隠家(かくれが)/終
小さな小さな自分の小屋を造ってみました
小さいけれど壊れることのない小屋を樫の木で
中に乾電池1個と豆電球1個を入れて
外から光・音を入れないよう窓は1つもつけませんでした
自分の小屋が出来たとき何か色を塗りたくなりました
どんな色がいいかなとずっとずっと考えてました
するとペンキの缶がすっと灰色になって
しらないうちにいつの間にか塗られていきました
自分の小屋にじっとこもりたくなりました
何かに悩むとき悲しむとき入りたいと思うのです
扉を閉めて鍵をかけると何だか落ち着いて
誰にも言えないようなことを叫びたくなります
小屋の中で心の底から思いっきり叫んでみました
耳の鼓膜が破れてしまいそうなくらい大きな声で
変わったものは何もなかったかもしれないけど
それで少しずつ小屋が青色になり始めました
小屋の中にずっとずっと閉じこもっていました
小屋がだんだんゆっくりと青色になっていきます
何もせずただ目を閉じているだけなんだけど
その何も聞かない何も見ない時間が大切
小屋がほとんど青色になってしまったとき
誰にも気づかれないようそっと鍵だけ開けました
ようやく自分の気持ちを走せれたくなって外へでました
心の色よりすんだ青が真上にずっと広がってます
今までずっと窮屈な中にいて体が固まってたから
思いっきりあの空に向けてのびをして明日に向けて動き出そうよ!