幽かな月明かりの下で、黒い影が弱々しくもがいている。
後ろ手に縛られた、人によく似た姿のその生き物はうねる長い髪を上気した肌にまとわりつかせ力なく首を振り、許しを乞うように眼前の男を見上げた。
「テメェの言う通りにしてやっただろうが」
嘲るように、男の唇の端が吊り上げられる。
男の手の中で何かかちりと音を立てると、黒髪の生き物の体がびくりと震えた。
「――――っ!」
無機質な機械音が黒いスカートの隙間から漏れ出る。そこから投げ出された白い腿も、今は仄かに色づいていた。
「前だけガード出来ればいいんだろう?」
「ひ、ぁ……っ!」
男の武骨な手がスカートの中に伸びるが、それを防ぐ術など何もない。
蹴り飛ばそうとした途端、足首を逆に掴まれ無防備な姿を晒してしまう。
「いい格好だな? おい」
「あ…あぁ……っ、いやだ、見るな……っ」
振動音を立て続ける玩具が二本、黒い薄布を押しのける形で牝と菊座の中を占領している。溢れ出た蜜が布地をしとどに濡らし、薄い尻と腿を伝う様は充分すぎるほどに淫靡なものであったが、それでも男の欲求を満たすほどではない。
「っく……ん、ん……」
激しく頭を振りながら声を堪えようとする度、無慈悲にも玩具の動きが激しさを増す。もがきながら腰を振る姿は既に逃れようとするそれではなかった。
「……っは、あ――」
体の中を荒れ狂う熱と外へ解放を求める熱とに苛まれ、掴まれた足首から伝わる体温にすら快感を覚えてしまう浅ましい体。追い討ちをかけるように、冷たいはずの黒い金属が体積を増す牡を内部から押しつけられて徐々に熱を帯び始めている。
「嫌がってるわりに随分奥まで咥え込んでるじゃねぇか。まさか後ろだけでイけるようになるとは思わなかったな」
「それは、貴様が……っ!」
上気した頬を、こめかみの近くを伝ういくつもの涙の筋。屈辱と羞恥で流されたものはいつしか違う何かに変わり、欲情で潤む目から溢れ出る。
「ああ、そうだったな。最初は指を入れるだけで泣き喚いてたのが今は自分からケツ振ってねだりやがる」
「! や…ああっ!」
否定する間もなく掴まれたままの足首が引っ張り上げられ、男の肩に脚が担がれる。玩具を呑み込んだ二つの秘所の周りを何度も舌が往復し、追い詰められた獲物は成す術もなくただ啼き続けた。
「ひぁ、あ、あ……も……やめっ、あぁあ……」
細い眉を寄せ、望まぬ絶頂に身を強張らせる。
「…………っ」
しかし、その瞬間はいつまで経っても訪れようとはしない。
「あ……」
唐突に終わった蹂躙に恐る恐る目を開けると、男が低く笑う。
「もうやめて欲しかったんだろう?」
「……あ、ぁ」
潤んだ目が男を見上げた。足首を離してやると、見せつけるかのように太腿を擦り合わせ腰をくねらせる。男の冷ややかな視線が尚更に飼い馴らされた獣の欲情を煽った。
「や、ぁ……ああ……っ」
「分からねぇよ」
「は……ぁ、……もぅ…………、て」
途切れ途切れの懇願を撥ねつけもう一度問う。
「オラ、言えよ。どうして欲しい? いつもどうやって俺にねだってるか覚えてるだろう?」
「ぃあ……っ!」
牝の中心部に突き刺さったままの玩具を内壁にぐいと擦りつけ、男は耳朶を噛む。
「っん……や、ぁ」
「言えよ……早く」
低く低く、心の奥底まで蝕む囁きに羞恥も理性も投げ捨ててそれは啼いた。
「は……ぁ……っ、……はや、く……早く、犯して……滅茶苦茶にして……!」
その言葉を聞くとようやく男は満足そうに笑った。
布地を横へずらし、玩具を抜きもせずに剛直をひくついた牝の中心部にあてがう。
「後で自分で抜くんだな」
男の目の前で自分を慰めるかのように中へ指を突き入れる姿と、これから訪れる狂乱を想い黒髪の生き物は身を震わせ、啼いた。
END
言い訳
某所の『「前だけガード出来ればいいんだろ」と言いつつ極太バイブで二穴責め。無論黒ブルマは 穿 か せ た ま ま で。』というネタに反応したものの、諸事情で書き込めなくなった為ここと保管庫にて披露してみました。
やっぱりまだテスタに淫語連呼させる勇気がありません(汗)