水曜日、夢をみた――ソロ
夢を見た。
目が覚めた途端泡沫のように消えてしまったけど‥
とても満ちたりた…でもかなしい夢だった。
「どうかしたのですか?」
優しい仕草で髪を梳き上げて、隣で眠っていた彼が訊ねてくる。
「‥ううん。ただ‥なんか夢見たな‥って。どんな夢か全然覚えてないんだけど。
なんとなく‥忘れてしまったのがもったいなくて。」
「そうですか‥」
「でも‥それはやっぱり夢だから。ほんとじゃないから‥‥」
哀しい瞳で、微かにソロは微笑む。
「でも‥これは…夢じゃないんだよね?」
そう言って、確かめるように彼が触れた。
ふわり微笑まれて、ようやく頬を緩めたソロをクリフトが抱きしめる。
「ええ‥ちゃんと居ますよ。お側にね。」
コクンと頷き、そのまましばらくその身を委ねた。
ある町での穏やかな朝。
静かなひとときが、緩やかに過ぎていった―――