すごく空が綺麗でした
厚みの無い雲が空を覆っていて、
所々に見える青色は薄く 果てに見える雲は灰色で
空は、低く そして、遠く
over sky
予報では、午後から雨といわれた天気は結局、曇りで止まり、
強い風に吹かれてその雲すら散り散りになって、その隙間から青空が見え隠れしている
「・・・綺麗だな・・・」
俺は、小さな声で呟いた
今の座っている姿勢から、思い切って地面に寝転がって、今のこの空で視界を染めたくなる
横になったところで、ビルに囲まれたここでは、その空に染まる事はできないのだけれど
強い風に吹かれて、青を見れば、想うのは彼の事ばかり・・・
・・・あれほど綺麗に生きた君なのだから、今は天国に居るのだろうね・・・
思えば思うほど、胸の奥の空虚が広がる気がして・・・
でも、俺は空を見つめる事を止められなかった
『泣きたい時はさ、泣いちゃった方がいいと思うよ
その方が楽になるからさ』
そう言われても、俺は目元まで来ている感情の流し方が判らなくなって、彼の言葉通りには出来なかった
『涙が嫌いなら、俺がちゃんと拭ってあげる』
・・・呼吸をするたびに、何かが喉の奥、胸の奥、瞳の奥に溜まっていく気がして・・・
呼吸を止めて、眼を閉じた
広くて低い空を見てたら、不意に心の中から
感情とか、思考とか、全部無くなって
胸のかきむしりたいような
悲鳴を上げたいような
その場に倒れ込んでしまいたいような
そんな衝動に襲われて・・・
再び瞼を開けば、視界は歪んで、何も見えなくなっていた
内から、感情が溢れ出るように、涙が溢れて止らなくなった
君が居なくなってから、
この涙を拭ってくれる手が無くなってから、
俺は、泣き方を覚えた
全てを衝動に任せて、
その場に倒れ込んで、
悲鳴のような鳴咽をもらした
空はとても綺麗で
今日の空は、いつもより低く感じて、
今日、
君は、いつもより近くに居たんですね
散文ですね
4/23日の空が、すごく綺麗で、
有のような、無のような、感情の感覚にぼんやりとしながら
自分でも馬鹿じゃないかと思うぐらい、泣きたくなって
でも、泣けなくて
何か、青色の破片が、胸の奥に溜まっていく気がします
いつか、溢れたらどうなるんでしょうね