「すごーい。ぴったりじゃないソロ!」

喜色交じりの歓声がパーティから上がった。

アリーナが笑顔いっぱいの顔で、ソロの肩をバンバンと叩く。



天空の兜――それを入手したオレ達は、宿へ戻ると早速急かされ装備する羽目となった。

本当は…全然気が進まなかったんだけど‥。

不承不承、手に入れたばかりのソレを装備する。

その兜は…まるであつらえたように、オレの頭に馴染んだ。

軽いはずのその兜が、やけに重く感じるのは、きっとオレの気持ちの問題。

「ふう…。」

思わず漏らした溜め息に、アリーナが不思議顔をみせた。

「あら‥嬉しくないの、ソロ?」

――嬉しいはずがない。

…といって。そんなコト言える訳もなく‥‥小さく首だけ振って答えた。

オレは早々に兜を外すと、コレに興味津々なトルネコに渡した。

「ソロ‥?」

「ああ‥どうせ今は必要ないし。トルネコ、興味あるんでしょ?」

途惑うトルネコに声をかけると、オレは少し休んでくる‥と部屋に向かった。



「…ソロ。気分でも悪いのですか‥?」

しばらくして。部屋のベッドでころんと横になっていたソロの元へやって来たクリフトが

心配そうに声をかけた。

「ううん‥別に。」

「‥そうですか。はい‥これ。トルネコさんから預かって来ましたよ?」

クリフトが天空の兜をソロに差し出した。

「トルネコさんはライアンさんと買い出しに出掛けました。他の皆さんも、それぞれ必要

 な荷を補充するみたいです。ソロも何か入り用でしたら、ついでに買って来ますよ?」

「…んー。特にない‥と思う。」

「そうですか。では今日はのんびり休んでらして下さい。」

行って来ますの声をかけると、クリフトは部屋を出て行った。

残されたソロが渡された天空の兜を見つめ、深く嘆息する。

彼は無造作にそれをベッドへほおると、仰向けに寝転んだ。

「あ〜あ。…本当に‥本当だったんだな…」

ぽつんとがっかり声で呟く。



―――間違いなら良かったのに‥‥



[伝説の勇者]…なんて。これっぽっちも望んでないのに。なんで…オレなんだろう‥?



