AKANE'S
ROOM
(浴衣)
<旧作「茜の部屋 -完全版-」からの縮小画像>
わぁー、きれーい、線香花火って可愛いね!
今日は浴衣を着て夏祭へお出かけしたの
夏と言えば花火、祭りには花火、ですよねぇ!
ド派手な打ち上げ花火も綺麗だけれど
私はやっぱり、この線香花火が好き
夏も終わりが近くなった頃、近所のお寺で恒例の夏祭が開かれていた
盆踊りで盛り上がる夜の祭へ、浴衣姿の少女は出かけたのだった
普段とは全く異なる露出のほとんどない浴衣という衣装は
それでまたオリエンタルな色気を香らせていた
うつむきかげんの少女の顔は、線香花火の明かりに照らされ
儚い火の粉の瞬きが、伏せた瞳と無垢な唇に反射した
僅かな間だけ、美しく輝いては消える線香花火の煌めきは
少女が少女でいられる限られた時間を想起させ
その情景が、まるでこわれもののように脆くて儚い
貴重な瞬間として見る者の目に焼き付いた
そして今、夏の終わりを告げる祭も終幕を迎え
彼女自身も胸に何か切なさが込み上げて来るのを感じていた
夜店が立ち並ぶにぎやかな雑踏も祭っぽくていいけど
人が疎らになった祭のあとの静けさも
なんだか趣があっていいよね
こういうのを「哀愁が漂う」っていうのかな・・・
うなぎにニョロニョロされる場面も見る
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