沈黙は同意―――ピサロ
「貴様は本当にそれでも良いのか?」
私を引き込もうと立ち回る男に、疑問をぶつける。
今のソロに触れるには、どうしてもこの男の媒(なかだち)が不可欠なようだから。
私に否など申せるはずもないが…
だが‥私が奴の立場であれば、そのような事認めはせぬ。
「‥まあ、あなたの仰りたい事も分かりますけどね。
それだけ必死なんですよ、こちらもね。」
そんな考えを読んだのか、不審の眼差しを向けた私に奴が苦笑した。
「ソロは思い詰めると、妙な方向へ突っ走る傾向がありますから。
そうならない為にも、不安要素は減らしていかないと。」
確かに。ソロの行動は予測つかぬものばかりだった。
「クス‥どうやら魔王さんも、いろいろ振り回されたようですね。」
「ふん…。だが知らぬぞ。こちらはいずれきっちり返して貰う心積もりだからな。」
そう含んだ冷笑を返せば、彼方も微笑で返してくる。
人間…というものは、どうも理解出来ぬな。
‥沈黙は同意。
ならば‥‥
遠慮はいらぬだろう?
2006/8/23
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