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「茜と水の惑星 第八拾話」

ドドドド…。
柏田「槙原の野郎ぉ…。」ボートでは、三沢が怒りの声を上げていました。
茜「ダメよ! 乱暴しちゃ。」背後から、茜が制止の声を上げました。
ボートは、すでに20メートルくらい…お互いの表情が分かる距離まで接近していました。
槙原・柏田「………。」水面の2人は顔面蒼白でした。
三沢の怒りの形相から、三沢が罠にかかったことを確信したからです。
従って、報復のためにやってきたと見るべきでしょう。
茜が同乗している理由が、いまいち分かりませんが…。
しかし、今はそんなことを考えている余裕はありませんでした。
槙原「うわぁーっ!」
柏田「逃げるんじゃーっ!」
バシャバシャ…。2人は一斉に泳ぎ出しました。
三沢「ぶっ殺す!」三沢は叫びました。
バシャバシャ…。三沢の叫びに後押しされて、2人は死に物狂いで泳ぎました。
しかし、長時間の漂流で疲労しきっているので、泳ぎ続けることは不可能でした。

ドドドド…。
2人は、あっという間にボートに追いつかれてしまいました。
槙原・柏田「ぜぃぜぃぜぃ…。」
2人は泳ぐのをやめると、激しく息を切らせながらボート上を見つめました。
ボートは停止し、その上では三沢が仁王立ちしていました。
三沢「よくも…。よくもこのオレをはハメてくれたな!」
三沢は、猛獣のような声で叫びました。
槙原「ぜぃぜぃぜぃ…。わ…私たちを…ぜぃぜぃ…どうするつもりだ…。ぜぃぜぃぜぃ…。」
槙原は、息を切らせながら問いかけました。
三沢「知れたことよ! 死に損ないに、とどめをさしてやるのさ!」
そう言うが早いが、三沢は海に飛び込もうとしました。
ガシッ! しかし、背後から華奢な手で腰を掴まれてしまいました。
茜「ダメよ! 乱暴しちゃ。」茜は力強い視線で、三沢を見据えていました。
茜の細腕など、振り解こうと思えば簡単に振りほどけますが、茜と視線が合った瞬間、
三沢は硬直してしまいました。
三沢「お、おまえが何と言おうと、オレは絶対にこいつらを赦せねぇ!」
三沢は動揺しつつも、茜に向かって叫びました。
何でこんな小娘に動揺してしまうのか…。三沢自身にも理解できませんでした。
助けてもらったことに恩を感じているから…。
いや、そんなことで懐柔されるような三沢ではありませんでした。
何というか、茜の存在を大きく感じてしまうのです。
自分とは器が違うと言うか…。
茜「何で赦せないの?」茜は子供に問いかけるように言いました。
三沢「こいつらはオレを罠にはめた。だから絶対に赦せねぇ!」三沢は駄々っ子のように叫びました。
茜「それはお互い様じゃないの。あなただって、槙原さんたちを海に突き落としたんでしょ?」
茜は鋭く指摘しました。
三沢「それはそうだが…。」
茜「それじゃあ、おあいこってことで、槙原さんたちを赦してあげなさいよ!」
茜はじっと三沢を見据えていました。
槙原・柏田「………。」
一方、海面の2人は、固唾を飲んで2人のやりとりを見守っていました。
彼らの運命は、茜の力にかかっているからです。
茜と三沢の間に何があったかは知りませんが、今や茜は”救いの女神”に見えました。
三沢「………。」三沢は困惑しました。
自分より遙かに非力な美少女 茜…。
何一つ武器を持たず…いやそれどころか全裸で、身に着けているモノと言えば、
アソコを串刺しにしているベルト付き極太バイブのみ。
これは何一つ自由を与えられない、奴隷同然の身分に置かれていることを意味していました。
そんな茜に自分は…。

三沢「分かった…。」三沢は力無く答えました。
茜「やったぁ!」その瞬間、茜は歓声を上げました。
無邪気に喜んでいます。
そんな茜の様子を、3人は呆然と見つめていました。
槙原にとって、茜はとうてい理解しがたい存在でした。
自分たちを助けて、何の得があるのか?
全ての事象を損得でしか考えられないのは、3人とも同じでした。
茜は、自分自身を酷い目に遭わせ、またこれからも遭わせ続ける男たちを助けたのです。

