13

『やっぱやめておくかな。癖になったりしたらやばいしな』
疼きはあるものの耐えられないほどでもない、それに女の悦びに慣れすぎては男に戻るのが遠くなってしまうのではないかと考え、温めのシャワーを浴びながら疼きを押さえ込み浴室から出ることにした。ふかふかのバスタオルで身体に張り付く水を拭き取ると籠に入れてある下着を取り出し広げてみた。
『なっ!?母さん・・・こんなの選ぶなよ』
母が買ってきたショーツが女の子らしいピンク色であること事態嫌だったのに、広げられた下着のお尻部分には可愛らしいクマの顔がプリントされていた。
(まじかよ、勘弁してくれよ・・・・)
高校生が穿くには恥ずかしいと思えるショーツのデザインにクマの顔を見つめながら動きが止まってしまった。唖然とする悠を笑顔で見つめ返すクマがいた。しかし、再び汗のついたブルマを穿くには抵抗があるしトランクスも密着しない感じが嫌なので、穿くことにした。
(ちくしょう、俺は何やってんだよ)
女になって可愛らしい下着まで着ける自分が情けなく思えた。ショーツに足を通すと、なかなかぴったりとしていてデザインには不満があったが履き心地は抜群だった。
脱衣所にある悠の全身が写るほど大きな鏡に視線を向けクルクルとその場で回ってみた。ピンク色のショーツと白い肌がお互いを高めあっているようだった。
(・・・可愛い)
目の前にいる胸を前で手組みながら立つ少女を見て頬が赤くなるのがわかった。すると当然ながら鏡の中の少女も頬を染める。少女の可愛さがさらに上昇したとこで自分の愚かさに気付いた。
(何やってんだよ俺は!恥ずかしがったり、姿を確認するなんて女みたいなことして。もっと堂々とすりゃいいんだよ)
だんだん考えも女っぽくなって着たことに気付き仁王立ちをした。恥ずかしい気もしたが自分に言い聞かせ下着のことを忘れるように努力しながらシャツに首を通すとタオルを片手に持ち脱衣所をあとにした。ノドの渇きを潤すために冷蔵庫を開けドリンクを飲んでいると、お風呂から上がったのに気付いた母が話し掛けて来た。
『う〜ん、お風呂上がりで濡れた髪が色っぽいわね〜下着のサイズはどう?』
悠の全身を見たあとにシャツの裾をペラッとめくった、笑顔の熊が顔を出す。
『うわっ、急に何するんだよ!!』
『そんな驚かなくてもいいじゃない。あんたもなんだかんだ言ってるけど、そういう反応は女の子っぽいわよ』
めくられた裾を押さえ後退りする悠の態度に母から、なかなかきつい意見を頂いた。家族とは言え自分の子供の下着を確認しようとするのもどうかと思うが、女になってから女っぽいなどの言葉に過敏に反応するようになった、それゆえにその直後はすぐに反発するようになった。
『誰が女だよ、俺は男だ!!』
『はいはい、わかったわよ。それよりサイズはどうなの?』
『うっ・・まあちょうどいいかも・・・』
かたくなに男という事を強く言ったが軽く流されてしまった。
『まあ念の為に明日は3サイズも測ってもらいましょ、あまり遅くまで起きてて寝坊しないようにね』
『はいはい』
なんだか小言が続きそうなのでドリンクを持ち二階にあがった。自分の部屋に入ると晋也がテレビを見てた。
『姉ちゃん、始まるよ!』
『はいよ』
返事を返すとベッドに乗りあぐらをかいて座った。
『どうした?』
『・・・え、ううんなんでもない』
こちらをぽーーっと見ている晋也に声をかけると慌ててテレビ画面の方を向いた。お風呂上りで火照った肌、大きいシャツのため片方の肩は露出され、膨らんだ二つの乳房の先には突起があり、シャツの裾から見えるピンク色のパンツ、そんなものを見せられ興奮しない訳が無い。晋也は後ろにいる悠を忘れようとテレビに集中した。

「カツッ、カツッ・・・」
暗い廊下を一人の女性が歩いていく、突き当たりの部屋まで。
扉の前に来ると足を止めドアノブを掴もうとする考えがあるものの腕が動いてくれない、この扉を開けることを体が躊躇わせる。扉越しからでも扉一枚先に何かしらの不気味な雰囲気が漂っているのが体に伝わってくる。
「ゴクッ」
唾液を飲み込むと意を決したのか強引に体を動かしドアノブを掴みひねると扉を開け放った。
