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「マイン」  作:eden-inu

私の名前は、“マイン”。電脳世界の案内人です。
この世界にて、迷い、戸惑う人の手助けをするのが、私の仕事です。
私は、プログラム。いつの頃からか、存在する、プログラム。

そのはずでした。

私は、負けて、消滅させられる筈でした。
敵の名はサタン。今は、この電脳世界に身を置く魔王です。
一度、封印を解かれれば、現実世界に飛び出で、この世界からは去る魔王。
私は、茜さんの手助けをして、この魔王に挑んで。そして、負けました。

私の名は、マイン。

私は―――――――

私は―――――――

・・・

・・・

視界が暗転し、薄暗い部屋が、見えました。
入り口が一つだけで、それ以外は窓一つ無い部屋でした。
その部屋の奥に、一人の女の子がいました。

あの娘はだれ?

そう考えた瞬間、
私の意識に靄がかかって、私の視界は、ぐるりと反転しました・・・。

私の名は、麻衣。気が付いたら、この薄暗い部屋の中にいました。
私は、裸でロープで縛られて、身動きが取れない状態で、ずっとここにいます。

きぃ。――ドアが開きました。

「はぁ、はぁ、はぁ」
呼吸の荒い、男の人がずかずかと入ってきます。
お客様。
お客様は、ズボンの前を膨らませていて、
私を見ると興奮してベルトに手を掛け始めたの。
「え・・・と・・・よう・・・」
どうしたのかな?
言いなれた筈の『ご挨拶』が上手くいえない。
まるで、初めて『ご挨拶』をしたときみたい。
お客様は我慢できなかったみたい。
私の傍に来ると、大きくなった肉棒を、私の唇に押し付けてきました。
「わ・・・ぷ・・・ん・・・ぐ・・・」
お客様の肉棒は、私の唇を割って無理矢理口の中に入ってきました。
お客様の手が、私の頭をつかみました。
「んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・」
お客様は、そのまま私の頭を無理矢理動かして、私の口の中を犯し続けました。
「んぐ・・・えっ・・・うぇ・・・」
目から、涙がこぼれる。口から、お客様の肉棒でかき出されたつばが流れ落ちます。
お客様の、お腹が私の顔の寸前まで迫り、また離れました。
お腹が、私の顔に当たりそうになります。
私は、怖くなって、目を背けました。
顔はお客様に捕まれていて動かせませんんので、目だけで・・・。

(え・・・!?)

声は、出ません。でも、もし声が出せたら、叫んじゃっていました。
壁が無いの。
壁があった所に・・・
私と、お客様の隣に、身体を合わせている、別の男の人と、女の子がいました。
女の子は、私と同じで縛られていて、後から男の人に乱暴に犯されています。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、」
口が自由なその娘は、苦痛と快楽の入り混じった声を上げています。
不意に、女の子が、こちらを向きました。

あの娘は――――――私!?

「んんんんんんんんんぐぅっ」
その瞬間、お客様の肉棒が、爆発しました。
白い精液が、私の口の中に満たされます。

「あっあっあああああああああああっ」
もう一人の私は、絶頂を迎えたのか、甲高い声を上げました。
・・・そんな気がしました。
もう一人の私が、おもらしをしているような感じは、未だします。
でも、もう見えませんでした。
(幻覚?)

そんな事を考えているうちに、私の意識は薄れていきました。


―――――私は?――――

私の意識が覚醒します。
プログラムの私が、気を失ったり、気がついたりするの、変だと思いますか?

これは、サタンの仕業。

サタンは、捕らえた私に、おかしなプログラムを追加しました。
今の私は、人間と同じようにしか自分の置かれた状況を把握できません。
移動しようとしたら、自然と“歩き”ます。
どこにいるのか知ろうとしたら、あたりを“見回し"ます。

あんなに憧れていた、人間の情動。
でも、それはプログラムの私には足かせにしかなりません。

私の名は、マイン。

私は―――――――

私は―――――――

・・・

・・・

視界が暗転して、可愛らしい部屋が、見えました。
ピンクのカーテンに、可愛らしいぬいぐるみ。
ピンクのカーテン。
そこは、まさに女の子の部屋でした。

その部屋に、一人の女の子がいました。

あの娘はだれ?

そう考えた瞬間、
私の意識に靄がかかり、私の視界は、ぐるりと反転しました・・・。

私の名は、舞。瀬戸内海女学院※等部の※年生です。
「はぁ、困ったよぉ・・・」
学校が終わり、寮の部屋に戻るなり、私はため息をつきました。
机の上には苦手な生物の教科書とノート。
明日は生物のテストがあります。
担当の手熊先生は、出来の悪い生徒は補習を受けさせるといっていました。

「どうしよう・・・」
ノートは真っ白。これじゃ勉強の足しにはならないな。
教科書を開いても覚えることが多すぎて、どこから手をつけて良いか判らないし。

「いっそ、補習で完璧に覚えようかな・・・でも、手熊先生こわいし・・・」
私は開き直って、ベッドにもたれかかったの。
『見つけた・・・』
「え・・・きゃあ」
そのとき、布団が、灰色になって、盛り上がりました。