ザバ…。2人はようやくボート上に上がりました。
槙原・柏田「………。」茜に対して何か言いたそうでしたが、言葉がでませんでした。
言うべき言葉が見つからないのです。
三沢「………。」三沢も無言でした。
3主教の間に、修復不能の亀裂が生じていました。
茜「さあさあ! みんな仲良くしなくちゃダメよ。」茜は諭すように言いました。
その声を聞いた瞬間、3人とも同じ認識を持ちました。
三沢「茜の言うとおりだ。今日あったことはさっぱり水に流そうぜ!」
三沢は、体格に見合った大きな声で宣言しました。
槙原・柏田「………。」槙原と柏田は顔を見合わせました。
2人の間にも気まずい雰囲気が漂っているだけに、今更仲直りなどできそうもありませんでした。
槙原「分かった…。」
柏田「そうせざるを得ないじゃろう…。」しかし2人とも、渋々と了解しました。
茜「やったね!」茜は無邪気に喜びました。
今まで奴隷同然に扱ってきた小娘に、何というザマか…。
槙原の心には、わだかまりが残っていました。
しかし、その小娘の言うことに逆らえない自分…。
危機を救われたことを感謝してるから…。
いや、そうとばかりは言えそうもありませんでした。

ドルンッ! ドッドッドッド…。
3人が落ち着いたところで、茜はボートを発進させました。
発進前、レーダーを確認しましたが、そこには博士の乗っているボートは映っていませんでした。
よって、とりあえず宇宙船に引き返すことにしました。
3人がおとなしくなったので、博士を助ける絶好チャンスが到来したと思ったのですが…。
肝心な博士の居場所が分からなければ、助けようがありません。
ヒュー…。潮風がセミロングの髪をなぶっていました。
茜(博士…どこにいるのかしら…。)茜の心は不安で満たされていました。
お互いに等間隔に間をあけて座った3人は、物思いに老けている茜に視線を送っていました。
いや正確には、ベルトが痛々しく食い込んだ、肉付きの良いお尻に視線を送っていました。
何とも言えない扇情的な光景でした。形といい大きさといい、芸術的なお尻です。
茜は何事もないように振る舞っていますが、ベルトの向こう側には極太バイブが突き出ていて、
それが絶えずアソコの奥深くにまで食い込んでいるのです。
そのことを承知している3人は、自らの股間を固くしました。
三沢(それにしてもこのオンナ…。いい身体してんな。是が非でも、オレのモノにしたいのだが…。)
槙原(3人の亀裂は決定的になった。こうなったら、この小娘を利用するしかなさそうだが…。
スケベな身体に似合わず頭はきれるしな。)
柏田(このおなご…。見事に我らを押さえ込んでおる。我らが待たぬモノを持っておるのか…。)
3人は、それぞれの考えを巡らしていました。
茜「んっ?」茜は、お尻に焼け付くような視線を感じて、後ろを振り返りました。
3人の視線は、明らかに茜のお尻に注がれていました。
茜「あら。何かしら?」茜は腰に手を当てながら尋ねました。
何とも挑発的なポーズです。
堂々とさらされた豊満な乳房が、振り返った拍子にぷるるんと揺れました。
槙原「い…いや、別に…。」
柏田「な…何でもないぞ。」2人は緊張しきった声で答えました。
三沢に至っては…。
どぴゅ! ”暴発”してしまいました。
三沢「………。」三沢は、らしくもなく何も答えられませんでした。
茜「?」茜は、暴発には気づかなかったようです。

