HAPPY BIRTHDAY 十兵衛
7月21日 1ヶ月前
風鳥院花月は悩んでいた。
―今年の十兵衛の誕生日には何をしたらいいのだろう?―
あと1ヶ月で、花月の親友の筧十兵衛の誕生日が来てしまう。お祝いの日だから、彼に何かをしてあげたい、と花月は考えていた。
8月14日 1週間前
雨流俊樹は悩んでいた。
―筧の誕生日に何をあげるべきか?―
俊樹は、少し前に花月から十兵衛の誕生日のプレゼントについて相談されていたのである。あいつが喜ぶ物とは何だろう、と一生懸命に頭を働かせていた。
8月18日 3日前
筧十兵衛は悩んでいた。
―近頃、花月と雨流が2人だけで相談をしている。何故、俺には何も言わないのだろう?―
十兵衛は、自分の誕生日が近いなんて考えもしなかった。ただ、自分1人が仲間はずれにされているようで、気分が沈むのだった。
8月21日 AM0:00
「…十兵衛…起きて…十兵衛」
日付が変わった頃、花月に起こされて目覚めた十兵衛は、誕生日の定番、ロウソクのたったケーキと、その側にプレゼントを持った俊樹の姿を見た。
ケーキにたった、10何本かのロウソクを一息に吹き消すと、
「誕生日、おめでとう」
花月と俊樹の2人から祝福の声がかかる。
その後
2人がくれたプレゼントは、十兵衛にとっての宝物になった。
ケーキは3人で食べることにしたが、食べ過ぎて気分が悪くなった。それから、あまりケーキは食べなくなった。
まだ3人が風雅だった頃のお話でした。
(2006/1/26)
「奪還屋」の風雅、3人の話です。
かなり季節外れのものですが、思い出の1つとして…。
資料もないまま書いたため、微妙っていうのは言うまでもない…。
十兵衛の話を書きたくて勢いで書いたものでした。