最近馴染みの3人部屋。
「あのさあ…挿れるのって、気持ちいいの?」
突然、ソロが左右に座るピサロとクリフトに訊ねた。
「‥ソロ。貴様いきなり何を…」
困惑顔で魔王がソロを覗う。
「…そう言えば。先刻マーニャさんと何か語らってましたね、ソロ。」
「あの踊り子か! ソロまで毒すつもりか、あの女は!」
「ねーねー。聞いてんのに。教えてよ?」
怒る魔王に呆れ顔な神官。双方へ目線を送りながら、ソロが促した。
ほんのり染まった頬。少々潤んだ瞳…
「…飲んでるのか?」
いつのまに‥とピサロが嘆息する。
「それ、答えじゃな〜い!」
むう〜とソロが頬を膨らませた。
「‥‥‥悪くないぞ。」
仕方なく‥とピサロがぼそり答える。クリフトがそれに苦笑して。ソロを抱き寄せた。
「…気持ちいいですよ。ソロの中は特にね。」
「そうなの‥? ふう〜ん。」
ソロがほやんと返すと、う〜ん‥と考え始めた。
「あのねえ。オレも…やってみたいな。」
「「‥‥‥!!?」」
更に投下された爆弾に、ピサロとクリフトが仰天する。
「ね‥オレも、やってみたい。やらせて?」
「私は遠慮する。」
「私も‥それはちょっと…」
「え〜? なんで2人とも駄目なの!? ズルい。」
あっさり拒否されたのが気に入らなかったのか。ソロがますますむくれた。
「そうですねえ‥。では…とりあえず、魔王さんに挑んでみてはいかがですか?」
「ピサロに?」
「おい‥神官!」
「ほら‥ソロの初めてって、魔王さんに奪われたのでしょう?
どうやら魔王さんもそっちは初めてらしいですから。いっそあなたが奪えば丁度いいか
な‥と。」
「そっか! クリフト頭いい!」
ぽむ‥と手を鳴らすと、ソロが「じゃあ」とピサロに圧し掛かった。
「ピサロ、いいよねv」
いろいろ驚いてたピサロだったので。うっかりソロに押し倒されてしまう。
ウキウキ笑んで来るソロの微笑みに、思わずざわりと嫌な汗が流れた。
「私などより‥そちらの神官を選んで良いのだぞ?」
考え直せ…と思いを込めて、ピサロが口を開く。
「ううん。ピサロでいいよ。」
「ソロ。手間取りそうならお手伝いしますからね。」
「ありがと、クリフト。」
にっこり応えるソロの後ろで、視線で殺せそうな眼差しを寄越すピサロ。
クリフトは肩を竦めてそれを躱すと、彼をベッドへ縫い止めながら囁いた。
(どうせ途中で挫折しますから。好きにさせてみましょう。)
「…? なんかクリフト言った?」
「ピサロさんに暴れないよう注意しただけですよ。」
にっこりクリフトが笑む。魔王は複雑な表情で彼らを眺め、腹を括った。
「…後で倍返しさせて貰うぞ?」
まな板の鯉状態になってくれた魔王だったが。
だからといって。それですんなりコトが運ぶ訳でもなく…
途中までは。いつもされてる事を思い出しつつ愛撫を施していたソロだったが…
行き詰まってしまった。
「えっと…どうすればいいんだろう?」
「ちゃんと解さないと。入りませんよ?」
「あ‥そーだよね。」
「…それよりも。こっちの方が問題ではないのか?」
拙い愛撫にちょっと飽きてきた魔王が、余り熱を孕んでないソロの中心を掴んだ。
「ィや‥っん…」
急な反撃に、ソロが艶めいた声を上げ躰を引く。
「も‥邪魔しないでっ、ピサロ。え‥っと、なんだっけ‥‥‥?」
ソロは普段自分がされている事を思い起こして…固まってしまった。
さあーっと血の気を引かせ、ぽたぽた涙を落とし始める。
「どうした…?」
「ソロ‥?」
「…オレ。出来ない。」
ぽつんとこぼし、だーっと涙を流してゆくソロ。
クリフトとピサロは顔を見合わせると苦笑した。
思ったよりもがんばったが…基本的に尽くされたい甘えん坊なソロだ。
「向き不向きがあるんですよ。」
「そうだな。」
ソロの隣‥ベッドの縁から足を下ろすよう腰掛けてたクリフトがそっと彼を抱き寄せ、
上体を起こしたピサロが正面から彼を見つめた。
ピサロが盛大に流れ伝う涙に唇を寄せ拭ってやると、クリフトもその反対に唇を寄せる。
労るような扱いに、ようやくソロの顔が綻んだ。
「…やっぱり。いつも通りがいいな‥オレ。」
くすん‥と鼻を啜った後、ほんわりソロが微笑う。
「そうですね…」
「…今宵は加減せぬからな。」
口々に言いながら、ソロの躰に意図を持った手を這わせてゆく。
「ん…いっぱい‥しよーね。」
酩酊するような心地良さに誘われて。ソロは桜色に肌を染めていった――
その後。満足そうに四肢を投げ出したソロがぽつんと語り出す。
「そう言えばね。
あのねえ…。オレ‥口でされるのも気持ちいいけど。
本当はね。挿れられた時が一番気持ちいいんだ。」
ふふ‥と笑んだ後、すう‥と気持ち良さそうに寝入ってしまう。
満ち足りた寝顔を見つめ、その両端から吐息がこぼれた。
「…まあ。そう仕込んだからな。」
「見事に‥染まってましたよ。実際…」
ほんのりと。もしかしたらソロは女性相手も難しいのかも知れない。
そんな余計な心配まで過った夜だった――
2006/4/25
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