木洩れ日に抱かれて/終
6月のめずらしく晴れ渡った空に
少しずつ夏を感じ始めました
昨日の夕方まで降り続いた雨は
はるか彼方東の空へすっと消えて
まだ乾ききってない少し湿ってる
てっぺんの見えない大きな広葉樹の枝に
一人座って午後の空気を感じている
優しい木洩れ日に照らされながら
麦わら帽しかぶった男の子が
下の公園ではしゃぎ回っていっている
近くの駅に入ってきた電車が
ホームから遠ざかっていく音がする・・・
もう夏だね そう自分に語りかける
昨日の夏からもう1年が過ぎたんだね
なんかとぎれとぎれにしか覚えていないけど
楽しい事が少しだけあったような気がします
数え切れないほどの時間を
僕達はもう過ごしてきました
確かめきれないほどの経験を
僕たちはいつも感じていました
自分が情けなく感じることもあれば
自分が自分で良かったと感じたり
僕に笑顔で語りかけてくれる君を
優しく抱きしめたいとも感じました