こぼれた明日―――5主人公 あちこち旅して回っていた。 でも‥帰る場所はいつでも広い背中だったから。 それを失う日が来るなんて、考えたコトもなかった。 傷だらけの背中。 たくさんの血で染まった‥ さっきまでの、ボクとプックルと同じ‥ ドクドクドク‥‥ このままじゃ死んじゃう! 殺されてしまう! 父さんが!! 本当はとっても強いのに。 ボクを庇って‥! そんなの‥そんなのダメだ! 父さん‥父さん‥‥死なないで! 炎に包まれた父の姿――それが最後だった。 一生分の涙を流した‥と思った。 明日は今日の続きだって、ずっと思っていた。 けど…そうじゃなかったんだ。 もう父さんは笑ってくれない。 抱きしめてもくれない。 父を失くしたその日、大切な家族をボクは全部失くしたのだった――― |
2007/7/3 |