「キャーーーーー!!」
屋敷中に絹を裂くような悲鳴がこだまする。
『うわーー!ね、姉ちゃん、もういいよテレビ切って』
『なんだよ、これからが面白そうじゃないか』
テレビな内容も後半に差し掛かったところで晋也が恐さから目をつぶりながら抱き着いてきた。
『もういい、充分楽しんだから切っちゃって!』
『はぁ、わかったわかった。わかったから離れろよ。』
怖がる晋也をなだめながら引き離すとテレビの電源を切った。
『まったく、だから見るのやめておけって言ったのに』
『だって恐過ぎるんだもん』
『はいはい、じゃあ晋也はもう寝ろ。明日も微妙に早いみたいだしな』
『え〜、まだ早いよ〜。なんかして遊ぼうよ〜』
さっさと寝かせてゲームでもしようとしたが、さすがに休み前なので寝ようとする気配が晋也から感じられなかった。なんとかして寝かせてしまおうと考えた。
『じゃあ今寝たら夏休み宿題解くの手伝ってやるよ、もうすぐ休みになるしそろそろ渡されるだろ?』
『ほんと!?わかった僕寝るね、来週末辺りには渡されそうなんだ。それじゃあお休み〜』
毎年苦労している宿題をネタに揺すってやると笑みを浮かべて自分の部屋にかけていった。
『ふぅ、なんかしようと思ったけど俺も疲れたな・・・』
学校で下着やらなんやらで恥をかき、トイレでオナニーをして、帰り途中に痴漢にイかされて、なにげにヘトヘトになってしまった。休み前で少し時間がもったいない気がしたけれど体のだるさにやる気も起こらないので寝ることのした。寝る準備を整えるとベッドに横たわり、瞼を閉じていった・・・・。

『・・・うぅ、怖くて眠れないよ』
夜中、晋也はテレビの光景が頭に残り寝付くことができず苦しんでいた。必死に目を閉じ眠ろうとするが恐怖から誰もいないか確認するためにどうしても目を開けて周りを見回してしまう。そんな事を繰り返しているために眠れなかった。
(トイレ行きたくなってきた・・・)
部屋の電気をつけると真っ暗闇の廊下にビクビクしながらトイレに向かった。途中怖くなって、一緒に行ってもらおうと悠の部屋に向かった。静かに悠の部屋のドアを開けて中を覗くと窓から差し込む月明かりで思っていたより部屋の中は明るかった。
『・・・寝ちゃったのかな?』
部屋の静けさに寝てしまっていると思い起きてもらおうとベッドに近づくと悠の姿に驚いた。ベッドに横たわる悠を覗くと大の字に仰向けになって寝ており、寝返りにより衣服が乱れたのかTシャツはお腹までめくれ上がりパンツどころかヘソまでが丸見えになっていた。
『ゴクッ・・・ゆ、悠姉ちゃん?・・・起きてる?』
『すぅ〜・・・すぅ〜・・・』
晋也は悠に小声で話しかけたが反応は無く規則正しい寝息が聞こえて来る。念の為に軽く肩を揺すってみたが反応は無い、よく眠っているようだ。トイレに行く途中なのも忘れて目の前の半裸姿の女性に興奮し始めた。
(姉ちゃん昔から寝るとなかなか起きないからな・・・)
普段ならできない行為も寝ている今なら可能だと、いけ無いと解かっていても興奮には勝てずじっくりと悠の身体を目を通す。
いつ起きてしまうかわからない緊張を少しでも抑える為に自分自身に言い聞かせると悠の顔を覗き込んだ。気持ち良さそうに眠る悠の寝顔を見ているだけで心臓が破裂してしまうのではないかと思わせるほどドキンドキン鳴っている。晋也が悠を見つめる瞳はもはや兄弟としてではなく年上の女性に恋をしてしまった目であった。視線を顔全体から呼吸の為に微かに開かれた唇へと移される。ふっくらとしてみずみずしい唇を見つめると引き寄せられるようにそろそろと自分の顔を近づけていく、悠に息がかかり目覚めないように息を止める。ゴクリと唾液を飲み込み目を細め口を気持ち前に突き出す。晋也の唇に悠のふわっとした吐息がかかる心臓がバクンバクン鳴る。互いの唇の距離が狭まる。
(・・・姉ちゃん)
意を決すると最後に残った距離をゼロにした。温かく柔らかみのある感触が自分の唇とぶつかり潰されていく。触れ合っただけで悠の唇に甘さを感じられた。
『・・・ぅん』
