誰かが嘲笑う―――ソロ

夢を見た。とても嫌な夢…

冷たい女の声が、嘲笑っている…そんな夢。

度々オレの夢に現れては、オレを不安で満たしてゆく‥とても不快な夢。

夢に怯えて泣く小さなオレを、父さんも母さんもぎゅっと抱きしめて、

「側に居るよ」と繰り返してた。

母さん‥

母さんはいつだって優しくて、暖かいのに。

でも‥オレは時々苦手で。

よく哀しそうな顔を浮かべていた。

一番悪いのは、あいつだったのに。

ずっと、知らなかったから…

振り返る事もなかった、あの女―――

あいつの正体を。

抱きしめる腕すらないまま、立ち去る後ろ姿。

唯一与えたのは…独りぽっちと言う意味の名だけ。

不幸であれ‥と、贈られた名前ソロ。

だから…

オレが優しさに包まれていると、思い知らせるように、夢の中で繰り返すんだ。

お前は独りなんだよ‥と。忘れるな‥って。

嘲笑うその声は、目覚めると不安ばかり残して、消えてしまう。

けれど‥

いつまでも忘れたままじゃない。

思い出したんだ、全部。

本当にいらないのは…あんたの方だって。


そして知ったの。

欲しかった腕が、ずっと近くにあったコト。だから…

もう‥‥バイバイ

2007/11/17

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