「茜と水の惑星 第伍拾話」 |
男の声「……であるから……である…。」どこからともなく男の声が聞こえてきます。
ピクッ。茜「…んっ……んんー。」茜は浅い眠りの中にいましたが、声に気づいて目を覚ましました。
茜(んっ? こ…ここは…。)茜は目を覚ますなり、顔を上げて正面を見ました。
男「よし! この問題が解ける者はいるか?」茜の視線の先には、本を片手に持った男が立っていました。
茜(えっ!? アレって、数学の山下先生じゃ…。)茜は記憶の糸をたぐりました。
茜(と言うことは…。)茜は視線を落としました。
するとそこには机があり、机の上には教科書と書きかけのノート、シャープペンシルなどが置かれていました。
つまり茜は、授業中に居眠りをしていたのです。見ると、ノートはよだれが付いてシミになっていました。
茜(どういうことなの?)茜は自らに問いかけました。
まだ眠気が残っているせいか、記憶がぼんやりしています。
茜(あっ!)しばらくすると、突然”あの時”の記憶がよみがえってきました。
茜(茜、教団にだまされていたことが分かって、そして…。そう、集会場から逃げ出したんだわ。)
茜の頭の中には、あの時の情景がうっすらと浮かび上がってきました。
茜(それから、えーと…。そうだわ。最後はアソコを鞭で打たれて…。)
そして、最後の情景が浮かび上がりました。
全裸にされ股を大きく開かされて恐怖におののいている茜と、残忍な笑みを浮かべながら鞭を振り下ろす三沢。
茜(はぁー…。思い出しただけで憂鬱な気分になるわ。でも…。)
あの後の記憶がない。茜の記憶は、そこでプッツリと途切れていました。
茜(えーと…。)茜は無意識のうちに、視線を黒板に走らせました。
もちろん、今更授業を受けようと言う気持ちからではありません。
黒板の右隅を見ると、”平成10年7月18日(火)”と書かれていました。
茜(7月18日と言うことは…。夏休みの3日前だわ。そうなると…。変だわ。だって、博士と宇宙船に乗って
水の惑星へ行ったのも、ダミアム教団に入信したのも夏休み中の話よ。今があの鞭で打たれた後だとすると…。
帳尻が合わないじゃない。)
ここで茜は、大きな疑問点にぶつかりました。
茜は、あの後の記憶がスッポリとなくなっているどころか、今はあの時より”過去の世界”にいるのです。
茜(つまりアレは夢…。夢だったの?)茜はそう結論付けようとしました。
茜(ちょ、ちょっと待って、茜! まだ夢と決めつけるのは早いわ。だって今までだって、今と同じような夢を
何度も見たじゃない。つまり”今が夢”と言う可能性もあるわ。)
茜は、水の惑星の牢獄や研究所の地下室で見た夢のことを思い出しました。
茜は、追いつめられると”変な夢”を見るようなのです。
茜(まずは服ね。えーと…。うん、裸じゃないわね。ちゃんと制服を着ている。)
茜は白いブラウスに襟元に赤いリボン、青いチェックのプリーツスカートにルーズソックスと言うごく普通の
制服姿でした。ただし、他の女生徒に比べるとスカートの丈が極端に短いので、椅子に座っただけで肉付きの
良い太股が根本近くまで露わになってしまいます。
茜(ふぅー…。)茜はひとまず安心しました。前回見た夢の中では、スケスケのミニキャミソール一枚に
股間にベルト付きバイブと言うとんでもない格好をしていたからです。
茜(で、でも、まだよ! まだ”肝心な部分”を確認してないわ。)
茜は気持ちを引き締めると、股間に指を這わせました。
モゾモゾ…。スカートの中へ潜り込んだ指は、すかさずアソコに触れました。
茜(この感触は…。パンティ?)
