柔らかい毒―――ソロ
初めて交わした口づけは、なにがなんだか解らなかった。
2度目の口づけは、ただ熱くて、気持ち悪いコトされてるはずなのに、ゾクゾクした。
後で知ったコトだけど。
オレはあの時、そういった薬を飲まされていたらしい。
あいつの言うコトを信用するなら、使われたのは2度だけだという。
けど・・・・
あいつの口づけを享受する度、嚥下する蜜は、やはり毒なのだと思う。
オレの心にゆっくりと染み渡る優しいけど辛い毒。
村が滅ぼされて、ぽっかり空いてしまった心を埋めてゆくのは、仇敵であるはずの
ピサロだった。
憎しみとは違う、暖かく安らいだ気持ちへ導く、優しい毒。
柔らかな毒。
それを知りながらも求めてしまう弱い自分。
いつか。
勇者であるコトを放棄してしまう前に、オレはこの毒から離れられるのだろうか?
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