悠から微かな声が漏れる、慌てて頭を持ち上げ唇を離して様子をみると、規則正しい呼吸が突然止められ抵抗しようとして声が漏れたようで首の向きを変えると再び静かな寝息を立て始めた。起きなくて安心すると自分の指を唇に当ててみた。まだ悠のぬくもりが残っているように感じられた。実際触れ合っていた時間は、たいして長くは無いのだが晋也にはものすごく長い時間に感じた。
(姉ちゃんとキスしちゃった・・・)
心臓の鼓動が止まらない、キスの余韻を味わうとゴクリと唾液を飲み込み、ゆっくりと再び悠に近づいた。
『・・・はぁ・・・はぁ』
自分が何かやってはいけ無いことをしているのではないかという罪悪感を抱きつつも、目の前にいる半裸姿の姉を見ていると興奮が罪悪感を上回り呼吸が荒くなる。今度は身体全体に目を動かす。二日前とは別人の様な姿となってしまった兄弟の身体を見直したTシャツとパンツだけで眠る悠の肌はほとんど露出されている。視線を足元から移動させていき、パンツ、ウエストときて二つの盛り上がった丘で視線を止めた。膨れ上がる丘は悠の呼吸に合わせて上下している。
「ゴクッ」
緊張で心音が高くなり唾液を飲み込む音も自分には大きく聞こえた。夕方から何度か顔に押し付け柔らかさを味わったが、やはり朝のように掌で触りたく、この瞬間を待ち望んできた。ドキドキしながら、そ〜っと片手を延ばし丘の上に置くと形状を調べるように手を滑らせ胸の曲線に沿って手を動かす、丸く温かみのある感触が脳に伝わる。
『ぅう〜ん・・・』
たまにくすぐったいのか悠が声を漏らすと、ぴたりと手を止め様子を伺い、平気だと感じると再び手を動かした。ひとしきり撫で回すと再び丘の頂上に掌を乗せ少しづつ広げられた指を閉じていく、ズブズブと沈んでいく指の間からシャツが零れ出す。
(柔らかいよ・・・お姉ちゃんのおっぱいとっても気持ちいい)
顔を綻ばせ素直な感想を漏らした。数回に渡り乳房を揉むと手を離し、そろそろとシャツを捲った。白く透き通るような肌があらわになっていく。丘を登り下ったところでシャツから手を離し覗き込んだ。シャツの上からでも大きいと解かってたが実際の乳房の大きさを見せ付けられ驚いた。昔にお風呂で見た母の胸とは比べ物にならない大きさの乳房が二つ仲良く並んでいた。聳え立つ双丘の先には桃色の乳首があった。ゴクリと唾液が喉をならす。緊張と興奮から震える手をそっと乳房に重ねる、シャツ越しとは違うもっと柔らかな感触が掌を通して頭を刺激する。弾力のある乳房は揉んでも掌を弾くように跳ね返してくる。
『ぁん・・・うぅん』
悠の声によっていつのまにか夢中になって力いっぱい揉み解していたことに気付き揉むのを止めて撫でまわすことにした。
『はぁ・・・はぁ・・・ぅぁん』
晋也の興奮と比例するように悠の息も荒く激しくなっていく。晋也はふと気づくと柔らかな丘の上に硬くなるものを発見した。
(姉ちゃん乳首が硬くなってる)
上から撫でていた掌を横に持っていきサイドから乳房を揉みながら指先で乳首を撫でてやると、今まで以上に悠が悶え始めた。
『ぁあ〜ん・・・ふぁっ・・あっあっ・・』
(ね、姉ちゃん・・・)
悠の声にあわせ空いているほうの手で自分の膨れたモノを掴んだ。まだオナニー経験もなかったが本能的に手を上下に揺すり始めた。
『んっ、んっ、んっ』
『・・・姉ちゃん・・・んっ!』
悠の紅潮する顔をみながら擦っていると、すぐに股間が熱くなるのを感じた。
(あっ・・・おしっこ漏らしちゃった・・・)
下半身が熱くなったのに気付くと今までの興奮が嘘のように無くなり急に頭が冷静になってきた。乳房から手を離し自分のズボンに目をやると、じわじわとしみになっていくのがわかった。瞬間的にヤバイと感じて、まだ荒い呼吸をしている悠を放っておいて、急いで1階の脱衣所まで走っていった。
そのままズボンの穿き返ると晋也は悠の部屋には行かずに自室へ戻り眠りについた。
悠は寝ている間に弟に悪戯されているとは知らずに朝まで眠りつづけていた。下着が濡れているのも知らずに・・・・。

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