地獄の帝王を倒す――それは。村の皆の願いだったから。どんなに大変でも、がんばろう

…って、そう思っていた。…でも。それ以上は…オレ‥。オレには…無理だよ。

あいつとは…きっと―――



ソロはきゅっと唇を引き結ぶと、もう一度深く嘆息した。





どうにも晴れない気持ちを抱えたソロと一行は、フレノールへとやって来ていた。

バトランドへ向かう途中。進化の秘法についての手掛かりを求めて立ち寄った、小さな町。

そこで思いがけずマーニャ達の父エドガンの弟子であったオーリンと再会を果たし、そこ

でもデスピサロの情報を入手した。

エドガンが殺されてしまった要因ともなった進化の秘法…それを完成させるのが、デスピ

サロの目的―――



「はあ‥‥」

広場のベンチに腰掛けたまま夜空を見上げながら、オレは何度目か解らぬ吐息をついた。

「ソロは戻らないのですか?」

少し離れた場所からクリフトが声をかけて来た。

「え…。あれ‥アリーナ達は?」

アリーナ・ミネアに誘われて散歩がてら訪れた噴水広場。街灯に照らされた花畑の前でお

しゃべり始めた彼女達から少し離れたベンチに腰を下ろしたオレは、いつの間にか彼女達

の姿が見えなくなってるのにも気づかずに居た。

「もう宿へ戻られましたよ。ソロにも声をかけたのですが。やはり耳に届いてなかった

 ようですね。」

「‥うん。ごめん。」

「彼女達を宿まで送って来たのですが。引き返して来てよかったです。」

クリフトがにっこりと微笑んだ。

「…そろそろ宿に戻りませんか?」

「あ…うん。」

オレは立ち上がると歩き出した。

「―――!!」

噴水の横を抜け、クリフトと共に広場を後にしようとしたその時、町外れに知った気配が

現れたのを感じ、オレは足を止めた。

「…どうしたのですか?」

「あ‥うん。あの…ね、先に戻っててくれる? …オレ、ちょっと出て来るから。」

オレが躊躇いがちにそう言うと、クリフトが思い至ったように頬を染める。

「あ…はい。分かりました。…あまり遅くならないよう戻って下さいね?」

「うん…」

クリフトはオレの頭にふわりと手を乗せて、子供に言い聞かせるよう話すと、オレを残し

歩き出した。カツカツと規則正しい足音が遠ざかるのを聞きながら、オレは踵を返した。

広場を抜けたずっと先の町の端。

ゆっくりと近づく気配を追い、オレは奴との距離を詰めた。



「今宵は早かったな‥。」

「…そう?」

すぐ側の触れられる距離で立ち止まったオレが苦笑する。

「移動するぞ?」

「うん…。」

そう答えたオレを引き寄せ、奴が移動呪文を唱えた。



ふわり‥起こった風が止む。

そっと彼から離れると、川の辺にオレ達は立って居た。すぐ近くには小さな滝も見える。

「ここは…?」

キョロキョロと辺りを窺うオレに構わず、彼がスタスタ滝に向かって歩き出す。

その後を追って行くと、滝のすぐ脇に閉ざされていた入り口が現れた。

滝の裏に繋がっていたその入り口の先には、奥へ続く空間が在った。

入り口は狭いけど内部は広いらしい。静かに響く靴音が闇に融けていった。

しばらく進むと明かりの灯った開けた空間に出た。どうやら部屋らしいそこには、周囲に

ろうそくが灯され、ほのかな明かりが揺らりと空間を照らし出していた。

「‥ふ〜ん。ここも‥あんたの隠れ家なの?」

ゴツゴツした岩に囲まれた空間を見回しながら、ぽつりと訊ねる。

「ああそうだ。」

ピサロはそう答えると、奥まった場所にある寝台らしきものに腰掛けた。

「ふ〜ん、魔王サマの隠れ家にしては、質素だよね‥。」

「…1人で居た時の方が長かったからな‥。」

「え…?」

1人‥って? どういうコトだろうと彼の表情を覗うオレを、奴が手招きして呼んだ。

促され、彼の前まで行くと、ぞんざいに懐から包みを取り出し、オレへと差し出す。

「なに‥これ?」

「…アドンの奴がな。お前に‥と言付けて来たのだ。」

仕方なく…というコトを強調するかのように、嘆息するピサロ。

オレは隣に腰掛けると、早速包みの中身を確認するようリボンを解いた。

やけに少女趣味な可愛いレース包み中は‥‥

甘い匂いのするコロコロとしたお菓子みたいで‥‥

「これは…?」

「金米糖‥という砂糖菓子だそうだ。」

「ふ〜ん‥‥変なモン入ってないよね?」

「人間の街で買って来たものだ。大丈夫だろう。」

小さなトゲトゲだらけの粒をコロコロと手のひらで転がしていたオレだったが、他意もな

さそうだし‥と、試しに1粒口にほおった。

「甘〜い。美味しいや。」

ぽりぽりとかみ砕くと、口中に優しい甘みが広がる。ぱくん‥ともう1粒ほおり込む。



にこにことお菓子をほおばるソロを見ながら、ピサロがひっそりと嘆息した。

ここへ来る前、ロザリーの元へ顔を出したピサロにアドンが渡した小さな包み。ロザリー

の為に、時々人間の店から彼女が喜びそうなおやつを買いに出ているアドンが、ソロの分

まで買って来たと彼に手渡した。「きっと喜んで頂けますよ。」どうもぎこちない2人を

察した彼から伝授された懐柔法。それがこんなに効果があるとは…

先日までやたらと緊張していた表情が、たった1つのお菓子でこうまで和むとは。

(単純な奴‥‥‥)

