パデキアの種を王様に渡したオレ達は、早速畑に巻いた種からスルスルと成長するパデキ

アを目の当たりに見た後、無事目的のその根っこを手に入れた。

一刻も早くミントスに戻ろうと、ブライさんがルーラを唱え、オレ達はその日の昼にはこ

のミントスへとやって来ていた。

宿に向かうと、病に臥せった神官の部屋へ真っすぐに訪れる。

部屋では一足先に町へ戻っていたらしいお姫様が看病にあたっていた。

早速煎じた根っこを彼に与える。

真っ青な顔色は、急速に赤みを取り戻していった。



快方を喜び合う3人。自己の不甲斐なさを詫びる神官に、姫様が首を振り「デスピサロを

探す旅を続けましょう」そう答えるのが耳に届くと、ミネアとマーニャがオレへ視線を向

けた。

「‥どうかしたの?」

不思議そうに訊ねてくる姫様に、オレは旅の目的を彼女達に説明した。

「まあ…あなた方もデスピサロを?!」

「以前勇者の住む村がデスピサロに滅ぼされたそうです。もしやソロさんが…」

姫様に説明する神官に、オレは小さく頷いた。



『じゃあ一緒に探しましょう!』

そう言い出したサントハイムの姫、アリーナの申し出を受け、オレ達はまた新たなメンバ

ーを得る事が出来た。

そして、偶然その話を聞いていたという詩人から、勇者を探して旅をしているという戦士

の話を聞かされ、オレ達はその彼が向かったというキングレオを目指す事になった。

長い航海になりそうだ…という事で、出航は明後日。



「はあ…。なんだか慌ただしくいろいろ決まったね。」

今日とった宿の部屋は3人部屋。夕食後。トルネコ・ホフマンと共に部屋へ落ち着くと、

一番端のベッドに腰掛けながら、ほっと息をついた。

「そうですね。明日の買い出しはお任せ下さい。なんてったって得意分野ですから。」

「うん‥頼むよ。出航準備はトルネコがオレ達に指示してね。

 オレ‥そうゆーの分からなくてさ。」

「はい。しっかり手伝って頂きますよ。覚悟して下さいね?」

にっこりと笑いかけると、トルネコは机に向かって何やらメモをつけ始めた。

「ああ…私に構わず2人とも先に休んで下さいね。」

くるりと振り返ったトルネコが、オレとホフマンに声をかけて来た。

「ああ‥うん。じゃ‥オレ風呂貰おうかな。ホフマン、オレ先に使わせて貰っていい?」

「あ‥ええどうぞ。ボクはちょっと散歩に行って来るから。」

ホフマンはそう答えると、そのまま部屋を出て行った。



オレは部屋に備え付けられた風呂へと向かうと、早速湯船へ浸かった。

大浴場と違って狭いけど。1人で入れるってのは助かるよなあ…。

まだ身体のあちこちにうっすらと残る薄紅の跡を見ながら、ぼんやり考える。

「はあ…」

オレは深い吐息をついた。

アリーナ達がデスピサロを追ってるのは、あいつが怪しい‥という考えからだった。

サントハイムの城の人達が忽然と姿を消したという‥不可解な事件に、あいつが関わって

るのでは…? と、武術大会での奴の様子から推測したらしい。

オレは正直ほっとしていた。

彼女達が奴を追うのは、それが唯一の手掛かりだったからで。はっきりとした確証がある

訳じゃない。‥‥‥本当に奴が関わってる可能性が否定されたんじゃないけどさ。でも‥

『確かな恨み』があるのでもない。それだけで、昨日からの緊張が解れてくれた。

それにしても…

あのクリフトって神官も、オレの村の事知っていた。

あの村は隠れ里だった…って聞いたけど。こうもいろんな所で噂されるなんて‥

どうしてなんだろう…?

