注意)子供向けではありません。













‥ねえ。知ってる?

あの時の私。どれだけ悸えていたのか‥‥


「…私が抱きたい?」

思わずそう訊いてしまったのは‥思い出が欲しかったから。

確かに逢えた証を、刻みつけたかったの。



リュカが探しているという、水の指輪を求めて向かった滝の洞窟。

入り組んだ洞窟内は、途中深い水の中を歩かなければならなかった。

すっかり全身ずぶ濡れてしまった私に、困ったよう視線を彷徨わせるリュカ。

ぴったり張り付いた布が躰のラインを強調してるせいだと気づいて、思わず背を向けて

しまう。

けれど…

ドキドキ鼓動を逸らせながら、私はぽつんと口を開いた。

だって‥‥



レヌール城の冒険は、過ぎてく歳月の中、その輝きをより増して、私の中に在った。

二つ年下のリュカ。長い黒髪に紫がかった瞳が印象的な男の子。

小さかった私たちの大冒険は、なによりの宝物として、ずっと光を放っていた。

…思い出の中の少年は、いつしか私の『特別』となるほどに―――


白馬の王子様を夢見るような女の子だと、思ったコトなかったけど。

リュカと再会した瞬間、光の中の少年と同調してしまった。

胸がきゅ〜っと締め付けられるような、鼓動と共に。

だけど。

ふわふわした夢心地の刻は、瞬く間にしぼんでしまった。

―――リュカが結婚を控えてたなんて‥

再会の晩。嬉しさと寂しさとが雑ざってしまった苦しい想いがふと過る。

このまま子供の頃と同じように。小さな冒険を達成するだけで終わってもいいの?

…私はもう、子供じゃないのよ。

ねえ、リュカ?