今更ながら再認識したピサロが小さく吐息をついた。

「あ‥ピサロも食べる?」

「いや‥いい。」

「そう? これ美味しいよ。えっと‥アドンだっけ? お礼言っといてね。」

ソロがにっこりとピサロに微笑いかける。

「あ‥そういえばさ。」

ソロは不意に思い出したように、手を止めた。

「ねえ、稚児‥ってなに?」

首を傾げ訊ねたソロが、上目使いにピサロを見やると、ぱくんと金米糖を口にほおった。

「‥‥‥‥」

彼の視線はすぐに手元へ移ってしまったので気づかなかったが、意表をついたソロの言葉

に、滅多にない呆け顔を一瞬垣間見せるピサロ。

「どこでそんな言葉を‥?」

努めて平静にピサロが問いかけた。

「え…、あのアドンとかって人だよ。オレのコト‥陛下のお稚児さん‥って言ったんだ。」

「ほう…。」

目を細め低く言うピサロに、ソロがビクンと身を竦めた。

「あの…ピサロ‥?」

「いいだろう。実地で教えてやろう‥」

ピサロは不敵な微笑を浮かべると、ソロを抱き寄せ喉元に口づけた。

「あ‥っん‥。ち‥ちょっと待ってよ…」

いきなり仕掛けて来たピサロに惑うソロが身動いだ。

「貴様から誘いかけて来たのだぞ?」

「え…? そんなの知らない‥‥ん…待って‥。」

不服そうに言うピサロに、ちっとも解ってないソロが返す。彼は少しだけ待って‥とピサ

ロを制すると、お菓子の包みを結わえ直した。

ズボンに付けてある小袋へソレをしまい込むと、取って置いた1粒を口内にほおり込む。

「…余程気に入ったようだな。」

半ば呆れるように嘆息すると、

「うん‥こーゆーの好き――っん‥‥」

笑顔を向けたソロに口づけたピサロが、彼の口内に在った塊を奪った。

「…ふん。甘いだけではないか‥。」

「あ…ピサロ、取ったな!」

頬を膨らませるソロ。ピサロは肩を竦めて躱すと、もう一度彼に口づけた。

「あ…んっ‥ふ‥‥‥」

細かく砕かれた金米糖の甘みがソロの口内に広がってゆく。ざらざらとした甘みが唾液に

溶けてゆくのを思いながら、ソロは絡まってくる舌を受け入れた。

下しきれなかった甘い蜜が口の端から伝い落ちてゆく。ピサロはそれを舌ですくい上げる

と、そのまま首筋に顔を埋めた。

「あ‥‥ん…ピ‥サロ。」

吐息混じりの艶めいた声音をぽろりとこぼすソロ。

ピサロは彼の上着を手早く脱がせ、組み敷いた。

露になった淡く色づく果実を口に含め甘噛みしてやると、しなやかな肢体が反り返る。

色好い返事に笑味を浮かべ、ピサロはもう片方の果実を指で転がした。

「あ‥っ。はあ‥‥‥」

「…こっちもすっかり悦いようだな‥。」

勃ちあがりかけたソロ自身に、愉悦を含んだ声がかかる。ズボン越しに緩く撫でられると、

ビクン‥と躯が跳ねた。

「あん…や‥。…焦らさないで…」

情欲に潤んだ瞳で確かな愛撫を求めるソロ。ピサロは身体を沈めると、耳元で囁いた。

「どうして欲しい‥?」

色を含んだ低い声に、ソロが耳元を赤く染め上げる。耳朶をぞろりと舐め含まれ、甘い刺

激に酔う躯が戦慄いた。

「あ…っん。ちゃんと‥して、ピサロ…」

「何を‥するんだ?」

「‥‥オレのに‥触って‥‥」

かあっと羞恥に頬を染めながら、ソロが強求った。        
強求った→ねだった



「ふ…っぁ。あ‥‥ん…はぁ…っ。」

下穿きごとズボンが下ろされると、早速待ち望んだ刺激が与えられた。

滴る先端の蜜を塗り込めるよう絡まる指先が、昂ぶりを瞬く間に追い上げる。

「あ…ああっ…。はあ―――!」

オレより奴にすっかり懐いてしまった中心は、あっさりと熱を放出した。

「はあ…はあ‥」

達した後の心地よい疲労感に身体を弛緩させる。だが‥微睡んでいたいオレの思いなど意

に介してくれるはずもなく、奴は脚をぐいっと開かせると、露になった秘所に放ったモノ

を含ませた。ツプ‥と指が難無く沈んでゆく。

「あ‥ん…ちょっとは休ませてよ…」

不満混じりに声を上げると、意外にもピサロが動きを止めた。

「満足行ったのは、貴様だけだと思うが?」

「…じゃ、オレもお返しする。」