しゅるしゅる・・・

『MAI・・・見つけた・・・』
布団は、灰色のお化けに化けていました。
お化けは、制服を着たままの私の体に触手を巻きつけて、私を動けなくしてきました。
「やだやだやだ!はなしてぇ!」
『離すものか・・・やっと、見つけたんだ。我が奴隷よ・・・』
やだ・・・。お化けは、言いながら、私のスカートの中に、触手を押し付けてきました。
「痛い・・・痛い!やめて!!!」
『くははははは。このまま、ショーツごとお前の処女も頂いてやる』
お化けは、言うと、私の大事なところに、触手をぐいぐいと押し付けてきました。
痛い・・・。痛い・・・・・・・。
『くはははははは。ショーツと、お前の膜、どちらが先に破れるかな・・・』
「痛い!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ぐちゅ・・・ぶつっ・・・ぐちゅ・・・

めのまえが、まっしろになった。

おばけのしょくしゅが、わたしをくしざしにした。

やぶれたしょーつが、しょくしゅごとわたしのおなかのなかにはいってくる。

いたい。いたい。いたい。

なきさけぶわたしに、おばけはいった。

『おまえは、おれのどれいだ。』


―――――わたしは?――――

―――――私は?――――

時々、意識が混濁して、このような“夢”を見ることがあります。
サタンが私に付け加えたプログラムに、バグがあるせいにきまっています。
私はマイン。
私は、プログラム。多目的・多機能ナビゲーション・システム。
人が、ネットワーク上で、迷わないよう、道を教え、導くもの。
ネット上を渡り歩き、
ネット上で、戸惑う人のPCにアクセスし、その人の手助けをする。

わたしは、その為の、プログラム・・・だった筈です。

私の名は、マイン。

私は―――――――

私は―――――――

・・・

・・・

視界が暗転しました。
街灯と、ビルの灯りが夜空を照らしています。
そんな夜の街のビルの屋上に、一人の女の子がいました。

あの娘はだれ?

そう考えた瞬間、
私の意識に靄がかかって、私の視界は、ぐるりと反転しました・・・。

私の名は、舞。
極普通の、女の子!
・・・って、言いたいんだけど、実は違うの!
私は、実は淫獣キャプターなの!

世界の平和を乱す、悪の淫獣使い、手熊博士の野望を打ち砕く為、
今日もお友達になった淫獣たちと一緒に戦うわ!

「バティ!!」
私の呼び声に、魔方陣から蝶型の淫獣、バティが姿を現しました。
バティが私の背中に張り付くと、私はビルから飛び降りました。
バティがはばたき、私は空を飛ぶ。
「ふぉふぉふぉふぉ。来たな?MAI、だが、お前もここまでだ!」
空で私を待ち受けていた手熊博士(背中に蝙蝠型淫獣を貼り付けている)は、
両手を振り上げて、呪文を唱えました。
「トクエジロ・プコノチウぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「え?え?きゃああああああああ」

博士の魔法は、私を石壁の部屋に転移させました。
また、新しい淫獣をけし掛けて来るつもりね!
来なさい!
どんな淫獣でも、
この、淫獣キャプター舞ちゃんが、お友達になってあげるんだから!

『グウァ〜〜 ハッハッハッハァ〜!おまえがMAIか!』
「出たわね?淫獣!行くわよ!」
私は杖を構えると、
目の前のやつに掛けられた、博士の呪縛を解く呪文を唱えました。
「“戒めにより、意思を奪われし淫獣よ、
 汝らの縛、新たなる主、舞の名の元に今、解き放たん!・・・れり・・・”」
『ハッハッハッハァ〜!むだむだむだ!』
やつは、私の魔法を笑い飛ばした。
うそ!何で、何ともないの?
普通、封印解除の魔法を受ければ、少しは怯むのに・・・。

もしかして、“仲間にならない淫獣”ってやつ!?

『馬鹿め。お前は“淫獣キャプター”だろうが!』
「ええい!“サイコネシスボ・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
やつは、一気に間合いを詰めると、触手で、私を捕らえました。
何とか左手にサイコネシスボールを作ることが出来たけど、
腕はがっちりと押さえつけられて、ぶつけることも出来ませんでした。
私を捕らえたやつは、私に、そっと耳打ちをしました。
『残念だったな。おれは、淫獣じゃなくて妖獣なんだよ』

がーーーん。そんなぁ。

『グウァ〜〜ハッハッハッハァ〜!そー言うわけだ!
 楽しませてもらうぜ!MAI!
 おおぅ!子供のくせしてなかなかいい肢体してるじゃねぇか!』

びりびりびり!

やつ・・・妖獣は、私の親友、亜美ちゃんが作ってくれた衣装を引きちぎると、
触手を私のおっぱいに巻きつけ、口にも捻じ込んできました。
私の大事なところには、股間から生える一番太いが突き刺さります。
「痛い!そんなに奥まで、捻じ込まないで!」
妖獣の伸縮自在な触手は、私の膣の奥にある子宮を突付くばかりか、
さらにその子宮の中にまで入り込もうとしてきたの!
やだ!そんなことされたら、舞、壊れちゃう!

