柔らかい毒―――ソロ


初めて交わした口づけは、なにがなんだか解らなかった。

2度目の口づけは、ただ熱くて、気持ち悪いコトされてるはずなのに、ゾクゾクした。

後で知ったコトだけど。

オレはあの時、そういった薬を飲まされていたらしい。

あいつの言うコトを信用するなら、使われたのは2度だけだという。

けど・・・・

あいつの口づけを享受する度、嚥下する蜜は、やはり毒なのだと思う。

オレの心にゆっくりと染み渡る優しいけど辛い毒。

村が滅ぼされて、ぽっかり空いてしまった心を埋めてゆくのは、仇敵であるはずの

ピサロだった。

憎しみとは違う、暖かく安らいだ気持ちへ導く、優しい毒。


柔らかな毒。

それを知りながらも求めてしまう弱い自分。


いつか。

勇者であるコトを放棄してしまう前に、オレはこの毒から離れられるのだろうか?











2004/6/14
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