その2 弛緩した身体から、残っていた衣服を丁寧に脱がせ終わると、鷹耶も身につけて居た衣 服を脱ぎ去った。 「‥今度はゆっくり愛し合おうな。」 まだ息を荒くする彼に甘く瞳を眇めた鷹耶は、軽く唇を重ねると、そのまま首筋へと舌 を這わせて行く。上体を支えた腕と反対の手を横腹に添えながら、唇は鎖骨へと降りて行っ た。降り積もるような愛撫は、もどかしさを伴いながら、少しずつ熱を孕んで行く。 「あ…。ん‥‥」 腰から上がって来た指先が、脇腹を摩ると、色を帯びた声が零れた。 「ここも‥弱いよな、お前。」 その感触を確かめるように摩り、鷹耶は舌を這わせて行く。 「あっ‥う‥んっ。」 ざらりと舐め上げられ、ビクンと背中が小さく退け反った。 可愛いよ…囁きながら、彼の手が下方へと滑り内股を摩る。もたげかけた部分には掠り もせず、指先が緩々と這い回った。 「あ‥や…んっ‥‥」 期待に潤んだ甘い吐息が漏れる。 「クリフト。」 鷹耶は自分の指をクリフトの口元へと運ぶと、促すように声をかけた。 差し出された手に、つかの間の逡巡を見せたものの、彼は目元を染めながらそれを口内 へと含ませた。 「ん‥ふう‥‥んんっ…」 たっぷりと唾液を絡ませるように、丹念に舐めてゆく。 「‥よし。もういいぜ。」 最後に彼の口腔内に溢れる唾液を掬い上げるようにして、鷹耶は静かに指を引き抜いた。 「あ…」 どこか口寂しく思った彼から、名残惜しそうな声が漏れる。 「‥なんか。俺も余裕なくなりそうだな…。」 そんな彼の表情に、更に熱を帯びた自身を感じ、苦く笑いかけた。 「鷹耶‥さん?」 不思議そうにクリフトがその様子を窺う。 鷹耶は彼の足を開くように両膝を深い位置へ滑り込ませた。股へと伸ばされた腕が、更 に開かされると、彼の肩に担がれるような格好になってしまう。 「ふぅ‥んっ…! あ‥は…。ん‥‥」 蟻の戸渡りから蕾に滑った指が、その中心を捉えると、解すように入り込んで来た。 慎重に入り込んだ指は、すぐに増やされ、2本の指が内部を掻き回すように蠢いた。 「んっ…はぁ‥んんっ…」 最初に感じる異物感に眉根を寄せたクリフトだったが、すぐにそれは熱い疼きに変わった 様で、甘く艶っぽい声を滲ませ始めた。 既に一度達したソレも、再び熱を孕み物欲しげに滴らせている。その滴りを蕾に含ませ ると、クチュクチュと淫猥な音が響いた。 「そろそろいいか。」 鷹耶は呟くと、指を静かに抜き自身をその入口へとあてがった。 「んっ‥ふ‥‥」 「く‥っ。」 先端を捩り込ませると、鷹耶が小さく吐息を零した。 ゆっくりと腰を沈めていく鷹耶。クリフトは圧迫感に顔を顰めさせた。 愛おしむような仕草で、汗ばみ張り付く彼の顔にかかった髪を掬い上げる鷹耶。 クリフトは優しく触れる指先に微笑んで返すと、彼の頬へと手を伸ばした。 「‥大丈夫か…?」 気遣い訊ねる鷹耶に、小さく頷き返すクリフト。鷹耶も返すように笑うと、唇を重ねさ せた。 「‥ん…ふ。は…。んん‥‥‥」 互いの舌がじゃれ合うように絡み合う。水音を立てながら、お互いを味わった後、名残惜 しげな銀の糸を残し離れた。 「…動いても‥平気か…?」 そろそろ限界…とばかりに、鷹耶がクリフトを求める。 彼が頷くのを確認して、鷹耶はゆっくりと腰を引かせ、最奥まで穿った。 「んっ‥。」 「‥大丈夫そうだな。」 試すような小さな動きの後、彼は本格的に腰を使い始めた。 