1.表彰事業の趣旨について

経済の発展及び国民生活の向上に重要な役割を果たしている食品産業に関し、生産性の向上、食品の安全性確保、流通の合理化、消費者ニーズに対応する的確な対応、新製品の開発、コンプライアンス体制の整備等において顕著な成果を挙げた者及び食品の製造加工等において高度の技術･技能を有する者に対して、農林水産大臣賞、農林水産省総合食料局長賞及び食品産業センター会長特別賞を授与し、広く顕彰するものです。

2.受賞分類

開発部門　「農林水産大臣賞」

3.審査について（功績を認められた内容）

1.製品の安全性向上への貢献について

食の安全性確保の為、厚生労働大臣承認の総合衛生管理製造過程（HACCP）を平成17年11月に取得。従来の職人主導の生産ラインから論理的な組織主導による生産方式によって作業者の意識改革と衛生管理手法の改革がおこなわれました。

• 手洗い等、殺菌の重要性の教育（啓蒙）と遵守。
• 生産前、生産終了時の生産ライン清浄の管理基準を明確にし、記録し、履歴を残すことにより、作 業者間の清浄レベルの格差を撲滅することができました。蒲鉾の原料となるすり身に関する微生物管理は、受入れ検査にてもチェック管理されているが、副原料 の野菜類等についても耐熱菌等も含め受入れ基準を定め取引先へ
• 蒲鉾の原料となるすり身に関する微生物管理は、受入れ検査にてもチェック管理されているが、副原料の野菜類等についても耐熱菌等も含め受入れ基準を定め取引先へ微生物の管理方法の指導も行っており、仕入原料、副原料等の品質向上も計っています。
• 宮城県産業技術センターと連携し、蛋白質分析等、連携して課題解決に取り組んでいます。蒲鉾の生臭さの解決にはTMA（トリメチルアミン）値の管理基準を定め解消しています。現在も、地域性のある県内魚種のすり身原料の臭気の共同研究を行っています。
• 厚生労働大臣承認のHACCP取得にむけた準備段階として、生産ラインの有るべき環境を念 頭に置き、衛生管理の論理的追求と設備の改良を推進した結果、平成13年11月より合成保存料（ソルビン酸）を使用しないで、保存性を維持することに成功 しました。プロセスの改善により、現在においても、さらに保存性が進化しています。

2.地域社会への貢献について

• HACCPの衛生管理手法が定着してからは、保健所の衛生監視員のHACCP手法研修会に利用されて、弊社工場の危害分析のモデルとして、原料等の仕入、生産ライン、保管、出荷までの分析対象として、これまで数度利用されています。
• 地元大学のゼミグループ、学科グループによる工場見学や交流も実施されています。（宮城学 院大学、宮城大学、岩手大学）　その他、地域の中学生、高校生のインターンシップも増えています。地場産業として小学校の副教材に載っていることもあり、 小学生の工場見学は年間5,000名の規模になっております。また、日本食生活学会での講演依頼や、企業の「食中毒と衛生管理セミナー」への講師依頼等が あり、異業種との交流、情報交換も活発化しています。

3.商品開発の独創性について

弊社の主力商品は、「仙台名産 笹かまぼこ」ですが、笹かまぼこは、彩り、形状が単調なため、お土産や贈答用の詰合せ商品としては変化に乏しいことがあります。また、お中元や、お歳暮の贈答期間内の売上比率が高いため、平月の売上に繋がる魅力的な商品開発も重要課題となっています。弊社の商品特徴として、季節商品の多さと華やかさにあります。季節毎の変化を感じさせる商品として、多くのお客様にお手軽なお土産、パーソナルギフトとしてご好評を頂いております。ユニークな商品としては、テイクアウト商品の「ひょうたん揚げ」があります。ルーツは、七夕や青葉まつりなどのイベント用のスナック商品として開発されたものですが、今では、お子様からご年配の方まで、お気軽にご利用いただいております。

4.技術の普及について

さかのぼること、平成13年度（第23回）食品産業優良企業等表彰事業にて、農林水産省局長賞を受賞しております。その後においても、技術力の普及、生産ラインの増強、衛生管理の向上により、バラツキのない、品質の安定した製品を、お客様にお届けしております。

〒981-0021 宮城県仙台市青葉区中央2-3-18
株式会社 阿部蒲鉾店 本社 総務グループ
TEL (022)222-6455
マネージャー 佐藤 武 までお願い申し上げます。