雨に溶けて―――ソロ
降り止まぬ雨を見つめながら。
オレは思ったよりも静かな感情に不思議な感慨を覚えていた。
デスパレス――魔族の納める城。
突然捕らわれて。
魔力を封じられ、鎖に繋がれていると云うのに。
雨が止んだら帰す――そんな言葉を信じたからだろうか?
ううん、そんなんじゃないな。
多分、どうでもいいと‥すべて終わらせてくれたらと願っているから‥
みんなが心配している――
そんな思いすら揺らいでる今、いっそ何もかも終わりに出来たら楽だろうと。
願う心があるから‥
降り止まぬ雨。
いっそこのままいられたら‥
無理と理解っていながらも、過ぎる思いが苦しくて―――
あの日から始まった関係すべて
雑多な思いと共に、洗い流せたらいいのに。
この雨に溶けてしまえたら‥どんなにか‥‥
―――全部流してくれないかな?
この身ごと‥すべて‥‥‥
魔王さまにお持ち帰りされてしまった時のソロの心情。
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