茜は、指から得た感触から、股間がパンティの布地で覆われていることが分かりました。
もちろん、茜の穿くパンティは普通のパンティではなく、布地が極端に少ないTバックか、アソコやアヌスが
透けて見えるスケスケパンティのどちらかでした。今の茜は、黒いTバックを穿いていました。
茜(でも、まだよ。まだ安心するのは早いわ。)
茜は慎重に、指をTバックの布地の中へ滑り込ませました。
ちなみに茜が穿いているTバックは、アソコをかろうじて隠せる大きさの布地の他は細いヒモだけで
出来ていました。よって、布地の脇からアソコへ指を入れるのはわけないことでした。
茜(あっ! ないわ。何も入ってないわ。)茜は、アソコに何も入っていないことを確認しました。
教団で巫女をしていた時は、常にアソコにバイブを入れられていたわけですから、”バイブが入っていないと
言うことは、茜は巫女ではない”と言うことになります。
そもそもアレが夢で今が現実だとしたら、ダミアム教団が実在しているかどうかでさえ怪しいのです。
茜(ふぅー…。良かったわ。)茜は今度こそ本当に安心しました。
茜(でも、スゴイ夢だったわ。だって茜が、宇宙船に乗って水の惑星へ行ってしまうんですもの。ふふっ。
でも、その後の教団生活の方がもっとすごかったわ。バイブを入れっぱなしで生活するなんて
現実的じゃないし、そもそもあんな宗教団体なんて絶対にありっこないわ。)茜は笑みを浮かべました。
クチュ…。茜(あっ! いっけなーい。茜ったら、アソコに指を入れたままだったわ。
でも…。何だか気持ちいい…。)クチュクチュ…。
今が授業中であることなどすっかり忘れて、茜はアソコの中を指でかき回しました。
パコッ。茜「へっ…?」オナニーに没頭しかけたところで、突然丸められた紙が飛んできました。
紙は茜の頭に当たり、床に落ちました。ボテ…。
茜(もうっ! 誰なの。)茜はせっかくのところを邪魔されて、不愉快な気分になりました。
しかし、犯人を見つけようとあまりキョロキョロすると、先生や他の生徒に気づかれてしまう恐れがあるので、
茜はとりあえず”空いている方の手”で紙を拾い上げました。
くしゃくしゃに丸められた紙を開くと、そこには”もう! 茜ったら授業中に何してんのよ!!”とだけ
書かれていました。
茜(理恵の字だわ…。)茜は一目見て、それが理恵が書いたものだと分かりました。
理恵は、真っ先にオナニーに気づいたようです。
茜(はは…。これはまずかったわ。あとで理恵にあやまっておかなくちゃ。)
ヌポッ。茜は反省すると、ようやくアソコから指を抜き取りました。
キーンコーンカーンコーン。しばらくすると、授業の終了を告げるチャイムが鳴り響きました。
山下「では、今日はここまでだ。明日は応用問題を解いてもらうから、しっかり復習しておくように。」
当番「起立!」ガタガタ。当番「礼!」
ザワザワ…。授業が終わると、生徒たちはバラバラになり、いたる所で雑談を始めました。
理恵「茜、ちょっと…。」理恵は茜に声をかけると、人気(ひとけ)のない美術教室へ連れて行きました。
理恵「茜ったら、もうっ!」理恵は茜の顔をキッと睨み付けると、開口一番言いました。
理恵は怒っていました。もちろん、授業中のオナニーに対してでしょう。
茜「ごめん…。」茜はあやまりました。
理恵「茜ったら、何であんなことしたの?」理恵は優しい口調で問いかけました。
茜「茜…。その…。」茜は返答に窮しました。
そもそもオナニーは性欲に関することなので、言い訳することが難しいからです。
理恵「ま、茜も女の子なんだから、そう言うことに興味があるのは分かるわ。でもね。時と場所はわきまえて
欲しいの。」理恵は、真剣な表情で茜を諭しました。
茜「分かったわ。」茜は、素直に了解しました。
理恵「あら。茜ったら、今日はずいぶんと素直なのね。ふふっ。」
理恵は、満面に笑みを浮かべながら皮肉を言いました。
茜(ジーン。)茜は内心感動していました。いかにも”理恵らしい反応”だからです。
茜(良かった。どうやら理恵も”本物”みたいだし…。でも念には念を入れて、確認した方がいいわね。)
茜「じぃー…。」そう決めると、茜は表情を消して理恵の瞳をじっと見つめました。
理恵「あ、茜ったら、どうしちゃったの?」理恵は、怪訝そうな表情で茜を見つめました。
茜「茜ね。実は理恵のことが…。」そう言うと茜は瞳を閉じ、理恵に顔を近づけていきました。
理恵「ちょ、ちょっと! 茜、何をする気な…。」
ムチュ。茜は、理恵の口を塞ぐように唇を重ねました。
理恵「んっ!? んんーっ!」お互いの唇が触れた瞬間、理恵は目を大きく見開いて驚きました。
ニュル…。続いて茜は、理恵の口の中に舌を差し入れました。
理恵「んんーっ!」ドン!
