いや、それは困る」

・・・今日は機嫌が良いらしい・・・

空を飛ぶ風に髪をなびかせ、始終微笑んでいる




私と、そしてこの人間は『異質』な存在だ

その世界にあって、その世界のモノと認められなかった、モノ

私たちはたった二人っきりの、ようやく出会えた仲間なのかもしれない

・・・そんな傷の舐めあいのような関係は、互いに、望んでいないのだけれど・・・




「なぁ、トップゲイラー・・・」

『・・・なんだ?』

「昔は、空が疎ましかったんだ」

唐突に言い出した言葉に反応できず、私は黙り込む

「大嫌いだった」

『・・・何故?』

「・・・なんでだったんだろうな・・・」

フフっと笑って、人間はもう宇宙にも近い空を見上げた




空は広すぎて、時々、眩暈がする

そして、私は

この空で、いつもひとりだった

だれも、私の速さに付いてこれないから

だれも、一緒に居られないから

いつも、ひとり




「・・・でも、空は・・・こんなに綺麗だったんだな」

人間は上へ、上へと手を伸ばす

「俺は・・・今まで、どうして気づかなかったんだろう・・・」

『今気づいたなら・・・これから、美しいと思っていけばいいのではないか・・・?』

私の言葉に、人間は眼を丸くする

「・・・トップ?」

『・・・私が、連れていってやる。 お前が美しいと思うところまで』

人間を振り落とさない用に気をつけながら、高度を上げる




ひとりぼっちが、二人集まって、手を組んで

最初、それは、ひとりぼっちの2乗だったのかもしれない

でも、今は

でも、今は




「・・・一緒に、居てくれるか?」

『アバレッドにも言わなかった言葉を、私に言っていいのか?』

「あいつらと、お前は違う」

同じ痛みを知ってる

ヒトリきりの痛み

『・・・お前は、私と共に飛んでくれるか?』

「お前の翼を借りてなら、どこまでも」

『・・・約束だ・・・』

「・・・いつか、息が止まるまでの、約束だ・・・」

『一緒に居るよ、壬琴』

人間・・・いや、壬琴は柔らかな笑みを零す




夕焼けは、私も、壬琴も赤く染める

いつか、2人、息絶える瞬間も

こんな風に、穏やかであればイイと思った





何となく、ゲラ白のキーポイントは『約束』と『ヒトリ』だと思って・・・
あのゲラの予告はマジで泣くかと思った
・・・卑怯だ、M川ヴォイス・・・ッ!!

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