そう答えたオレは、ゆっくりと身体を起こした。一瞬ぽかんとしたピサロが目を細める。

「‥‥ほう。では、やって貰おうか。」

余裕たっぷりの笑みを浮かべ、ピサロが寝台の横の壁に上体を預けた。

オレはすっかり裸にされちゃってるのに。こいつってば、ちょっと着崩れしてるだけ。

余裕の笑みでこちらを見ている奴の前に座り込むと、オレは奴の服を脱がせ始めた。

「…相変わらず、色気ないな。」

不器用なオレの動作にピサロが苦く笑んでくる。

「い‥いいだろ。服脱ぐのに色気なんか必要ないじゃんか。」

「そうか‥まあがんばって見ろ。あんまりモタモタしてると、こちらから仕掛けるぞ?」

にんまりと人の悪い微笑を浮かべる彼に焦りつつも、面倒な帯を解き一気に服を剥ぎ取る。

白い肌がろうそくの優しい明かりに照らし出され、オレの鼓動がドクンと高鳴った。

普段はつい忘れちゃうけど‥やっぱりこいつって…奇麗‥だよな…

「‥どうした?」

ぽかんと奴に見惚れていたオレに、誘うような声がかかる。

オレはおずおずと彼に近づきしっとりと唇を重ねた。

「う‥ん…」

口づけが深まる前にオレは唇を離した。ピサロがしたように首筋に顔を埋めさせる。

唇を胸元まで滑らせると、目に留まった突起をそっと指で辿った。

小さくキスを落とすと微かに身動いだ気がして、顔を上げる。

「‥感じる?」

「…足りぬな。」

「ちぇ‥。やっぱり、こっちじゃないと駄目か‥。」

肩を竦めるピサロに口を尖らせ返すと、オレは奴の屹立した下芯に手を伸ばした。

こっちなら、ちゃんと反応示すと判るもんね。

やんわり握り込むときゅむきゅむ扱いてゆく。息を詰めたような吐息を感じて、

滴り口を空いた指先でつつくと、どくんと質量が増した。

「へへ‥こっちは上達しただろ?」

「…そうだな。」

フッと目を細めたピサロはそう答えると、オレの背から尻にかけて悪戯な手を滑らせた。

ゾクン‥と躯が粟立つ。尾骨の辺りを彷徨う指先から、沸々と何かが生まれてくるような

‥そんな予感に身を捩らせた。

「あん…。邪魔するな‥よ‥‥‥」

ピサロに仕掛けられるとどうしても気がそっちに向いちゃうんだから。

「構わず続けろ。」

オレの願いなど聞く耳持たないピサロが、愉しげに笑う。

堅い猛りに添わせた手を2・3度上下させると、オレは頭を下げ滴る蜜に舌を這わせた。

「‥‥‥っ。」

ピサロの身体がびくんと跳ね上がる。それに気を良くしたオレは、更に唇をソレに押し当

てた。熱い塊がドクンドクンと脈打っているのが伝わる。

「ひぁ‥んっ‥‥」

突然後孔に甘い刺激が走り、妙な声を上げてしまった。

ピサロが指を沈めて来たのだ。深く沈んだ指が曲げられ、敏感な場所を掠めてゆく。

「は‥ぁ…んっ‥‥‥」

すぐに増やされた指が入り口を開くよう蠢き回る。すっかりそっちに意識を持って行かれ

たオレは、奴の脚に縋がり着いた。

「ソロ…」

ピサロはオレを呼ぶと顎を捉え上向かせた。

…余裕なくなってるのはオレだけじゃないらしい。オレは奴に促されるまま彼の膝の上に

跨がった。オレの腰を掴んだ奴が、猛る昂ぶりを解した秘所へ導く。

「あ…っん‥はあ‥‥‥」

自らの重みが奴を呑み込んでゆくのを感じながら、オレは不思議な充足感を覚えていた。

「クッ…締めつけるな。」

「‥んな…解んないよ‥‥」

自身を収めきったピサロの声に、熱い吐息を混ぜながらオレは答えた。

「あ…ふ‥ぅん‥‥」

ピサロが唇を重ね舌を忍び込ませてくる。甘い吐息を飲み込みながら、深い接吻に酔った。

湿った音を響かせ口内を蹂躙する熱い舌が、最奥の熱と合わさり思考を融かす。

オレは頬にかかった奴の銀髪を掻き上げると、そのまま指を滑らせた。サラサラの髪が指

の間を流れてゆく。

「ピサロ…。」

唇が開放されたオレは、愛おしげに奴の名を呟いていた。

「ソロ…っ」

「あ‥はあ―――!!」

大きな突き上げの後、内部に熱い迸りを感じながら、オレも弾けさせていた。





「…ピサロ、もう勘弁して‥‥」

あれから。何度も励まれてしまったオレは、これ以上は無理だと懇願した。