舌を差し入れられると、理恵はパニック状態に陥り、無我夢中で茜を突き放しました。
茜「はぁはぁはぁ…。」茜は息を切らせながら、理恵の顔をじっと見つめていました。
茜(間違えなく本物の理恵だわ…。良かった!)茜は感動に打ち震えていました。
ようやくこれで、あの悪夢のような出来事が文字通り悪夢だったと結論付けることが出来るからです。
理恵「はぁはぁはぁ…。」ドキドキドキ…。一方の理恵は、それどころではありませんでした。
息を切らせながらうつむき、心臓は早鐘のように鳴り響いていました。
あの茜が、同じ女である理恵に気があったなんて…。
理恵にはとても信じられない話でした。もちろん理恵は”ノーマルな女の子”でした。
茜「あのね、理恵。えーと…。」茜は、その後をどうフォローしたらよいか迷いました。
”理恵が本物かどうかを確認するため”とは言え、あまりにも短絡的な手段を用いてしまったからです。
理恵「………。」理恵は無言でうつむいたままでした。
授業中のオナニーとは違い、今度は理恵も当事者にされてしまったからです。
茜「ごめんね、理恵。」茜は、申し訳なさそうにあやまりました。
理恵「あやまって済む問題じゃないわっ! グスッ。」理恵は、涙ぐみながら怒りを露わにしました。
茜(ど、どどどうしよう。理恵ったら、本気で怒っちゃったわ。)
理恵に本気で怒られて、茜も混乱しました。このままでは、冗談で済みそうにありません。
茜(ようーし、こうなったら。)
何を考えたのか、茜は理恵に背を向けると、超ミニのスカートをまくり上げました。
ピラー、プリリン。すると、肉好きがよいお尻が露わになりました。
茜「さあ、理恵。茜のお尻を思いっきり叩いて頂戴っ!」
茜は、お尻を突き出しながら叫びました。
理恵「あ、茜ったら、こ、今度は何よっ!」理恵は余計に混乱しました。
濃厚なキスをしてあやまったと思ったら、今度はお尻を突きだして叩いてくれとは、茜の行動は理恵の理解を
遙かに超えていました。
茜「茜、悪い子だから、理恵にお仕置きして欲しいの。」茜は真剣でした。
理恵「……もう、茜には負けたわ。」しばらくして、ようやく理恵は落ち着きを取り戻しました。
茜「えっ? 理恵、赦してくれるの?」茜は、お尻を突き出したまま尋ねました。
理恵「違うわ。どうせ茜のことだから、お尻を叩いたら変に感じちゃって、欲情するに決まってるわ。」
茜「それって、キズついちゃうな。茜は別にマゾじゃないんだけど…。」茜は口を尖らせました。
理恵「ふふっ。でもレズなんでしょ?」理恵は悪戯っぽく言いました。
茜「さっきのアレは…。」茜は再び説明に窮しました。
まさか正直に、”理恵が本物かどうか確認するためにキス…それも濃厚なキスをした”とは、言えるはずも
ありません。
理恵「それになーに、そのパンティは? お尻が丸見えじゃない。」
理恵は、茜のパンティを目ざとく見つめながら言いました。
茜「ああ、これね。これはTバックと言うのよ。」茜は、的はずれな回答をしました。
理恵「あたしはね。そんなことを聞いているんじゃないわ。なんで…。」
茜「あっ! 分かった。理恵は”なんで茜は、学校にまでそんなエッチなパンティを穿いてきちゃうのよ!”
