償い

傷心・1 -電話の向こうで起こったこと-

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 鳩音ちゃんと鳶坂さんがデートに出かけた日の夜、鳩音ちゃんから携帯に電話がかかってきた。
 話を聞くと、鳶坂さんに告白されたらしい。
 鳩音ちゃんは嬉しすぎて興奮し、いつにも増して妙なハイテンションで、合鍵とかおはようのキスだとか意味不明な単語を叫んでいた。

 ひとしきり叫んで落ち着いたのか、本題に入る。
 鳶坂さんが今までの彼女とどんな風に付き合っていたのか鷹雄に教えて欲しいそうだ。
 でも、鳩音ちゃんらしく付き合えばいいんじゃないかと思ってそうアドバイスしてみた。

『わかってるよ。だけど、幻滅されたくないの。好きな人によく思われたいって考えるのは当たり前の感情でしょう?』

 鳩音ちゃんの気持ちもわかる。
 本気で鳶坂さんのことが好きなんだ。
 でも……。

「おい、雛。電話の相手、鳩音ちゃんか?」

 わたしが通話に夢中になっている間に、鷹雄が傍まできていた。
 彼の腕が抱きつくようにまわってきて、胸の膨らみを軽く揉まれた。

「だめ、邪魔しないで」

 もう、やだ。
 電話してるのに。

「ちょっと代われ、オレが話す」
「やぁ」

 太腿を撫でられたり、服の中に手を入れられたりと触られ放題になっていた。
 変な声が出そうになって、慌てて口を押さえて堪えた。

「た、鷹雄ぉ、あっち行ってて。鳩音ちゃんの相談に乗ってるんだからぁ」
「渡のことなら、オレのアドバイスを欲しがってるんだろ。だから、貸せ」

 ショーツの中に指を入れられて、敏感な突起を撫でられて、ぴくんと腰が跳ねた。

「きゃああんっ」

 たまらず声を上げてしまった。
 携帯が手から離れて奪われる。
 鷹雄は転がったわたしを体で抱え込むように押さえ、ショーツを脱がせて、再び指で秘所を蹂躙し始めた。

「やだぁ……。んぁ、はぁ……」

 鷹雄はわたしを指で責めながら、わたしの携帯をいじって電話をかけた。
 鳩音ちゃんにかけ直したらしく、アドバイスをしている。
 いやぁ、鳩音ちゃんに聞かれちゃうよぉ。
 必死で声を抑えようと頑張った。

 鷹雄は真面目な話をしながらも、わたしへの愛撫を続けている。
 指が動くたびに愛液が満ちてきて、くちゅくちゅと水音がし始めた。

「雛はちょっと手が離せなくてな。ああ、わかった。伝えておく」

 鳩音ちゃんとの通話が終わったようだ。
 でも、わたしは絶え間なく与えられる快楽で喘ぎ続けていた。

「相談に乗ってくれてありがとう、また明日大学で会おうって言ってたぞ」

 耳に伝言を囁きながら、携帯を置き、空いた手で胸を触ってくる。
 どうしてこんなことになってるの。
 鷹雄の手で受け入れ準備を終えられたわたしは、まな板の上の鯉同然にベッドに運ばれて転がされた。

「たっぷり楽しんだだろう? 次はオレを気持ちよくしてくれよ」

 頼んでないのに、ばかぁ。
 元気よく大きくなった鷹雄の欲望が、わたしの中に入ってくる。
 指とは比べ物にならないぐらい存在感のあるそれが、わたしの本能に火をつけた。

「ああぁん、鷹雄ぉ…やぁ……うぁあん……っ!」

 声を上げて、彼自身を締め付けながら何度もイッた。
 剥き出しにされたわたしの胸に、鷹雄は顔を埋めて口付け、愛でてくれた。
 彼の首に腕をまわしてキスをねだる。
 重ねられた唇から舌が入り込んできて、わたしも応えて絡めあう。
 理性はとっくに崩れ落ち、鷹雄の動きに合わせて腰を振った。

「んぁ…うん……、鷹雄、鷹雄ぉ」

 夢中で彼を求めて名前を呼ぶ。

「雛、……はぁ…うっ……、くぅ……」

 切ない声で、鷹雄が呼んでくれる。
 鷹雄も気持ちいい?
 一緒に上り詰めながら、互いを呼び合い同時に果てた。

 ……大好きだよ、お兄ちゃん。




 流されて交わってしまい、終わった後はぐったりとお休みモード。
 鷹雄の腕枕に頭を預けて甘えていた。
 鷹雄は満足した顔で、瞼を閉じている。
 強引だけど許せてしまうのは、わたしが彼を好きだから。
 こういうのも惚れた弱みと言うのだろうか。
 微笑んで、鷹雄に身を寄せて温もりを感じて幸せに浸る。

 鳩音ちゃん、変に思ったかな。
 明日、どんな顔をして会えばいいんだろう。
 どうか、何も気づかれていませんように。

END


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