「本当に体力ないな‥貴様は‥‥‥」

「あんたが‥あり過ぎるんだよ。」

呆れるように言うピサロに、肩で息をしながらぼやき返す。

「…稚児の意味、理解出来たか?」

ピサロが思い出したように不敵に笑んだ。

「‥‥つまり。こういうコトする相手ってこと?」

はあ‥と深い吐息をつきながら、うんざり顔で答える。

「そういう事だ。…まあ、間違ってはいないな。」

「あんた…自分の部下にオレのコト、ばれちゃっても問題ない訳?」

「奴は私的な部分を任せた腹心だからな。他言はすまい。」

「ふうん…信頼してるんだね。…でも、もしオレが勇者だって知れたら‥‥」

「…気づいたようだぞ? いい趣味してると苦笑っていたからな。」

「‥‥あんたらって‥わかんねー…」

にやっと笑んでくるピサロに途惑いながら、オレはぽつんと呟いた。





「じゃ‥また。…おやすみなさい。」

奴に町の入り口まで送って貰うと、オレは身体を離し小さく伝えた。

紅の瞳がなにか言いたげにオレを捉えてくる。

そっとオレの髪を梳いてくる奴の手を心地よく思いながら身を委ねると、ふわりと唇が重

ねられた。

「また‥来る。」

「うん…待ってる‥」

小さく微笑い返したオレに、ピサロが目を丸くさせた後すうっと柔らかく細めさせた。



―――今だけは。背負うモノを忘れよう。



あいつが言うように。オレがあいつの元へ辿り着くその時まで。

忘れていたい―――忘れさせて欲しい‥



勇者の使命はちゃんと果たすから…



だから―――





宿の部屋へと戻ったソロは、サイドテーブルに置かれたままの天空の兜をそっと手に

取った。ゆっくりとした動作でその形をなぞって行きながら、ひっそりと嘆息する。



――あいつに温もりを求めてしまったオレを許して…



父さん・母さん・シンシア‥村の皆の顔を次々と思い浮かべ、肩を震わせ乞う。

間違っているかも知れない。

けど…オレはもう‥‥‥



――独りはいやなんだ。



ぽつ‥と滴が兜の正面に輝く玉石に落ちた。雑な動作でそれを拭うと、オレは兜を置き、

ベッドへ潜り込んだ。



‥‥初めは、確かに憎んでいたのかも知れない。けど‥       
訪い→おとない



あいつの訪いがいつも、オレは独りじゃないんだ‥と確認させてくれたのも本当で。



だから‥‥‥オレは―――――



逢瀬に罪を覚えながら、彼の余韻を求めるソロだった‥‥‥




2004/5/25








あとがき

前回の予告通り、甘〜いお話いってみましたv(別の意味でも甘くなったし☆)
今回ソロは、ある意味開き直って、ピサロと過ごせる時間を大切にしよう・・と、
ケンカ越しに構えるのを止めました。(いつまで持つんだか・・・(^^;)
好き―――だけど、いつか終わらせなければイケナイ関係。
一応そのつもりは持っているみたいです。
あの笑顔は、甘いお菓子につられただけではありません(^^ ・・・ちょっとはあるかな?
ソロは結構甘いの大丈夫みたいですv 多分、旅の途中立ち寄った町で、女の子たちと一緒に
美味しいケーキの店なんかでお茶するコトもあるんでは・・・と(^^
アドンの読みは的を射ていた訳ですが。ソロみたいなタイプのあしらいは、彼やクリフトの方が
どうやら上・・・なようです。(っつーか。ぴーサマ、相手の性格を読むコトはしても、それに合わせて
喜ばせる・・・といった思考を持ったコトなかったろう・・と。)
ぴーサマが上手く誘導すれば、ちゃんとにこにこ笑顔を引き出せるんですよね、本当は。

・・・まあ。次回以降どうなるか、判りませんけどv
次回はいよいよ(?)イムルの夢を経たお話になる予定v
ロザリーの存在を知ったソロがどう行動するか・・・・描いてみないと、私にも判りません☆
でわでわ。ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございました!(^^/



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