「いたっ…」
 その声に、闇主は台所へ向かった。
「馬鹿だろ、お前」
 そこには、包丁と切ったらしい指を見つめているラエスリールがいた。
「ったく、だからお前に台所立たせるのはいやだったんだよ。ほら、見せてみろ」
 見せてみろ、と言いながら腕を引っ張った青年に実のところ文句を言いたかったが、怪我をしたのはラエスリール自身なので、黙っ ておくことにする。
「けっこう深いな」
 そう言うと、青年はラエスリールの指を口に含んだ。
 瞬時に顔を真っ赤にさせるラエスリールに内心笑いながらしかし顔だけは真面目な青年である。
 青年は、傷口を舌で舐め取った。
 びくっと微かに反応した彼女に悪戯心を起こし、より丁寧に傷口を刺激してみた。
「……っ」
 より顔を真っ赤にさせる彼女ににやりと笑い、そして手を放した。
 ぽかんと口を開ける彼女に笑いをこらえながら戸棚に向かう。
 絆創膏を取り出し、傷口にはった。
「今度は怪我するなよ?」
 ぽんと頭に手を置き、ついでにぐしゃぐしゃと乱す。
「闇主っ!」
 非難の声を上げる彼女の唇を奪った。
 青年はそのままリビングに戻り、ソファーに腰掛けた。




「闇主の馬鹿ーーーーー!!!」
 一拍の後、ラエスリールは叫んだ。
 その声に、闇主はにやりと笑った。


Fin.



あとがき
 今回は短いです。これぞss。
 ドS闇主さんと意地悪されるラスちゃん(笑)
 ああもう可愛い//vv
 楽しかったー・・・。やっぱ私ってばドS大好きだわ。




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