その感情に名前をつけるなら、それは…―――クリフト(鷹耶編) 一体いつからだっただろう? この想いの意味を考え始めたのは‥‥ 恋――と呼ぶには、あまりに不安定過ぎて。 会えた日と会話を交わせた日が、とても輝かしく思えていた神官学校時代。 あの頃の自分は、確かに彼女に「恋」をしていた。 いまも‥‥彼女に対する愛おしさは変わらずに在り続けている。 なのに――― あの人と触れ合ってから、着実に募ってゆく想いがある。 この気持ちは…なんと呼べばいいのだろう? 満たされる想いとは裏腹に、どこか吹き抜けてゆく風がある。 触れ合う暖かさを想いながら。 それでも触れられない心を知って、不安に揺れる。 「…クリフト、どうした?」 行為後のまどろみの中。ぼんやりと彼を見つめていたら、優しく訊ねられた。 「‥‥いいえ。なんでもありません。」 「まだ満足してないとか?」 悪戯顔で訊ねて来る鷹耶さんに、小さく微笑んで返すと、彼の背に両腕を回した。 「くす…そうかも知れません。」 そう言ってキスを強求ると、優しく口づけられた。 しっとりと重ねられた口づけは、甘く優しく口腔を巡る。 愛おしさを募らせてゆく接吻‥‥‥ 生じる甘い想いは‥‥‥やはり―――――なのかも知れない。 2004/6/18 |
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