ドドドド…。
それから3時間が経過すると、前方に宇宙船”コリンティア号”が見えてきました。
教団幹部の3人は、彼らの神の名を取って”ダミアム号”と呼んでいますが…。
茜「見て見てぇ! コリンティア号よ!」茜は歓声を上げました。
別に説明しなくても分かりますが、危機を脱して戻ってきた安堵感から、声を上げずにいられませんでした。
槙原「茜さん。アレはダミアム号ですよ。」槙原は訂正しました。
茜「そんなこと、どうでもいいじゃない。茜にとってはコリンティア号なの。」
茜はさらりと言いましたが、その口調は強い意志に満ちていました。
三沢「オレもコリンティア号って呼ぶことにするぜ。」そこへ三沢が割り込んできました。
どういう魂胆があるのかはみえみえです。
槙原「きさま、抜け駆けする気か!」すると、槙原が怒鳴りました。
柏田「まあまあ。名前など、そのおなごが言うように、どうでもよいじゃないか。
各自が思っている名前で呼べばよい。」
茜「うふ、そうよね。」茜も同意しました。
茜「あっ! ちょっと見て。」突然、茜は宇宙船の方を指さしました。
三沢「コリンティア号の下に…。ボートだ!」
槙原「何だと!?」3人の男と1人の美少女は、身を乗り出して宇宙船の下を凝視しました。
確かに、宇宙船の下にボートが停泊しています。
彼らが乗っている他にボートとなると…。
茜が乗り捨てた予備のボート、博士が乗っているボート。
前者はどう考えても戻ってくるはずがないので、後者と言うことになります。
茜「博士だわ! きっと博士が戻ってきたんだわ!」茜は歓声を上げました。
ドキドキドキ…。興奮のあまり、鼓動が高鳴っています。
柏田「何…博士じゃと? 水道橋か!」柏田は、茜と対照的に吐き捨てるように叫びました。
柏田は、かつてスパイとして宇宙船に潜入させた部下を、博士に殺されたものと確信し、
博士を深く憎んでいるのです。
茜「………。」茜はそのことを思い出しました。
柏田に何と言ったら良いのか…。言うべき言葉が見つかりません。
槙原「水道橋博士は、これからも我が教団にとって必要な存在です。
柏田さん。つまらない私怨は忘れていただきましょうか。」
そこへ、意外にも槙原が切り出しました。
柏田「何じゃと! つまらない私怨じゃとぉ!」柏田は、怒りの形相で槙原を睨み付けました。
茜「ど…どうしよう…。」茜は困惑しました。
3主教は、常日頃から仲が悪いのです。
表面上協力し合っているように見えるのは、お互いにお互いを利用しようと考えているからです。
いつ、仲の悪さが激発してもおかしくはないのです。
しかも、先程の出来事で、3人の間に生じた亀裂は決定的なものになってしまいました。
茜「や・め・て! やめてちょうだい。みんな仲良くしなくちゃダメよ!」
茜は、2人の間に割って入りました。
三沢「そうだ。茜の言うとおりだ。」三沢も同意しました。
槙原「おい、三沢! きさま、いつからそのオンナの手下に成り下がったんだ?」
槙原は、自らも茜に取り入ろうとしたことなど忘れて、三沢を非難しました。
三沢「そのオンナとやらに、命を助けられたヤツが何を言ってやがる!」
槙原「きさまだって助けられた口だろうが!」
柏田「わしを無視して、勝手に話を進めるな!」
これでは三つ巴です。
茜「もぉー…。」茜は力が抜けました。
その後も、3人はひたすら”口撃”を繰り返しました。

間もなく、ボートは宇宙船に到着しました。
茜「博士ぇ!」タッタッタッタ、ストッ!
先程のボートに博士の姿をみとめると、茜はケンカ中の3人など無視して飛び移りました。
ボート上では、博士が横たえていました。
なぜか、下半身裸です。
博士「……んっ? その声は…。」博士はゆっくりと瞼を開きました。
茜「博士ぇ!」ガシッ!
茜は涙をボロボロ流しながら、博士に抱きつきました。
博士「茜…しゃんか…?」博士は、弱々しい声で尋ねました。
柔らかい肌の感触が直に伝わってきます。茜が全裸であるせいもありました。
茜「そうよ、茜よ…。うぇーん!」茜は声高々に泣き出しました。
槙原・三沢・柏田「………。」
一方、ケンカに明け暮れていた3人は、呆然と2人の様子を見守っていました。

茜「えぐ…えぐ…。」それから10数分が過ぎると、ようやく茜は泣きやみました。
博士「茜しゃん、しゅまん…。」
茜「博士が謝ることなんてないわ。」茜は、充血した目で博士を見つめました。
博士「茜しゃんの大事なパンチー…。破けてしまったのじゃ。」
博士は的外れなことを言うと、茜の目の前に千切れたTバックを掲げました。
茜と生き別れになり、絶望の淵に置かれた博士は、きっとこれを使ってオナニーに明け暮れたに
違いありません。
Tバックを見た瞬間、茜はそう感じました。
茜「いいのよ、そんなモノ…。」
もちろん、茜にとってはどうでも良いことでした。
博士「んっ…? ところで茜しゃん。そのパンチーはどうしたのかね?」
博士は、茜が奇妙なパンティを穿いていることに気づきました。
もちろんこれは、パンティと呼べるような代物ではありません。
茜「えっ、コレ…? コレは、えーと…。」茜は返答に窮しました。
まさか、正直に”ベルト付き極太バイブ”をはめているなんて言えるはずがないし。
はめるに至った経緯も、説明したくありませんし。
しかし、茜の背後には…。

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