『悠ーーー起きなさーーい!!学校遅れるわよーー』
一階から母親の声が聞こえて来る、その声に反応するように俺は布団の中でうごめいた。
『う〜ん……』
起きようとはするが、眠気が意識を夢の中に戻そうとする。
『悠、早くしなさい』
そのまま布団にいると反応の無い俺に痺れを切らしたのか母親がやってきた。
「バンッ」
と扉を開けると共に部屋中に声が響き渡る。
『悠!遅刻したくないんでしょ!』
怒鳴り声で一気に目を覚まし跳び起きる。
『い、今起きるとこだったんだよ……』
何とか言い訳を言い母親を見ると、口をポカーンと開けてこちらを見ていた。
『ん?どうしたの?』
首を傾げながら、いつもの朝と違う態度の母に疑問をぶつけた。すると、こちら以上に疑問した口調で返事をする。

『あ、あの……どちら様でしょう?』
母からの意味不明な言葉にわけがわからなくなる
『はぁ、朝から何言ってんの?』
くだらない冗談に呆れながら立ち上がろうとすると胸にずしりと重みを感じた。
『ん?なんだ?……』
下を見ると目の前に見慣れぬ丘が二つ広がり目が点になる。
『ななななっ、なんだこりゃ?』
昨日までの身体には無かった物体に困惑していると母が口をひらいた。
『えーっと、悠の彼女?あの子いつのまにこんな可愛い娘連れ込んだのかしら。
悠が何処にいるか知らない?』
母親のとぼけた台詞で正気になり叫ぶ。

『母さん何言ってんだよ!!俺が悠だよ!』
『…ん?さては悠と二人でからかっているのね?や〜ねぇ、私は女の子は産んでないわよ』
俺の台詞にも驚きもせずにのんびり笑っている
『誰が女の子だよ!……え!?』
怒鳴ろうとすると、今になり自分の声がおかしいことに、そして手や腕回りも細くなっており髪も腰辺りまであることに気付いた。
『え…何これ…どうなってんの…?』
だんだん自分がわからなくなる、泣きそうな顔で母親に話し掛ける
『か、母さん……俺…女の子に……』
さすがに泣きそうな顔で言われて母親も笑うのをやめる。

『う〜ん確かにあなたは女の子よ。でも悠は男の子なのよ』
『だから俺が悠なんだよ!!起きたら女の子になってたんだよ!』
まだ理解できぬ母親に自分の経緯を話すと、さすがに驚きを隠せないようだが、まだうたぐり深そうにしていた。
『あなたがそんなに悠と言い切るなら、何か証拠がないかしら?悠自身なら家族の事とかわかるでしょ?』
母の言い分も、もっともだと思い家族説明をした。
『まず俺の名は[橘 悠]高校二年で四月二日生まれの牡羊座のA型で父親が[橘 和馬]サラリーマン、母親が[橘 陽子]旧姓が佐藤陽子、専業主婦。あと弟の[橘 晋也]小学六年生で、よく俺の部屋にゲームしにくる……こんなとこで信じてくれる?』
一通り話し母の反応をみる。
『ふ〜む、母さんの旧姓まで知ってるなんてね……悠が昨日から部屋出た様子も無いし…じゃあ信じてあげる。悠本人なのね?』
『だから本人って言ってるじゃん…』
まさか信じてもらうだけでこれほど疲れるとは思わなかった。
『はぁ…なんでこうなっちゃたんだろ…』
自分も信用されると自分の変化に悩み始めたが、すぐさま母の声で考えが消し去られた。
『やったじゃない、私前から女の子ほしかったのよ〜今度一緒に洋服買いに行きましょうね』
嬉しそうに言いながら俺の肩を叩いた。
(あいかわらず、おきらくな人だよ……)
母親の姿を見て呆れた。
『そうそう制服も替えなきゃ駄目ね』
『制服!?そうだ学校……』
あわてて時計をみたが今から出ても明らかな遅刻だった
『ああ…皆勤だったのに…』
比較的優等生の自分としては皆勤賞ももらう予定だったのだがその予定も淡く散った。
『てか、この姿じゃ行けないよな…』
『あら、行けばいいじゃない。午後からでいいから出なさいよ』
母の発言に驚く。