ぶくぶくと水面に顔を沈めながら、思考に耽っていると、不意に知った気配を感じ、オレ

は湯船を飛び出した。

慌てて身体を拭うと服を着込む。

脱衣所を出ると、机に向かうトルネコに声をかけた。

「トルネコ。オレちょっと出て来るね! …戻るの遅くても心配しないで。」

「はい、いってらっしゃい。お気をつけて。」

ヒラヒラと手を振って答える彼に「行って来ます」を告げ、オレは宿の屋上目指した。



「はあ…はあ…。」

待たせるとうるさいから、全速力で奴が来ている場所にやって来たんだけど。

イライラオーラがもう出てるよ…

屋上へ出る扉の前で、その向こうで高まる怖い気配に、ごくりと息を飲む。

かちゃり‥と静かに扉を開けると、即座に不機嫌な声が届いた。

「遅い。」

「これでも急いだんだよ? …風呂入ってる最中だったんだから。」

待っていた男がツカツカと歩み寄る。濡れた髪へと伸びた手が毛先を軽く弄ぶと、納得し

たのか表情が和らいだ。

「‥確かに慌てて来たようだな。いつもしている耳飾りがない。」

オレの左耳に手を添えたピサロが、そっと語りかけた。低い声音にゾクンと躯が悸える。

「移動するぞ?」

「あ‥うん。」

奴に身体を引き寄せられたオレは、そのまま身を委ねた。

ふわりと移動呪文の風が巻き起こる。



移動した先は、どこかの建物の前だった。

山の中腹にあるらしいそこからは、港町の明かりが一望出来た。どうやらミントスの町か

らそんなに離れてないらしい。

ピサロの後に続いて大きな扉をくぐると、人気のない廊下をひたひたと進む。

ひっそりと静まり返った暗い廊下。差し込む月明かりを頼りに、オレ達は寝台のある部屋

を目指した。

主寝室らしい部屋には、大きな寝台が窓際に置かれていた。

閉ざされていたカーテンを開けると、仄かな明かりが差し込む。

「…でかい窓だな。あ‥港だ。暗いけど海も見えるね。」

ピサロを振り返ると、装備品をソファに掛け、こちらへと歩み寄って来た。

「昼間だったら、街が一望出来るよね、きっと…ん‥」

隣に並んだピサロが顎を捉えると口づけて来た。羽のような優しい接吻が、ほんの少し深

さを増した後、ゆっくりと放された。

「…おしゃべりはもういいか?」

「…うん。」

奴の胸に身体を預けると、そのままベッドへ移動した。

シャツの裾から冷んやりとした手が滑り込む。敏感な突起を指先で挟まれると、ビクンと

身を捩らせたくなる。

「あっ…ん‥‥」

「‥もう固くなってるのだな。」

揶揄するように薄く笑うピサロに、オレは羞恥で頬が染まった。

「…んっ。‥だっ‥て…。あ‥んっ。」

胸を弄る指先とは別に、やんわりとした刺激が下芯を捉え、オレの躯が小さく跳ねた。





「ふ‥ぁ‥んっ。はあ…ぁ‥ピ‥サロぉ‥‥」

散々焦らされた後、奴の塊がオレを一気に穿った。

同時に戒めを解かれたオレ自身が、熱く熔ける内壁から生じた衝動に促され昇り詰める。

重ねられた身体の間に、白濁した蜜が飛び散った。

奴の背に回していた腕に力を込め、より深い繋がりを求めるよう取り縋る。

「はあ…ん‥はっ…ああっ‥」

緩やかに腰が回されると、込み上げてくる悦楽が躯を満たしてゆく。

「ピサロ…気持ち‥いいよ‥‥」

縋りついていた腕の力が抜けると、柔らかな寝台へと身体が沈んだ。

そんなオレを追うように身体を屈めたピサロが、オレに口づけてくる。

「あ…ん‥ふ‥‥。んぅ‥ふあ‥んっく‥」

蕩けるような甘い接吻。送り込まれる蜜を嚥下すると、端を伝う滴を舌で拭われ、離れて

いった。