狭い通路を抜け出た場所にある小部屋程の空間で、水を滴らせるマントを外す。

リュカがプックルを促すと、通路の入り口へのっそり向かい寝そべった。

それを見届けてから、彼はゆっくりと私との距離を詰めてくる。

「‥ビアンカ。…いいの?」

背を向ける私に、惑う手が肩へと降ろされた。こっくり頷くと、強く肩を掴まれて、思い

がけなくきつく抱き締められた。

「ビアンカ‥! 僕はずっと‥。‥ずっと君に逢いたかった―――!」

切羽詰まったようにリュカが情熱的に訴えて、振り向いたカタチとなった私に、優しいキ

スが降りてきた。勢いある口調とは裏腹な羽のような口接けが。

リュカは更に私を抱き寄せると、首筋から肩口に幾つもキスを落としてゆく。 

始めはそっと触れるだけ。時々音を立てて啄んでゆく唇が離れるたび、肩が小さく悸えた。


どくん‥どくん‥どくんどくん‥

高鳴る心音が聴こえちゃってるかも知れない。

背中から回されたリュカの手が、私の胸元へ伸びる。カタチを確かめるように手のひらを

這わせると、チューブトップの端に指を入れ、スッと下へ引き下ろしてしまった。

「あ‥っ。」

まだ湿ったままの服からぽろりと乳房が露になる。

冷んやりとした洞窟の空気に肌がさらされ、小さく身動いだ。

「‥寒い?」

「ううん…平気。」

リュカはふわりと笑うと、ぎゅっと私を抱きしめた。後ろから胸を弄る手に、少し力が込

められる。

「あ…ん‥」

「‥ビアンカの胸、すごく柔らかいね‥」

うっとりと言われ、かあっと頬が染まるのを感じた。背にも食むような口づけが次々と落

とされてゆく。甘く広がってゆく不思議な感覚に、また躯が悸えた。

胸を弄っていた手が、脇腹を滑り太ももから内股を這ってゆく。

「あん…っ。」

脚の付け根を指が辿ると、艶を帯びた声がこぼれてしまった。

ゾクン‥と躯の内が疼いてくるようで。

リュカは薄いショーツの上から脚の間に指を押し当てて来た。まだ湿った下着が泉に浸さ

れ水音を立てる。羞恥に染まった頬に、優しいキスが贈られる。そのまま唇が肩口に降り

てゆくと、離れる間際ペロリと舌で舐め上げられた。

「あのね。私‥初めてなの。だから――」

手際よく進んでゆくのが少し怖くなって、私はリュカに声をかけた。

「うん。優しくするよ。だから、怖がらないで。」

不安な気持ちを察してくれたのか、優しい声音が睦言めいて囁かれた。

小さく頷くと、ショーツに隠れた下の口唇を二本指が捉えた。そのままカタチをなぞった

後、じんわり溢れ始めた泉に深く指が入って来る。ビクンと仰け反らせた白い喉に、吸い

つくような口づけが降りて来た。


「ビアンカ‥愛してる―――」

生まれたままの姿で向き合った私たち。交わす瞳は情に潤んでいて‥

自然と引き合うように肌を寄せながら、リュカが熱っぽく愛の言葉を聞かせてくれる。

『私も‥よ…リュカ…』

そう答えたかった想いを飲み込みながら、情熱的な接吻を受け止めた。

…だって。解らなかったから。

この一時が終わった先が―――



そっと横たえた私に身体を重ねて覆いかぶさるリュカ。

乳房に舌を一頻り這わせた後、ぐいっと脚を開かされると、彼が溢れる泉に挿入って来た。

ゆっくりと慎重に、私の内に彼が挿入って来る。

「ん‥はぁ…ッ。ん‥あ‥あッ…リュ‥カ‥‥‥」

「ビアンカ。…辛い‥?」

額から頬に伝う汗を光らせながら、リュカが気遣うように訊ねてきた。

小さく首を振り、「平気」と答えると、リュカが極上の笑みを見せてくれた。

本当は少し辛いけど。リュカの顔を見ていると、不思議な充実感に満たされる。

今‥私の中にリュカが居る。なんだかくすぐったくて、嬉しくて…



彼の迸りを受け止めた後。弾んだ息を整えるよう横になったリュカに寄り添った私。

リュカの肩口に頭を預けると、静かに腕が曲げられ、髪を梳くよう指が滑った。

「ビアンカ‥。あのね‥」

リュカが躊躇いがちに声をかけてくる。目線を合わすと、頬を紅潮させたリュカが、苦く

笑いかけた。不意に胃の辺りに重いモノがのしかかる。

「…あのね。なんか‥順序が狂っちゃったけど。‥僕は、ビアンカが好きだよ。

 だから…あの‥‥君さえよかったら…一緒に旅をしてくれないか?」

「え…? あの…」

…それって‥どういう意味?

「…結婚を申し込んでるんだ、君に。」

思わず瞳を瞠ってしまう私に、リュカが困ったように微笑う。

「だ‥って。リュカ、婚約指輪を捜してるって‥」

「ああ、確かにそうだけどね。でも‥初めから結婚する気はなかったんだ。誰ともね。 

 でも‥‥。ビアンカと再会して、触れてしまったら…離したくなくなった。

 本当は…こんな旅してる僕に、こんな事言う資格ないんだけど。でも‥‥」

「リュカ‥。私で…いいの?」

「ビアンカだから‥だよ。ビアンカ‥愛してる。」

照れたように微笑った瞳が、まっすぐな眼差しに変わり細められた。

「リュカ…私も‥好きよ。…愛してるわ‥」

重ねられる唇。深まる口づけ。

しっとり汗ばむ躯が再び絡み合って、静かな洞窟に甘い吐息が木霊していった。



リュカと私の冒険の日々の始まりの話―――




2006/7/2

あとがき

以前お友達の所へ寄稿した短編を一部修正してお届けしました。
5主×ビアンカ…ネット公開してる作品は少ないですけど。
大好きだったりします(^^
(この2人だとえっちな話も描きやすいし…v)←新婚夫婦だもんね〜v
…とかいいつつ。さり気に苦労しました★ この時は…
(男同士に慣れ過ぎて…(++;)
リュカ…の作品はこれだけですが。
SFC版でのマイ主人公のアブナイ(?)お話は、結構描いたんだよなあ…
(こちらも寄稿した原稿なので、ネットにUPは致しません)←念の為

基本的にウチの5主人公はビアンカにベタ惚れしてますv
このリュカくんも同様で。
ビアンカにOK貰った時点で、「好き」と言われてるのだと思い込んで
突っ走っちゃった模様です(@@;
だから告白が後回しになってしまった…と(^^;

この作品。
私的には、男女描いた中でもかなりアブナイ表現している作品なんですけど。
BL変換すると、まだまだ…って気がします。(何がだ?)

そんな理由で。
こちらへUPしてしまいましたが…
うっかり読んでしまった良い子・…いませんよね?

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