独占欲 ―――クリフト それを自覚したのはいつだったか‥ そう容易くソロの中に深く刻まれた彼を消し去る事は不可能だろうけれど。 喩え刹那でも、私だけを求めさせたい―― そんな想いに駆られるようになったのは‥ だから。 つい忘我の淵まで追い詰めて、縋りつき求めてくるよう抱くのが習慣になってしまった。 ――あなたが思う程、私は寛容な訳でもないんですよ。 深く眠るソロに、声にならない言葉をこぼす。 知らないでしょう。 終生護ろうと誓った姫以上に、あなたが深くこの胸に住みついてる事を‥ それ程に愛おしいから、私は――― ―――ソロ オレは我が儘だと思う。 ピサロのコトを吹っ切るつもりで、クリフトを受け入れたのに。 あいつと、思いがけず共通の敵を追うコトとなった現在。 オレはずっと揺らいでいる‥ だって… 好きだって‥言ってくるんだ。 そんなの嘘だって‥そう思うのに。 真実→ほんとう でも真実かも知れない‥って。 そう思うとオレ… 嫌なコト全部吹き飛んで。ただ… 側に居たい‥って、想いが膨らんでしまうんだ。 なのに… クリフトにも‥オレは同じコト求めている。 ずっと側に居てくれる‥そう言ってくれた彼だから。 居なくなるなんて‥絶対駄目なんだ。 側に居て‥ そう乞うのは‥‥罪‥なんだろうか? ―――ピサロ 誰にも渡したくないと…そう考えてきた。 唯独り、執着した相手だから。 すべて独り占めしたいと‥そう駆られた。 現在も‥その思いが失せた訳ではない。 ‥が。それ以上に優先すべき事態を前に、本来なら憎々しい筈の男と 協力する羽目となってしまった。 それでも。 失くさず在ればそれでいいと…そう願う心が勝って、この不愉快だろう 現状をどこかありがたくも思っている。そう‥ それ程に得難い光だから。 私は2度と見失いたくないのだ。 だから――― |
2007/6/1 |
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