『な、何言ってんの?女の姿なんだよ?誰も信じないし、第一理由聞かれたらどうすんだよ!』
『大丈夫よ、きっと皆信じてくれるわよ。校長先生は知り合いだから平気よ、電話しといてあげる』
母の言葉に唖然とする。
(ここまで、おきらく極楽とは……何処の世界に昨日まで男だった奴が次の日に女になってんだよ……)呆れて溜息しか出なかった。
『じゃあ行きなさいよ、あとお金渡すからちゃんと制服買いなさいよ』
『………は!?なんで俺がセーラー服なんか着なきゃいけないんだよ』
一瞬母の言葉に我が耳を疑い反論するが、あっさり言い返され反論出来なくなる。

『だって、女の子が男の子の制服着てたらおかしいでしょ?いい?今日あんたの学校の制服着て帰ってこないと夕飯抜きだからね!!』
『うっ………わかったよ……』
制服一つで食事抜きにされては堪らないので、あっさり男のプライドは砕かれた。
『とりあえず御飯食べちゃいなさい』
何事も無かったように部屋を出ていく。とぼとぼと歩きその後を続く。
『あ、身長も縮んだみたいだな・・・』
自室の扉がいつも見ていた視線とは高さが違い身体の変化を感じていくが、一階の台所に移動するだけで度々自分が女と意識させられる
『うっ…下がみえん……はぁ…』
階段を降りようとすると胸が邪魔で足元が見えなく、また一段降りる度に乳房がポヨンポヨン上下に揺れる。途中ズボンの上から股間を触ってみたが突起したものは無く、つるんとしていた。
『はぁ…まじかよ……ほんとに女になってるし……』
食卓に着くとテンションは最低まで落ちていた。
食卓に並ぶ料理を元気なく食べていると母が声をかける
『な〜にいつまでしょげてるの!!元気出しなさいよ!』
『そりゃしょげるよ、朝起きてたら自分が女になっていたなんて漫画みたいな事が起きたら誰だって落ち込むだろ?』
俺の発言にも母は涼しい顔で答える
『あら、いいじゃない。普通そんな事味わえないのよ?楽しみなさいよ』
『・・・・・・・』
母の言葉に沈黙するしかできなく、黙って食事を終えた。

二階に上がろうとしたとき後ろから声がかかる。
『母さん友達と用があるから先に出るわね。お金テーブルに置いてあるから。ちゃんと学校行くのよ』
そう言うと外に出てしまった。
『はぁ、まじかよ・・・学校いきたくねーー』
自室に戻りベットに腰掛けてぼやいていると、下半身から尿意を感じトイレに向かった。
『あ、そうか無いんだっけ・・・』
便器の前に立ちいつものように用を済ませようとしたが股間にいつものモノが無いと気づき、ズボンを膝まで下ろすと便座に座った
『女ってのは不便だな・・・あっ』
視線が自分の股に注がれると、目に女性器が写る。女性経験があまり豊富で無いとはいえパソコンなどで無修正とよばれる画像を何度かみたことはあったが、実際に実物を見るのは初めてである綺麗な桃色の割れ目が固く閉じている。見ていると不思議と身体が熱くなる何故か陰毛は生えておらず性器が丸見えになったいた。
『ここから、おしっこが出るんだよな・・・んっ』
割れ目をみながら下半身に力をいれていくと「シャーーーーーーー」音ともに黄色い液体が飛び出されていく、そのまま便器の中に流れていくしばしその光景をじっと見ていた。
『・・・・あ、終わっちゃう』
しだいに弱まっていく尿を見ているとと心なしか残念に思えた。終わっても余韻を楽しむかのように自分の股間を見つづけていた
『・・・確か紙で拭くんだよな』
しばらくして、このままいても仕方ないと思い、頭の片隅にあった知識を使い紙を割れ目にあてがえ付着した液体を拭きとると部屋に戻った
『さて、着替えるか。さすがに学校近くまでは私服で行くか。』
気持ちを切り替え母に言われた言葉を思い出し制服を紙袋に入れて普段着に着替え始めた
『うん?髪が邪魔だな・・・』
シャツを脱ごうとすると今まで経験の無い長さの髪が引っかかり四苦八苦したなんとかシャツを脱ぎズボンを下ろすとトランクスも一緒に落ちてしまった。
『うわっ、ウエストがばがば。』
細いウエストに手を当て、クローゼットに向かうと途中に立てかけてある等身大の鏡に映る自分に気づいた。
『・・・・・』
艶やかなボリュームのある黒の髪を腰辺りまでなびかせ、大きく形の良いバスト、引き締まったウエスト、そして張りのあるヒップ、スラリと伸びた脚、透き通るような白い肌、そしてアイドルと思わせるような可愛い顔、その姿に見とれてしまった
『きれいだ・・・・あっ』

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