彼の律動をより促すように、短く艶めいた声を零していくクリフト。 「あ‥っ。は…ぁ‥んんっ‥‥‥。ああっ‥」 「お前の中、すごく熱くて…最高‥‥」 浮かされるように、鷹耶は色が滲んだ声を掠れさせた。 「あ…鷹‥耶さ…。‥もう‥‥‥んっ…」 腹の間で熱を帯びていた自身が、彼の声に反応し極まった。 「…あ。‥え‥‥?」 それに呼応するように、鷹耶もそのまま放つかと思っていたクリフトは、達する前に自 身を引き抜いてしまった彼を訝しげに見た。 クリフトの内にあったそれは、側に合ったタオルを添えられ、弾けさせた。 「…どうして‥?」 内→なか 不服そうな、そしてどこか寂しげな瞳が彼を見つめる。 「‥今夜は、1ラウンドで終わらせるつもりないからな。」 まだ全然元気だぜ‥? 耳打ちすると鷹耶は瞳を眇め、彼の手を己に導いた。 「な? すぐ2ラウンド行くか?」 まだ足りないんだろ?…甘く笑いながら、耳元で囁いてみせる鷹耶。彼は耳も弱いのだ。 身動ぎ逃れようとした動きは、甘咬みで封じられてしまった。 「んっ‥。」 かあっと頬を染め上げたクリフトは、反論に転じる間もなく、点火してしまう。 「‥なあ。今度はお前が来いよ?」 胡座をかいた鷹耶が、導いていた彼の手に力を込め意地悪く笑んだ。 「そんな…出来な‥ん…っ。んん…」 「…欲しく‥ない?」 塞いだ唇を解放すると、トロンとした表情の彼を、低く甘やかな声が唆してくる。 「でも…」 唆し→そそのかし 「ここに…こいつを‥さ。な…?」 鷹耶は彼の背に回した手を秘所に滑らせると、まだ湿り気のある入口に指を差し入れた。 「あ‥ん。や…んっ…」 身動ぐように、自由な片手で彼の肩を掴むと、腕を突っ張っろうと試みる。だが、内部を 索る動きは、それすら封じさせてしまった。自分の身体を支えるのに手一杯に、すぐなっ てしまったのだ。 鷹耶の手に捕らわれてるもう片方の手は、その存在を確かめさせるように上下させてく る。 「は‥。や…もっ‥‥。鷹‥耶さ‥。」 遠慮なく蠢く指に翻弄され、クリフトはゾクゾク背中が粟立つのを感じた。甘く焦燥った く広がる疼きに、クリフトがねだるように求めた。 焦燥ったく→じれったく 「あ…」 あっさりと指が引き抜かれると、クリフトは鷹耶を責めるように見つめた。 「な‥来いよ…。」 あくまで譲ろうとしない瞳に、クリフトは最後の抵抗を試みる。 「‥でも。…どうすればいいか‥よく…」 「大丈夫。ほら…」 低く響く声に促され、彼の膝に跨がる形を取らされる。クリフトは彼に上体を支えられ ながら、熱い疼きを覚えるその入口に、彼を導いた。 「あ‥。ぅ‥ん…っ‥は‥‥」 「‥そう…いいぜ‥‥」 ゆっくと自身が包まれる感覚に、艶然と濡れた声で囁きかける鷹耶。 「ん…は‥。はあ…。はあ…。んんっ…」 自らの重みが、より繋がりを深めていく。まるで自らの意志を代弁するかのように、沈ん でゆく。いつもとは違うその感覚は、不思議な高揚感を呼び覚ました。 ――この人が欲しい。 そう強く望んでる自分が、確かに在るのだ。 「鷹耶‥さん…。」 最奥まで受け入れると、クリフトは鷹耶に口づけた。薄く開かれた唇から、舌を差し込 ませる。ぎこちなく求めてくる彼に応えるように、鷹耶も舌を絡めた。 「ん‥ふ。は…んんっ‥」 一頻り味わうと、熱さを蓄える一方の下腹部に気がいったようで、彼は熱い息を零しな がら鷹耶に縋りついた。 「は…う‥ん‥‥っ。