ピサロはオレの背に両腕を回しながら身体を起こすと、そのままオレを膝の上に乗せた。

「あ‥んっ。」

オレ自身の体重が、奴との繋がりを自然と深める。艶交じりの吐息をこぼすと、オレは奴

の首に腕を絡めた。

「…ソロ。自分で動いてみろ。」

「え…? 動く…?」

なんの事か解らずに、小さく眉が顰められた。

「…このままでは辛かろう? 好きなように動け。」

人の悪い笑みを浮かべるピサロに、言わんとする事を察したソロが頬を染める。

「…どうやれば‥?」

「‥こうして支えてやる。ほら…」

ソロの腰を支えたピサロが、緩く上下させた。

「あん‥はあ‥‥っ。あ…ん…っく。はあ…」

ピサロに促されるまま、自ら腰を動かすと、甘い疼きが次々と溢れて来た。

焦躁ったい衝動が、急速に深まってくる。

「ピサロぉ…オレじゃ‥達けないよぉ‥」

募るのはもどかしさばかりで、オレは既に張り詰めている自身の苦しさも手伝って、

あっさりと彼に先を強求っていた。               強求って→ねだって

「…仕方ない奴だな。」

ピサロはそう言うと、オレの腰を上げ激しく突き立てた。

ギリギリまで引き抜き最奥まで穿つ。抽挿が幾度か繰り返されると、躯を走り抜けた衝動

に、腰が震えた。

「ああっ…はあ‥‥っ。」

オレが果てた後、大きく捩り込んできた猛った塊が、最奥に熱い飛沫を叩きつけた。



「…この前ソレッタで逢ったばかりだからさ。またしばらく来ないかと思ってた‥。」

身体をベッドに預けるピサロに寄り添いながら、オレはぽつりと話し出した。

視線だけこちらへ向けると、腕を曲げ髪を漉いてくる。

その感触を心地よく思いながら、オレは奴の胸元へ指を滑らせた。

「…これからしばらく来られぬからな。勝手な解釈で遊ばれては適わん。」

「え…?」

「躯が夜泣きしても、他の者と交わるなよ?」

「ええっ!? なんだよ‥それ? …そんなん‥しないもん。それに‥‥‥」

ぴっとりと身体を寄せると、奴の鼓動を聴きながら瞳を閉じる。

「…オレもしばらく船旅だから。危ない奴と遭う事もないよ。」

「しばらく逢えぬのはお互い様という訳か。」

「うん…。だから‥今日逢えて‥‥よかった。」

‥‥‥嬉しかった。そう言いかけた言葉を飲み込んで、オレはぽつりとこぼした。

「ピサロ…ね‥続き‥しよ?」



―――いまこの一時だけは。オレはただ‥こいつの所有であればいい。



そう考えると、すごく気持ちが軽くなった。

何も考えず快楽に溺れて‥こうしてこいつの温もりに浸っている一時は…

どんな時より満ち足りてるのだと、気づくのは‥ほんの少し後だった。




2004/3/12





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あとがき
今回もベタ甘モード全開でお届けしました(^^
前回の混乱ぶりから一転、すっかり甘えんぼさんになってしまったソロくん。
彼が言ってたように「もう逢えないかも・・」という不安が、
余程堪えたようです(^^;

傍からみたら、どう見ても恋人同士の逢瀬・・・なのに。
当人達には、未だそういった自覚はどこにもありません。
なのに。
ぴー様ってば。独占欲丸出しですよね、あれじゃ☆

そうそう。今回、このミントスでの2人に、「100の質問」してみましたv
お互い「恋人」・・・という自覚ない2人が、カップル向けの質問に
答えてるんですけど。結構笑えるかも・・・?

興味あったら見て行って下さいねv→近道はこちら♪

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