って、言いたいんでしょ?」茜は、依然お尻を突き出したままで言いました。
理恵「もう! 茜ったら、分かってるならそんなパンティ、穿いてこないでよ。」
茜「茜は、別に悪いと思って穿いてきてるわけじゃないんだけど…。」茜はボソッと言いました。
理恵「それと。いい加減お尻を見せるの、やめてくれる?」理恵はあきれたように言いました。
茜「えへへ、分かったわ。」茜は照れ笑いすると、ようやくスカートを戻しました。
そして、理恵と向かい合いました。
理恵「それに…。そんなヒモみたいなパンティじゃ、”大切な部分”が隠れないんじゃないの?」
茜「そんなことないわ。ほら。」
そう言った瞬間、茜はにこやかな表情でミニスカートの前をまくり上げました。
ピラー。そこには、極小の布地によってかろうじて隠されたアソコが見えました。
理恵「もう! いちいち見せなくたっていいわ。まったく…。」理恵はあきれ返っていました。
茜「で、さっきのことなんだけど…。赦してくれるの? くれないの?」
茜は期待に満ちた表情で、問いかけました。
理恵「分かったわ。赦してあげるわ…。」理恵は、あきらめ顔で言いました。
茜「えっ! 赦してくれるの? やったーっ!」茜は無邪気に喜びました。
理恵は、茜の様子を複雑な気持ちで見つめていました。
理恵「ただしぃ! 条件があるわ。」理恵は強い口調で言い放ちました。
茜「えっ!? 条件って、なになにー?」茜は、興味津々と言った表情で問いかけました。
理恵「そのパンティなんだけど…。」
茜「脱げって言うのね? ちょっと恥ずかしいけど…。茜、理恵がそう言うならノーパンになるわ!」
言うが早いが、茜はスカートをまくり上げて、Tバックの腰ヒモをほどきにかかりました。
理恵「ち・が・う! 違うわ。最後まで聞いてちょうだい!」理恵は叫びました。
茜「へっ?」呆気にとられて、茜は動きを止めました。
理恵「明日から茜には、”フツーのパンティ”を穿いてきてもらうわ! あとスカートも、膝上10センチ以上
短くすることは認めないわ!」理恵は、強い口調で”条件”を提示しました。
茜「えっ!? ……ええーっ!」一瞬考えた後、茜は驚きの声を上げました。
理恵の出した条件は、普通の女の子にとっては大した条件ではありませんが、茜にとっては”死刑宣告”にも
等しい条件でした。
茜「理恵、そ…その…。茜、Tバックとスケスケパンティしか持ってないんだけど…。」
茜は上目遣いに理恵を見つめました。もちろん妥協を求めてのことでしょう。
理恵「ダメよ! 持ってないなら、今日の帰りがけにでも買うのよ。」理恵は、妥協を許さない口調でした。
茜「で、でもフツーのパンティって…。どこまでがフツーなのかなぁ?」
スカートの丈と違って明確な基準を出されなかったので、茜はなんとか逃げ道を作ろうと考えました。
理恵「きちんとお尻が隠れるパンティよ。色は白以外は認めないわ。もちろん透けててもダメよ。」
理恵はきっちりとした基準を出しました。茜は、もくろみとは反対に墓穴を掘った形になってしまいました。
茜「分かったわ…。」茜は力無く了解しました。
元はと言えば、いきなり理恵にキスをした茜が悪いので、ここで拒否するわけには行きませんでした。
理恵「あっ! あとそれとブラよ。茜ったら、いつもノーブラじゃない。明日から、ブラもしてくるのよ。」
理恵は条件を追加しました。
茜「ええーっ! ブラぁ?」茜はいかにも不満そうな口調で言いました。
茜「ブラってオッパイの成長を妨げそうだから、茜、なるべくしないようにしているのに…。」
理恵「茜ったら、そんなにおっきなオッパイして、何を言ってるのよ!」
理恵は、茜の豊かな胸を妬ましそうな目つきで見つめました。
茜「おっきなオッパイって言ったって、まだ90チョイだし…。」茜はボソッと言いました。
理恵「ジロッ。」理恵は茜を睨み付けました。理恵は、茜とは違いスレンダーな体型なので、胸はけっして
大きくありませんでした。よって、日頃からそのことにコンプレックスを抱いていました。
茜「ご…ごめんね、理恵。分かったわ。茜、明日からブラをしてくるわ。だって、これ以上オッパイがおっきく
なったら、理恵に申し訳ないもの。」茜は理恵の心情を悟ってか、ブラジャーをすることも了解しました。
理恵「あと…。」
茜「ええーっ! まだあるの?」
理恵「もう! 茜ったら。そんなに警戒することないじゃない。ごく基本的なことよ。あと授業中にアソコを
いじっちゃダメ。あたしにキスしちゃダメ。スカートをまくっちゃダメ。ってとこかな。」
理恵は、ごく当たり前な条件を追加しました。
茜「ええーっ! そんなに何でもかんでもしちゃダメじゃ…。茜、ストレスがたまって
どうにかなっちゃうわ。」茜は不平を鳴らしました。
理恵「茜、まだ高校生なんでしょ? ストレスなんて、もっと健全なこと…たとえばスポーツとかに
打ち込んで、発散させなきゃダメよ。」理恵は、真剣な表情で茜を諭しました。
茜「そ…そうね。理恵の言うとおりだわ。」茜はあっさりと納得しました。
理恵の言うことは、まったくその通りだからです。
理恵「だからさぁ。茜も部活に入った方がいいわよ。」
茜「そうねぇ…。考えとくわ。」茜は一瞬天井を見つめ、あいまいに答えました。
理恵「じゃ、あたし、これから部活があるから。良かったら、茜も見学に来るといいわ。」
茜「え…ええ。」理恵は茜に背を向けると、さっそうとした足取りで立ち去っていきました。