『安心しろ!MAI!』
そんな、私に、妖獣は、妙に優しい声で、話し掛けてきた。
『俺様の妖液は、たとえ壊れた子宮でも妊娠させられるからな!
 下は※歳から上は70過ぎでもOKだぜ!流石に40代以降は遠慮するがな!』
妖獣は、そう叫ぶと、私の中に、放出してきた。
「い・・・・嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
私の悲鳴が、石壁の、冷たい部屋の中に響いた。

―――――わたしは?――――

―――――私は?――――

意識にかかった靄を、必死に振り払おうと私は頭を振りました。。

私の名は、マイン。

そう、私は、マインです。
私は、プログラム。

私は―――――――

私は―――――――

・・・

・・・

視界が暗転しました。
行き交う車。よく晴れた、暖かい太陽。
着慣れないスーツに身を包んだ、緊張した顔つきの男の人たち。
華やかな洋服や、着物を着て歩く、女の人たち。
ありふれた街の、余り見慣れない風景。
ここは、成人式の会場のようです。
大勢の、今日から大人として認められる人たちの列から少し離れたところに、
着物を着た一人の女の子がいました。

あの娘はだれ?

そう考えた瞬間、
私の意識に靄がかかり、私の視界は、ぐるりと反転した・・・。

私の名は、麻衣。
今日は、成人式に出席する・・・お姉様の付き添いで、この会場にきているの。

「お待たせ!」
式が終わったのかな?
お姉様は、真っ直ぐこちらに駆けてきました。
袴姿の・・・お姉様。とっても、綺麗。
「あら?麻衣ちゃんも、とっても、綺麗よ?着物、よく似合ってる」
わーい。大好きな・か・お姉様に誉められちゃった。
「とっても綺麗だから・・・」
・・・お姉様は、妖しげな笑みを浮かべて、私に話し掛けました。
「写真、撮っていきましょうねぇ・・・ふふふ」

初めて入る、写真屋さん。
お姉様は予め予約をしてあったのか、
なかに入って、すぐ奥の方に、いってしまった。

「綺麗な,生け花ぁ」
仕方がないので,入ってすぐの待合室で,
私はお姉様か写真屋さんの人が来るのを待っていました。
しばらく飾ってある写真を眺めていたのだけど,
そのうちすぐ退屈になった私は,テーブルの上にある生け花に目をやりました。

「この花,綺麗だけど,何の花だろう」
顔を近づけて,生け花をじっと見ます。

その時!!

「きゃ!!」
しゅるしゅる!!

突然,生け花から,蔓が伸びてきて,私の手や足に巻きついてきました。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
びっくりしました。
私は,生け花に身体を持ち上げられてしまいました。
そして、生け花をまたぐような形で下ろされたの!

「やあ!いや!冷たい!」
信じられない!
生け花から伸びてきた蔓は、私の体を固定すると,
着物をはだけさせて,身体を弄ってきたの!

「あら?もう、始めていたの?」
妖しい笑みを浮かべて,・・ねお姉様が、私に話し掛けてきました。
「お姉様!・・・お姉様!助けて!!」
「ねえ、麻衣ちゃん。ここ、なんて名前の写真館だと思う?」
私の助けを呼ぶ声が聞こえていないのか,あ・・お姉さまは言葉を続けました。
「麻衣ちゃん、ここは淫獣写真館なの」

いたい・・・

あかねおねえさまがつげるのとどうじに・・・

いけばなのつめたいつたは、

わたしのなかに

はいってきました。

あかねおねえさま・・・

あかね・・・

AKANE・・・

!!

茜さん!?

・・・

・・・・・・・・・・・


「・・・おや、これはいかんわい・・・」
瀬戸内海女学院生物教諭、手熊は,慌ててキーボードを叩いた。
ディスプレイ上の、マインの姿を映したウインドウが,一度消え,もう一度現われる。
ウインドウの中のマインは,桃色の美しい翼を生やし,
しかし茨のような触手に絡まれた痛ましい姿であった。

しかし、その触手はマインを犯してはいない。
まるで、マインを包み込んでいるかのようだ。
マイン自身も,
触手に絡みつかれながらも抵抗するわけでもなく、深い眠りについている。
「よもや,サタン様の洗脳プログラムに抵抗するとはな・・・
 茜にしかけた電脳迷宮の罠に同調させるには、未だ早すぎたか・・・」

そこは、学園地下につくられた,手熊の研究施設だった。
手熊はディスプレイから離れると,傍に設置された大きなカプセルに目をやった。
「まあよい・・・
 これが完成するころには洗脳も終了しておるじゃろうて・・・
 この、ワシの最高の芸術品に、マイン,お前が宿る日。
 それが楽しみじゃい・・・ふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉ・・・」

カプセルの中。そこには,翼をはやした,美しい少女が眠っていた。

私は―――――――

私は―――――――



END


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