ああっ‥ん…あ…やぁ‥‥」 目の前に晒された突起を口に含む鷹耶。それを甘咬みされたクリフトは、大きく仰け反っ た拍子で生じた振動に、身震いさせた。 「ほら…。もっと動いてみろって。こうやって‥な。」 「あ‥‥や‥。んっ‥。あっ‥あ‥‥!」 クリフトの腰を支えた鷹耶が、上下に動くよう促した。熱く猛る内部への刺激が増すと、 羞恥に途惑う余裕すらなく、更なる高みを求めてしまう。 「あっ‥あっ‥ん…。は‥あ…」 いつもより深く穿つ塊が孕む熱に融かされる。艶やかな響きが濡れた音と交わった。 「あ‥っ。も‥ぅ…。鷹耶さ‥お願‥‥‥」 縋りながら求めてくるクリフトに、もうとっくに臨界点に達していた鷹耶が応える。 「…っく‥クリフトっ!」 「ああっ‥。鷹‥耶さ‥。はあ…んっ‥‥」 熱い迸りを受け止めると、自らも放った。崩れ落ちる彼の身体を支えながら、鷹耶は自身 を引き出した。ずるり‥と繋がりが解かれると、満足気な微笑を浮かべたクリフトが、更 に体重を落としてきた。 「‥クリフト。‥‥‥‥‥」 既に寝息を立て始めた彼を愛おしそうに抱き寄せながら、鷹耶は眠る彼に聴かれない程 密やかな声で何事か呟いた。 決して伝えてはいけない――― そう誓った禁断の言葉。 鷹耶は小さく口づけると、静かにベッドへと横たわらせた。 深く眠るクリフトに微笑を浮かべる鷹耶。 しんと静まり返った部屋は、夜の深まりを取り戻していた。 |
はい、あとがきです。 自分で書いておいてなんですが・・・・後で後悔するかも?? ・・ってくらい、弾けてみました。 ちょっと煩悩全開してないと、どうにも浮上できなくて・・・ クリフトに犠牲になっていただきました。(合掌) とゆーわけで。 いつになく「みだら」なモノが完成してしまった・・・と(^^; 一応・・「前編」とあるのは、あまりに夜が長くなってしまった為、 予定していた所まで物語が進んでくれなかった・・という事情があるんですが。 これだけでもお楽しみ頂けるとは思います。(多分) はあ・・・。それにしても。 こんなアブナイ話、こんな所にUPしていいんでしょうか? ・・・個人的な知り合いが見てない事を祈ります☆ 今回のお話は、2人の親密度が大分深まってからのもので。 もうすっかり出来あがってしまってるカップルですv 「Level.1」では、まだまだ初いクリフトだったんで。 う〜〜〜んと、濃い話が描きたくて。ベタ甘編いってみました。 描きこめば描き込む程、クリフトが鷹耶に傾倒していってるのが感じられて・・ 戻れなくなりそうです・・・・(^^; ↑ っつーか。自分が既に戻れない道走ってる?(++; だってね。今回のお話を作るにあたっての、一番の目的が・・・・ 鷹耶がやりたくてうずうずしていた「お口で・・」を描く事だったり☆ なんかねー。男女だと、やっぱり描くのは抵抗あるのに、男男だと・・・ 全然OKなんですよね。(むしろ楽しいv) ・・・終わってるな、私☆ こんな妖しくても、ついて来て下さるものでしょうか・・・?(不安) ちなみに。鷹耶がこっそりと言った台詞は、6章に入ってピサロ様が仲間になるまで、 ずっと封印しちゃいました☆ その言葉は・・・クリフトから先に伝えられてしまいます。(「想いの名前2」より) とゆー訳で。 ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございました。 |