夕方の月/終
いつも輝いているあなたの目が
今日は何だか懐かしく思えました
雨に降り込められていた僕に
差しのべられた手のようでした
何かを見ているあなたの横顔は
いつもと変わらず静かに
ゆっくりと過ぎていくあの夜に
どことなく似ている美しさです
外の景色がだんだんと
茶色から桜色へと変わっています
すぐには変わっていかないけど
僕の心も変わっている気がします
今日1日あなたに会えなかったことが
ひどくつらくてあなたの声が聞きたくて
そんなとき今ゆっくりとあしたを思うと
楽しみと悲しみとあなたの顔が浮かびます
ただ心のおもむくまま筆を運んで
この想いが伝われば楽なのにな
ゆっくりと暮れていく空に
大きな満月が浮かんでいます